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日出処の天子 〈完全版〉/第7巻 (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ) コミック – 2012/4/23
山岸凉子
(著)
ときは飛鳥時代前夜。激動の時代の中で出会った厩戸王子(うまやどのおうじ)と蘇我毛人(そがのえみし)。二人を軸に、壮大な歴史絵巻が繰り広げられる! 過去一度も収録されなかった貴重なカラー原稿を完全再現。山岸凉子の最高傑作が、今、〈完全版〉として復刻! ! 全7巻、完結となる最終巻、ついに刊行! !
- 本の長さ321ページ
- 言語日本語
- 出版社メディアファクトリー
- 発売日2012/4/23
- ISBN-104840144605
- ISBN-13978-4840144605
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登録情報
- 出版社 : メディアファクトリー (2012/4/23)
- 発売日 : 2012/4/23
- 言語 : 日本語
- コミック : 321ページ
- ISBN-10 : 4840144605
- ISBN-13 : 978-4840144605
- Amazon 売れ筋ランキング: - 304,241位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年4月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
多様性の時代と言われる昨今ですが、40年も前にこの作品が描かれていたのはすごいと思います。今の若い世代の人たちの心にも刺さる作品ではないでしょうか。60代でまた出会えた事が嬉しかったです。
2023年10月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本編は単行本を持っているので、たまに読み返していました。
その単行本に、馬屋古女王は収録されていなかったので、ほぼ40年振りに読むことができました。
もう少し前に、無性に読みたくなってAmazonでも探したのですが、
その時はKindle化されていなくてあきらめていました。
文明の利器(古!!)を感じました。
その単行本に、馬屋古女王は収録されていなかったので、ほぼ40年振りに読むことができました。
もう少し前に、無性に読みたくなってAmazonでも探したのですが、
その時はKindle化されていなくてあきらめていました。
文明の利器(古!!)を感じました。
2021年4月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ため息がでる程、個人的に好きな作品。LALAに連載された時、夢中で読んで気づかなかったキャラの表情の細かな線を改めて味わえた幸福に浸っている。かなわぬ思いだが続編やスピンオフを読みたかった。
2019年2月13日に日本でレビュー済み
日本というのは、同性愛者をソドミストと呼び処刑していた一神教(キリスト教、ユダヤ教、イスラム教)の国々と異なり、元々同性愛の存在を全面的に認めてきた国です。
事始の神々アメノミナカヌシら造化三神に性別はありませんでした。男装女子や女装男子はアマテラスオオミカミやヤマトタケルが初めだし、歌舞伎や陰間の時代を経て、西洋のキリスト教概念が入ってきて、同性愛を「変態」とする動きが出て来ても、なおも吉屋信子も川端康成も江戸川乱歩も堀辰雄も、著作内で普通に同性愛を扱っており、宝塚の人気も強く、そもそも同性愛がタブーだったという時代がない国。
BLの原点だと書かれている方いますが、BLの原点が必ずしもこの作品だとは言えません。
だからBL要素自体は、私は少しも違和感に感じませんでした。…が!
