「文は人なり」とは限らない。作者と文章は別物だ、というのが現代文学の主流かとは存じますが、この本についていえば、文章と作者の人柄が一致していてほしい。そう思わされてしまう素敵なエッセー集です。
子育てをして発見した言葉への深い洞察を軽妙に書いています。子連れになって他人の見合いに遭遇する機会が増えたこと、家庭で禁句をつくるとどんな不都合が生じるか、「訛り」の大切さ……。テーマだけでもセンスの良さを感じさせませんか。おおらかそうなご主人が折に触れて登場するユーモアある文章を読んでいると、こんな一家に生まれた娘さんはラッキーだなぁ、と思うわけです。
「頭がよくて意地悪」と評されたりする小説家K井氏のように、頭脳明晰な女性文筆家にありがちなイヤミさとは無縁な、好感の持てる読後感です。女性に人気がある『嵐が丘』の翻訳者らしく、男勝りというより女性的な優しさが滲み出ているのかも。「アタマのいい女性たち」からは「文章に性差などない」とお叱りを受けるかもしれませんが。
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孕むことば 単行本 – 2008/5/22
鴻巣 友季子
(著)
翻訳は楽しい。
子育てはもっと楽しい。
「鴻巣さんの巣は、ことばの胚を孵化させる秘密の巣。翻訳家こそが、ことばの真の精霊だ、と嫉妬してしまう本。」と小川洋子さんも絶賛。
翻訳家として『嵐が丘』の新訳を産み出し、40にして妊娠出産、そして子育て。娘と過ごす日日は驚きと発見の連続だった。
「わたしのお腹から出てきた小さな生きものは、おかしなことばを次々と創り出す閃きの宝庫、ことばの宝島だった。翻訳のヒントまでもが大判小判のごとくざくざく埋まっていた。」
子どもを孕み、ことばを孕む三年間を生き生きと描いた見事なエッセイ集。
子育てはもっと楽しい。
「鴻巣さんの巣は、ことばの胚を孵化させる秘密の巣。翻訳家こそが、ことばの真の精霊だ、と嫉妬してしまう本。」と小川洋子さんも絶賛。
翻訳家として『嵐が丘』の新訳を産み出し、40にして妊娠出産、そして子育て。娘と過ごす日日は驚きと発見の連続だった。
「わたしのお腹から出てきた小さな生きものは、おかしなことばを次々と創り出す閃きの宝庫、ことばの宝島だった。翻訳のヒントまでもが大判小判のごとくざくざく埋まっていた。」
子どもを孕み、ことばを孕む三年間を生き生きと描いた見事なエッセイ集。
- 本の長さ237ページ
- 言語日本語
- 出版社マガジンハウス
- 発売日2008/5/22
- ISBN-104838718705
- ISBN-13978-4838718702
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登録情報
- 出版社 : マガジンハウス (2008/5/22)
- 発売日 : 2008/5/22
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 237ページ
- ISBN-10 : 4838718705
- ISBN-13 : 978-4838718702
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,282,390位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 35,050位エッセー・随筆 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年4月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
思っていたより、言い回しが分かりにくかったので途中から読まなくてもいいかなとも思った
2008年7月1日に日本でレビュー済み
女性翻訳家による、育児と言葉にまつわるエッセー集。
一読して感じるのは、とにかく文がきれいだということです。
例えば、男性に一番受けそうな「靴下問題」の章では、女子高生の頃、男子とセックスするときに、靴下は脱ぐのか、ということが問題になった、と述べています。同年代の男子は、気がはやって、下着を脱がすのに必死で、靴下までは面倒をみてくれない。すると、セックスの間中、靴下のみの姿でいるのか。なんと、みっともない。
・・・という話なのですが、これを、なんとも上品な言葉で書き綴っています。
それでいて、ちゃんと、内容も、おかしみも、伝わってきます。
さすがは、言葉使いの翻訳家です。
ただ、その上品さが災いしてか、いまひとつ物足りないのも確かです。
油ギトギトで下品な焼きそばに慣れてしまった身には、上品なそうめんは物足りない、といったところでしょうか。
自称、上品な教養人には、お勧めかもしれません。
一読して感じるのは、とにかく文がきれいだということです。
例えば、男性に一番受けそうな「靴下問題」の章では、女子高生の頃、男子とセックスするときに、靴下は脱ぐのか、ということが問題になった、と述べています。同年代の男子は、気がはやって、下着を脱がすのに必死で、靴下までは面倒をみてくれない。すると、セックスの間中、靴下のみの姿でいるのか。なんと、みっともない。
・・・という話なのですが、これを、なんとも上品な言葉で書き綴っています。
それでいて、ちゃんと、内容も、おかしみも、伝わってきます。
さすがは、言葉使いの翻訳家です。
ただ、その上品さが災いしてか、いまひとつ物足りないのも確かです。
油ギトギトで下品な焼きそばに慣れてしまった身には、上品なそうめんは物足りない、といったところでしょうか。
自称、上品な教養人には、お勧めかもしれません。
2009年4月14日に日本でレビュー済み
いろいろな言葉にまつわる話が、翻訳家・女性・妊婦・母といういろいろな立場で書かれていて実に面白かった。
特に、娘さんが発する「かぶさん」なるもののくだりがなかなか良かった。
文学作品も多く紹介されているので、興味が広がります。
ただ、前半は自身とことばの話がメインなのに対し、中盤から娘の成長とことばの話がメインになってしまい、最終的にはよくある「子供って素晴らしい、子育てって素敵!」って印象を受け、残念でした。
子育て経験者には、お勧めできます。
特に、娘さんが発する「かぶさん」なるもののくだりがなかなか良かった。
文学作品も多く紹介されているので、興味が広がります。
ただ、前半は自身とことばの話がメインなのに対し、中盤から娘の成長とことばの話がメインになってしまい、最終的にはよくある「子供って素晴らしい、子育てって素敵!」って印象を受け、残念でした。
子育て経験者には、お勧めできます。