昨年後半の金融危機前に書かれたとは思えないくらい、その被害の甚大さを正しく予測したうえで危機後の世界について活写している。実際に新興国を巻き込んだG20などは、本書の提案に沿って実現したかのようにすら思える。
現在世界経済は「昨日の市場」から「明日の市場」への"変相(transformation)"を経験していることを例示しつつわかりやすく解説。「明日の市場」がどのようなものになるかについても、かなり明確に示されている。手法は伝統的経済学だけでなく、行動経済学、脳神経学などの学際的知見も含め、立体的に現状と未来像を描いている。
そして、この「変相」の間は”ブラック・スワン”(全く想定していなかったケース)が頻発するおそれがある。一般投資家が「経験則」で判断してファット・テイルに陥り、莫大なロスを出さないようにどう対策を取るかについても1章がさかれており、実用的。他にも国家、国際機関に対しての処方箋も示されている。
彼の予測はことごとく当たっているのだけど、唯一外れたのは「商品市況の急騰→インフレ」の部分。この点を修正したうえで、ぜひぜひ出版から1年間の状況分析を加えた増補改訂版を出してほしい。
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市場の変相 単行本 – 2009/2/17
モハメド・エラリアン
(著),
牧野 洋
(翻訳)
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- ISBN-10483341905X
- ISBN-13978-4833419055
- 出版社プレジデント社
- 発売日2009/2/17
- 言語日本語
- 本の長さ379ページ
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登録情報
- 出版社 : プレジデント社 (2009/2/17)
- 発売日 : 2009/2/17
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 379ページ
- ISBN-10 : 483341905X
- ISBN-13 : 978-4833419055
- Amazon 売れ筋ランキング: - 874,091位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 462位証券・金融市場
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上位レビュー、対象国: 日本
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2009年4月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2015年4月20日に日本でレビュー済み
日本で非常に多い日本語になっていない英文和訳ではなく、キチンとした日本語の翻訳書。一体どんな訳者なのかと思ったら米国在住。なるほど英文を読んで一度概念になったものを日本語に出しているのだろう。大学入試答案如きの逐語訳のつたないものとは違う訳だ。と思って訳者あとがきを読むとこれもキチンとした日本語だが本文とは感じが違う。 本文は原書著者の論理展開がキチンと出ているようだ。但し、原著はアメリカ基軸なのは考慮のこと。
2009年6月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
近年の金融危機の原因と諸様相に焦点を合わせた解説としては、最佳作のひとつ。優れた研究者であると同時に、百戦錬磨の実務家でもある著者の面目躍如たる力作である。原著は秀作ながら、翻訳者の選定を誤ったために読むにたえない訳書も少なくないが、本書は邦訳も優れている。
2011年5月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2007年にこの本を書いているのはすごい。
内容的には間違いなく5つ星。
ただ、和訳がひどい。
翻訳ソフトで訳してそのままと思われるような箇所が多数。
日本語が非常に読みにくい。
残念。
内容的には間違いなく5つ星。
ただ、和訳がひどい。
翻訳ソフトで訳してそのままと思われるような箇所が多数。
日本語が非常に読みにくい。
残念。
2009年10月11日に日本でレビュー済み
サブ・プライム以降の新しい世界金融市場を分析し、投資家や政策当局がなすべき行動、
新時代のリスク管理などについて提言するプロ向けの本。面白い例え話や逸話は少なく、
面白みに欠けるが、「ブラック・スワン」などの新しい研究を取り入れ、正確な記述の
学究的な内容で、実務家には必読の書。
非常に優れた本であり、学ぶべき点は数多いが、特にメモっておきたいと思ったのは、
「明日の世界」を理解するために必要なこととして挙げられた次の3点。
1. 新興国の経済・金融システムが急速に変化しながら重要性を増しており、
欧米、日本など先進国だけの理解では、不足している。
2. 新たな資産が、政府系ファンドなどの国営投資機関に蓄積されており、
彼らが、何を買いそうで、何を売りそうか、その理由まで説明できなければ
ならない。
3. 経済・金融ファンダメンタルズをベースにするだけでは、未来の予測はできない。
なぜなら、ファンダメンタルズが市場に変化を与えているばかりでなく、逆に、
金融革新を原動力とした市場の変化が、ファンダメンタルズに影響を与えている
からである。
この他にも、
・リスク管理はアウトソースするな、
・長期投資において、完全な外部委託は論外だ.