昔読んだ時に謎のままだったものを、全て読み返してみて…うん、やっぱり妖艶で壮大な歴史絵巻、強さと儚さを併せ持つ厩戸が今なお美しい…だけど、淡水、あなただけがやっぱり昔も今も解らない。
彼の真の目的は何だったの?花郎等の新羅の青年組織が彼の背後にあるらしいので、厩戸王子の血を絶えさせ、大和国を弱体化させることが目的?(大和国は歴史的に調子麻呂の出身国・百済とは懇意だったけれど、新羅とは昵懇ではなかった)と思ってたけど、最後まで王子から離れなかった所を見ると、どうもそうではなさそう。第一そうだとしたら、隠密として単に王子を殺せばいいだけの話だし、聡明な王子が彼を近づけるはずもない。淡水が王子の命を何度も救っていること自体が有り得ない。
じゃ弥勒の生まれ変わりである王子を純粋にリスペクトし、忠義な臣下になりたかっただけ?…と思ったけど、毛人と厩戸との関係には嫉妬というか、阻むような動きを見せた。
そうか彼は少年趣味で厩戸王子そのものが目的だったのか!…と六巻で思ったけれど、たった一度思いを遂げた後はあっさりと身を引いてしまった。
も~何?一度でも成就すればそれでよかったの?と思ったけど、その後も厩戸の元を立ち去ることなく普通に仕えている様子。
だが次第に壊れてゆく厩戸を見ても、純粋に心配する調子麻呂と違い、平然としている…
解らない…本当に解らない、謎すぎる。昔も今も一番気になる人物です。毛人が「朝廷が新羅に出兵するのを平然と見送ってるなんて不思議な男だ」と云うけど、ホント不思議。
謎のままだから嫌だと云うのではなく、その位、印象に強く残る人物だったので、彼についての番外編が欲しかった。もう大昔の作品ですから、今となっては望めないでしょうが…
ただ淡水と調子麻呂に向かって厩戸が笑い交じりに云う「お前たち二人、新羅と百済が雁首揃えているようだ」というのは全くその通りで(勿論、大和人目線から見てですが)大和国に対し忠義で、お人好しで騙されやすく心優しい百済と、大和にとっては色々教えてくれる師であり、朝貢等もしてくれているが、どこか気の許せないライバルであった国・新羅、この二国の擬人化のよう。日本書紀を読むと、やはりこういう印象を持ちます。
調子麻呂は、新羅(と調子麻呂自身の実母、そして異父兄である淡水)に騙され国に帰れなくなった上、どうも大和にも父王の窮地を見捨てられたことがあるらしく、振り回されっぱなしで気の毒ですが、心優しい人物で、彼なりのプラトニックな恋をちゃんと成就させている。
毛人はごく普通の人間らしい男で、面白味には若干欠けるが、彼らやトリが出てくると暫しなごみますw
謎多き作品ですが、それでもなお素晴らしいので、星5。ああん番外編読みたいよ~。番外編作って下さい~(涙)
それにしても王子と毛人の別れは切なかった。
同性同士だから愛せなかったんじゃなく、最初からお互い実は愛し合ってなかった。王子が求めてやまなかったのは、実は愛に応えてくれない実母の間人媛。それを埋め合わせてくれると思ったから、間人媛と同じ力を持つ(王子の能力を読み取れる)毛人を渇望した。
毛人は毛人で、王子の神秘性と境遇の哀れさに心惹かれてはいたが、真に愛していたのは布都姫だったのだし、それは誰にも責めることが出来ない。王子が仮に女性だとしても、毛人は布都姫を選んだのでしょう。
しかも王子の愛は毛人の言う通り、相手をコントロールしようとする愛であり、本物の愛ではない。仮に本当の愛なら、自らの心を殺してでも相手の願いを叶えようとするもの。毛人の為に、蘇我一族に身内を全滅させられた恨みを全て捨て去った布都姫に対し、逆に厩戸は権力を利用し、毛人の最も愛する女性をこっそりと追い落とし、手すらかけようとしたのです。
これは、知っちゃったらもう、絶対愛せませんし信頼関係も崩壊でしょう。たとえ毛人が厩戸を好ましく感じた時代が過去にあったとしてもです。これは異性か同性かの差ではなく、一見不幸な境遇ながら、白髪女の献身的な愛を受けて育った布都姫と、一見非の打ちどころない家庭に育ちながら、母親にすら全く愛されなかった厩戸との哀しい差でした。
何という我儘で欲深な愛で、それにもまして残酷な擦れ違いかと。大人になった今読み返しても、厩戸と毛人との絶望に満ちた別れの応酬には、胸がひりひりと痛みます。
