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ハンガリー公使大久保利隆が見た三国同盟: ある外交官の戦時秘話 単行本 – 2015/7/15
高川 邦子
(著)
“ドイツは必ず負ける! それも1年から1年半後に”
枢軸同盟国の不利を日本に伝え、一日も早い終戦を説いた外交官の生涯を描いた評伝。
対ソ開戦を本国に具申しようとした大島駐独大使と対立し降格された大久保は、決死の覚悟でソ連経由で帰国。欧州情勢の真相と一日も早い終戦を説いて回り、天皇にも「御進講」の機会を得た。
そして戦況悪化による中立国外交団の軽井沢疎開にともない、外務省軽井沢事務所長を務めた。
大久保は戦後になって、欧州で見た三国同盟の実像を回想録にまとめたが、これを広く公表することを許さなかった。
戦後70周年の今年、大久保の孫にあたる著者によって、この回想録を検証した評伝が完成。
本書巻末に、大久保の回想録全文を掲載。
枢軸同盟国の不利を日本に伝え、一日も早い終戦を説いた外交官の生涯を描いた評伝。
対ソ開戦を本国に具申しようとした大島駐独大使と対立し降格された大久保は、決死の覚悟でソ連経由で帰国。欧州情勢の真相と一日も早い終戦を説いて回り、天皇にも「御進講」の機会を得た。
そして戦況悪化による中立国外交団の軽井沢疎開にともない、外務省軽井沢事務所長を務めた。
大久保は戦後になって、欧州で見た三国同盟の実像を回想録にまとめたが、これを広く公表することを許さなかった。
戦後70周年の今年、大久保の孫にあたる著者によって、この回想録を検証した評伝が完成。
本書巻末に、大久保の回想録全文を掲載。
- 本の長さ330ページ
- 言語日本語
- 出版社芙蓉書房出版
- 発売日2015/7/15
- 寸法13 x 2.4 x 18.8 cm
- ISBN-104829506547
- ISBN-13978-4829506547
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商品の説明
著者について
1961年東京都生まれ。日本郵船(株)勤務の後、1991年より(株)NHKグローバルメディアサービス登録翻訳者として、NHKで翻訳に携わる。2001年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。大久保利隆の孫。
登録情報
- 出版社 : 芙蓉書房出版 (2015/7/15)
- 発売日 : 2015/7/15
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 330ページ
- ISBN-10 : 4829506547
- ISBN-13 : 978-4829506547
- 寸法 : 13 x 2.4 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 524,601位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2016年7月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
素晴らしい力作。身内だからこそ知り得た事実に基づき、英国など、海外の公文書館にまで一次資料を丹念に探った、一流の歴史書。また、第二次大戦中の激動の日本とヨーロッパを、一人の人間の生き方を中心に、卓越した筆の力で、当時の様子を生き生きとよみがえらせた、人間ドラマとしても感動の書。是非お薦めしたい。
2016年1月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この書籍の中にも出てくる笹本駿二さんの「第二次世界大戦下のヨーロッパ」を購読してしていたのでこの書籍は「謎解き」、「続編」的な意味を持っています。動乱の時代、偏った自国に有利な情報のみ信じた「大島 浩氏」とは全く対照的な外交官がいたことは嬉し。この書籍を読んでいると日本が第二次世界大戦に巻き込まれないよう、また戦争を早くやめさせようとする少数の人々の努力が描かれている。私個人としては42年ぶりの発見であり、「温故知新」でもありました。・・・・・杉原千畝氏、小野寺信氏、同様評価されるべき外交官だと考えます。三日間有給休暇を頂きもう一度読み直しました。第二次世界大戦とは、ヒットラーが企画、立案し、スターリンが許可し、英、仏、がとばっちりを受け、伊が漁夫の利を得ようとし、始まった戦争で「日本」が首を突っ込む戦争でなかった事がよく理解できます。もし、日本が対ソ戦に参戦していたらと考えると恐怖を感じました。大島大使と対立しながらも対ソ戦に反対しドイツの敗北を予測した、大久保公使は恩人です。
2021年10月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読むべき、読まれるべき本ではある。が、内容は身内びいきに傾斜しており、一面的であると思われた。あくまでも一見解としてとらえるべき。その分、当時の状況を立体的に捉えることができるようにはなる。なお著者の日本語には未熟な部分があり、その点も内容の客観性信用性を失わせる一因となっている。
2023年4月8日に日本でレビュー済み
ベースは大久保御本人が書かれた『回想』.
