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ハイゼンベルクの顕微鏡~不確定性原理は超えられるか 単行本 – 2005/12/28

4.1 5つ星のうち4.1 19個の評価

ハイゼンベルクが発見した不確定性原理は、量子力学の一応の完成を告げると同時に、量子力学の物理的解釈をめぐって論争の種をまくことになった。量子力学の数学的定式化はフォン・ノイマンによって達成されるが、このときノイマンは不確定性原理がもたらす量子の観測問題にも手を染めた。量子力学を疑う人々がほとんどいなくなっていったこととは裏腹に、観測問題については「シュレディンガーの猫」「ウィグナーの友人」「EPRパラドックス」などのさまざまな疑問が提出され、長い間にわたって論争が続いてきた。
 量子力学における観測問題を決着させたのは、日本の数理物理学者であった。その新しい観測理論は、ハイゼンベルクの不確定性原理に修正を迫る結果になった。
 本書はハイゼンベルクやシュレディンガーなどのあまり知られていないエピソードをたっぷりと紹介しながら、不確定性原理がいかに発見され、その後いかなる道をたどったかを物語る。

商品の説明

著者からのコメント

 現代社会は量子力学に多くを負っています。コンピュータを動作させる原動力の半導体は、量子力学なしでは今日の隆盛はあり得ませんでした。インターネットで情報を運ぶ手段となっているレーザー光の技術も、量子力学なしには発展できなかったでしょう。その量子力学の基本原理が「ハイゼンベルクの不確定性原理」です。
 1927年、天才物理学者ハイゼンベルクは次のように宣言しました。量子の世界では、物体の位置と速度を同時に知ることはできない。この関係は非常に簡単な不等式で表されます。そしてハイゼンベルクはこの原理を、ミクロの世界を見ることのできる仮想的な顕微鏡を使った思考実験によって導きました。本書の表題はそれにちなんだものです。
 ハイゼンベルクの不確定性原理は以後、絶対的な基本原理として君臨し続けてきたのでした。しかしそこには、あいまいな点が残っていました。75年間、誰も指摘しなかったこのあいまいさを、ある日本人科学者が明快に整理して説明したのは2002年のことです。それは発見者の名をとって「小澤の不等式」と呼ばれています。ハイゼンベルクが発見した不等式は絶対不変の原理ではなく、小澤の不等式によって乗り越えられるかもしれない、という可能性が出てきたのです。
 しかも20世紀後半の技術進歩によって、より小さな現象を測定することが可能になってきました。ハイゼンベルクの不等式が正しいのか、それとも小澤の不等式が正しいのか。それは遠からず実験によって証明されるでしょう。
 本書はその新しく発見された小澤の不等式が、どのようなものであるかを解説します。ギリシャ時代から今日に至るまで、物理学上の基本的発見のほとんどが欧米で成し遂げられてきました。現代の物理学を象徴するハイゼンベルクの不確定性原理が、日本人科学者の手によって覆されるとすれば、こんな痛快なことがまたとあるでしょうか。(著者:石井 茂)

著者について

 

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 日経BP (2005/12/28)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2005/12/28
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 272ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4822282333
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4822282332
  • カスタマーレビュー:
    4.1 5つ星のうち4.1 19個の評価

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石井 茂
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2009年10月4日に日本でレビュー済み
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量子力学の基本原理であるハイゼルベルグの「不確定性原理」について、日本人の小沢正直 名古屋大学教授(本書が書かれた頃は東北大学教授)が新たな不等式を提示しているということはなんとなく知っていましたが、それについての説明を試みています。

とはいえ、本の大部分については量子力学の創設から量子力学の確率解釈であるコペンハーゲン解釈を巡る物語に費やされています。
量子力学の中核的な基礎理論でありながら、古典物理学者たちが違和感を感じていた部分であり、その不等式自体の問題点を明確にするためには必要なことだと理解できますが、小沢の不等式を直接的に扱っているボリュームを考えると、少々アンバランスを感じるかもしれません。
しかしながら、その記述は非常に丁寧で、量子力学の黎明期についての出来事が理解しやすくなっています。
アインシュタインが、量子力学には理論的に不備があるとしていろいろな反論を試みたのは有名な事実ですが、一方でその量子物理学者たちを積極的にノーベル賞に推薦していたという事実はあまり知られていないのではないでしょうか?
そんなこともあり、このようなボリュームも量子力学自体の理解のためには、必要な記述であると思います。

