有本香さんの紹介によってこの本の存在を知りました。
注文したときは3ヶ月で到着とありましたが、実際は1週間で届きました。
が、今現在は中古品のみとなっているようですね・・・
著者は村ではそこそこ裕福な家の子供で、親族(父や叔父)はそれなりの有力者、または高位の僧侶でした。
これが徒となり、囚人になってからは「人民(笑)から搾取してきた者」としてとりわけ酷い扱いを受けることになったようです。
彼を含め彼らの戦いは未だ続いていますが、彼らが生きて悲しみから解放されるときが早く来ることを願ってやみません。
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雪の下の炎 単行本 – 2009/1/18
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祈りと怒り、衝撃の自伝。
28歳のチベット僧はある日、身に覚えのない容疑で中国政府に逮捕、投獄される。それは、強制労働や飢餓そして残忍な拷問など、いつ終わるとも知れぬ、想像を絶するおぞましい日々の始まりであった……。
30年以上もの長きにわたる苛酷な獄中生活にもかかわらず、強靭な精神力により決して屈することなく生き延びた著者の、苦難と忍耐の物語。
北京オリンピックが終わり、あらためてチベットをはじめとする中国国内の民族問題に世界中の注目が注がれています。チベット僧侶である著者の想像を絶する体験記であり、そして貴重な記録である本書。ひとりでも多くの方に読んでいただきたい作品です。
※本書は1998年に新潮社から刊行され、その後絶版となっていた同名作品の復刊です
28歳のチベット僧はある日、身に覚えのない容疑で中国政府に逮捕、投獄される。それは、強制労働や飢餓そして残忍な拷問など、いつ終わるとも知れぬ、想像を絶するおぞましい日々の始まりであった……。
30年以上もの長きにわたる苛酷な獄中生活にもかかわらず、強靭な精神力により決して屈することなく生き延びた著者の、苦難と忍耐の物語。
北京オリンピックが終わり、あらためてチベットをはじめとする中国国内の民族問題に世界中の注目が注がれています。チベット僧侶である著者の想像を絶する体験記であり、そして貴重な記録である本書。ひとりでも多くの方に読んでいただきたい作品です。
※本書は1998年に新潮社から刊行され、その後絶版となっていた同名作品の復刊です
- 本の長さ271ページ
- 言語日本語
- 出版社ブッキング
- 発売日2009/1/18
- ISBN-104835443985
- ISBN-13978-4835443980
商品の説明
著者について
パルデンギャツォ
1933年生まれ。28歳のときに中国政府により逮捕。1992年、じつに31年間にもおよぶ獄中生活の後に釈放。同年、中国占領下のチベットより脱出。チベット亡命政権のあるインド北部ダラムサラを拠点に各国を訪問。国連人権委員会で証言を行うなど、チベットと世界の平和のために精力的な活動を続けている。
1933年生まれ。28歳のときに中国政府により逮捕。1992年、じつに31年間にもおよぶ獄中生活の後に釈放。同年、中国占領下のチベットより脱出。チベット亡命政権のあるインド北部ダラムサラを拠点に各国を訪問。国連人権委員会で証言を行うなど、チベットと世界の平和のために精力的な活動を続けている。
登録情報
- 出版社 : ブッキング (2009/1/18)
- 発売日 : 2009/1/18
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 271ページ
- ISBN-10 : 4835443985
- ISBN-13 : 978-4835443980
- Amazon 売れ筋ランキング: - 986,947位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,166位中国文学研究
- - 123,253位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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カスタマーレビュー
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5 星
