著者が漫画の主人公のモデルだというので読んでみた。
前半のデータでの検証も読み応えがあるが、後半の二つの暴論&あとがきには著者の勢いが感じられて面白い。
「日本型雇用は確固たる立法体で、この立法体の中に入ってしまえばこれほどよいものは
なく、逆に入れなかった人間には極めて厳しいもの。
この立法体は、小さくなっているのではなく、人口比ではむしろ大きくなっている。
それよりも立法体からあふれた人がそれ以上に急激に増えている。
・・そろそろ立法体の衣替えをすべき」とある。
私自身は立法体の中にいるのか、外にいるのか。
本によれは、大卒女性が正社員として就職し立法体の中に入ることで、男性の一部が立方体の外=非正規へ。そういう意味では女性で正社員となった私は中なのか。
しかし、出産後に正社員としてキャリアを積むのは今の日本では困難。管理職にはなれるのはごく少数。そしてもし、退職して非正規になれば、外なのか。
他人を押しやって中へ。そして、出産をすれば外へ。そして中には戻れない。
なんだか想像するとどちらもいやだなと考えさせられた。
この立法体の衣替えぜひしていただきたい。
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雇用の常識「本当に見えるウソ」 単行本(ソフトカバー) – 2009/5/18
海老原 嗣生
(著)
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昨今誰もが口にする「日本型雇用の崩壊」。それは一体何を指すのか?
終身雇用は本当に崩壊したのか。
若者は急に「3年で」辞めるようになったのか。
悲惨な派遣社員は「急に」増えたのか。
データを見れば、これらの問いに対する答えは全て「否」である。
著者は、人気漫画『エンゼルバンク』の“カリスマ転職代理人”海老沢康生のモデルになった、
人事、雇用のエキスパート。「作られた常識」に斬りこみ、錯覚を起こすメカニズムを解明し、
「本当に必要な策」を提言する。
終身雇用は本当に崩壊したのか。
若者は急に「3年で」辞めるようになったのか。
悲惨な派遣社員は「急に」増えたのか。
データを見れば、これらの問いに対する答えは全て「否」である。
著者は、人気漫画『エンゼルバンク』の“カリスマ転職代理人”海老沢康生のモデルになった、
人事、雇用のエキスパート。「作られた常識」に斬りこみ、錯覚を起こすメカニズムを解明し、
「本当に必要な策」を提言する。
- ISBN-104833419122
- ISBN-13978-4833419123
- 出版社プレジデント社
- 発売日2009/5/18
- 言語日本語
- 本の長さ207ページ
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著者について
1964年生まれ。大手メーカーを経て、リクルートエイブリック(現リクルートエージェント)入社。事業企画や新規事業立上げに携わった後、リクルート ワークス研究所へ出向、「Works」編集長に。2003年より、リクルートエイブリック(現リクルートエージェント)にて数々の新規事業企画と推進、人事制度設計等に携わる。専門は、人材マネジメント、経営マネジメント論など。2008年に、HRコンサルティング会社、ニッチモを立ち上げ、 代表取締役に就任。同社発行の人事雑誌「HRmics」の編集長。リクルートエージェント ソーシャルエグゼクティブ、リクルート ワークス研究所特別編集委員も務める。人材育成学会理事。週刊モーニングに連載中の転職エージェント漫画、『エンゼルバンク』の“カリスマ転職代理人、海老沢康生”のモデルでもある。
登録情報
- 出版社 : プレジデント社 (2009/5/18)
- 発売日 : 2009/5/18
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 207ページ
- ISBN-10 : 4833419122
- ISBN-13 : 978-4833419123
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上位レビュー、対象国: 日本
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2009年5月19日に日本でレビュー済み
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2009年5月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本の読者の何割かは、マンガ『エンゼルバンク』を知っているであろう。私もその一人だ。