小沢の不等式については、これからの観測技術によって確かめられていくことだと思いますが、昨年ノーベル賞を受賞した小林−益川理論も正しいとは言われつつ巨大加速機の開発とそのパワーの充実、そして観測の精度が上がってきて、35年を経て理論が実証されてきたことを考えると、その不等式の正当性の実証にはだいぶ時間がかかるような気もします。
それでも、日本人が物理学の応用分野ではなく基礎分野に貢献するというのは、非常に画期的なことであると思われるので、その結果を気長に楽しみに待っていたいと思います。

量子力学の創世記を理解するのに、もってこいの一冊だと思います。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2024年4月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
結構面白かった!
物理関係が好きな人は読んでもいいと思う!
大学生以下でも、興味で読めるものです!
2015年4月16日に日本でレビュー済み
量子力学の世界で長らく正しいとされていたハイゼンベルクの不確定性原理(以下①)が理論的には破れている事を日本人科学者の小澤正直(まさなお)教授が発見した。本書では量子力学の勃興から①が成立するまでの過程を示したうえで①に対する典型的な解釈や、それに関する説明がなされている。数式が結構でてくるので、はっきりいって専門外の人間には内容を完全に理解する事はできないだろうが、初期量子力学の歴史的な背景などは楽しく読めると思う。また、本書が最終的に示唆しているのは量子コンピューターの実現可能性が上がった事である。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2008年3月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ハイゼンベルクの不確定性原理の歴史をレビューし、最近の発展である小澤の不等式の紹介をした本である。

著者の意図は、物理の最も基本的で、しかも常に論争のネタであった、不確定性と観測理論の分野で、最近あった我国からの大きな貢献を紹介することであろうと思われる。そのために、その分野のレビューを書くはめになったのであろうが、このレビューが非常にいい。物理の部分は必要十分で分かりやすいし、第二次大戦前後の物理学者群像の歴史としても楽しめる。まあ、分かりやすいと書いたが、観測理論なんて、ある意味一番難解な分野だし(そう、数学がそれほど難しいわけでもないのに、やたら難解なんですよね)本当のところ分かったかと言われると心もとない。それでも、ある程度イメージが湧くのは、やはり良い解説だ。

小澤の不等式は、物理量本来の「ゆらぎ」と測定に関わる「誤差と擾乱」の違いが完全には理解できなかったので、どうも釈然としなかった。途中ちょっといい加減に読んでたからなあ。その違いさえ認めれば式自身は分かりやすく、「大発見やー」であるのは分かった。

一つ読んでいて解説して欲しいなあと思ったのは、EPR パラドックスと情報伝達の問題だ。EPR パラドックスの解説を見ると、情報が光速以上で伝わるように見える。それって、特殊相対論に違反すると言うか、それと特殊相対論を使うと因果律が崩壊しそうに思える。そこんとこどうなんでしょう。

語り口も平易だし、物理に疲れたら歴史で口直しできるし、バックグラウンドに関係なく物理に興味を持つ人皆さんにお薦め。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年6月17日に日本でレビュー済み
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この本は量子力学が奇妙な非常識な結果になる根本原因である二つの要因の一つであるハイゼンベルグの「不確定性原理」に焦点を絞って書いてある本である。もう一つの奇妙な性質は「量子の絡み(エンタグルメント)」といわれる性質で、こちらの方は「ベルの不等式」がアスぺの実験によって破られたことから成立していることが確かめられている。

ハイゼンベルグは行列力学によって量子力学を定式化したが、この行列は量子の状態をフーリエ展開した単位波動の各項をヒルベルト空間の各局所における観測可能な位置と運動量にみた立てて記載したもの(行列A)である。この行列に別の作用演算子の組(行列B)を掛け合わせることによって相互作用の結果を確率的に予測できる体系が量子力学に他ならない。行列の掛け合わせでは左から掛ける場合(BA)と右から掛ける場合(AB)があり一般的に両者は一致しない。また、AB或いはBAが固有値解をもつ場合のみが意味をもつので固有値行列をλEとすれば(AB-BA)≠0になりその解である固有値も(λ1-λ2)E≠0となり、固有値が異なることになるのである。