絶望と勇気と
人間は他者に対し、これほどまでに残酷に、無慈悲に、卑劣に振るまえる生き物であり、またこれほどまでに強靭な精神と利他的な心を持ち続ける生き物でもある、ということを示してくれる本だ。読み進めているうちに深い絶望を感じずにはおられないが、パルデン氏のこの書籍の底辺に流れているユーモアと楽観主義....悲惨な獄中の中でも決して屈することなく、助け合い、戦い続ける多くの囚人達の行動に驚かされ、逆に読者の方が勇気づけられるのだ。この本の原書が英国で出版されたのが1997年とのことだが、その後もチベットの状況は悪化する一方であり、1933年生まれのパルデン氏は2009年の今も精力的に世界中をまわってチベットの実情を訴え続けていらっしゃるそうだ。その強靭な精神と肉体に、ただ尊敬の念を抱かずにはおられない。前半の、パルデン氏のチベットでの幼少時代の情景は、みずみずしい色彩に溢れ、美しい。
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2009年1月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
帯に「衝撃の自伝」と書いてありますが、本当に衝撃的なので、
グングン引き込まれていきます。最終章のあたりは、読んでると
勇気が出ます。
現在進行形で起きている深刻な問題なので、出来るだけ多くの方に
読んでほしいと思う一冊です。
グングン引き込まれていきます。最終章のあたりは、読んでると
勇気が出ます。
現在進行形で起きている深刻な問題なので、出来るだけ多くの方に
読んでほしいと思う一冊です。
2009年1月20日に日本でレビュー済み
31年――何の年月かによってそれが長いのか短いのかは変わろうが、それが「獄中にいた期間」となると、「長い」ということになるだろう。しかもその人物は政府の思想に従わないという理由で拘束され、服役期間を度々延長され、釈放されたかと思うとまた拘束されてきた"良心の囚人"だった。それを考えると余りに長すぎると言わざるを得ない。
1959年、政治犯として獄中に繋がれた彼は、侵略国当局の執拗な拷問を受け、"思想改造"を迫られる。チベット人がチベット人を虐げるという悲劇さえ繰り返された。
同書には彼のみならず、その他チベット人の"良心の囚人"の悲劇が幾つも記されている。
しかし、彼の思想は決して"改造"させられることはなかった。
「人間の肉体ははかりしれないほどの苦痛にも耐えることができ、しかも回復する。傷は癒える。だが、精神が挫けてしまったら、すべては壊れてしまうのだ」
鋼のような強靭な精神力――これが彼に生きる力を与えてくれていた。彼だけではない。侵略国当局が抑圧すればするほど、チベット人を分断しようとすればするほど、政治囚たちは反発を強め、団結を固めていく。力と脅しによる抑圧で仮に土地を支配できたとしても、人の心と誇りは支配できないのである。同書はパルデン氏の悲劇の人生を描き、侵略国当局の悪逆非道さ、抑圧による人権無視の支配のむごたらしさと虚しさを訴えるものであると同時に、そうした数多くの"良心の囚人"たちの群像劇でもある。
釈放後もパルデン氏の闘いは続く。インドに亡命し、力による抑圧に対する言葉による反撃が始まったのだ。同書を世に出したのもその一環である。
先述したように、侵略国の抑圧に抗う"良心の囚人"は彼だけではない。彼が去った後の獄中でも、自由を求める闘いはなおも続いているだろう。
"雪の国"チベットで自由を求める熱い思い――「雪の下の炎」は消えることはない。
1959年、政治犯として獄中に繋がれた彼は、侵略国当局の執拗な拷問を受け、"思想改造"を迫られる。チベット人がチベット人を虐げるという悲劇さえ繰り返された。
同書には彼のみならず、その他チベット人の"良心の囚人"の悲劇が幾つも記されている。
しかし、彼の思想は決して"改造"させられることはなかった。
「人間の肉体ははかりしれないほどの苦痛にも耐えることができ、しかも回復する。傷は癒える。だが、精神が挫けてしまったら、すべては壊れてしまうのだ」
鋼のような強靭な精神力――これが彼に生きる力を与えてくれていた。彼だけではない。侵略国当局が抑圧すればするほど、チベット人を分断しようとすればするほど、政治囚たちは反発を強め、団結を固めていく。力と脅しによる抑圧で仮に土地を支配できたとしても、人の心と誇りは支配できないのである。同書はパルデン氏の悲劇の人生を描き、侵略国当局の悪逆非道さ、抑圧による人権無視の支配のむごたらしさと虚しさを訴えるものであると同時に、そうした数多くの"良心の囚人"たちの群像劇でもある。