本書は,その孫娘が『回想』や講演録,他の研究書や評伝,さらには外交電などの一次資料,果てはyoutube動画まで加え,大久保利隆という人物の足跡録を再構成したもの.
第二次大戦前後の外務省の内実を理解可能.
▼
現代という後知恵で見れば「当然至極」と思えるような分析が,冒頭から続く.
・「日本の空軍力では英米との戦争など,到底不可能です」と答える海軍インテリジェンス・オフィサー,鈴木英(すぐる)少佐(p.15)
・「日本が中国の人的物的資源を独占的に利用するようなことになることは,米国にとっては一大脅威であり,米国が絶対にこれを阻止しようとするのは当然である」(p.23)
・日独防共協定強化については,何十回議論を重ねても結論が出なかったにも関わらず,松岡外相,スターマー特使ら僅か数名の手によって,あっという間に締結された日独伊三国同盟(p.42)
この安直さには震撼.
・11月になると,東條内閣の中では東郷外相一人だけとなってしまった日米交渉継続派(p.104)
・「リッペントロップ事務所」を設立し,ドイツ外務省と張り合った,外交素人のリッペントロップ外相(p.121-122)
日本における「貿易省」設立の動きといい,正規ルート以外にバイパスを作ろうとする動きがあれば,何らかの危険信号と診てよいわけだろうか.
▼
そうした,「当然至極」な意見を述べる者に対する圧力も露骨.
まるで「バイアスのかけ方一覧」のごとき様相:
・「ドイツとの軍事同盟に賛成しなければ,お前などハルビンの総領事館にでも飛ばして,外交官人生を終わらせてやる」という圧力をかけられる大久保(文中敬称略,以下同)
・外務省自体を骨抜きにするものだった「貿易省創設案」(p.39-40)
・「このころ軍部をはじめとして,日本に都合の悪い情報はすべて『英米の宣伝』の一言の下に葬り去られていた」(p.46)
・ベルリンに転電され,大島大使のチェックを受けることにされていた重要公電(p.102-103)
・スターリングラードで苛烈な攻防戦が行われているときに,「独ソ戦況もドイツ側の有利に展開し,今一押しというところである」と在外公館会議で述べ,「日本の対ソ宣戦を意見具申すべき」と言い出す大島大使(p.142-149)
・「収集した情報の集約もベルリンで行う」とされた,インテリジェンスの「新態勢」(p.149-150)
これでは欧州で集めた情報に,大島大使のバイアスがかからないはずがなし.
・使節団も結局「ミイラ取りがミイラに」(p.176)
・大久保に対する報復人事(p.176)
・「『東條首相が,ドイツ周辺の枢軸国には,英米の宣伝に乗っている公使がいる,と言って機嫌が悪いので,君からの電報を内閣に回すのに苦労したよ』」(p.209)
・天皇に直接報告する大久保(p.213-214)
・「負け犬の巣窟」呼ばわりされた「戦時調査室」(p.214-215)
・開戦前の日本にあった,米国を度外視する考え方(p.283)
・「陸海の意見が衝突した時に私が『アメリカの重工業力を無視することは,非常に危険である』と言ったところ,陸軍の中堅所から,アメリカの工業力なんていうようなことを言ってちゃ何もできないというような,非常に強い抗議が出た」(p.308)
これは典型的なオストリッチ・コンプレックスのように思われ.
▼
一方,残念ながら,本書を読むそもそもの目的であったハンガリーについての記述は,当方が思ったほどには多くなし.
