数学は、三角関数や微分積分でつまづくレベルの典型的な文系人間である。
本書は、初めから三読するつもりで読み始めた。まず、一読目だ。
4章くらいまでは、さほど難しい内容ではなく、割とすらすらと読み込める感じである。
5章絶対的証明の成功例にはいると、数学的な内容がぐっと深まり、ところどころついていけない感じが強まってくる。
6章写像とその応用からは、単語レベルでわからない説明が増加するが、
7章ゲーデルの証明を理解するためには、決して避けて通ることのできない説明が尽くされている。
8章(終章)は、ゲーデルの証明が真であることを前提とした人の理性に関する記述である。
ここはゲーデル理論の有用性がコンパクトにまとめられているので、理解の有無に関係なく、概観することができる内容になっている。
文章はとても読みやすい。理解が難しいからと言って、他の類書をあたる気は全く起きなかった。
理解していない自分が言うのも口幅ったいが、本書を二読、三読することが結局近道になるのではないかと考えている。
①公理系が無矛盾なら不完全である。 ②公理系が無矛盾であれば、自身の無矛盾性を証明できない。
ゲーデルの不完全性定理を理解することで、外的世界の在り様や内的世界の在り様について、何か新しい視点を獲得できるのだろうか?
そんな漠然とした思いから本書を紐解いたのだが、その問い自体が的確なのかどうか、更に読み込んで考察を深めていきたい。
二読目(平27.5.23)
二読程度では、やはり十分理解はできないものの、初読に比べると若干の進展はあった。
初読は、5章から混迷の度が増していく感じであったが、今回は大筋不完全性と無矛盾性の関係が論じられていることがつかめた。
無矛盾の公理は不完全さを含み、完全な公理は矛盾を含むという骨組みが、うっすらと見えてきた感じだ。
6章におけるリシャール数と写像の概念は、不完全の証明を、算術体系から算術的言明に翻訳することを可能にする。
リシャール数と写像の概念は、ゲーデル理解のキー概念だ。
おぼろげではあるが、ここを押さえたことは次につながる大きな収穫になるかもしれない。
で、7章では完全に息切れ状態…。字面を追うのがやっとで、意味不明な文字列が延々と続く感じだ。
ここは読解力以前に、数学的感性の鈍さ、基礎知識の乏しさによるところが大きいように思え、三読前に別テキストで修行を積む必要がある。
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ゲーデルは何を証明したか: 数学から超数学へ 単行本 – 1999/3/1
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- 本の長さ170ページ
- 言語日本語
- 出版社白揚社
- 発売日1999/3/1
- ISBN-104826900872
- ISBN-13978-4826900874
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内容(「MARC」データベースより)
「数学とは何か」「証明とは何か」をめぐって、数学観に革命的な変革を迫ったゲーデルの破天荒の業績を、「不完全性定理」を中心に分かりやすく解説する。1968年刊「数学から超数学へ」の改訂新版。
登録情報
- 出版社 : 白揚社 (1999/3/1)
- 発売日 : 1999/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 170ページ
- ISBN-10 : 4826900872
- ISBN-13 : 978-4826900874
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2015年3月21日に日本でレビュー済み
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2014年4月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
確かにわかりやすい気がするが、リーマン幾何学の意味が理解できないとぽかーんとする可能性が大きい。
最初の難関は、ユークリッド幾何学とリーマン幾何学との違い、数学における無矛盾性の価値はどれほどあるのかをきちんと理解できるか、だと思われます。
最初の難関は、ユークリッド幾何学とリーマン幾何学との違い、数学における無矛盾性の価値はどれほどあるのかをきちんと理解できるか、だと思われます。