まぁ、一番悪いのは、私は我が子である王子に一切向き合おうとせず、逃げまくっていた母親の間人媛だと思うのだけどね。
この物語は、同性愛というテーマを扱っているようでありながら、よく読むとBL要素は単なる副産物でしかなく、実は肉親愛の欠落した一人の人間の悲劇を描いているのです。…近親相姦の物語と言っていいくらい。
愛する者から目を背けられた人間が、いかにして闇路を選んでしまうものなのか。浴びるほどの栄光を掴んでも、その背後でどれほど心が荒廃してゆくものなのか。たとえ幼くして母親と死別しても、愛された記憶ただ一つあれば、幸せにもなれようものを。
「人間ではない」と誰かに言われる度「黙れ」と反発し、残忍な殺戮を繰り返す(そしてその結果ますます母親に厭われる)厩戸。
自分が不幸だから、周りの人々を次々不幸にしていっても(特に女性たちへの扱いは酷く、時々本気で腹立たしくなる)当然と思ってしまってる。母親への怨みを、他の女たちを蔑ろにすることで晴らそうとしているかのよう。
途方もない才色兼備であり、特殊な力まで授かりながら、当たり前の愛を受け取るということだけが、どうしても出来ない、不器用な厩戸。実父が死んだ時、たった一人で涙を流していたのに、実母にさえその悲しみを解って貰えず「父上が死んだというのに、涙すら流さないのですか」と罵られる厩戸。毛人も結局、その深すぎる闇から王子を救い出すことは出来ませんでした。
世界一大好きな母親に、美しい花を見せたかっただけなのに「酷い兄さんだこと」と叱られる(そして上手く甘えることも出来ない)幼い厩戸の心、実母に「人間ではない」と言われ「あれ」としか呼んで貰えない子供の心を考えると、心が痛みます。その挙句の、あまりに無残な結末に呆然。
これ、今だったらネグレクト、精神的虐待ですよね。
事始の神々アメノミナカヌシら造化三神に性別はありませんでした。男装女子や女装男子はアマテラスオオミカミやヤマトタケルが初めだし、歌舞伎や陰間の時代を経て、西洋のキリスト教概念が入ってきて、同性愛を「変態」とする動きが出て来ても、なおも吉屋信子も川端康成も江戸川乱歩も堀辰雄も、著作内で普通に同性愛を扱っており、宝塚の人気も強く、そもそも同性愛がタブーだったという時代がない国。
BLの原点だと書かれている方いますが、BLの原点が必ずしもこの作品だとは言えません。
だからBL要素自体は、私は少しも違和感に感じませんでした。…が!
昔読んだ時に謎のままだったものを、全て読み返してみて…うん、やっぱり妖艶で壮大な歴史絵巻、強さと儚さを併せ持つ厩戸が今なお美しい…だけど、淡水、あなただけがやっぱり昔も今も解らない。
彼の真の目的は何だったの?花郎等の新羅の青年組織が彼の背後にあるらしいので、厩戸王子の血を絶えさせ、大和国を弱体化させることが目的?(大和国は歴史的に調子麻呂の出身国・百済とは懇意だったけれど、新羅とは昵懇ではなかった)と思ってたけど、最後まで王子から離れなかった所を見ると、どうもそうではなさそう。第一そうだとしたら、隠密として単に王子を殺せばいいだけの話だし、聡明な王子が彼を近づけるはずもない。淡水が王子の命を何度も救っていること自体が有り得ない。
じゃ弥勒の生まれ変わりである王子を純粋にリスペクトし、忠義な臣下になりたかっただけ?…と思ったけど、毛人と厩戸との関係には嫉妬というか、阻むような動きを見せた。
そうか彼は少年趣味で厩戸王子そのものが目的だったのか!…と六巻で思ったけれど、たった一度思いを遂げた後はあっさりと身を引いてしまった。
も~何?一度でも成就すればそれでよかったの?と思ったけど、その後も厩戸の元を立ち去ることなく普通に仕えている様子。
だが次第に壊れてゆく厩戸を見ても、純粋に心配する調子麻呂と違い、平然としている…
解らない…本当に解らない、謎すぎる。昔も今も一番気になる人物です。毛人が「朝廷が新羅に出兵するのを平然と見送ってるなんて不思議な男だ」と云うけど、ホント不思議。
謎のままだから嫌だと云うのではなく、その位、印象に強く残る人物だったので、彼についての番外編が欲しかった。もう大昔の作品ですから、今となっては望めないでしょうが…
