恐慌とは新たな金好転を発見するための経済活動の自浄作用であるはずだが、いま世界は「元の木阿弥」に戻りつつある。我々は、リーマンショックから何を学んだのか。
本書は基軸通貨としてのドルの凋落と世界経済の流れを1975年のニクソンショックから、プラザ合意、ブラックマンデー、ユーロ誕生、WTO発足、アジア通貨危機と振り返りながら、今後の道のりを見通すことを試みたものである。
(※ユーロについては、個人的には納得感は得られなかったが)
そして、これらのイベントが起きたことを当然のように書かれているが、所詮後づけの感が否めない。また、「基軸通貨なきグローバル時代の恐慌は未体験ゾーンへの引き込む」(P5)ならば、(大切ではあるが)過去のイベントを振り返っても、示唆するのものが見えてこない。
事実、著者の主張としては、「最終的には人の価値観が問題となる。経済活動が人間の営みである以上、行き着くところは『人間の心意気』にほかならない。頼みの綱は人間の節度であり、『情けは人のためならず』という考え方、これがグローバル時代の核心的心理なのではないか。(だとすれば、グローバル時代は厳しくも我々に対して(知恵、良識、良心)『まともな感覚』を問うている』しか今のところ見当たらない。
個人的には全く賛成であるが、過去の振り返りから得られたものなのか、つながりが見えてこなかった。ただ、主張にあるように、21世紀は我々人間の行き過ぎた力や欲望を抑制する戦いとなると思う。
過去の経済危機を振り返るのではなく、これからの時代の示唆として、この部分を掘り下げてもらいたかった。
一方、著者のようなエコノミストが、このような主張をすることに一種の新鮮さを憶えるとともに、稀有なメッセージでもあるが、これを実現するにはどうすればよいか、これからも考えていきたい。
そして、著者が指摘する経済活動の三角形(ヒト・モノ・カネ)の歪みをどのように是正いくのか、結局のところ、実体経済が伴わないカネの流れを抑制していくしかないのではないか。カネを右から左に流し富を得る投機家の経済的付加価値はどの程度なのだろうか。
我々はどのように生きていくのか、我々が幸せと感じられる均衡点はどこにあるのか、一人ひとりが考えていかねばならないのではないか。
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ドル終焉 -グローバル恐慌は、ドルの最後の舞台となる! 単行本 – 2010/2/5
浜 矩子
(著)
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暴走と転落の恐ろしい世界へ
二番底どころではない!!
リーマン・ショック、世界恐慌につながる経済のこの数十年の変化をドル失墜を中心にと振り返る。その場面の概略、何がおこったか、対応策は良かったのか悪かったのか、悪かったとしたらどうすることができたか、今につながる問題点は何かなどを論じていく。
いま、もっとも信頼性と注目度の高いエコノミストが世界経済を横断的に斬る!
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いま、もっとも信頼性と注目度の高いエコノミストが世界経済を横断的に斬る!
- 本の長さ232ページ
- 言語日本語
- 出版社ビジネス社
- 発売日2010/2/5
- ISBN-104828415645
- ISBN-13978-4828415642
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商品の説明
著者について
1952年生まれ。一橋大学経済学部卒業。1975年三菱総合研究所入社後、経済調査部、ロンドン駐在員事務所長兼駐在エコノミストなどを経て、2002年より同志社大学大学院ビジネス研究科教授。専攻はマクロ経済分析、国際経済。
近著に『グローバル恐慌』(岩波新書)、『スラム化する日本経済』(講談社+α新書)、『ザ・シティ 金融大冒険物語』(毎日新聞社)などがある。
近著に『グローバル恐慌』(岩波新書)、『スラム化する日本経済』(講談社+α新書)、『ザ・シティ 金融大冒険物語』(毎日新聞社)などがある。
登録情報
- 出版社 : ビジネス社 (2010/2/5)
- 発売日 : 2010/2/5
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 232ページ
- ISBN-10 : 4828415645
- ISBN-13 : 978-4828415642
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,483,114位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 147,744位社会・政治 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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同志社大学大学院ビジネス研究科教授。1952年生まれ。一橋大学経済学部卒業。1975年、三菱総合研究所入社。ロンドン駐在員事務所所長、同研究所主席研究員を経て、2002年より現職。専攻はマクロ経済分析、国際経済(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『誰も書かなかった 世界経済の真実 地球経済は再び斬り刻まれる(ISBN-10: 4776207389)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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2010年2月14日に日本でレビュー済み
