主人公安芸くんと従兄妹の美智留とのお話。
安芸の家に突如転がり込んできた従兄妹の美智留。
オタク嫌悪派という難攻不落の美智留を音楽担当としてサークルに引き入れるまでの物語。
今巻も2・3巻と同じく安芸くんとサブヒロイン(って言い切っていいのか?)との問題を
加藤の「空気の読める空気の読めなさ」と「勘違い」というキャラの立たないフォローで切り抜けていきます。
ただ、今回は「詩羽」「英梨々」と違い、美智留の安芸くんに対するアプローチには恋愛要素が薄口です。
一見「同い年の従兄妹なんだから当たり前でしょ?」と納得してしまいそうなんですが、なんか腑に落ちない。
そもそも下位幼馴染(英梨々)とG級幼馴染(美智留)を、あえて書き分ける手段をとったのはなぜなのでしょう?
英梨々になくて美智留にあるもの、同じ生年月日、同じ病院で出生、同じ血を分け合っている・・・。
ある意味とても「フェア」な関係。そこには「男女」の関係よりも強い「繋がり」が彼女の中にあるのかもしれません。
「どっちが押し倒すか、勝負だよ?」
というセリフは美智留が安芸くんに「受容」でも「依存」でもなく「共感」を求めている現れなのではないでしょうか?
「対等」もしくは「競争」といった関係で通じ合うものを探しているのかもしれません。結果それは・・・
「お前の周りの世界は、お前が思うより、ちょっとだけオタクっぽいんだよ」(このセリフも大概ですが・・・汗)
のように、実はもう共感しえる部分があったというオチにも繋がっているのかもしれない(・・・というのは勘ぐりすぎ?)。
ともあれ。無事サークルに招き入れた美智留が、急に安芸に「男女の間」を取り始めるのは勝負の決着の末に
「フェア」な関係の下から覗きだした「男女の関係」の姿なのかもしれません。
そんな美智留を知ってか知らずか、我らがメインヒロイン加藤恵。
サブヒロイン達がコンコルド並みに安芸くんとの間を詰めていく中(まぁ、ある意味負けフラグっぽいけども・・・)、
カメのごとくゆっくり、地道に、目立たぬよう(無意識)に、フラグを着実に立てています。
開発中のゲームの演出にて「他の女性のもとへ行ってしまう好きな男性に向ける表情」を悲愴から笑顔に替えて
「見栄、張るよ・・・・・・女の子なら、さ」
・・・とは。いやはや今作の中で一番の名台詞!!
2・3巻そして今巻でもサブヒロインのもとへ走っていく安芸くん。そしていつも取り残されてしまう加藤。
正しく加藤の心情を代弁しています。そして「見栄を張って笑っている」加藤の実は
「笑いながらも泣いている」
というメッセージ。嗚呼切ない。つか、安芸くんのヘタレっぷりに腹が立つ。
でもまぁ今回、加藤に袖にされて凹む安芸くんもあったので、それで溜飲を下げましょう。
あと今回、加藤以上に影が薄かった詩羽先輩でしたが、珍しく加藤に「大人気ない嫉妬」を剥き出しにします。
それは「加藤が安芸に対する感情に自覚し始めた」ことや「加藤にのめり込んでいく安芸」、
「後で地獄を見るだろう仲良くなりつつある加藤と英梨々」に対する「色々な意味での」危機感の表れなのでしょう。
ある意味「全てが見えている」彼女ゆえの行動なのかもしれません。
「歪なサークル」「天才の無駄遣い」。他にも不安要素がドンドコ増えてきて、今後の展開が正直怖くもあるのですが
丸戸氏が彼ら彼女らをどう料理してくれるのか、次巻お当番(?)である詩羽先輩の活躍を願いつつ期待しております。
☆は一つ減らして5。ホントは6つけたいのよ・・・。

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冴えない彼女の育てかた 4 (富士見ファンタジア文庫) 文庫 – 2013/7/20
快調に進みはじめた同人ゲーム製作。さて音楽は、と悩む倫也の元に家出中の従姉妹・美智留が転がり込んでくる。無防備エロスな美智留に振り回される倫也だが、彼女の奏でるギターの旋律に心を奪われてしまい――!?
- 本の長さ252ページ
- 言語日本語
- 出版社富士見書房
- 発売日2013/7/20
- ISBN-10482913917X
- ISBN-13978-4829139172
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登録情報
- 出版社 : 富士見書房 (2013/7/20)
- 発売日 : 2013/7/20
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 252ページ
- ISBN-10 : 482913917X
- ISBN-13 : 978-4829139172
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年8月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2019年1月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アニメから入ってる身としては、新鮮味があってとてもいい!アニメから原作入るパターンかなりいいなって昔から思っていましたけど、最近はこの作品のおかげで益々いいなって思えるようになりました!