ただ淡水と調子麻呂に向かって厩戸が笑い交じりに云う「お前たち二人、新羅と百済が雁首揃えているようだ」というのは全くその通りで(勿論、大和人目線から見てですが)大和国に対し忠義で、お人好しで騙されやすく心優しい百済と、大和にとっては色々教えてくれる師であり、朝貢等もしてくれているが、どこか気の許せないライバルであった国・新羅、この二国の擬人化のよう。日本書紀を読むと、やはりこういう印象を持ちます。
調子麻呂は、新羅(と調子麻呂自身の実母、そして異父兄である淡水)に騙され国に帰れなくなった上、どうも大和にも父王の窮地を見捨てられたことがあるらしく、振り回されっぱなしで気の毒ですが、心優しい人物で、彼なりのプラトニックな恋をちゃんと成就させている。
毛人はごく普通の人間らしい男で、面白味には若干欠けるが、彼らやトリが出てくると暫しなごみますw
謎多き作品ですが、それでもなお素晴らしいので、星5。ああん番外編読みたいよ~。番外編作って下さい~(涙)
それにしても王子と毛人の別れは切なかった。
同性同士だから愛せなかったんじゃなく、最初からお互い実は愛し合ってなかった。王子が求めてやまなかったのは、実は愛に応えてくれない実母の間人媛。それを埋め合わせてくれると思ったから、間人媛と同じ力を持つ(王子の能力を読み取れる)毛人を渇望した。
毛人は毛人で、王子の神秘性と境遇の哀れさに心惹かれてはいたが、真に愛していたのは布都姫だったのだし、それは誰にも責めることが出来ない。王子が仮に女性だとしても、毛人は布都姫を選んだのでしょう。
しかも王子の愛は毛人の言う通り、相手をコントロールしようとする愛であり、本物の愛ではない。仮に本当の愛なら、自らの心を殺してでも相手の願いを叶えようとするもの。毛人の為に、蘇我一族に身内を全滅させられた恨みを全て捨て去った布都姫に対し、逆に厩戸は権力を利用し、毛人の最も愛する女性をこっそりと追い落とし、手すらかけようとしたのです。
これは、知っちゃったらもう、絶対愛せませんし信頼関係も崩壊でしょう。たとえ毛人が厩戸を好ましく感じた時代が過去にあったとしてもです。これは異性か同性かの差ではなく、一見不幸な境遇ながら、白髪女の献身的な愛を受けて育った布都姫と、一見非の打ちどころない家庭に育ちながら、母親にすら全く愛されなかった厩戸との哀しい差でした。
何という我儘で欲深な愛で、それにもまして残酷な擦れ違いかと。大人になった今読み返しても、厩戸と毛人との絶望に満ちた別れの応酬には、胸がひりひりと痛みます。
まぁ、一番悪いのは、私は我が子である王子に一切向き合おうとせず、逃げまくっていた母親の間人媛だと思うのだけどね。
この物語は、同性愛というテーマを扱っているようでありながら、よく読むとBL要素は単なる副産物でしかなく、実は肉親愛の欠落した一人の人間の悲劇を描いているのです。…近親相姦の物語と言っていいくらい。
愛する者から目を背けられた人間が、いかにして闇路を選んでしまうものなのか。浴びるほどの栄光を掴んでも、その背後でどれほど心が荒廃してゆくものなのか。たとえ幼くして母親と死別しても、愛された記憶ただ一つあれば、幸せにもなれようものを。
「人間ではない」と誰かに言われる度「黙れ」と反発し、残忍な殺戮を繰り返す(そしてその結果ますます母親に厭われる)厩戸。
自分が不幸だから、周りの人々を次々不幸にしていっても(特に女性たちへの扱いは酷く、時々本気で腹立たしくなる)当然と思ってしまってる。母親への怨みを、他の女たちを蔑ろにすることで晴らそうとしているかのよう。
途方もない才色兼備であり、特殊な力まで授かりながら、当たり前の愛を受け取るということだけが、どうしても出来ない、不器用な厩戸。実父が死んだ時、たった一人で涙を流していたのに、実母にさえその悲しみを解って貰えず「父上が死んだというのに、涙すら流さないのですか」と罵られる厩戸。毛人も結局、その深すぎる闇から王子を救い出すことは出来ませんでした。
世界一大好きな母親に、美しい花を見せたかっただけなのに「酷い兄さんだこと」と叱られる(そして上手く甘えることも出来ない)幼い厩戸の心、実母に「人間ではない」と言われ「あれ」としか呼んで貰えない子供の心を考えると、心が痛みます。その挙句の、あまりに無残な結末に呆然。
これ、今だったらネグレクト、精神的虐待ですよね。
2024年5月29日に日本でレビュー済み
