中古品:
¥80 税込
配送料 ¥240 5月31日-6月2日にお届け(20 時間 58 分以内にご注文の場合)
詳細を見る
コンディション: 中古商品: 非常に良い
コメント: ◆◆◆非常にきれいな状態です。中古商品のため使用感等ある場合がございますが、品質には十分注意して発送いたします。 【毎日発送】
Kindleアプリのロゴ画像

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません

ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。

携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。

KindleアプリをダウンロードするためのQRコード

何か問題が発生しました。後で再度リクエストしてください。

見えない宇宙 単行本 – 2008/7/3

3.9 5つ星のうち3.9 11個の評価

現代宇宙論の最大の研究テーマになっているダークマターとダークエネルギーの正体を追い求める物語。銀河の回転速度の観測から、宇宙は望遠鏡では見えない物質に満ちているらしいことが数十年も前から知られている。それはダークマターと呼ばれ、世界中の天文学者と物理学者がその正体を解明しようと努めてきた。ダークマターを検出しようとして世界中でさまざまな実験施設が作られ、検出まであと一歩のところまで来ていると考えられている。本書はダークマターの候補として有望なものを一つずつ、理論的な面から吟味してゆく。理論的な検討の結果、ダークマターはまだ発見されていない新しい粒子であることが明らかにされる。余剰次元を動き回る粒子などが有力な候補の一つとされる。もしそうだとすればダークマターが物質に見えているのは実は錯覚であり、本当は高次元の幾何のために隠されてしまう粒子の運動である。ダークエネルギーの発見はもっと最近のことで、宇宙の膨張速度が加速しているという観測結果に基づいている。宇宙の何もない空間にもエネルギーがあり、それはアインシュタインの重力方程式の宇宙項にあたると考えられている。ダークエネルギーがなぜ今のような大きさなのかという問題が取り上げられ、超ひも理論の真空の種類や人間原理といった最近のアイデアを検討している。理論的な天文学の最前線の雰囲気を楽しめる一冊だ。世界天文年2009日本委員会の公認書籍でもある。
続きを読む もっと少なく読む

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 日経BP (2008/7/3)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/7/3
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 300ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4822283259
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4822283254
  • カスタマーレビュー:
    3.9 5つ星のうち3.9 11個の評価

著者について

著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

カスタマーレビュー

星5つ中3.9つ
5つのうち3.9つ
11グローバルレーティング

この商品をレビュー

他のお客様にも意見を伝えましょう

上位レビュー、対象国: 日本

2008年10月2日に日本でレビュー済み
若手の宇宙素粒子物理学者が、宇宙に溢れる「見えないもの」について書いた科学読み物。ダークマターとダークエネルギーについて書かれている。

まず、ダークマターから話は始まる。ダークマターが相対性理論においてどのように存在を推定されてきたか。そして、観測の結果がそれらをどう支持し、反証してきたか。例えばダークマターの候補だったものとして、ニュートリノが挙げられている。そして、観測として日本のカミオカンデの事例も挙げられている。素粒子物理学や超対称性理論は、この理論予測と観測結果の関わりで導入されてくる。それは、現代物理学の発展を追うように書かれている。理論が導入された経緯が分かり、その理論の意義も明らかとなっている。

次に、宇宙の歴史についてのおなじみの話が続く。ビックバンと宇宙のインフレーション理論の話。宇宙の歴史が主眼の本ではないので、ここは比較的さらりと紹介されている。

この宇宙の歴史の話を踏まえ、ダークエネルギーの話へ進む。ゲージ対称性やヒッグス粒子などの話が登場。ここも適切な比喩によってたとえられており、すんなりと読むことができる。著者の力量がうかがえる。多次元の中を運動する粒子の話は、とてもよく書けていると感じた。

最後に、1970年代に流行した超ひも理論の盛衰について。そして超ひも理論がダークエネルギーの問題のなかで、再び優勢となっていることに触れる。宇宙物理学についての著者なりの未来予測をもって本書は終わる。

著者はB.グリーン『エレガントな宇宙』に感銘を受けたと言う。そして、物理学者となった後でも、物理読み物本をよく読んでいたそうだ。それもあってか、筆致はとてもこなれていて読みやすい。この話題に興味のある人にはおすすめである。ただしダークマターに関する部分では、次々と候補が挙げられては消されていく。ざっと読んだだけでは、混乱してしまった。「あの候補はどうなって、結局どれが最終的な候補なんだっけ??」と読み返すこと数回であった。