・ヒトラーを軽蔑していたホルティ(p.66)
ドイツの将官も「伍長殿の戦争」には良い感情を持っていなかったそうだから,これは高級将校には共通の感情だったのかもしれず.
・ドイツの「不本意な衛星国」(p.70)
・テレキの自殺(p.84-85)
・疑惑の「空爆」(p.94)
ポーランド侵攻の際も,ドイツ軍は謀略を行ってその口実としたそうであるので,この「陰謀説」も完全否定はできないかと.
・帰還したハンガリー第1軍の疲弊(p.112-113)
・ハンガリーとドイツの関係を冷え込ませる動き(p.125-126)
・ホルティ・イシュトヴァーンの墜死(p.135-136)
・ブダペシュトへの初空襲(p.138)
・亡命者による海外からの反ナチ活動(p.157)
・第2軍の敗走(p.159-160)
・吹き出す日本への不満(p.164)
・「ハンガリーが枢軸同盟から離脱する兆候かどうかを判断するのは時期尚早だ.
枢軸側が勝利すればハンガリーは現在の領土を維持できる.
したがってハンガリーとしては,ドイツがソ連を打ち負かしてくれることを望んでいる」(p.188)
・連合国の爆撃機がハンガリー上空を飛行することを許可したハンガリー(p.190)
▼
その他,興味深い箇所;
・ポルトガルの対日参戦の可能性すらあった,日本軍による東チモール占領(p.140)
・ビザも外交カードに使うソ連(p.167-168)
・殆ど,外国人からの食糧・燃料に関する苦情受付所だった「軽井沢事務所」(p.230-237)
・決して良好とは言えなかった,戦時中の日本・スイス関係(p.238)
▼
なお,過去現在を見るに,日本の官僚は一貫して言い訳の達人なので,鵜呑みは避けたし.
そもそも,この時代の外交官の回想録を読むと,「実は反対だった」という人ばかりで,じゃあそんなに反対者がいたなら,なぜ日米開戦になったんだ?と突っ込みを入れたい気分に.
果たして本当に大島浩一人の責任なのだろうか?と疑問を感じざるを得ず.
▼
ともあれ,第二次大戦中のハンガリーについて知りたいなら.
【関心率16.22%:全ページ中,手元に残したいページが当方にとってどれだけあるかの割合.当方にとっての必要性基準】
本書は,その孫娘が『回想』や講演録,他の研究書や評伝,さらには外交電などの一次資料,果てはyoutube動画まで加え,大久保利隆という人物の足跡録を再構成したもの.
第二次大戦前後の外務省の内実を理解可能.
▼
現代という後知恵で見れば「当然至極」と思えるような分析が,冒頭から続く.
・「日本の空軍力では英米との戦争など,到底不可能です」と答える海軍インテリジェンス・オフィサー,鈴木英(すぐる)少佐(p.15)
・「日本が中国の人的物的資源を独占的に利用するようなことになることは,米国にとっては一大脅威であり,米国が絶対にこれを阻止しようとするのは当然である」(p.23)
・日独防共協定強化については,何十回議論を重ねても結論が出なかったにも関わらず,松岡外相,スターマー特使ら僅か数名の手によって,あっという間に締結された日独伊三国同盟(p.42)
この安直さには震撼.
・11月になると,東條内閣の中では東郷外相一人だけとなってしまった日米交渉継続派(p.104)
・「リッペントロップ事務所」を設立し,ドイツ外務省と張り合った,外交素人のリッペントロップ外相(p.121-122)
日本における「貿易省」設立の動きといい,正規ルート以外にバイパスを作ろうとする動きがあれば,何らかの危険信号と診てよいわけだろうか.
▼
そうした,「当然至極」な意見を述べる者に対する圧力も露骨.