マンガは、次のストーリーを知らせないことで、読者を飽きさせない。そのヒヤヒヤ感が実に心地がいい。しかし、この本ではむしろ初めからタネ明かしをしている。マンガを読んでハッとして、この本を読んで「そうなんだ!」と思わせてくれる。
この本では、転職エージェントである筆者が、本業を生かした膨大な個別事例をあえて取り上げなかった。その代わり、転職エージェントのもう一つの側面である、膨大な統計データを駆使して、統計数字から浮かび上がる日本社会の雇用実態に迫っている。そこに駆使した数々の統計データを収集し、分析し、それらをつなぎ合わせる手法は、専門家であっても脱帽物である。
こうしたよさをじっくり味わいたい方は、もちろん初めから熟読すればいい。しかし、この本のダイジェストをまず知りたい方は、「Noteと解説」部分を先に読み、第四章の自説を読めば、全体像が明らかとなる。こういう丁寧な本の作り方は、単なる雇用問題の本ではなく、日本語の本として、大学入試問題や教科書に使われそうな気がする。
話がそれたが、第四章の自説は、実に衝撃的だ。
一つは、正社員と非正規雇用との間に、職務や地域を限定した「新型正社員」を置くという提案である。企業、雇用者、派遣会社それぞれの妥協を探りながら、正社員と非正規雇用のいずれをも守るという、これまで誰もあまり言わなかったが、至極まっとうな提案である。
もう一つは、雇用確保と移民受け入れという、対立する論点を、日本の国際的地位を確保する視点から両者の融合を唱えていることである。雇用問題専門家らしく、今後、確実に起こる生産年齢人口の減少に注目しているが、そこにとどまらず、日本の将来への提言まで筆を進めることは、非常に斬新である。この本によって、筆者は、雇用問題専門家から、国家戦略専門家への道を歩み出すことになった。
自説の実現に向けた展開が次の本の主題となりそうに思うが、まずは雇用問題のグランドルールをしっかり提示した点で、雇用本のレベルを一気に上げた画期的な書である。
マンガ『エンゼルバンク』は、この本の序章に過ぎなかったのだ。
マンガは、次のストーリーを知らせないことで、読者を飽きさせない。そのヒヤヒヤ感が実に心地がいい。しかし、この本ではむしろ初めからタネ明かしをしている。マンガを読んでハッとして、この本を読んで「そうなんだ!」と思わせてくれる。
この本では、転職エージェントである筆者が、本業を生かした膨大な個別事例をあえて取り上げなかった。その代わり、転職エージェントのもう一つの側面である、膨大な統計データを駆使して、統計数字から浮かび上がる日本社会の雇用実態に迫っている。そこに駆使した数々の統計データを収集し、分析し、それらをつなぎ合わせる手法は、専門家であっても脱帽物である。
こうしたよさをじっくり味わいたい方は、もちろん初めから熟読すればいい。しかし、この本のダイジェストをまず知りたい方は、「Noteと解説」部分を先に読み、第四章の自説を読めば、全体像が明らかとなる。こういう丁寧な本の作り方は、単なる雇用問題の本ではなく、日本語の本として、大学入試問題や教科書に使われそうな気がする。
話がそれたが、第四章の自説は、実に衝撃的だ。
一つは、正社員と非正規雇用との間に、職務や地域を限定した「新型正社員」を置くという提案である。企業、雇用者、派遣会社それぞれの妥協を探りながら、正社員と非正規雇用のいずれをも守るという、これまで誰もあまり言わなかったが、至極まっとうな提案である。
もう一つは、雇用確保と移民受け入れという、対立する論点を、日本の国際的地位を確保する視点から両者の融合を唱えていることである。雇用問題専門家らしく、今後、確実に起こる生産年齢人口の減少に注目しているが、そこにとどまらず、日本の将来への提言まで筆を進めることは、非常に斬新である。この本によって、筆者は、雇用問題専門家から、国家戦略専門家への道を歩み出すことになった。
自説の実現に向けた展開が次の本の主題となりそうに思うが、まずは雇用問題のグランドルールをしっかり提示した点で、雇用本のレベルを一気に上げた画期的な書である。
マンガ『エンゼルバンク』は、この本の序章に過ぎなかったのだ。
2009年5月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
・ 終身雇用は崩壊した → 昔も今も勤続年数はあまり変わっていない。むしろ長くなっている。そもそも「終身雇用」は大企業のみの話で中小企業では転職が多い。
・ 辞める若者が増えた → 増えていない。一見増えたように見えるのも、不況期に就職した社員がやり直しをしているなどの理由で説明可能。
・ 正社員の代替として派遣社員が増えている → (偽装を含む)請負からの付け替えなどが多い。
・ 熟年労働者がおいしいところを持っていっている → 40代、50代でも非正規社員は増えている。年収は減っている。若者が割を食っているように見えるのは、実は、高学歴化(20代後半まで働かない人もたくさんいる)などの要因もある。