2011年7月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自分は文学部の学生で数学はまったくの専門外ですが、いままで不完全性定理に関する本を読んで得られた知識を多少なりとも深められたように思います。
不完全性定理の数学的な証明を理解したいという人はそう多くないと思いますが、定理の意味を理解するだけでもかなりの予備知識は必要です。この本は予備知識をそこそこカバーしてくれるという意味で、自分のような素人には良いのでは。
不完全性定理についてサラッと解説してある本を数冊読んだ後にこれを読むと、それまで見えてなかった部分が見えてくるのではないでしょうか。これと併せて岩波文庫の『不完全性定理』もおすすめです。
不完全性定理の数学的な証明を理解したいという人はそう多くないと思いますが、定理の意味を理解するだけでもかなりの予備知識は必要です。この本は予備知識をそこそこカバーしてくれるという意味で、自分のような素人には良いのでは。
不完全性定理についてサラッと解説してある本を数冊読んだ後にこれを読むと、それまで見えてなかった部分が見えてくるのではないでしょうか。これと併せて岩波文庫の『不完全性定理』もおすすめです。
2012年1月13日に日本でレビュー済み
ゲーデルの不完全性定理を一般向きに解説した本は多いが著者が理解していないのではないかと思わせるようなものも多い。本書は殆ど数式を使わずに(多少はあるが数学書としては無いに等しい)不完全性定理の証明方法を非常に分かりやすく説明している。逆に理科系の読者には物足りない部分もあるかもしれない。原書は初版を少年時代に読んだDouglas Hofstadterが編集して更に分かりやすくなっている。
数式ではなく言葉の説明を主体にした本は翻訳を通すと分かりにくくなる場合がある。英語に抵抗がなければ原書(ISBN: 9780814758373)をお勧めしたい。両者を一部比較してみたが、本書の日本語には意味が分かりにくい箇所が所々あった。数学をある程度知っていても一瞬戸惑ったから初学者であれば尚更だろう。また翻訳では原書の脚注を本文に盛り込んでいるため文章のつながりが不自然な部分もある。数学の証明は積み重ねなのでどこかでつかえると先へ進めない。ゲーデルの不完全性定理の証明の手順を追うだけならそれほど難解ではない。本書で理解できなかったとしても諦めないでほしい。
英語に抵抗がなければ本書の原書が文句無しに初学者向けにお勧めだが、日本語となると他のレビュアーも挙げている野崎昭弘氏の「不完全性定理」が比較的分かりやすいと思う。岩波文庫の林晋氏訳の「不完全性定理」は日本語を読んでいて誤訳と気付く箇所がいくつかあった。誤訳であることは当該箇所をドイツ語の原文と照合して確認した。誤訳を除いても使われている論理記号が当時のものそのまま(現在の∃や∀に相当するEやΠ)である上に記号を説明していないのが不親切である。高橋昌一郎氏の「ゲーデルの哲学」は数学の説明に非常に間違いが多いので論外である。哲学者が数学や科学について発言するのは構わないが少なくともその意味を理解してからにしてほしい。
数式ではなく言葉の説明を主体にした本は翻訳を通すと分かりにくくなる場合がある。英語に抵抗がなければ原書(ISBN: 9780814758373)をお勧めしたい。両者を一部比較してみたが、本書の日本語には意味が分かりにくい箇所が所々あった。数学をある程度知っていても一瞬戸惑ったから初学者であれば尚更だろう。また翻訳では原書の脚注を本文に盛り込んでいるため文章のつながりが不自然な部分もある。数学の証明は積み重ねなのでどこかでつかえると先へ進めない。ゲーデルの不完全性定理の証明の手順を追うだけならそれほど難解ではない。本書で理解できなかったとしても諦めないでほしい。
英語に抵抗がなければ本書の原書が文句無しに初学者向けにお勧めだが、日本語となると他のレビュアーも挙げている野崎昭弘氏の「不完全性定理」が比較的分かりやすいと思う。岩波文庫の林晋氏訳の「不完全性定理」は日本語を読んでいて誤訳と気付く箇所がいくつかあった。誤訳であることは当該箇所をドイツ語の原文と照合して確認した。誤訳を除いても使われている論理記号が当時のものそのまま(現在の∃や∀に相当するEやΠ)である上に記号を説明していないのが不親切である。高橋昌一郎氏の「ゲーデルの哲学」は数学の説明に非常に間違いが多いので論外である。哲学者が数学や科学について発言するのは構わないが少なくともその意味を理解してからにしてほしい。