釈放後もパルデン氏の闘いは続く。インドに亡命し、力による抑圧に対する言葉による反撃が始まったのだ。同書を世に出したのもその一環である。
先述したように、侵略国の抑圧に抗う"良心の囚人"は彼だけではない。彼が去った後の獄中でも、自由を求める闘いはなおも続いているだろう。
"雪の国"チベットで自由を求める熱い思い――「雪の下の炎」は消えることはない。
2009年1月25日に日本でレビュー済み
人間がどれほど残虐になれるか。
一方で、どれほど清明で強い精神を持つことができるか。
その両方の姿を見せられた本でした。
そして、虐げられた側の著者の言葉のどこにも虐げた人間への憎しみがないことに驚きます。
この著者の目には人間はどんなふうに映っているのだろう、と不思議でなりませんでした。
この本は最初に出版されてから、邦訳、絶版、そして復刊という経緯を辿っています。
この間にも著者と同じような理由で逮捕され、今も拘束されたままの人もいると聞くと言葉もありません。
こういうノンフィクション書籍を読む時には、反対意見、第三者の視点も併せて知るべきだと思います。ですが、現実には何が起こっているのか、それを知らせてくれる情報が世の中にはあまりに少ない。
これは「事実が事実と認められないはずがない」という信念のもとに生き延びた人が書いた本です。
その『事実』を知りたい、と強烈に感じさせる良著だと思います。
一方で、どれほど清明で強い精神を持つことができるか。
その両方の姿を見せられた本でした。
そして、虐げられた側の著者の言葉のどこにも虐げた人間への憎しみがないことに驚きます。
この著者の目には人間はどんなふうに映っているのだろう、と不思議でなりませんでした。
この本は最初に出版されてから、邦訳、絶版、そして復刊という経緯を辿っています。
この間にも著者と同じような理由で逮捕され、今も拘束されたままの人もいると聞くと言葉もありません。
こういうノンフィクション書籍を読む時には、反対意見、第三者の視点も併せて知るべきだと思います。ですが、現実には何が起こっているのか、それを知らせてくれる情報が世の中にはあまりに少ない。
これは「事実が事実と認められないはずがない」という信念のもとに生き延びた人が書いた本です。
その『事実』を知りたい、と強烈に感じさせる良著だと思います。
2009年1月27日に日本でレビュー済み
2008年の夏、パルデン・ギャツォさんご本人のお話を直接伺う機会に恵まれました。
76歳になられるパルデンさんは、とても闊達で、ユーモアに溢れ、よく焼けた体と(がっちりしていたと思われる)、 大きな手、キラキラと光る目が印象的な方でした。
ぜひ、本作を読みたいと思いましたが、絶版になっていたため、はじめは図書館で借りて読みました。
どうしても手元に欲しかったので、今回の復刊を心から喜んでいます。
残酷な拷問や獄中生活の描写よりも、パルデンさんの強い信念の方が心に残りました。
人はこんなにも残酷になれること、
人はこんなにも強くなれること。
多くのことが詰まっています。
チベット問題に興味がなくても、人間に興味がある方にはぜひ手に取っていただきたい1冊です。
76歳になられるパルデンさんは、とても闊達で、ユーモアに溢れ、よく焼けた体と(がっちりしていたと思われる)、 大きな手、キラキラと光る目が印象的な方でした。
ぜひ、本作を読みたいと思いましたが、絶版になっていたため、はじめは図書館で借りて読みました。
どうしても手元に欲しかったので、今回の復刊を心から喜んでいます。
残酷な拷問や獄中生活の描写よりも、パルデンさんの強い信念の方が心に残りました。
人はこんなにも残酷になれること、
人はこんなにも強くなれること。
多くのことが詰まっています。
チベット問題に興味がなくても、人間に興味がある方にはぜひ手に取っていただきたい1冊です。
2009年2月7日に日本でレビュー済み
パルデン師は1960年夏に無実の罪により逮捕され、1992年の夏に釈放された。その間、数々の夥しい収容所や強制労働所を転々とさせられ、27歳から60歳までの約33年間を獄中で過ごしている。人生の盛りの時期を監獄内に封じ込められたまま、絶え間ない迫害に晒され続ける人生とはどのようなものか――。まさにダライ・ラマ法王から寄せられている序文にある通り、「パルデン・ギャツォの生涯は、稀にみる苦難と忍耐の物語」だ。