2013年8月15日に日本でレビュー済み
従姉妹が登場した今巻。
なんか主人公が明らかにモテて、んでそれを主人公が気づいてるような気づいてないような、微妙な感じはあまりスッキリしない。
なんというか、まさにテンプレの主人公というか
歴代作品の航や仁のような、文句なしにカッコいい主人公は好みではあったが、
この作品は明らかに春希寄りで、巻を重ねてそれが浮き彫りになったことでちょっと自分の中で微妙になってきたかもしれない。
先輩とはなにか過去にあったっぽいが、エリリとの関係がこのままで、加藤をヒロインにとか言う主人公がちょっと・・・
はいエリリが可哀想になってきただけです←
(修羅場だけはやめろよな・・・)
まぁ続きも買うんですけどね←
ただやはり今でも思うのが、加藤髪型戻してええええ!!
急にポニーにしたのって、なんか後々使うネタなんだろうか
もしそうでなく、ただみちると見た目被りやすいからとかだったら俺は絶対に許さない()
ボブにベレー帽?が本当に可愛かったのに
なんか主人公が明らかにモテて、んでそれを主人公が気づいてるような気づいてないような、微妙な感じはあまりスッキリしない。
なんというか、まさにテンプレの主人公というか
歴代作品の航や仁のような、文句なしにカッコいい主人公は好みではあったが、
この作品は明らかに春希寄りで、巻を重ねてそれが浮き彫りになったことでちょっと自分の中で微妙になってきたかもしれない。
先輩とはなにか過去にあったっぽいが、エリリとの関係がこのままで、加藤をヒロインにとか言う主人公がちょっと・・・
はいエリリが可哀想になってきただけです←
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急にポニーにしたのって、なんか後々使うネタなんだろうか
もしそうでなく、ただみちると見た目被りやすいからとかだったら俺は絶対に許さない()
ボブにベレー帽?が本当に可愛かったのに
2017年8月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ギャルゲーをやったことのない自分でも楽しめました。ただし、本番は後半から正妻の巻き返し。
2013年10月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
つい1ヶ月前に1〜3巻のkindle本を衝動買いし、4巻がkindle本になっていなかったので、待ち続けていたところ、Amazonから「kindle本になりました」というメールが来たので(リクエストを出していました)、衝動買い。
相変わらずの面白さです。ボーイッシュで最強の幼なじみ属性を持った新キャラ美少女が登場し、ナチュラルにベタベタひっついてくるという展開は、ま、エロゲの定番ではありますが、既存キャラたちのヤキモチが可愛くて好印象。ラストのご都合主義も含めて、楽しく読めました。また、これまでの蓄積からの「大物スタッフの無駄遣い」「他者に犠牲を強いる歪なサークル」という懸念に向き合っているところも良いです。
ただ、以前の巻に書いたエピソードと頁指定でリンクさせるのは、文庫本ならともかく、ページの概念がなくて行数でカウントする電子書籍では、ちょっと厳しいですね。探すのに手間がかかります。
たとえば、No.665あたりの「あのとき」のルビ「二巻三五頁」は、2巻No.368あたりの「年上の従兄弟ってのは……あまりにも頑強なお兄ちゃんフラグなんだよ……」という倫也の台詞にリンクします。また、No.1385あたりの「つい最近、どこか」のルビ「三巻七三頁」は、3巻No.829あたりの「久々に勝負だね、倫也君」という伊織の台詞にリンクします。さらにNo.1612あたりの「七月の上旬頃」のルビ「二巻第一章」は、2巻No.371以下のモノローグにリンクします。(調べましたがすぐ忘れそうなので控えておきます)
できれば編集部には、電子書籍化する際に、もう一手間かけていただけると助かります。むしろ電子書籍の特性を生かして、このルビ部分をタップすると該当部分に飛んだりしたら、もっと楽しくなりますが、それは望みすぎでしょうか。
次巻が出るのを、心待ちにしています。これまで文系キャラばかりですが、ゲームといえばデバッグが最後の難関ですので、いずれは理系キャラにも登場してほしいものです。それとも、もう既存キャラにその片鱗が?。
相変わらずの面白さです。ボーイッシュで最強の幼なじみ属性を持った新キャラ美少女が登場し、ナチュラルにベタベタひっついてくるという展開は、ま、エロゲの定番ではありますが、既存キャラたちのヤキモチが可愛くて好印象。ラストのご都合主義も含めて、楽しく読めました。また、これまでの蓄積からの「大物スタッフの無駄遣い」「他者に犠牲を強いる歪なサークル」という懸念に向き合っているところも良いです。