ハイゼンベルグはこの誤差を定量的に定式化して次のような不等式を得て、量子顕微鏡の思考実験から不確定性原理を解釈して意味を与えている。
・(位置の測定誤差)x(運動量の測定誤差)≧h/4π
 量子を観測する場合、波長の短い光子を当てて観測せざるを得ないが、当てた光子によって量子の運動が 撹乱される。また、当てる光子自身も波長をプランク波長より小さくはできないので、位置に関しても不確定性はゼロにはできない。

一方、その後にケナードは位置と運動量を表す行列式が確率的であることから、それぞれが標準偏差の不確定性をもっているとして、次のような不等式を得ている。
・(位置の標準偏差)x(運動量の標準偏差)≧h/4π
 量子力学の本質として確率を扱うことから、それぞれの事象の発現にあたって避けられない不確定性が含まれている。

この両者の不等式は同じものとみなされ、混在して「不確定性原理」として一般的に説明されているため、位置と運動量の一方を精密に観測すると観測されない他方が無限大に拡散するといった、物理事象では非常識な結論が出てくるある種の「観測問題」が生じてくるのである。アインシュタインを中心にしたEPR批判よって喚起された「量子エンタグルメント」の問題は「シュレディンガーの猫」として観測問題になったが、概ね、観測機器において量子エンタグルメントが崩壊することで成立していることが定説になってきているので、不確定性とは直接的には関係がなさそうである。しかし、後出する小澤理論では量子力学の2大基礎原理である量子エンタグルメントと不確定性原理は密接な関係があるのである。

例えば、電子軌道(雲)が原子核に落ち込まずに安定しているという事象は、フェルミ粒子の電子が陽子に落ち込んで位置が同じになろうとすると、不確定性原理より電子に無限大の運動量が与えられて軌道を回復する、という量子力学解釈が成立しているのであるから、不確定性原理自身は量子力学の根本原理であることは揺るがない。
しかし、人間が精密に運動量を観測すると位置が無限大に不確定になる、というハイゼンベルグの解釈に基づく結論は如何にも不合理である。また、ケナードの不等式は一種の統計的手法であるから人間はある標準偏差をもったある量子の位置と運動量しか観測できないという結論が出るだけで、多くの観測を行った後に統計的処理と行うのと同じ結論を得るだけである。

ここで小澤の不等式の登場である。この本では説明が省略されていて理論的根拠が判然とはしないが、不等式の形式と本の説明からから私なりの解釈を示しておこう。(位置:Q、運動量:Pで示す)
・(Qの観測誤差)x(Pの撹乱)+(Qの観測誤差)x(Pの標準偏差)+(Qの標準偏差)x(Pの撹乱)≧h/4π
 ある量子(P、Q、t0)の観測を行うとその探針を光子によって行うが、それが観測後に量子の状態は(Q'、P'、t1)になる。つまり、ある量子の量子エンタグルメントと探針の光子のエンタグルメントが合成された結果が生じることになるのである。つまり、観測後の探針によって得られた位置の情報(M)は量子系の合成後の探針の量子系の測定値であり、合成された誤差を含んでおり、観測後の運動量(P)も撹乱の変化を受けているが、既に観測後の量子と探針の系は相互作用がないので不確定性はないことになる。従って(PM-MP)=0が成立する。これを変形して小澤の不等式が出現するのである。
観測における不確定性は、観測誤差と本質的確率誤差の掛け合わせになっているということなのである。
なお、Qの標準偏差とPの標準偏差の積の項は本質的な誤差であるから、観測前も観測後も同じであり、観測の前後で引き算によって消去しているのである。