などなど、労働業界で取り上げられるさまざまな議論の実態を統計資料を駆使して説明している。数字が豊富で資料価値が高い(一部誤記あり)し、雇用の現場からの議論には説得力がある。
<ここで言いたいのは、仕事を選り好みする、ということではない。本当に食うに困る状況にまでなれば、目の前にある仕事に何でも就くようになるだろうが、ある程度余裕がある状態だと、人は仕事を選ぶ。それはむしろ自然なことである。したがって社会の富裕化に伴い、構造的失業率は上昇していく。> (p. 134)
ほんとうに社会の富裕化と構造的失業率に関係があるのか分からないが、「大江戸線は『深いから』いやです」、と言った人の話とか、しょぼい話を聞くとそんなこともあるのかもしれないな、と思うな。マクロ経済学者はいろいろ反論できるんだと思うが、一般人はかなり本書の内容に納得するのでは。
・ 辞める若者が増えた → 増えていない。一見増えたように見えるのも、不況期に就職した社員がやり直しをしているなどの理由で説明可能。
・ 正社員の代替として派遣社員が増えている → (偽装を含む)請負からの付け替えなどが多い。
・ 熟年労働者がおいしいところを持っていっている → 40代、50代でも非正規社員は増えている。年収は減っている。若者が割を食っているように見えるのは、実は、高学歴化(20代後半まで働かない人もたくさんいる)などの要因もある。
などなど、労働業界で取り上げられるさまざまな議論の実態を統計資料を駆使して説明している。数字が豊富で資料価値が高い(一部誤記あり)し、雇用の現場からの議論には説得力がある。
<ここで言いたいのは、仕事を選り好みする、ということではない。本当に食うに困る状況にまでなれば、目の前にある仕事に何でも就くようになるだろうが、ある程度余裕がある状態だと、人は仕事を選ぶ。それはむしろ自然なことである。したがって社会の富裕化に伴い、構造的失業率は上昇していく。> (p. 134)
ほんとうに社会の富裕化と構造的失業率に関係があるのか分からないが、「大江戸線は『深いから』いやです」、と言った人の話とか、しょぼい話を聞くとそんなこともあるのかもしれないな、と思うな。マクロ経済学者はいろいろ反論できるんだと思うが、一般人はかなり本書の内容に納得するのでは。
2009年5月18日に日本でレビュー済み
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テレビや新聞、雑誌で報じられ、そのまま鵜呑みにされがちな「もっともらしいウソ」。
たとえば、「終身雇用の崩壊が進んでいる」や「新入社員の早期退職が増えている」といった、評論家風コメンテーターが政治批判や、教育評論のために使う「ウソ」を、筆者は公にされているデータ+人材エージェント独自のデータ(これも公開されているようですが)を元に鮮やかに、分かりやすく、論破している。
さらに、一見、理論武装されている風に見える著名コメンテーター(森永さんとか、中谷さんとか)の論も、緻密な(でも分かりやすい)ロジックでバッサリ。これは痛快。(鵜呑みにしていた自分が、恥ずかしい・・・)
最終章の2つの暴論も面白い。
単に他人の論を破るだけで終わるのではなく、人材ビジネスの最前線に身を置く筆者ならではの面白い提案になっている。
人事や、採用を仕事にしている人は必読だと思うし、「世の中で語られているもっともらしいウソ」に踊らされたくないと思っている方におすすめしたいです。
たとえば、「終身雇用の崩壊が進んでいる」や「新入社員の早期退職が増えている」といった、評論家風コメンテーターが政治批判や、教育評論のために使う「ウソ」を、筆者は公にされているデータ+人材エージェント独自のデータ(これも公開されているようですが)を元に鮮やかに、分かりやすく、論破している。
さらに、一見、理論武装されている風に見える著名コメンテーター(森永さんとか、中谷さんとか)の論も、緻密な(でも分かりやすい)ロジックでバッサリ。これは痛快。(鵜呑みにしていた自分が、恥ずかしい・・・)
最終章の2つの暴論も面白い。
単に他人の論を破るだけで終わるのではなく、人材ビジネスの最前線に身を置く筆者ならではの面白い提案になっている。
人事や、採用を仕事にしている人は必読だと思うし、「世の中で語られているもっともらしいウソ」に踊らされたくないと思っている方におすすめしたいです。
2009年7月30日に日本でレビュー済み
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筆者の言いたいことは分かります。
自分の主張を数字や統計をもとにして話しています。
しかし、私には何かの論文でも読んでいるようでとても取っつきにくかったです。
まず、文章が横書きなところで私にはアウトでした。