ただ、以前の巻に書いたエピソードと頁指定でリンクさせるのは、文庫本ならともかく、ページの概念がなくて行数でカウントする電子書籍では、ちょっと厳しいですね。探すのに手間がかかります。
たとえば、No.665あたりの「あのとき」のルビ「二巻三五頁」は、2巻No.368あたりの「年上の従兄弟ってのは……あまりにも頑強なお兄ちゃんフラグなんだよ……」という倫也の台詞にリンクします。また、No.1385あたりの「つい最近、どこか」のルビ「三巻七三頁」は、3巻No.829あたりの「久々に勝負だね、倫也君」という伊織の台詞にリンクします。さらにNo.1612あたりの「七月の上旬頃」のルビ「二巻第一章」は、2巻No.371以下のモノローグにリンクします。(調べましたがすぐ忘れそうなので控えておきます)
できれば編集部には、電子書籍化する際に、もう一手間かけていただけると助かります。むしろ電子書籍の特性を生かして、このルビ部分をタップすると該当部分に飛んだりしたら、もっと楽しくなりますが、それは望みすぎでしょうか。
次巻が出るのを、心待ちにしています。これまで文系キャラばかりですが、ゲームといえばデバッグが最後の難関ですので、いずれは理系キャラにも登場してほしいものです。それとも、もう既存キャラにその片鱗が?。
2013年7月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
さて4巻です。 その4巻でまた新しい彼女が出てきました。
その名もミッチィーこと氷堂美智留。
しかも従姉妹で生まれた所も月日も一緒の究極の幼馴染。
こうなりゃ後はもう前世からの幼馴染か、ずっと遡ってミトコンドリア時代の幼馴染しかないですね。
・・・・・・ ただ私としては本当にもうそろそろ丸戸さんのゲームがやりたいです。
別にエロさには拘りません。丸戸節の極上の物語に、ピッタシの声優の声がのって
本当に気持ち良く酔わせてくれる・・・そんなゲームがしたいです。
ぎりぎりあと一年は待てます。それまでにあの春の宵の桜のように静かに降り積もり
心に染み入るような作品を一日千秋の思いで待っています・・・・・・。
その名もミッチィーこと氷堂美智留。
しかも従姉妹で生まれた所も月日も一緒の究極の幼馴染。
こうなりゃ後はもう前世からの幼馴染か、ずっと遡ってミトコンドリア時代の幼馴染しかないですね。
・・・・・・ ただ私としては本当にもうそろそろ丸戸さんのゲームがやりたいです。
別にエロさには拘りません。丸戸節の極上の物語に、ピッタシの声優の声がのって
本当に気持ち良く酔わせてくれる・・・そんなゲームがしたいです。
ぎりぎりあと一年は待てます。それまでにあの春の宵の桜のように静かに降り積もり
心に染み入るような作品を一日千秋の思いで待っています・・・・・・。
2015年2月5日に日本でレビュー済み
自分がこっちの道に入るキッカケの作品(の元ネタ)だったので妙な嬉しさと懐かしさがありました。
自分は佐藤英敏さんの曲にハマってそこから作曲者や編曲者、プレイヤーの名前や仕事を意識するようになり、
そこからエレキベースを下手糞なりに触り始めて、アニメゲーム関係ない一般アーティストの曲を聴くようにもなったので
キッカケは何だって良いのかなと今巻を読んで思います。非オタからオタでも、その逆でも。
あれから20年近く経った今でも「Give a reason」のイントロで鳥肌立ちます。
10年経った今でも「Leaf ticket」のイントロで泣けます。
自分は佐藤英敏さんの曲にハマってそこから作曲者や編曲者、プレイヤーの名前や仕事を意識するようになり、
そこからエレキベースを下手糞なりに触り始めて、アニメゲーム関係ない一般アーティストの曲を聴くようにもなったので
キッカケは何だって良いのかなと今巻を読んで思います。非オタからオタでも、その逆でも。
あれから20年近く経った今でも「Give a reason」のイントロで鳥肌立ちます。
10年経った今でも「Leaf ticket」のイントロで泣けます。
2013年8月23日に日本でレビュー済み
ゲーム制作開始からこの4巻でやっとスタッフが揃ったように思います。今回はいつも以上に倫理が大活躍でした。でもスタッフが揃ったということはこのあとの展開がわからなくなったとも言えると思います。個人的に3巻の時点でなんとなく次は音楽とかかな?という予感はうすうすあったのですが予想以上に濃い内容でした。続編が楽しみです。