まるで「バイアスのかけ方一覧」のごとき様相:
・「ドイツとの軍事同盟に賛成しなければ,お前などハルビンの総領事館にでも飛ばして,外交官人生を終わらせてやる」という圧力をかけられる大久保(文中敬称略,以下同)
・外務省自体を骨抜きにするものだった「貿易省創設案」(p.39-40)
・「このころ軍部をはじめとして,日本に都合の悪い情報はすべて『英米の宣伝』の一言の下に葬り去られていた」(p.46)
・ベルリンに転電され,大島大使のチェックを受けることにされていた重要公電(p.102-103)
・スターリングラードで苛烈な攻防戦が行われているときに,「独ソ戦況もドイツ側の有利に展開し,今一押しというところである」と在外公館会議で述べ,「日本の対ソ宣戦を意見具申すべき」と言い出す大島大使(p.142-149)
・「収集した情報の集約もベルリンで行う」とされた,インテリジェンスの「新態勢」(p.149-150)
これでは欧州で集めた情報に,大島大使のバイアスがかからないはずがなし.
・使節団も結局「ミイラ取りがミイラに」(p.176)
・大久保に対する報復人事(p.176)
・「『東條首相が,ドイツ周辺の枢軸国には,英米の宣伝に乗っている公使がいる,と言って機嫌が悪いので,君からの電報を内閣に回すのに苦労したよ』」(p.209)
・天皇に直接報告する大久保(p.213-214)
・「負け犬の巣窟」呼ばわりされた「戦時調査室」(p.214-215)
・開戦前の日本にあった,米国を度外視する考え方(p.283)
・「陸海の意見が衝突した時に私が『アメリカの重工業力を無視することは,非常に危険である』と言ったところ,陸軍の中堅所から,アメリカの工業力なんていうようなことを言ってちゃ何もできないというような,非常に強い抗議が出た」(p.308)
これは典型的なオストリッチ・コンプレックスのように思われ.
▼
一方,残念ながら,本書を読むそもそもの目的であったハンガリーについての記述は,当方が思ったほどには多くなし.
・ヒトラーを軽蔑していたホルティ(p.66)
ドイツの将官も「伍長殿の戦争」には良い感情を持っていなかったそうだから,これは高級将校には共通の感情だったのかもしれず.
・ドイツの「不本意な衛星国」(p.70)
・テレキの自殺(p.84-85)
・疑惑の「空爆」(p.94)
ポーランド侵攻の際も,ドイツ軍は謀略を行ってその口実としたそうであるので,この「陰謀説」も完全否定はできないかと.
・帰還したハンガリー第1軍の疲弊(p.112-113)
・ハンガリーとドイツの関係を冷え込ませる動き(p.125-126)
・ホルティ・イシュトヴァーンの墜死(p.135-136)
・ブダペシュトへの初空襲(p.138)
・亡命者による海外からの反ナチ活動(p.157)
・第2軍の敗走(p.159-160)
・吹き出す日本への不満(p.164)
・「ハンガリーが枢軸同盟から離脱する兆候かどうかを判断するのは時期尚早だ.
枢軸側が勝利すればハンガリーは現在の領土を維持できる.
したがってハンガリーとしては,ドイツがソ連を打ち負かしてくれることを望んでいる」(p.188)
・連合国の爆撃機がハンガリー上空を飛行することを許可したハンガリー(p.190)
▼
その他,興味深い箇所;
・ポルトガルの対日参戦の可能性すらあった,日本軍による東チモール占領(p.140)
・ビザも外交カードに使うソ連(p.167-168)
・殆ど,外国人からの食糧・燃料に関する苦情受付所だった「軽井沢事務所」(p.230-237)
・決して良好とは言えなかった,戦時中の日本・スイス関係(p.238)
▼
なお,過去現在を見るに,日本の官僚は一貫して言い訳の達人なので,鵜呑みは避けたし.
そもそも,この時代の外交官の回想録を読むと,「実は反対だった」という人ばかりで,じゃあそんなに反対者がいたなら,なぜ日米開戦になったんだ?と突っ込みを入れたい気分に.
果たして本当に大島浩一人の責任なのだろうか?と疑問を感じざるを得ず.
▼
ともあれ,第二次大戦中のハンガリーについて知りたいなら.
