つい最近初心者オーヴァードとなった自分。
初プレイの感想は……慣れたプレイヤーからすると、驚かれるほどダブルクロスの敷居は高く感じた。
何故か?
まず本書は、ダブルクロスのデザイナー直々にGMを務め、熟練のプレイヤーを迎えた濃厚なリプレイ作品だ。
ほぼ原作者といえる人物が行うのであるからして、その物語は今後の公式、スタンダードとなる内容なのは間違いない。
加えてクレバー矢野氏の描くハードな物語、それに直面したPLの苦悩は読んでいて熱くなると同時に、基本COC専門の僕も身に覚えのある興奮が描かれている。
物語はPL2名を固定とし、シリーズごとに残り2名を入れ替えた4名で物語が進んでいき、最終章ではこれまでの様々なプレイの努力が実を結んでいく。
この物語は、その後は基本ルールブックなどにもNPCや背景として設定されていった。
ダブルクロスは現代を舞台とした異能力同士の戦いを楽しめるTRPGだ。
このテーマは、古くから多くの漫画や小説、アニメでも取り上げられやすい。
……しかし、現代だから、専門的な知識はそれほど必要ない、ということではない。
ダブルクロスは現代社会から能力を隠す、"お約束"が意外とある。この点を初心者からすれば、「果たしてどこまで社会常識を無視してもいいのか」の度合が測りにくいのだ。
親切な既存プレイヤーは、卓の良心に任せてOKというが……初心者としては他のPLの迷惑にならないか、他者が思っている以上に気を使うものなのだ。
リプレイは、そういった初心者に物語で世界観を伝えるのにも、またプレイの流れを知るのにも非常に便利だ。
……ダブルクロスをプレイしたとき感じた、問題のもうひとつはここである。リプレイは現在書店ではほぼ手に入らないのだ。
ルルブとセットで購入できない、というのは実は大きな損なのだと感じる。ダブルクロスは長いシリーズであり、設定が積み重なった物語であることも一つの難しさだろう。
……ただ、本書のように過去のリプレイをデジタル配信でいつでも手に入る、という点はかなりの良点だろう。
サプリで描かれている過去設定を、こうして実際に、手に入れて体感できる。
こういった販売形式がある、こういう商品があるということは、基本ルールブックにも載せて、もっとアピールすべきなのではと感じた。
物語の内容は、文句なしのものである。
この物語を知り、または他のダブルクロスのリプレイに挑み、プレイヤーが増えることを切に願う。
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ダブルクロス・リプレイ・オリジン 偽りの仮面 (富士見ドラゴンブック) 文庫 – 2005/6/28
UGNに育てられたオーヴァード、高崎隼はとある私立学園への潜入捜査を命じられる。だが、そこには隼は幼い頃別れた友達の七緒がいた。隼は事件に巻き込まれた七緒を救う事ができるのか!?
- 本の長さ350ページ
- 言語日本語
- 出版社富士見書房
- 発売日2005/6/28
- ISBN-104829144572
- ISBN-13978-4829144572
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登録情報
- 出版社 : 富士見書房 (2005/6/28)
- 発売日 : 2005/6/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 350ページ
- ISBN-10 : 4829144572
- ISBN-13 : 978-4829144572
- Amazon 売れ筋ランキング: - 979,610位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 74位ゲームリプレイノベル
- - 645位富士見ドラゴンブック
- - 88,165位エンターテイメント (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年6月18日に日本でレビュー済み
“局地戦型もの書き”菊池たけし氏のあとを受け、『ダブルクロス The 2nd Edition』のゲームデザイナー・矢野俊策氏が自らGMを務めたリプレイ・シリーズ第1弾です。
プレイヤーに、『アリアンロッド』でベネット役を演じた大畑顕氏、『ダブルクロス』のイラストレーター・しのとうこ氏、F.E.A.R.リプレイではすっかりおなじみの田中天氏、鈴吹太郎社長を迎え、非常に楽しい物語に仕上がっています。
プレイヤーだけを見ると非常に濃い面々なのですが、爆笑シーンもほどほどに、『ダブルクロス』の持つ繊細さが上手く表現された、どこかしっとりとしたシナリオに仕上がっています。ですので、菊池GMの爆笑イメージで読んでしまうと少し期待を外されるかもしれませんが、リプレイとしての面白さは全くヒケをとっていません。
ゲームやプレイの理解を深めるという点では不親切な面も多少見受けられますが(キャラクターシートが無い、ロイスの取得状況がわからない……って、これは菊池リプレイでも同じですね)、純粋にリプレイとして読む上では、ゲームとしての『ダブルクロス』を知らなくても充分に楽しめる内容だと思います。(実際、私は『ダブルクロス』をプレイしたことがありません)
プレイヤーに、『アリアンロッド』でベネット役を演じた大畑顕氏、『ダブルクロス』のイラストレーター・しのとうこ氏、F.E.A.R.リプレイではすっかりおなじみの田中天氏、鈴吹太郎社長を迎え、非常に楽しい物語に仕上がっています。
プレイヤーだけを見ると非常に濃い面々なのですが、爆笑シーンもほどほどに、『ダブルクロス』の持つ繊細さが上手く表現された、どこかしっとりとしたシナリオに仕上がっています。ですので、菊池GMの爆笑イメージで読んでしまうと少し期待を外されるかもしれませんが、リプレイとしての面白さは全くヒケをとっていません。
ゲームやプレイの理解を深めるという点では不親切な面も多少見受けられますが(キャラクターシートが無い、ロイスの取得状況がわからない……って、これは菊池リプレイでも同じですね)、純粋にリプレイとして読む上では、ゲームとしての『ダブルクロス』を知らなくても充分に楽しめる内容だと思います。(実際、私は『ダブルクロス』をプレイしたことがありません)
2017年1月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「ダブルクロス2nd」のデザイナー・矢野俊策がGMを務めるリプレイ。
全4部作の第一巻。
シナリオはヒーロー物の王道でありダブルクロスの基本である、主人公がヒロインを苦悩しながらも助けるというもの。
王道ではあるけど、そこはダブルクロス。オーヴァードの能力を使った意外な仕掛けたあって、最後の展開まで面白い。
リプレイとしては面白いのだけど、ダブルクロスがどんなゲームかを知るという意味では、ルール的な補足も少なく、またキャラクターシートなども載っていないので、そこはちょっと不親切かなと思う。
苦悩しながらも前に進むキャラクター達の今後がとても楽しみなシリーズ。
全4部作の第一巻。
シナリオはヒーロー物の王道でありダブルクロスの基本である、主人公がヒロインを苦悩しながらも助けるというもの。
王道ではあるけど、そこはダブルクロス。オーヴァードの能力を使った意外な仕掛けたあって、最後の展開まで面白い。
リプレイとしては面白いのだけど、ダブルクロスがどんなゲームかを知るという意味では、ルール的な補足も少なく、またキャラクターシートなども載っていないので、そこはちょっと不親切かなと思う。
苦悩しながらも前に進むキャラクター達の今後がとても楽しみなシリーズ。