とりわけ感じたのは、著者の科学者としての誠実さ、とでも言うものである。例えば、超対称性理論について、対称的で美しいからという理由で理論を支持してもよいのか、と逡巡している。また、超ひも理論についての評価もかなり慎重である。さらに、相対性理論以外の可能性にも何度も言及され、MONDという理論にも言及される。特定の理論の賛美に終わる本もあるなか、これは非常に信頼のおける態度であると感じた。
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年8月2日に日本でレビュー済み
本書は「素粒子宇宙物理学」の最前線の若手研究者(理論家)によって書かれた最新宇宙論の一般向け解説です。ダークマター/ダークエネルギーという「見えない」ものが何故登場せざるをえなかったのか、その正体はどういうモノだと推測されてきたのか、それは宇宙の進化(ビッグバン、インフレーション等)や物理理論(一般相対論/量子論/素粒子論/超ひも理論)とどのような関係にあるのか、ということが分り易く解説されています。
一冊読み通すと「大切な事は目に見えない」(星の王子様)の言葉通り、自分の身の回りには"見えないモノ"に溢れているんだなぁと実感されます。(ニュートリノはそのうちの一つですが、ダークマターの有力候補ではありません。そんな事情もチャンと説明されています)様々な仮説を打ち立て、測定限界ギリギリの最新実験を重ねることによってのみ、「見えないモノ」の実態がだんだんと分かってくるんだ、つまり「物事は心で見ないと良く見えない」んだ、ということがよく分かります。また、質量、エネルギー、温度、力(重力など)など「よく分かっているつもり」の概念に関する理解が深まります。「真空≠空っぽ」って分かるだけで見える景色が変わってくる気がしてきませんか? (^-^)
数式は殆ど出てきませんし(→ 例え方が上手い!)、自己完結的に読める本ですが、宇宙の進化に関する他書(※)と相補的に読むと面白いかもしれません。
(※)私の場合、「僕らは星のかけら 原子をつくった魔法の炉を探して」(マーカス・チャウン)、「ビッグバン宇宙論」(サイモン・シン)、「相対論がもたらした時空の奇妙な幾何学」(アミール・D・アクゼル)などの本の予備知識があったので いっそう面白く読めました。
17人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年10月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ダークマター入門書としてはかなり手強い。読み進めるのは苦痛であった。その上、読み終わって理解できたことは少ない。

ひとつには、素粒子や宇宙をとらえようとすると、私たちの日常的経験とは全く異なる物理的事実と理論を理解しなくてはならない。素粒子の世界では私たち一般人の常識ではとても感覚的に理解できないことが起こる。極小で全く見えないものから、光の速度ですら到達できないとてつもない大きな宇宙を想像するのは、訓練のできていない頭ではなかなか難しい。

おそらく英語の原文で著者は、この一般人が経験しない極小と極大の世界を行ったり来たりするガイドをうまく務めているのだろう。しかし、「一つには、ダークエネルギーの密度は宇宙にある物質の密度とほとんど同じ程度の大きさで、前者は後者のおよそ2〜3倍大きいということがある。」という日本語表現を、すらりと読解することができるだろうか。(ちなみに「同じ程度の濃さ」とおきかえてみると読みやすい。)この訳書は全体的にこのようなトリッキーな表現が多い。

さらに、(科学工学書の訳本ではよくあるのだが)「may」が「かもしれない」と訳されることで、筆者の主張するポイントがへなちょこになってしまい、読者はますます混乱する。(ここで「読者はますます混乱するかもしれない」と書いたら、だいぶ印象がかわると思うが、英語で言えば、The reader may get confused, when 'may' is translated into KAMOSHIRENAI which is taken as 'it is probable'.だ。)