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いやー凄い漫画だった…これは歴史に残るね。
そしてやっぱりBL の起源でもあるんだろうなー。
それにしても、刀自古郎女も大姫も、安倍比賣もみんないい娘なんだよね。皆さん贅沢ですな(^^;;;)
そしてやっぱりBL の起源でもあるんだろうなー。
それにしても、刀自古郎女も大姫も、安倍比賣もみんないい娘なんだよね。皆さん贅沢ですな(^^;;;)
2020年6月16日に日本でレビュー済み
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ブラタモリの法隆寺・飛鳥を見てて数十年ぶりに読みたくなりました
厩戸の皇子が自分は大王即位を固辞した後、推古天皇に代わって詔を出した時に、馬子が「王子がこの蘇我と取って代わったがごとくだ!」と言うところで、日本の権力の二重構造の原点を見た気がしたのを思い出しました
厩戸の皇子が自分は大王即位を固辞した後、推古天皇に代わって詔を出した時に、馬子が「王子がこの蘇我と取って代わったがごとくだ!」と言うところで、日本の権力の二重構造の原点を見た気がしたのを思い出しました
2012年5月5日に日本でレビュー済み
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本書の構成は次のとおりです。
「日出処の天子」LaLa1984年1月号〜6月号掲載分
続編の「馬屋古女王」LaLa1984年11月号、及びASUKA1985年8月号〜9月号掲載
「日出処の天子/楽屋裏」・・・「日出処の天子」47回と48回の間に掲載されたオマケ漫画。王子の衣装と髪飾りに隠された衝撃の事実(笑)
「山岸凉子ロングインタビュー」ダヴィンチ2012年1月号掲載されたものを加筆・再構成
本編完結の巻です。改めて読み返してみても、胸を打たれる作品でした。
とはいえ、少々すっきりしない部分があることはあります。
王子の山背に対する愛情の示し方・・・毛人の子だから愛情を覚えたのか、それとは関係なく赤子そのものを愛おしいと思えるようになったのか。他人に向けた言葉ではなく王子自身の独白が聞きたかった。
阿部内麻呂が入鹿を大王の子として売り込むつもりだったのが一波乱ありそうだったのに、不発に終わったこと。ちょっと拍子抜け。
厩戸と女性との関係・・・「やろうと思えばできる」でできるもんでもないだろうと。女性と肌を合わせるという行為は、彼にとって雨乞いよりも飛躍的なことのはず。それにより、彼の心にも何らかの化学反応が起きるはず・・・じゃないのかなあ。そこへ至るまでの過程を描いてほしかった。結末までに辻褄合わせを急ぎすぎてしまったような。
ともあれ、そういう物足りなさを差し引いても、この作品が何年経っても色あせない輝きを放っていることは間違いありません。
特に厩戸が選んだ黄泉路にも似た道は、山岸凉子ここまでするかというか、これだけで1000字くらいレビューで語れるような、大学で研究テーマにして卒論が書けるような、柔道で豪快に投げ技くらって参りました一本! というような…他のどんな漫画家にも描けないかもしれない、すごいエピソードです。
続編である「馬屋古女王」は最初、前編のみがLaLaに掲載された作品でした。「前編」ということになっていますが、前編も何も、この巻でいうところのP242で突如ぶった切る形で終わっていたのです。
もしかして締切に間に合わず、できたところだけを載せたのかなと当時は思いましたが、あの「日出処の天子」の続編が読めるという熱狂的な思いと、冒頭から惹きつけられる謎めいた展開、馬屋古の圧倒的なキャラに、もう読めるだけで満足、上宮王家の末路は厩戸や毛人の夢にはっきり出てくるから想像で補完できるし、これで終わっても本望! という感じでした。
それから約一年後に別の出版社の雑誌に全編掲載という形になって、なんか大人の事情があるのかな〜とは思いつつ、期待をはるかに上回る出来に、拍手喝采を送る気持ちでした。
インタビューは、ダヴィンチのは読んでいないので、読めて良かったです。いろいろと興味深い話が聞けました。
本誌で読んだわという方も、大幅に加筆しているそうなので、また読んでみてはいかがでしょう。
