発売年2017年というのはこの文庫版の出版日で単行本の初版は1972年でした。とはいえ、その当時のものとしてもかなり大仰な言い回しじゃないだろうか。なんとか半分は読み進めたが、筆者と同等の知識がある読者を求めている印象で、難解な文章が多い。文学部出身なら苦もなく読めるのだろうか。プリオン病に関連してパプアニューギニアの食人風習について詳しい話がないだろうかと思ったが、ほんの少し触れるにとどまるのみ。中国を中心に西欧の食人にも触れており、興味深い部分もあった。ただ、内容がカニバリズムからはずれていき、何の本なんだか分からなくなってくる。最終的にはまたカニバリズムの話に戻るんだろうか。しばしばヒートアップした文章が出てきて、結構偏りのある考察だなぁと。作者が谷崎潤一郎大好きなのはわかった。自分の本の中で好き勝手言うのは自由だが、宗教に触れている部分で仏教についてのくだりは作者の解釈に異議を唱えたい。仏像、仏教の知識が少ないんだろう。作者の他の書籍や論文を知らないからあまり言えないけど。
追記
あとがきを読んで理解したが、これは別々に発表されたエッセイを抜粋してまとめたものらしい。単行本、文庫版それぞれの作者あとがきが掲載されており、色々もやもやしたのがまぁまぁ納得できた。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
カニバリズム論 (福武文庫 な 202) 文庫 – 1987/7/1
中野 美代子
(著)
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社ベネッセコーポレーション
- 発売日1987/7/1
- ISBN-104828830553
- ISBN-13978-4828830551
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : ベネッセコーポレーション (1987/7/1)
- 発売日 : 1987/7/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 288ページ
- ISBN-10 : 4828830553
- ISBN-13 : 978-4828830551
- Amazon 売れ筋ランキング: - 659,326位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 682位中国文学研究
- - 19,472位エッセー・随筆 (本)
- - 63,285位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2003年8月11日に日本でレビュー済み
中国文学者の著者が、中国文学に限らず、世界におけるカニバリズムを取り上げることで、「迷宮としての人間」を引き出し、それに迫っていきます。
ただ、さすがに中国文学者である著者は、世界のカニバリズムと中国におけるカニバリズムとの間に、はっきりとした差異を感じ取ります。そこから、魯迅の「狂人日記」「薬」・王国維の自殺をとりあげつつ、中国人の意識や文化へと広がっていきます。ただ広がりつつも、そこには一貫として、カニバリズムという行為が、見え隠れしています。
と書くと、なんだかよくわかりませんが、いちばん単純に
・カニバリズムを行なわなければ、自分が死んでしまう場合、自分はその行為を行うのか?
・日本において、カニバリズムを行った人に対してどう対偶するのち??
この2点について考えて、それに対する著者の明確な考察を読むだけで、十分にこの本を読む価値があるように思います。
出版年はかなり以前のものになりますが、大変興味深い本です。
ただ、さすがに中国文学者である著者は、世界のカニバリズムと中国におけるカニバリズムとの間に、はっきりとした差異を感じ取ります。そこから、魯迅の「狂人日記」「薬」・王国維の自殺をとりあげつつ、中国人の意識や文化へと広がっていきます。ただ広がりつつも、そこには一貫として、カニバリズムという行為が、見え隠れしています。
と書くと、なんだかよくわかりませんが、いちばん単純に
・カニバリズムを行なわなければ、自分が死んでしまう場合、自分はその行為を行うのか?
・日本において、カニバリズムを行った人に対してどう対偶するのち??
この2点について考えて、それに対する著者の明確な考察を読むだけで、十分にこの本を読む価値があるように思います。
出版年はかなり以前のものになりますが、大変興味深い本です。