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解 (サイコ・クリティーク 17) 単行本 – 2012/7/1

3.6 5つ星のうち3.6 32個の評価

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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 批評社 (2012/7/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2012/7/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 170ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4826505590
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4826505598
  • 寸法 ‏ : ‎ 13.1 x 1.4 x 19 cm
  • カスタマーレビュー:
    3.6 5つ星のうち3.6 32個の評価

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加藤 智大
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2021年3月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
犯罪の心理を勉強したくて、発売間もなく購入。もう何年も経つのか、と読み直し。これと『解+』を読めば賛否は別に事件と裁判中の気持ちを知ることはできる。なるほど評論家や心理学者の意見が、本人曰く間違えているとの主張も筋は通っている。
あれから10年弱、そろそろ執行間近かと思う…。今、佐藤死刑囚の気持ちはどんなものなのだろか?拘置所内で同階に収容されている被告の手記から、佐藤死刑囚が目撃され、悔恨していると噂が流れている。
果たして死刑囚の心は、事件前-事件中-逮捕勾留中-裁判中-確定死刑囚中でどうかわるのだろうか?
確定死刑囚の外部とのやり取りが困難であり、また、ニュースの風化が著しい昨今、執行の時ぐらいにしか話題に上がらないだろう。
17人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年9月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いやー、くだらなかったです。
彼がどれだけ掲示板に対して熱かったか、そして彼の説く掲示板でのお約束事情、
そしてその憩い場を荒らされるというのがどういう事か、
そういう掲示板についての説明がかなり長々と理屈ぽく書かれてます。

そして憩い場だった掲示板を荒らした、
何処の誰かもわからない顔も見えない人に復讐する為に事件を起こした。
それをメディアが大きく取り上げてくれて、
その荒らした人もテレビを見てきっと改心してくれてるだろう。
これによって自分のトラブルは「解決」したとまで言い切っています。

勿論、彼は反省もしていますし謝罪もしていますし後悔もしています。
でも彼自身で分析した事件への衝動と流れは、やはり共感には遠かったです。
掲示板を荒らされた時の怒りならばよく解ります。
アイデンティティが崩壊していく様を自らで見ながら何もできないもどかしさ、激烈なイラつき、解ります。
自分も以前、固定ハンドルを名乗るくらい掲示板のヘビーユーザーだったので、
成りすまされた時とかは、もし目の前にその本人がいたら頭を金属バットでぶん殴って殺したいくらい、
そのくらいの瞬間的な怒りが沸き上がったものです。
でもそれも結局、パソコンの画面を切ればすぐに収まります。どうでもよくなります。
それを彼の弁で言うと、対策として「社会と接点をたくさん持って欲しい」との事らしいです。
接点が沢山あれば、パソコンの画面を切って他の事に意識を向けられる、と。
でも私もヘビーユーザーだった時は社会と接点なんか薄かったし(友達も恋人いない)、
そもそも薄かったからこそ掲示板なんかに張り付いてヘビーユーザーになったのでしょうから。

でも成りすまされたからって、大きい事して気づいてもらって復讐なんて普通は考えません。
結局、加藤くん本人の人格異常という、簡単な結論に逃げたくなるくらい、不明瞭な言い分の羅列でした。

彼はこうも言っています。自分の犯した事件は通り魔ではなく、社会に絶望したわけでもなく、
死刑になりたかったわけでもなく、
いわゆる「誰でもよかった」系の無差別殺人でもない。
顔の見えない相手に復讐する為に大きい事件を「矢」に替え、その矢をメディアが運ぶ事で、
的(復讐相手)に当てる、そのような事件だと。
こういう自分のような事件が、二度と起こらないように防いで欲しいって…
そんな異常な動機では二度と起こらねーよ!って言いたいです。お前だけだわ!、と。
とにかく、彼独自の路線で突っ走った理屈っぽい文章、それも掲示板の文字の読み取り方の説明とか、
つまんない内容の羅列ですので、きっと多くの人には合わないと思います。
そのくせ、事件そのものの描写はあまり多くないんですよね…「ほとんど記憶が無い」らしいので仕方ないですけど。

