私は漫画家については、あくまでストーリーと漫画表現の巧みさを求め、絵についてはそれらを邪魔しない絵であることしか求めない。つまり物語とマッチした絵であることが重要なのであって、単体の絵を集めたカラーイラスト集を見て酔いしれるということがない。しかし山岸凉子となるとやはり、ときに衝撃を受けるほど完成度が高く、かつ意表をつく絵が多い。
おそらく他の山岸先生のファンよりも、私のこの本に対するテンションは低いものだと思う。本音を言うと、ここに収録されたカラーイラストよりも、漫画スピンクスの中で、登場するたび微妙にそのボディデザインを変え、そしてどの肢体でも十分に読者に“魅せる”グラマラスなスピンクスを眺めるのが一番楽しい。それでも☆を４つ付ける。もともと、同時に収録されている漫画が非常に怖いとのことで、そちらが目当てで買ったのだが（山岸先生の恐怖表現が好き）、これが若干期待外れ（時間がなかったようで絵もあれぎみ）。ちょっと残念。
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