本書では1950年の中国によるチベット侵攻の時期に始まり、文革の時代を経て90年代に至るまでの収容所における生活が淡々と、冷静に回想されていく。肉体への物理的な暴力については言うまでもないが、それよりもむしろ精神に対する暴力がいかに凄まじいものだったか、慄然とさせられる。例えば仏教への信仰を棄てない素振りを察知されただけで「学習集会/告発集会」で吊し上げにされ、チベット人囚人仲間からリンチにあう。力いっぱい批判してみせなければ次は自分が標的にされてしまうから、チベット人同士で心にもない非難譴責を執拗に繰り返して相手の精神や肉体をズタズタにしなければならない、その悲劇、その不条理。
生死の瀬戸際を綱渡りしていく収容所の日常においては、暴力や飢えに支配されながらも、囚人達の間で数々の劇的な場面が展開される。特に、1990年の冬の「監獄内での初めてのデモ」の描写は感動的で、何度読んでも落涙を禁じえない。少年囚が拷問死させられたのをきっかけに、パルデン師や青年囚を中心に同じ隊の全囚人が抗議のために立ち上がるのだ。監獄、しかもチベット一の悪名高いダプチ収容所で、青年囚は自らの死を賭し、先頭を切って収容所の中庭を行進する。白いシーツを裂き、美しいチベット文字で「少年囚の死を悼む」「政治囚の待遇改善を要求する」と書いた横断幕を掲げて。デモの後、この青年は「僕はもう長くない」と、秘かに身に着けていたダライ・ラマ法王のバッジを外して処刑を覚悟する。以後、看守や医療関係者の態度は明らかに変わった、とパルデン師は語る。
「看守を恐れるような素振りを見せてはならない、恐れこそが彼らに力を与えているのだから……私が三十年の獄中生活から学んだ教訓は、決して情けを乞うてはならないということだった。得るべきは、哀れみではないのだから……。」
パルデン師は獄中にあって、終始一貫して仏教徒としての己の信念、人としての正義を心に掲げ続けた。そして亡命した現在、76歳になってなお、世界各国を巡り、中国における人権の実態を訴え続けている。その小柄で華奢で強靭な背中に、獄中で無念の裡に倒れていったあまたの同胞の叫びを背負って。今は亡き数千、数万もの人々の強い希いが、世界を駆けるパルデン師を支えているに違いないのだ。
本書では1950年の中国によるチベット侵攻の時期に始まり、文革の時代を経て90年代に至るまでの収容所における生活が淡々と、冷静に回想されていく。肉体への物理的な暴力については言うまでもないが、それよりもむしろ精神に対する暴力がいかに凄まじいものだったか、慄然とさせられる。例えば仏教への信仰を棄てない素振りを察知されただけで「学習集会/告発集会」で吊し上げにされ、チベット人囚人仲間からリンチにあう。力いっぱい批判してみせなければ次は自分が標的にされてしまうから、チベット人同士で心にもない非難譴責を執拗に繰り返して相手の精神や肉体をズタズタにしなければならない、その悲劇、その不条理。
生死の瀬戸際を綱渡りしていく収容所の日常においては、暴力や飢えに支配されながらも、囚人達の間で数々の劇的な場面が展開される。特に、1990年の冬の「監獄内での初めてのデモ」の描写は感動的で、何度読んでも落涙を禁じえない。少年囚が拷問死させられたのをきっかけに、パルデン師や青年囚を中心に同じ隊の全囚人が抗議のために立ち上がるのだ。監獄、しかもチベット一の悪名高いダプチ収容所で、青年囚は自らの死を賭し、先頭を切って収容所の中庭を行進する。白いシーツを裂き、美しいチベット文字で「少年囚の死を悼む」「政治囚の待遇改善を要求する」と書いた横断幕を掲げて。デモの後、この青年は「僕はもう長くない」と、秘かに身に着けていたダライ・ラマ法王のバッジを外して処刑を覚悟する。以後、看守や医療関係者の態度は明らかに変わった、とパルデン師は語る。
「看守を恐れるような素振りを見せてはならない、恐れこそが彼らに力を与えているのだから……私が三十年の獄中生活から学んだ教訓は、決して情けを乞うてはならないということだった。得るべきは、哀れみではないのだから……。」