自分は新品の定価で買いましたが、はっきり言えます、損しました。
158人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年12月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルの通り。ただ死刑制度は欧州の民主主義国家に倣って廃止すべきだと思った。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年5月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
常々「自分だって何かあれば犯罪者になるかもわからない」と他者の犯罪を見て我が身を振り返ることもあったが、これを読んで「犯罪を犯す人間はそもそもそういう傾向のある人間だけなのではないか」という風にも感じた。「どんなことがあっても自分はこういう風には考えないし行動しないな」と。まるで異質な人間であった。
48人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年8月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
作者は現在公判中であり、自分を良く思ってもらうためにはなんでも言うさ、と思う人もいるでしょう。こんな本を書くこと自体、事件への反省が全然なされていないと言う人もいるでしょう。
そう思う人は、これを小説やフィクションと思って読んでみたらどうかと思います。怒りをうまく他のものに転化できない、怒りから自動的に導き出された行動を止めることのできない人物を主人公としたものとして読むのです。書いた人がどんな人だとしても、この本の有意義さは、誰にでもあるものと信じます。誰にでも、この本の主人公が持つ危うい自動思考はあるのですから。
53人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年2月10日に日本でレビュー済み
 事件そのものの描写は、意外なほど簡略である。難しいこと、不可解なことが綴られているわけではない。文章はきわめて平明でわかりやすい。見苦しい自己弁護や責任転嫁があるわけではない。よく自己を分析し、過去を振り返った上で、犯行にいたった経緯あるいは心意を、きわめて「正直に」告白している。おそらく、その「告白」の内容は、読者の予見を裏切るものがある。
 どのような犯罪者であれ、犯罪者は、取調べの過程において、裁判の過程において、あるいは事件をめぐる報道において、犯行の「動機」を追究される。それは、警察官を、検事を、弁護士を、裁判官を、犯罪心理学者を、報道関係者を、あるいは国民一般を納得させられるものでなくてはならない。
 誰もが納得しうる犯行の「動機」、犯罪者自身の真摯な「反省」、そして被害者への「謝罪」、この三つが揃ったところで、ようやく犯罪者は犯罪者として、犯罪は犯罪として受容される。
 犯罪者によっては、弁護士が用意したストーリーに沿って、誰もが納得できるような「動機」を語る者もあるかもしれない。ところが、少なくとも加藤智大被告においては、全く事情がことなる。自分なりに考え抜いた犯行の動機を、それが人々を納得させることができるかどうかについて顧慮することなく(むしろ、それが人々を納得させえないことを承知で)、「正直に」、また自分の言葉で書き綴ったのである。
 同書の「まえがき」にはこうある。
《今回、改めて全てを説明しようと、この本を書くことにしました。私はどうして自分が事件を起こすことになったのか理解しましたし、どうするべきだったのかにも気づきました。つたないながら、それを説明できる言葉も見つけました。それを書き残しておくことで、似たような事件を未然に防ぐことになるものと信じています。》
 また、同書の「あとがき」にはこうある。
《私は、見ず知らずの人をまるで道具のように、人を人とも思わぬ犯行で殺傷しました。無差別殺傷事件の動機は、社会に不満があり、社会から抽出した人を殺傷して復讐した、とされるのが一般的ですが、私は社会への不満など持っておらず、秋葉原の通行人に対しては何の思いもありませんでした。むしゃくしゃして誰でもいいから殺したい、と、やつ当たりで殺傷したのですらありません。自分の目的のために、まるで道具のように、というより、まさに道具として人命を利用した、最悪の動機でした。本当に申し訳ないことで、改めて、心よりお詫び申し上げます。》
 加藤被告は、自分の犯行に対してなされた世間の「解釈」を拒否している。そうした世間の「解釈」に反論するために、この本を書いたのであろう。
 同事件については、さまざまな解釈がある。しかしまず、犯行をおこなった本人の「解釈」を聞くべきだろう。犯行自体、前例のないものであったが、この本もまた、「稀有」なところがある。
36人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2012年10月28日に日本でレビュー済み
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加藤智大『解』を読んで
吉元信行
この度、あの秋葉原通り魔事件の加藤智大が、『解』という手記を出版した。ひととおり通読したが、題名の「解」というより、まさに「不可解」であり、「未解決」の手記である。
 本書では、事件前から事件後の裁判までの本人の考えを客観的に綴っている。事件前までは、インターネットの掲示板に、成りすましに踊らされた経緯を自己弁護している。「成りすまし」とは一体どういう者なのかについては何も書いていない。
事件については、成りすましらへの心理的攻撃であったと位置づけている。事件を起こすことによって死刑になりたかったわけではない。社会的な死、孤立の恐怖は耐えがたく、それより肉体的な死の方がまだ救いがあると思えたという。掲示板での孤立は、死刑以上に辛かったのである。
逮捕後取り調べや裁判の過程で、本人なりに様々な分析をしている。要するに、この大事件を利用して、成りすましらを心理的に攻撃したと断言している。そして、社会への不満などもっておらず、秋葉原の通行人に対しても何の思いもなかった。自分の目的のため、まさに道具として人命を利用した最悪の動機であった振り返る。もちろん、被害者の人たちに対しては本当に申し訳ないことをしたと、お詫びの言葉を述べているが、本書は、自分が成りすましらを精神的に傷つけた犯人としての立場で書いたと言い訳をしている。
全体を読んでみて、やはりおかしい。人命を道具としてしか見ておらず、この事件で、その「成りすまし」という人物がどう考えたのかもわからない。まったく不可解で、後味の悪い書物であった。
しかし、本人は本文中で、「それを書き残しておくことで、似たような事件を未然に防ぐ事になるものと信じています」と言い、また、「私がこうして書いたものが誰かの命を救うことになったら、わずかでも償いができるのではないか」とも書いている。
本事件の裁判では死刑を言い渡され、再審請求に対しても死刑の判決であった。最後に引用した本人の願いがあれば、更生の機会もあるかもしれないと思うと、死刑の判決は残念であり、何とかならないかと私は思う。
32人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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