自分の主張を数字や統計をもとにして話しています。
しかし、私には何かの論文でも読んでいるようでとても取っつきにくかったです。
まず、文章が横書きなところで私にはアウトでした。
2009年8月13日に日本でレビュー済み
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論証の出発点は的確な現状認識で、それには統計が必須であるにもかかわらず、雰囲気や感覚で世論が形成されてしまう現状がある。
このような現状は、人々が「信じたい」ことを目の前に顕在化させるという立派な機能ではあるが、正確な論証ではなくなってしまう。本書は、人々が「信じたい」ことを、さまざまな統計により「ウソ」であることを明らかにしていくもの。
確かに、本書を一読すれば、メディアなどで常識として語られるさまざまな現象が、実は統計に基づかないウソであることがわかり、収穫はある。しかし、本書はそのような常識がウソであることの論証に大きく力が割かれており、ときおり書かれている建設的論証が薄弱な感がある。
たとえば、110ページの「年配者が高級なのは若年時に薄給だったから」では、搾取されている(とされる)若者の薄給は「今度は『もらいすぎ』の立場になっている」から「熟年が若者を搾取するという世代対立軸に関しては、根拠が曖昧なものが多い」というが、この論証は人口減少等により経済の縮小など、考慮されるべき要素が考慮されておらず、批判のみに基づいた論証となっている(若者が熟年になる頃、組織は現存しているだろうか?)。
このため、「ウソ」を暴く箇所は評価できるが、根拠の薄弱な「ぼやき」も混同しているので−★★。
このような現状は、人々が「信じたい」ことを目の前に顕在化させるという立派な機能ではあるが、正確な論証ではなくなってしまう。本書は、人々が「信じたい」ことを、さまざまな統計により「ウソ」であることを明らかにしていくもの。
確かに、本書を一読すれば、メディアなどで常識として語られるさまざまな現象が、実は統計に基づかないウソであることがわかり、収穫はある。しかし、本書はそのような常識がウソであることの論証に大きく力が割かれており、ときおり書かれている建設的論証が薄弱な感がある。
たとえば、110ページの「年配者が高級なのは若年時に薄給だったから」では、搾取されている(とされる)若者の薄給は「今度は『もらいすぎ』の立場になっている」から「熟年が若者を搾取するという世代対立軸に関しては、根拠が曖昧なものが多い」というが、この論証は人口減少等により経済の縮小など、考慮されるべき要素が考慮されておらず、批判のみに基づいた論証となっている(若者が熟年になる頃、組織は現存しているだろうか?)。
このため、「ウソ」を暴く箇所は評価できるが、根拠の薄弱な「ぼやき」も混同しているので−★★。
2010年7月26日に日本でレビュー済み
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データの裏付けも十分にない、結論先行の俗論を痛快に斬っているので、非常に面白いです。
ものごとの本質を、感情論で流されることなく、考えることへの問題提起ができています。
筆者は、あえて、自分の立ち位置をニュートラルに置くことで、そうした問題提起に成功したのだと思います。
ものごとの本質を、感情論で流されることなく、考えることへの問題提起ができています。
筆者は、あえて、自分の立ち位置をニュートラルに置くことで、そうした問題提起に成功したのだと思います。
2009年5月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「底の底」を考えさせる一冊である。
今、「底の底」が問われている。採用のあり方、正規・非正規、過労・メンタル・自殺・ワークライフバランス等どれ一つをとってもみな重い。が、それらが底のところで通じあい、底の底で「日本的雇用慣行」に通じているなら、そこに迫らなければ真の解決策は見つからない。
この本は「常識」という名の「ウソ」を「マコト」にする本である。また、「底の底」の日本的慣行を真正面から考える本、だともまた言える。であればこれをキッカケに、日本的雇用慣行の何を引継ぎ、何を直し、何を捨てるか、改めて考えてみるのもいいかもしれない。
今、「底の底」が問われている。採用のあり方、正規・非正規、過労・メンタル・自殺・ワークライフバランス等どれ一つをとってもみな重い。が、それらが底のところで通じあい、底の底で「日本的雇用慣行」に通じているなら、そこに迫らなければ真の解決策は見つからない。
この本は「常識」という名の「ウソ」を「マコト」にする本である。また、「底の底」の日本的慣行を真正面から考える本、だともまた言える。であればこれをキッカケに、日本的雇用慣行の何を引継ぎ、何を直し、何を捨てるか、改めて考えてみるのもいいかもしれない。