2008年4月15日に日本でレビュー済み
集合論の素人にも、ゲーデルの不完全性定理が理解できるように書かれている本。
評判どおり、非常にわかりやすい。
無論、証明自体は厳密なものではないのだが、ゲーデルの証明のアウトラインはきちんとわかるようになっている。
論理記号の意味にまできちんと解説がついているぐらいだ。
これまでのゲーデル本は、1.わかるけどゲーデルの言ったこととは違う、2.わかる人にしかわからない、が多かったが、この本は初心者に分かり、かつゲーデルの論の核心を捉えている本だといえよう。
本書は基本的にわき道がない。
論理の完全性定理と、算術の不完全性定理のみが扱われており、ゲーデルの生涯とかは載っていない。
不完全性定理を知りたい人が、最短ルートで知ることができるようになっている。
さて、ゲーデルの不完全性定理には誤解も多い。
ナーゲルの、「それ(ゲーデルの分析)は、算術の無矛盾性に関する超数学的証明を一切排除するものではないのです。ゲーデルの結論が排除するのは、算術の公式的演繹によって写像できるような種類の、無矛盾性の証明なのです」(p129)という主張はきちんと聞いておくべきでしょう。
実際、「算術の無矛盾性の超数学的証明は、ヒルベルト学派のひとりであるゲルハルト・ゲンツェンによって1936年に、そして、それ以後なん人かの手によって、実際に遂行されてきたのです」(p129)から。
ですので、「ゲーデルの証明を絶望への誘い、あるいは神秘主義の擁護と受け取ってはなりません。形式的に証明できない算術的真理が存在するという発見は、永久に知ることのできない真理の存在とか、あるいは筋の通った証明を(中略)”神秘的"な直感で置き換えねばならぬとかいったことを意味しません。また、(中略)”人間の理性に説明不可能な限界"があることを意味するものでもありません。さらにまた、人間の才知の完全な形式化が不可能であること、そして証明の新しい原理が、いつまでも発明あるいは発見されずにいるという意味でもありません。(中略)超数学的議論によって確立された、形式的に証明不可能なこれらの真理が、直感に訴える以外にたしかな基礎を持たないと主張するのは無責任というものです。」(p134)
ゲーデルの不完全性定理を正しく、初心者でも理解するために、本書は非常によい本だといえるだろう。
評判どおり、非常にわかりやすい。
無論、証明自体は厳密なものではないのだが、ゲーデルの証明のアウトラインはきちんとわかるようになっている。
論理記号の意味にまできちんと解説がついているぐらいだ。
これまでのゲーデル本は、1.わかるけどゲーデルの言ったこととは違う、2.わかる人にしかわからない、が多かったが、この本は初心者に分かり、かつゲーデルの論の核心を捉えている本だといえよう。
本書は基本的にわき道がない。
論理の完全性定理と、算術の不完全性定理のみが扱われており、ゲーデルの生涯とかは載っていない。
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さて、ゲーデルの不完全性定理には誤解も多い。
ナーゲルの、「それ(ゲーデルの分析)は、算術の無矛盾性に関する超数学的証明を一切排除するものではないのです。ゲーデルの結論が排除するのは、算術の公式的演繹によって写像できるような種類の、無矛盾性の証明なのです」(p129)という主張はきちんと聞いておくべきでしょう。
実際、「算術の無矛盾性の超数学的証明は、ヒルベルト学派のひとりであるゲルハルト・ゲンツェンによって1936年に、そして、それ以後なん人かの手によって、実際に遂行されてきたのです」(p129)から。
ですので、「ゲーデルの証明を絶望への誘い、あるいは神秘主義の擁護と受け取ってはなりません。形式的に証明できない算術的真理が存在するという発見は、永久に知ることのできない真理の存在とか、あるいは筋の通った証明を(中略)”神秘的"な直感で置き換えねばならぬとかいったことを意味しません。また、(中略)”人間の理性に説明不可能な限界"があることを意味するものでもありません。さらにまた、人間の才知の完全な形式化が不可能であること、そして証明の新しい原理が、いつまでも発明あるいは発見されずにいるという意味でもありません。(中略)超数学的議論によって確立された、形式的に証明不可能なこれらの真理が、直感に訴える以外にたしかな基礎を持たないと主張するのは無責任というものです。」(p134)