・(サブプライムローン問題があっても)それでも証券化は続く
など、その理論付けも含めて、機関投資家にとって、これをはずすと、
大きく将来の道を誤る内容が数多く記述されている。
読まないではいられない、のではないでしょうか。
新時代のリスク管理などについて提言するプロ向けの本。面白い例え話や逸話は少なく、
面白みに欠けるが、「ブラック・スワン」などの新しい研究を取り入れ、正確な記述の
学究的な内容で、実務家には必読の書。
非常に優れた本であり、学ぶべき点は数多いが、特にメモっておきたいと思ったのは、
「明日の世界」を理解するために必要なこととして挙げられた次の3点。
1. 新興国の経済・金融システムが急速に変化しながら重要性を増しており、
欧米、日本など先進国だけの理解では、不足している。
2. 新たな資産が、政府系ファンドなどの国営投資機関に蓄積されており、
彼らが、何を買いそうで、何を売りそうか、その理由まで説明できなければ
ならない。
3. 経済・金融ファンダメンタルズをベースにするだけでは、未来の予測はできない。
なぜなら、ファンダメンタルズが市場に変化を与えているばかりでなく、逆に、
金融革新を原動力とした市場の変化が、ファンダメンタルズに影響を与えている
からである。
この他にも、
・リスク管理はアウトソースするな、
・長期投資において、完全な外部委託は論外だ.
・(サブプライムローン問題があっても)それでも証券化は続く
など、その理論付けも含めて、機関投資家にとって、これをはずすと、
大きく将来の道を誤る内容が数多く記述されている。
読まないではいられない、のではないでしょうか。
2009年7月12日に日本でレビュー済み
サブプライムローンがもたらす危機を予言した本として、『フィナンシャル・タイムズ』および『エコノミスト』が2008年度ベストブックに選んだ書。著者モハメド・エラリアンは、世界最大の債券運用会社である米ピムコのCEOである。
著者は、いまや『市場』というものは根底からその姿を変えつつあり、旧来の市場と新しい市場が衝突しているとする。そして、こうした市場変相の時代における長期投資戦略のあり方を提言している。
本書の経済危機に関する見立てはこうだ。
急速に経済成長を実現した新興国は、自国の金融システムが未熟なため適切な運用スキルをもっていない。そのため、アメリカに投資を集中させた。一方アメリカは、それを原資として過剰消費に走った。
こうして生じた世界的なインバランスにおいて、投資効率を上げるために発達したのがさまざまな金融技術である。しかし、その技術への過信が危機を膨張させ、ついには破綻に至ったのだという。
こうして世界の金融市場は「昨日の市場」と「明日の市場」が衝突する状況に至り、そこから逃れることはできず、いまやシステムそのものの危機が到来しているという。
こうしたシステムの危機においては、市場が発信する膨大な情報のなかに異常値が含まれる。この異常値=ノイズの中のシグナルを見抜くことこそが重要であると著者は主張する。
ノイズとかシグナルという考え方は、タレブの『ブラックスワン』とも共通するもので(実際、本書中にも『ブラックスワン』への言及がある)、昨今の金融市場の捉え方としては非常に納得できるものだ。
いずれにせよ、これからの金融市場を考えるに際しての基本図書のひとつといえるだろう。
著者は、いまや『市場』というものは根底からその姿を変えつつあり、旧来の市場と新しい市場が衝突しているとする。そして、こうした市場変相の時代における長期投資戦略のあり方を提言している。
本書の経済危機に関する見立てはこうだ。
急速に経済成長を実現した新興国は、自国の金融システムが未熟なため適切な運用スキルをもっていない。そのため、アメリカに投資を集中させた。一方アメリカは、それを原資として過剰消費に走った。
こうして生じた世界的なインバランスにおいて、投資効率を上げるために発達したのがさまざまな金融技術である。しかし、その技術への過信が危機を膨張させ、ついには破綻に至ったのだという。
こうして世界の金融市場は「昨日の市場」と「明日の市場」が衝突する状況に至り、そこから逃れることはできず、いまやシステムそのものの危機が到来しているという。
こうしたシステムの危機においては、市場が発信する膨大な情報のなかに異常値が含まれる。この異常値=ノイズの中のシグナルを見抜くことこそが重要であると著者は主張する。
ノイズとかシグナルという考え方は、タレブの『ブラックスワン』とも共通するもので(実際、本書中にも『ブラックスワン』への言及がある)、昨今の金融市場の捉え方としては非常に納得できるものだ。
いずれにせよ、これからの金融市場を考えるに際しての基本図書のひとつといえるだろう。
2009年5月6日に日本でレビュー済み