パルデン師は獄中にあって、終始一貫して仏教徒としての己の信念、人としての正義を心に掲げ続けた。そして亡命した現在、76歳になってなお、世界各国を巡り、中国における人権の実態を訴え続けている。その小柄で華奢で強靭な背中に、獄中で無念の裡に倒れていったあまたの同胞の叫びを背負って。今は亡き数千、数万もの人々の強い希いが、世界を駆けるパルデン師を支えているに違いないのだ。
2009年1月29日に日本でレビュー済み
人間は他者に対し、これほどまでに残酷に、無慈悲に、卑劣に振るまえる生き物であり、またこれほどまでに強靭な精神と利他的な心を持ち続ける生き物でもある、ということを示してくれる本だ。読み進めているうちに深い絶望を感じずにはおられないが、パルデン氏のこの書籍の底辺に流れているユーモアと楽観主義....悲惨な獄中の中でも決して屈することなく、助け合い、戦い続ける多くの囚人達の行動に驚かされ、逆に読者の方が勇気づけられるのだ。
この本の原書が英国で出版されたのが1997年とのことだが、その後もチベットの状況は悪化する一方であり、1933年生まれのパルデン氏は2009年の今も精力的に世界中をまわってチベットの実情を訴え続けていらっしゃるそうだ。その強靭な精神と肉体に、ただ尊敬の念を抱かずにはおられない。
前半の、パルデン氏のチベットでの幼少時代の情景は、みずみずしい色彩に溢れ、美しい。
この本の原書が英国で出版されたのが1997年とのことだが、その後もチベットの状況は悪化する一方であり、1933年生まれのパルデン氏は2009年の今も精力的に世界中をまわってチベットの実情を訴え続けていらっしゃるそうだ。その強靭な精神と肉体に、ただ尊敬の念を抱かずにはおられない。
前半の、パルデン氏のチベットでの幼少時代の情景は、みずみずしい色彩に溢れ、美しい。
人間は他者に対し、これほどまでに残酷に、無慈悲に、卑劣に振るまえる生き物であり、またこれほどまでに強靭な精神と利他的な心を持ち続ける生き物でもある、ということを示してくれる本だ。読み進めているうちに深い絶望を感じずにはおられないが、パルデン氏のこの書籍の底辺に流れているユーモアと楽観主義....悲惨な獄中の中でも決して屈することなく、助け合い、戦い続ける多くの囚人達の行動に驚かされ、逆に読者の方が勇気づけられるのだ。
この本の原書が英国で出版されたのが1997年とのことだが、その後もチベットの状況は悪化する一方であり、1933年生まれのパルデン氏は2009年の今も精力的に世界中をまわってチベットの実情を訴え続けていらっしゃるそうだ。その強靭な精神と肉体に、ただ尊敬の念を抱かずにはおられない。
前半の、パルデン氏のチベットでの幼少時代の情景は、みずみずしい色彩に溢れ、美しい。
この本の原書が英国で出版されたのが1997年とのことだが、その後もチベットの状況は悪化する一方であり、1933年生まれのパルデン氏は2009年の今も精力的に世界中をまわってチベットの実情を訴え続けていらっしゃるそうだ。その強靭な精神と肉体に、ただ尊敬の念を抱かずにはおられない。
前半の、パルデン氏のチベットでの幼少時代の情景は、みずみずしい色彩に溢れ、美しい。
このレビューの画像
2009年1月19日に日本でレビュー済み
ダライ・ラマ法王日本代表部事務所のHPを見て、良心の囚人であるパルデンさんの事を知りました。危険を冒して拷問器具を持ち出し、チベット人が中国共産党にどんなに苦しめられてきたか、今なお続く無実の人々への虐殺・拷問を国連で初めて証言するに至るまでが書かれています。
釈放された後も同志と共に、チベット解放を町に張り紙して再度投獄されるといったレジスタンスは、現在のチベット人にも受け継がれている通りです。
日本でも聖火リレー時のチベットサポーターに対するすさまじい暴力など、いろんな妨害がありました。この本を読み、チベット人の勇気と苦しみに打ち勝つ強靭な精神、寛容の心を見習い、引き続きチベット弾圧に声を上げていこうというパワーをもらいました。
一度絶版になった良書と聞いていたので、貴重な記録として購入する事にしました。
釈放された後も同志と共に、チベット解放を町に張り紙して再度投獄されるといったレジスタンスは、現在のチベット人にも受け継がれている通りです。
日本でも聖火リレー時のチベットサポーターに対するすさまじい暴力など、いろんな妨害がありました。この本を読み、チベット人の勇気と苦しみに打ち勝つ強靭な精神、寛容の心を見習い、引き続きチベット弾圧に声を上げていこうというパワーをもらいました。
一度絶版になった良書と聞いていたので、貴重な記録として購入する事にしました。