小山田いく氏の作品は，コアなファンが多いですが，何が良くてファンが読んでいるかは本作品を読めば何となく理解できると思います。
場所は上野駅前にある大衆食堂「衆楽苑」。戦前から多くの人に親しまれて営業を続けています。特に何も珍しいところがない店のように見えますが，この店を舞台に多くのエピソードが語られます。新幹線が開通するまでは，東京以北の列車の発着駅は上野駅だったこともあって，それぞれのエピソードに不快ではない「光と影」が存在します。
基本的に１話完結ですから読みやすいです。また，連載誌の都合上，本作品は最後まで単行本が発刊されませんでしたが，ファンの熱心な要望により復刻版で最終話まで掲載されています。かつて読んだ人も，読んだことがない人も，オススメの一冊です。
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