私は東南アジアの専門家でもなんでもないのだが、めこんの本はよく読む。単純にどの本も面白いからだ。「本格派」というのは、出版元のめこんがつけた帯のコピーであるが、めこんは過大な帯を滅多につけない。
手にとって見ると、ずっしり重い。値段を見ると割高な感じがするが、写真、図版ともに豊富であり、私のようなシミッたれにも十分に納得できるボリュームである。
めこんで一番面白い本は、門田修の「海の見えるアジア」だと思っているが、その学術版と言えようか。在野の門田さんの本は、一種の嫉妬すら感じる快著であったが、本書の著者は東京大学の先生であり、そもそも、アタマが違う別世界の人として冷静に読める。アンダーソンと土屋健治の関係など、完全に別世界の秀才ならではの話であるが、不覚にも読んでいて感動してしまう。
このレビューを書いているのも、なんでこの本にレビューがついてないかと言う一種の憤りのようなものがあるからだ。実はとってもエライ先生らしいので、専門が同じと言う人なら遠慮と言うこともあるだろうが、一般書として十分に面白い。読み始めたら止まらない。正直、レビューを書いてるヒマがあったら、本書に耽溺していたいと言うものである。そういう人が多いので誰もレビューしないのかなと考えてみることにした。
とは言え、最初にレビューを書く人間として、面白いと連呼するだけではさすがに申し訳ない。他のサイトから目次をコピペしておきます。
【目次】
序章 旅のはじめに──バンコク
第1章 歴史ここに始まる──ベトナム北部・フングエン
第2章 王国の始まり──ベトナム北部コーロア
第3章 青銅のトライアングル──タイ東北部・バーンチェン
第4章 熱帯山地の巨人たち──スマトラ・パスマ
第5章 異人の王──ベトナム南部・オケオ
第6章 湿地の中の文明──ボルネオ・クタイ
第7章 「インド化」の故郷を求めて──インド南部・カンチープラム
第8章 海の帝国──スマトラ・パレンバン
第9章 現在の村落国家──ジャワ西部・スンダ
第10章 クメールの栄光──タイ東北部
第11章 最後のインド化──スマトラ・バルス
第12章 港市の歴史──スマトラ・パレンバン
第13章 そしてイスラムが来た──スラウェシ南部
第14章 商業の時代──沖縄・八重山諸島
第15章 照葉樹林の商人王国──雲南・シプソンパンナー
第16章 移動する農民たち──タイ東北部
第17章 海上の摩天楼──シンガポール
第18章 女神たちの高度成長──バンコク
第19章 ドイモイの憂鬱──ハノイ
終章 旅のなかばに──追想の土屋健治
初版は1997年。
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緑色の野帖: 東南アジアの歴史を歩く 単行本 – 1997/3/1
桜井 由躬雄
(著)
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歴史家とは本来、旅のガイドのようなものではないだろうか。風景の積み重なりが歴史を読み解く鍵になる……。これが著者の持論です。そこで、彼は歩きまわります。スタートはベトナムのドンソン文化。そして、インド化、港市都市、イスラムの到来、商業の時代、高度成長を経て最後はドイモイ。つまり、東南アジアをひとまわりするうちに3000年の歴史を学んでしまうという仕掛け。ドンソン文化からドイモイまでを歩く壮大な歴史紀行です。貴重な写真もたっぷり、楽しく考える旅をどうぞ。
- 本の長さ441ページ
- 言語日本語
- 出版社めこん
- 発売日1997/3/1
- ISBN-104839601054
- ISBN-13978-4839601058
商品の説明
出版社からのコメント
「アジアを旅する楽しみが1つ増えました・・・」そんな本です。
内容(「MARC」データベースより)
元々歴史家は旅人だった。ヘロドトス然り、司馬遷然り。様々な文明を旅してはそれを時間軸に整理していく。東洋史と農学の優れた目を持つ著者が、東南アジアを歩きつつ、ドンソン文化からドイモイまでを眺める壮大な試み。
登録情報
- 出版社 : めこん (1997/3/1)
- 発売日 : 1997/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 441ページ
- ISBN-10 : 4839601054
- ISBN-13 : 978-4839601058
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,195,637位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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