【関心率16.22%:全ページ中,手元に残したいページが当方にとってどれだけあるかの割合.当方にとっての必要性基準】
2015年8月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本のポイントは、これまであまり日本で詳しい文献がなかったWW2中のハンガリーについて、当時の駐在公使の目という視点から詳しい記述があること。これは我が国における東欧史の研究にも大いに資するものと思います。また、戦争後半の軽井沢における中立国外交団応接についてもきちんとした記録を残した最初の本です。戦争中の軽井沢の特殊な地位に光が当たることを願います。
全編を通じて初出を含む一次資料により丹念に掘り下げられており、本格的な歴史書ですが、硬い書きぶりではなく読みやすく書かれているので、この分野に興味のある方は一読をおすすめします。
全編を通じて初出を含む一次資料により丹念に掘り下げられており、本格的な歴史書ですが、硬い書きぶりではなく読みやすく書かれているので、この分野に興味のある方は一読をおすすめします。
2015年9月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者は本書の主人公大久保利隆の孫。利隆が自身の葬儀参列者のみに残した貴重な回想録と、長男(著者の父)の証言をもとに,残された公文書なども丹念に取材して書かれたのか本書です。淡々とした筆致ながら、当時の緊迫した情勢と一人の外交官のとった命がけの行動が描かれており、引き込まれるように読みました。何時の時代も、外交と政治の世界にはこういった表にはでない駆け引きや思惑がやり取りされていることを改めて感じさせられ、今日の私たちを巡る情勢を考える上でも参考になるのではないでしょうか。
外交官大久保利隆本人による「回想」は巻末に全文が掲載されています。開戦時の日本外交の異常さ、戦争の引き金になったことについての彼の考えが書かれており、迫力があります。ぜひご一読をお勧めします。
外交官大久保利隆本人による「回想」は巻末に全文が掲載されています。開戦時の日本外交の異常さ、戦争の引き金になったことについての彼の考えが書かれており、迫力があります。ぜひご一読をお勧めします。
2015年7月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
事実と周到な調査に基づくデータに裏打ちされた内容が新鮮で面白い。臨場感溢れるタッチにどんどん引き込まれる。是非読んで欲しい。
2015年7月18日に日本でレビュー済み
三国同盟に大反対だったにもかかわらず、枢軸同盟側のハンガリーに赴任した大久保公使は、ドイツ不利の電報を本国に打ち、ベルリンの大島浩大使ににらまれることになる。ヒットラーべったりの大島が牛耳っていたヨーロッパで大島に楯突く勇気もすごい。
降格される直前に、必死の覚悟でシベリア経由で帰国し、一日でも早く終戦をと説いて回り、昭和天皇に御進講までしている。結局、大久保の声が聞き入れられることはなかったが、終戦間際は軽井沢に疎開していた中立国の外交団の世話をしている。
こんな外交官がいたことを初めて知った。スウェーデンの駐在武官小野寺信と同じように、もっと広く知られるべき人物だろう。
この本で特に評価したいのは、著者が実に緻密かつ周到に文章を書き上げていることである。大久保公使の孫娘さんということだが、回想録を元にし、家族からの聞き取りで補強し、さらにはイギリスやアメリカのナショナル・アーカイブスにある電報の類まで丹念に調べている。とても初めて本を書いた人の仕事とは思えない。
降格される直前に、必死の覚悟でシベリア経由で帰国し、一日でも早く終戦をと説いて回り、昭和天皇に御進講までしている。結局、大久保の声が聞き入れられることはなかったが、終戦間際は軽井沢に疎開していた中立国の外交団の世話をしている。
こんな外交官がいたことを初めて知った。スウェーデンの駐在武官小野寺信と同じように、もっと広く知られるべき人物だろう。
この本で特に評価したいのは、著者が実に緻密かつ周到に文章を書き上げていることである。大久保公使の孫娘さんということだが、回想録を元にし、家族からの聞き取りで補強し、さらにはイギリスやアメリカのナショナル・アーカイブスにある電報の類まで丹念に調べている。とても初めて本を書いた人の仕事とは思えない。