EPR批判が成立しないこと(量子エンタグルメントが成立していること)が10数年後の近年の実験によって証明されたので、EPR実験のように量子エンタグルメントによって実測しない観測ができると、探針いよる撹乱がなく量子の運動量が観測できることになったのである。(実際にはスピン量であるがここでは同じことである。)このとき、不確定性原理がハイゼンベルグの不等式であれば位置が無限大に発散することになるが、量子系の一方が遠方で観測された瞬間に対の量子でそのような事象は生じていない。ハイゼンベルグの式ではなく、小澤の不等式では例え観測誤差をゼロにしても、第3項が残るので運動量が無限大になる必要がなく何ら問題はないのである。
確かに小澤の不等式は数学的に導出されたものであり、物理学的実証を欠いているため大きな評価は受けていないが、理論物理学の分野に数学者が参入し、これまでの学界の常識にとらわれない基礎研究を行ったことは高く評価されるべきである。

物理学において理論物理学が主流を占め出して約一世紀になるが、量子力学などは素直な認識論を超える理論であり、これらの物理学を支える「オッカムの剃刀」や「素朴実在論」を超える新しい哲学的基礎が必要なのであろう。「ヒルベルト空間におけるベクトル(テンソル)」なる存在は一体どのような存在なのであろうか。理論物理学の最先端では人類は既に現実世界を超えた一つの可能世界に生きているのではないだろうか。
この本は量子力学の基礎理論に一石を投じた理論の紹介であり、問題提起の書である。星五つを進呈したい。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2006年5月8日に日本でレビュー済み
ハイゼンベルクの不確定性原理ほど、謎だらけの物理理論はない。確率的にしか確定できない物理量などというものがこの世に存在すること自体も不思議であるが、回折スリットをすり抜ける光子の動きや、ERPパラドックスに至っては、あたかも、量子が意志を持っているかのような不可解さにあふれている。

本書はこの不思議の世界に挑戦した、幾多の天才物理学者たちの人間模様を縦軸に、量子の理論を横軸に描き出した良書である。特に、アインシュタインやハイゼンベルクなど著名な量子物理学者以外の学者達にも光を当てて、彼らがどのように量子力学構築にかかわってきたか、さらには、日本人物理学者がこの分野でも大きな貢献をなしている意外な事実が書かれている。

惜しむらくは、量子力学の理論の説明がもうひとつわかりづらく、すんなりと頭に入ってこない。著者はできるだけ数式を使わずに、平易に解説しようと試みてはいるのだが、説明文があいまいで本質に迫っていない印象を受けるのだ。本書を読みこなすには、少なくとも、高校生レベルの物理の知識が必要だが、それは差し置いても、物理学者の葛藤のさまを俯瞰するだけでも読む価値のある書である。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2011年4月5日に日本でレビュー済み
ハイゼンベルグの不確定性関係、というのは、物理を習ってない人でも聞きかじったことのあるものであろう。
そしてそれは同時に、非常に誤解の多いものでもある。
本書では、ハイゼンベルグらの量子論黎明期から始まり、最新の量子測定理論の成果(小澤の不等式)までを紹介してくれる。
読みものなので物理の知識はなくても大丈夫だろう。

前半は量子論の歴史と量子論の簡単な解説の感じ。
最後の二章で、最近の量子測定理論によって、不確定性関係がどのように修正されたかが述べられ、併せて「小澤の不等式」が紹介される。

ただ、書き方が量子論そのものの展開があると思えば、ハイゼンベルグやシュレディンガーといった個別の人物のエピソードを長々紹介していたりと、まとまりはないように思った。
また、量子論の理論的な話も、分かりやすく書いているが細切れな印象は否めなかった。

とはいえ、コンパクトに量子論の過去から最新の展開を知るにはいいのではないかと思う。

【専門的な補足】なお、本書では「小澤の不等式」ですべて問題が解決したかのような書かれ方だが、量子論の先生に聞いたところそれは正しくないらしい。
小澤の不等式は数学的導出なので正しいが物理的意味付けは不明確であり、有意義かどうかは議論の余地が大きいとのこと
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2015年12月4日に日本でレビュー済み
この本は量子力学における科学史の本である。
著者が理学部出身の日経BP社員ということもあり、大変わかりやすかった。

ネットで他の学者のレビューを拝読したところ、数式の誤りが少しばかりあるらしい。
量子力学初学者の私にそんなことはわからなかったが。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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