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2011年4月9日に日本でレビュー済み
基軸通貨ドル終焉のドラマの第一幕がニクソンショックだったとすれば、いま、われわれはついにその最終幕に到達している。(p3)
タイトルとこの文章がこの本の趣旨を表していると言えるでしょう。
1971年「ニクソンショック」、1985年「プラザ合意」、1987年「ブラックマンデー」という一連の流れすべてが「ドル弱体化」の流れに沿っているという分析。
経済的な知識も金融の経験もない私には浜氏の分析が正しいのかどうか判断できない。
ただ私のような素人には「専門家(少なくとも私よりはだいぶ専門的知識がる人)がどのように経済を見るのか」を知ることは大いに意味があることだと思います。
最近感じるのは「百人いれば百通りの分析・主張があるのが経済・金融界なのではないか」ということです。
そもそもエコノミストと称する人達は言っている事がバラバラな訳ですから。
要はいくら専門家の分析と言っても「仮説」の1つに過ぎないのではないかと感じます。
ですからあまり専門家の意見を真に受け過ぎない事が大事かと。
そして目標は専門家までとは行かなくても自分なりの「仮説」を持てるようにすること。
専門家の「仮説」の是非を自分なりに判断できるレベルになること。
なかなか素人には難しいでしょうが、日々勉強して、このような専門家の「仮説」を読んでいって自分でいろいろ考えていくしか、その道を達成する方法はないのだと思います。
ということでこの本に書かれていることの正誤の判断は私にはつきませんが、「仮説」の1つとしては読んで勉強になる1冊だと思います。
タイトルとこの文章がこの本の趣旨を表していると言えるでしょう。
1971年「ニクソンショック」、1985年「プラザ合意」、1987年「ブラックマンデー」という一連の流れすべてが「ドル弱体化」の流れに沿っているという分析。
経済的な知識も金融の経験もない私には浜氏の分析が正しいのかどうか判断できない。
ただ私のような素人には「専門家(少なくとも私よりはだいぶ専門的知識がる人)がどのように経済を見るのか」を知ることは大いに意味があることだと思います。
最近感じるのは「百人いれば百通りの分析・主張があるのが経済・金融界なのではないか」ということです。
そもそもエコノミストと称する人達は言っている事がバラバラな訳ですから。
要はいくら専門家の分析と言っても「仮説」の1つに過ぎないのではないかと感じます。
ですからあまり専門家の意見を真に受け過ぎない事が大事かと。
そして目標は専門家までとは行かなくても自分なりの「仮説」を持てるようにすること。
専門家の「仮説」の是非を自分なりに判断できるレベルになること。
なかなか素人には難しいでしょうが、日々勉強して、このような専門家の「仮説」を読んでいって自分でいろいろ考えていくしか、その道を達成する方法はないのだと思います。
ということでこの本に書かれていることの正誤の判断は私にはつきませんが、「仮説」の1つとしては読んで勉強になる1冊だと思います。
2010年9月18日に日本でレビュー済み
著者が考えるところの,ドルが基軸通貨としての地位を失ってゆく過程の,おそらくは前半に相当する部分のストーリーである。
筆者は,ブラックマンデーから今日に至るまでの,ドル基軸通貨体制の変遷を,同時代的に体験し,かつ現在の時点から回顧的にそれを分析して,基軸通貨としての地位を失いつつあるドルというストーリーを描いている。そのストーリーは,これまでの世界経済的事象の解釈とあいまって,非常に説得的である。
本書に加え,著者の別の作品「ユーロが世界経済を消滅させる日〜ヨーロッパ発!第2次グローバル恐慌から資産を守る方法」の巻末に付された,ドルの前の基軸通貨である英ポンドが基軸通貨としての地位を失っていった経緯とを併せ読むと,ますます米ドルの基軸通貨としての終焉という仮説が,真実味を帯びて感じられる。
是非併せて読んでみるべきと思う。
この書も,「ユーロが…」の書と同じく一般向けの作品であるためか,具体的なデータはほとんど出されていない。しかし,一般読者を想定しているとしたら,それは特にデメリットにはならないだろう。
ただし,本書が扱う歴史の範囲の時系列を知りたいという読者のために,年表のようなものが付録として掲載されていれば,もっと参考になったと思う。
筆者は,ブラックマンデーから今日に至るまでの,ドル基軸通貨体制の変遷を,同時代的に体験し,かつ現在の時点から回顧的にそれを分析して,基軸通貨としての地位を失いつつあるドルというストーリーを描いている。そのストーリーは,これまでの世界経済的事象の解釈とあいまって,非常に説得的である。
本書に加え,著者の別の作品「ユーロが世界経済を消滅させる日〜ヨーロッパ発!第2次グローバル恐慌から資産を守る方法」の巻末に付された,ドルの前の基軸通貨である英ポンドが基軸通貨としての地位を失っていった経緯とを併せ読むと,ますます米ドルの基軸通貨としての終焉という仮説が,真実味を帯びて感じられる。
是非併せて読んでみるべきと思う。
この書も,「ユーロが…」の書と同じく一般向けの作品であるためか,具体的なデータはほとんど出されていない。しかし,一般読者を想定しているとしたら,それは特にデメリットにはならないだろう。
ただし,本書が扱う歴史の範囲の時系列を知りたいという読者のために,年表のようなものが付録として掲載されていれば,もっと参考になったと思う。