経済学者にしてアルファブロガーである池田信夫氏は、本書について次のように述べている「現在の世界経済危機を理解するための必読書。原著は昨年のベスト1にあげたが、今でもこれをしのぐ本は出ていない。(中略)G20などでの議論の枠組を、本書がつくったといっても過言ではない。すべてのビジネスマンと政策担当者と研究者が絶対に読むべき本である。」。
そのことが、すべてだと個人的には思う。決して一般の方向けの平易な書ではない(著書も文中でそう断っている)。また、翻訳書独特の読みづらさ(訳者のことを批判しているわけではないので、誤解なきよう。)もある。
しかし、そういったことを考慮しても読む価値がある本だと思われる。
著者(世界最大の債券投資家であるピムコ社のCEO)は、世界経済の「新たな行き先」にたどり着くまでの旅路は非常に険しく、「(投資家や政府が)何も行動しないリスクと代償は途方もなく大きい。」と言う。本書には、その厳しい旅路をいかにすれば踏破できるかのヒントが、随所に書かれている。その機会を逃すことは無い。まさに、池田氏の言うとおり「すべてのビジネスマンと政策担当者と研究者の必読書」だと思う。
そのことが、すべてだと個人的には思う。決して一般の方向けの平易な書ではない(著書も文中でそう断っている)。また、翻訳書独特の読みづらさ(訳者のことを批判しているわけではないので、誤解なきよう。)もある。
しかし、そういったことを考慮しても読む価値がある本だと思われる。
著者(世界最大の債券投資家であるピムコ社のCEO)は、世界経済の「新たな行き先」にたどり着くまでの旅路は非常に険しく、「(投資家や政府が)何も行動しないリスクと代償は途方もなく大きい。」と言う。本書には、その厳しい旅路をいかにすれば踏破できるかのヒントが、随所に書かれている。その機会を逃すことは無い。まさに、池田氏の言うとおり「すべてのビジネスマンと政策担当者と研究者の必読書」だと思う。
2009年6月28日に日本でレビュー済み
米国の債券運用最大手のピムコのCEO兼共同CIOの著者によって書かれた本です。
IMFでの15年間の勤務やハーバード大学基金を運用するハーバード・マネジメント・カンパニーの社長兼CEOとしての2年間の勤務といった経歴がある人だそうです。
タイトルの”変相”は初めて目にする言葉で意味がわかりませんが、原書の"When Markets Collide"(市場が衝突する時)を見るに、そういう意味を示す造語なのかな?と思いました。
いうまでもなく、サブプライムローン危機の勃発から金融危機・世界的景気後退に至る過程での市場環境の激変とその暴落について記した本です。
この本によると、人間は市場で起こった新しい変化がちょっとしたノイズなのか、根底を覆すような大変化の兆候なのかを判断するのが難しく、新しい変化を「無視する」ことがあるそうです。
確かに07年夏にサブプライムローン危機が始まった時、「サブプライム・ローンは米国の住宅ローンのわずかな割合しか占めていないので、大きな問題にはならない」という論調を多々見ました。
要するに相場に水を差すような変化を”無視した”ということです。
今我々が経験しているような未曽有の危機を迎えると予測した市場関係者は、当初ほぼ皆無であったと思います。
確かにこの本の、「米国の借金漬けの消費者に世界中が依存するような世界経済システムは今後再構築できない」とする点や「代わりに新興国の役割が大きくなるだろう」といった指摘はうなづけるものがあります。
問題はそうした主役の変更にどの位の時間がかかるのかといったところでしょうか。
IMFでの15年間の勤務やハーバード大学基金を運用するハーバード・マネジメント・カンパニーの社長兼CEOとしての2年間の勤務といった経歴がある人だそうです。
タイトルの”変相”は初めて目にする言葉で意味がわかりませんが、原書の"When Markets Collide"(市場が衝突する時)を見るに、そういう意味を示す造語なのかな?と思いました。
いうまでもなく、サブプライムローン危機の勃発から金融危機・世界的景気後退に至る過程での市場環境の激変とその暴落について記した本です。
この本によると、人間は市場で起こった新しい変化がちょっとしたノイズなのか、根底を覆すような大変化の兆候なのかを判断するのが難しく、新しい変化を「無視する」ことがあるそうです。
確かに07年夏にサブプライムローン危機が始まった時、「サブプライム・ローンは米国の住宅ローンのわずかな割合しか占めていないので、大きな問題にはならない」という論調を多々見ました。
要するに相場に水を差すような変化を”無視した”ということです。
今我々が経験しているような未曽有の危機を迎えると予測した市場関係者は、当初ほぼ皆無であったと思います。
確かにこの本の、「米国の借金漬けの消費者に世界中が依存するような世界経済システムは今後再構築できない」とする点や「代わりに新興国の役割が大きくなるだろう」といった指摘はうなづけるものがあります。
問題はそうした主役の変更にどの位の時間がかかるのかといったところでしょうか。