ゲーデルの不完全性定理を正しく、初心者でも理解するために、本書は非常によい本だといえるだろう。
2003年7月17日に日本でレビュー済み
アメリカでゲーデルの不完全性定理をはやらせた古典的名著です。
難しい論理学や数学の話は最低限にして(知っている人には参考になるように若干書いてありますが、初めに読むときは無視していいでしょう)、ゲーデルの不完全性定理とは何かをやさしく解説しています。
基本的に不完全性定理を19世紀後半の数学の流れに位置づけて、不完全性定理は非ユークリッド幾何学とともに出てくる無矛盾性の問題に対するアプローチ、と見ています(そのため、第二不完全性定理に重点が置かれます)。
全般的に以上の点、つまり幾何学における無矛盾性証明の流れとゲーデルの証明の要点を解説することに徹していて、不完全性定理がどんな帰結を持つのか(これについては結論部で少し触れられますが)、他の分野の成果とどのように関連するのか、ゲーデルはどんな人なのか、という点にはまったく触れられていません。
今から見れば計算論的視点や伝記も欲しいところなので、星4つです。
難しい論理学や数学の話は最低限にして(知っている人には参考になるように若干書いてありますが、初めに読むときは無視していいでしょう)、ゲーデルの不完全性定理とは何かをやさしく解説しています。
基本的に不完全性定理を19世紀後半の数学の流れに位置づけて、不完全性定理は非ユークリッド幾何学とともに出てくる無矛盾性の問題に対するアプローチ、と見ています(そのため、第二不完全性定理に重点が置かれます)。
全般的に以上の点、つまり幾何学における無矛盾性証明の流れとゲーデルの証明の要点を解説することに徹していて、不完全性定理がどんな帰結を持つのか(これについては結論部で少し触れられますが)、他の分野の成果とどのように関連するのか、ゲーデルはどんな人なのか、という点にはまったく触れられていません。
今から見れば計算論的視点や伝記も欲しいところなので、星4つです。
2012年7月20日に日本でレビュー済み
この本の原著は「Goedel’s Proof :1958」で邦訳の初版は「数学から超数学へ:1968」であったと思うが、当時、この本はあまり知られていなかった。私は初版を1968年に買いましたが、本棚行きとなり、実際に読んだのは2年後です。しかし、この本はゲーデルの定理をこれ以上ないほどに上手く説明した類まれなる古典本の一冊で、知る人ぞ知る定評ある本であることを知った。この本が売れだしたのは、1985年に邦訳「ゲーデル、エッシャー、バッハ---あるいは不思議の環」が出版され、とくに文系の学生に大いに読まれたことにもよると思います。この本にも、ゲーデルの定理の話がありますが、数学科の学部生でさえ数学基礎論は学びませんから、理系文系問わず,ゲーデルの不完全性定理は解らずじまいが当たり前でした。解らないと、概略でも解りたい〜と思う人が出てくるのが自然でしょう。そのような私たちにピッタリなのが本著で、邦題も分かり易く「ゲーデルは何を証明したか―数学から超数学へ 」となったのでしょう。私は、大学院のとき数学科の基礎論専門の教授に必要があって、ゲーデルの定理について伺ったことがありましたが、その時にこの本著を持参したところ、現在のところでは、一般読者にはこれ以上のものはないでしょうと言われました。ゲーデルの不完全性定理の意味するところを知る喜びは〜読んで、体験なされては如何でしょう!
2009年6月15日に日本でレビュー済み
「不完全性定理」の仕組み(あくまでおおまかな、ですが)をその意義とともにギュッと押し込んでくれてます。一般に誤解されるように「数学それ自体が不完全」と言っているのではないこと、それゆえゲーデルが参考にした「リシャールのパラドクス」があからさまにメタ的なトリックなのに対して、しっかりと公理の土台の上に成り立たせようとしていることなど、分かりやすく教えてくれています。
ただ、訳文がいかにも英語らしい言い回しをそのまま使っているので、内容より文章の理解に「うん?」と幾度もつっかえてしまいました。初めてこの定理に接しようという人には、野崎昭弘氏の「 不完全性定理―数学的体系のあゆみ (ちくま学芸文庫) 」なども分かりやすくて良いと思います。
ただ、訳文がいかにも英語らしい言い回しをそのまま使っているので、内容より文章の理解に「うん?」と幾度もつっかえてしまいました。初めてこの定理に接しようという人には、野崎昭弘氏の「 不完全性定理―数学的体系のあゆみ (ちくま学芸文庫) 」なども分かりやすくて良いと思います。