作者がゲームソフト制作に従事していたということだけある。本を読み進めていけばはっきりと分かるが、このシリーズはまるで良質のRPGやゲームノベルをプレイしたような感じを受ける。
本シリーズは、ミステリー小説の手法としては結構描かれるものの1つらしい。個人的にこのような手法のミステリーを読んだことが北村薫著の『ターン』しかなかったので、非常に新鮮で面白いと感じた。
主人公は『今日』という日を3回まで繰り返すことができるというルールの下で、本来発生すべきでなかった事件(作中では『事故』という)を解決していく。その中では生々しい惨劇があるものの、『今日』を繰り返すことでそれをなかったことに出来るのである。
この点だけを見ればテレビゲーム文化の悪い性質だ、という批判がでるかもしれない。「何回もリセットできると錯覚させるから、子供たちが生命を軽薄に考えるのだ」という批判だ。しかし、このシリーズはそういう価値観とは真逆のことを伝えてくれる。主人公は自己愛だけで行動するのではなく、周囲の人たちのことを想い、そして犯人のことすら助けようと行動する。人間は弱く脆く鈍く愚かで、失敗を、間違いを何度も起こす。だからこそ、人は支え合い助け合う必要があるのだ。この作品はそういった人間の弱さと、人間の絆の強さを提示している素晴らしい作品だと思う。
このシリーズは他者愛で充ち満ちている。
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あの娘を信じる金曜日: DEAR2 (富士見ミステリー文庫 16-2) 文庫 – 2001/9/1
正吾は、またしても一日を繰り返す
青山正吾は気づくと見知らぬ世界にいた。そこで、再び出会った少女トーカは彼に語る。「一日を三回繰り返す間に、殺人を回避して下さい」。またかよ……ぼやきながら、正吾は現実で奮闘することに。
青山正吾は気づくと見知らぬ世界にいた。そこで、再び出会った少女トーカは彼に語る。「一日を三回繰り返す間に、殺人を回避して下さい」。またかよ……ぼやきながら、正吾は現実で奮闘することに。
- 本の長さ296ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA(富士見書房)
- 発売日2001/9/1
- ISBN-10482916137X
- ISBN-13978-4829161371
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登録情報
- 出版社 : KADOKAWA(富士見書房) (2001/9/1)
- 発売日 : 2001/9/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 296ページ
- ISBN-10 : 482916137X
- ISBN-13 : 978-4829161371
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,716,845位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 61,957位ライトノベル (本)
- - 293,810位文庫
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