全巻そろえられて幸せです。また1巻からゆっくりと読み返してみたいと思います。
何度も読んだ作品ですが、こののち歳を重ねればまた新たな発見があるような気がします。
「日出処の天子」LaLa1984年1月号〜6月号掲載分
続編の「馬屋古女王」LaLa1984年11月号、及びASUKA1985年8月号〜9月号掲載
「日出処の天子/楽屋裏」・・・「日出処の天子」47回と48回の間に掲載されたオマケ漫画。王子の衣装と髪飾りに隠された衝撃の事実(笑)
「山岸凉子ロングインタビュー」ダヴィンチ2012年1月号掲載されたものを加筆・再構成
本編完結の巻です。改めて読み返してみても、胸を打たれる作品でした。
とはいえ、少々すっきりしない部分があることはあります。
王子の山背に対する愛情の示し方・・・毛人の子だから愛情を覚えたのか、それとは関係なく赤子そのものを愛おしいと思えるようになったのか。他人に向けた言葉ではなく王子自身の独白が聞きたかった。
阿部内麻呂が入鹿を大王の子として売り込むつもりだったのが一波乱ありそうだったのに、不発に終わったこと。ちょっと拍子抜け。
厩戸と女性との関係・・・「やろうと思えばできる」でできるもんでもないだろうと。女性と肌を合わせるという行為は、彼にとって雨乞いよりも飛躍的なことのはず。それにより、彼の心にも何らかの化学反応が起きるはず・・・じゃないのかなあ。そこへ至るまでの過程を描いてほしかった。結末までに辻褄合わせを急ぎすぎてしまったような。
ともあれ、そういう物足りなさを差し引いても、この作品が何年経っても色あせない輝きを放っていることは間違いありません。
特に厩戸が選んだ黄泉路にも似た道は、山岸凉子ここまでするかというか、これだけで1000字くらいレビューで語れるような、大学で研究テーマにして卒論が書けるような、柔道で豪快に投げ技くらって参りました一本! というような…他のどんな漫画家にも描けないかもしれない、すごいエピソードです。
続編である「馬屋古女王」は最初、前編のみがLaLaに掲載された作品でした。「前編」ということになっていますが、前編も何も、この巻でいうところのP242で突如ぶった切る形で終わっていたのです。
もしかして締切に間に合わず、できたところだけを載せたのかなと当時は思いましたが、あの「日出処の天子」の続編が読めるという熱狂的な思いと、冒頭から惹きつけられる謎めいた展開、馬屋古の圧倒的なキャラに、もう読めるだけで満足、上宮王家の末路は厩戸や毛人の夢にはっきり出てくるから想像で補完できるし、これで終わっても本望! という感じでした。
それから約一年後に別の出版社の雑誌に全編掲載という形になって、なんか大人の事情があるのかな〜とは思いつつ、期待をはるかに上回る出来に、拍手喝采を送る気持ちでした。
インタビューは、ダヴィンチのは読んでいないので、読めて良かったです。いろいろと興味深い話が聞けました。
本誌で読んだわという方も、大幅に加筆しているそうなので、また読んでみてはいかがでしょう。
全巻そろえられて幸せです。また1巻からゆっくりと読み返してみたいと思います。
何度も読んだ作品ですが、こののち歳を重ねればまた新たな発見があるような気がします。
2014年1月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
また違った感想がでてきますね。
昔少女の頃に読んだ時はラストの切なさに、そして・・(ネタバレになるので控えます)衝撃でした。
でも大人になった今読んだら、またあの時とは違った感想です。
最高傑作です。
紙等も、高品質のものを使っているので、長年保存してても劣化する事はあまりありません。
カラー絵はとても素晴らしいです。
こんな素敵で衝撃的な作品を描いた山岸先生に感謝です。
昔少女の頃に読んだ時はラストの切なさに、そして・・(ネタバレになるので控えます)衝撃でした。
でも大人になった今読んだら、またあの時とは違った感想です。
最高傑作です。
紙等も、高品質のものを使っているので、長年保存してても劣化する事はあまりありません。
カラー絵はとても素晴らしいです。
こんな素敵で衝撃的な作品を描いた山岸先生に感謝です。