素粒子研究の分野で3人の日本人がノーベル賞を受賞したこのタイミングで、興味を持たれる方も多いと思うが、この本は少しハードルが高い。だが、決して誤訳ではないので、丁寧に何度も読み返せば勉強になるだろう。
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年1月26日に日本でレビュー済み
最近の観測技術の向上に伴って、次々と新たな知見が集まる天文分野だが、理論面での進展も見逃すわけには行かない。特に2008年は、理論物理の分野で日本人のノーベル賞受賞者が注目された。だが、ますます細分化、専門化する理論物理についてわかりやすく最新の話をまとめた一般書はなかなかない。

本書では、ダークマターとダークエネルギーをキーワードに、最新の物理理論分野についてわかりやすく構成された一般向け科学書。ダークマターなどは、言葉だけが独り歩きしてしまって、いまや多くの素人でも知っていようが、ダークエネルギーについては初耳の方も多いのではないだろうか。我々の存在しているこの宇宙で、(少なくとも現時点で)「観測できる」物質はほんの数パーセントで、ほとんどはダークエネルギーと言う未知の物質(物質かどうかも議論の分かれるところ)で構成されている。これだけ書くとなにやらオカルトめいた感じもするが、これは実際の実験観測データに基づく理論的な結論であって、厳然たる事実である。

ダークエネルギーとは一体なんなのか? 現時点では全く手探りの状態であるが、それでもいくつかの候補は挙げられている。そのダークエネルギーのストーリーを中心に、量子理論の解説から始まり、ひも理論、素粒子の話が丁寧にわかりやすく展開される。特に本書では、全ての物質には対になるものが存在すると言う、超対照性に焦点を当てた記述が豊富で、これは他書には見られない興味深い内容であった。

扱っている内容、そして結論は専門的でかつ最新。だが、若手の研究者が執筆したと言うこともあり、要所要所挑戦的な語り口もあいまって、刺激的でかつ読みやすい。今後の宇宙論の行方が楽しみになる一冊。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年4月17日に日本でレビュー済み
 ダークマターやダークエネルギーに関して若手の研究者が説明されているので、普段その知識を得ることが難しい一般の人もその状況を垣間見ることができます。ダークマターが太陽系の中にも普通に存在し、身の回りにも見えないが当たり前にあることの意味はとても大きい。まったく知られていなかったニュートリノについても日本の研究者たちの尽力の甲斐もあり、その意味がすこしづつわかってきていますが、ダークマターに関しても見えない存在ではありますがその意味が少しづつわかって来ることを期待したい。ダークマターやダークエネルギーについてその本質を捉えることは将来の科学技術にも貢献し得るものとも思えます。
2009年2月14日に日本でレビュー済み
物理学者が一般向けに書いた書籍は大抵面白いが、これもまたしかり。
あなたが純文学好きでも、すんなり入っていけます。
特に専門知識はいりません。日本語が理解できれば十分楽しめます。
たまに宇宙のことを考えるのは楽しいな、と思える本。
あ、中性子星の重さにびっくりしました。もうギャグとしか思えない重さでした。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年8月19日に日本でレビュー済み
 知人から紹介されて読んでみましたが、「宇宙物理は難しい」という第一印象を見事に裏切ってくれました(実際は難しいのでしょうけど…)。
 ゆっくり読んでもよくわからない個所もありましたが、それ以上に新しい発見がたくさんあって早く次を読みたいという一心で読み進めました。たとえば、「原子核の中は予想以上にすかすか」とか「地球などの惑星も宇宙レベルで観ると量子的なふるまいをする」とか「中性子を構成する素粒子に電子がある」とかです。物理・化学の知識が高校1年レベルで止まっている私には、知らなかったことばかりで驚きの連続。
 ダークマターや素粒子の本を読んで勉強してから再度挑戦したいと思います。
2009年10月2日に日本でレビュー済み
理論物理学者による一般読者向けの最新宇宙論として非常に読みやすく、且つアインシュタインの相対性理論発表以降100年の宇宙論史の概観もバランス良く見渡しており、宇宙論の入門書としても適している。何より、未だその存在が実証されていないダークマター・ダークエネルギーの存在について、賛否両論を併記しており、一方的な視点を読者に強いない客観性は好感が持てる。まだ若手の研究者である著者は今後の素粒子論の発展に大きな希望を抱いており、若さ故とも言えるその楽観を自覚もしている様子だけれど、巻末で示されたSF的な未来展望を著者と一緒に見届けたい思いに駆られる。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート