この作品はシリーズものなのでネタバレしない程度に全体を通しての感想を。
私はこのシリーズが大好きなので贔屓目なレビューになるとは思いますが誰かの参考になれば幸いです。
まずこの作品はグロテスク(作者の方が言うにはグロテスクではなく残酷)なシーンが多々含まれます。表現が巧みすぎて私は読んでいると登場人物の痛みを想像して鳥肌が立ちます。
そのためそういった表現が本当に駄目だという方にはオススメ出来ません。
それから世界観がかなり独特です。
一言で言うなら「物語が伝染する」という話ですがこればかりは読んでみないとわからないかと思います。私も読む前に宣伝文句などを見かけましたがよくわかりませんでした。読まないと全くわからないけど、読めば難解なはずなのに理解出来てしまう世界観です。
また、様々なこと(例えば定義や価値観)について疑問を投げかけたり、斬新な理論などが展開されることもしばしばあるので自分の価値観を塗り変えられてしまうこともよくありました。
それと、この作品は恐らく登場人物全員を好きになれるような作品ではないと思います。
メインやサブメインとして登場する人物は強い人間ばかりではありません。どうしようもないくらい内向的な登場人物もいるし、主人公達に見当違いな敵意をぶつけてくる登場人物だっています。多分、全員に共感出来るなんてことはないと思います。考え方が真逆で嫌いだと感じてしまう登場人物もいるかもしれません。でもだからこそとても好きになれる登場人物も出来ると思います。
彼らは無敵ではありません。それぞれに弱さを持っていて、そこに共感出来るのではないでしょうか。
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Missing 神隠しの物語 (電撃文庫) 文庫 – 2001/7/10
神隠しの物語
- 本の長さ341ページ
- 言語日本語
- 出版社メディアワークス
- 発売日2001/7/10
- ISBN-104840218668
- ISBN-13978-4840218665
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登録情報
- 出版社 : メディアワークス (2001/7/10)
- 発売日 : 2001/7/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 341ページ
- ISBN-10 : 4840218668
- ISBN-13 : 978-4840218665
- Amazon 売れ筋ランキング: - 610,530位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1977年、岡山生まれ。津山市出身。二松学舎大学卒(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『断章のグリム〈12〉しあわせな王子〈上〉』(ISBN-10:4048685414)が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年5月16日に日本でレビュー済み
「神隠し」により、人が消える ー
そんな難しい題材でオカルト小説を書ける人がいるの?
初めてタイトルを見た時に思ったのは、そんな疑問でした。そして「それが出来る著者は、並の才能の作家じゃないだろう。」と思いました。
その予想は当たりでした。作者はそれが出来る才能を持った人でした。
普通、オカルト小説は作者が豊富なオカルト知識を持っていて、それを作者なりのセンスで再解釈するものです。甲田 学人さんは知識が半端でなく、そしてその再解釈は「凄い!」と思う事が何度もありました。しかも、とても怖いんです。7巻を夜中に読んでいた時は、お手洗いに行くのがとっても恐ろしかったです。(家の中の何処に鏡があるか嫌でも意識してしまい、幾つあるか解ってしまった!)
更に、この作品の魅力はまだまだこれだけじゃありません。
1巻ではシリーズのメインテーマである「神隠し」を扱っていて、「甲田 学人ワールド」、つまり独自のオカルト世界観の魅力が解るようになっています。
でも、それ以外の魅力が解るのは2巻以降です。2巻からストーリーが本格的に展開しています。
そして中盤から終盤にかけて、それまでに貼られていた伏線が浮かび上がり、符合が合い始めます。絶妙なストーリーの流れ、主人公達の心理描写、高まるテンション、そしてそれぞれが負い始める、ネガティブな心情...
最後は納得出来る形で物語は閉じられます。
そんな難しい題材でオカルト小説を書ける人がいるの?
初めてタイトルを見た時に思ったのは、そんな疑問でした。そして「それが出来る著者は、並の才能の作家じゃないだろう。」と思いました。
その予想は当たりでした。作者はそれが出来る才能を持った人でした。
普通、オカルト小説は作者が豊富なオカルト知識を持っていて、それを作者なりのセンスで再解釈するものです。甲田 学人さんは知識が半端でなく、そしてその再解釈は「凄い!」と思う事が何度もありました。しかも、とても怖いんです。7巻を夜中に読んでいた時は、お手洗いに行くのがとっても恐ろしかったです。(家の中の何処に鏡があるか嫌でも意識してしまい、幾つあるか解ってしまった!)
更に、この作品の魅力はまだまだこれだけじゃありません。
1巻ではシリーズのメインテーマである「神隠し」を扱っていて、「甲田 学人ワールド」、つまり独自のオカルト世界観の魅力が解るようになっています。
でも、それ以外の魅力が解るのは2巻以降です。2巻からストーリーが本格的に展開しています。
そして中盤から終盤にかけて、それまでに貼られていた伏線が浮かび上がり、符合が合い始めます。絶妙なストーリーの流れ、主人公達の心理描写、高まるテンション、そしてそれぞれが負い始める、ネガティブな心情...
最後は納得出来る形で物語は閉じられます。
2007年10月18日に日本でレビュー済み
文章がとってもうまくて、すぐに物語に引き込まれてしまいます。
最初は友人に勧められて読みました。私は決して幽霊とかの類は信じていなかったので
半信半疑で読み始めたのですが…。
読み終えたら作者の描く世界にただただ感嘆するばかり。がらりと世界の見方が変わってきますよ。 怖いものだけではなく、キャラの複雑な心理描写が巧みにねられてて、ほんとに
これがデビュー作なのか! とも疑ってしまうほど…。
少々読みにくいかもしれませんが、それはそれほど物語の奥が深いという意味。
じっくりよめばその世界にのめり込んでいくはずです。
最初は友人に勧められて読みました。私は決して幽霊とかの類は信じていなかったので
半信半疑で読み始めたのですが…。
読み終えたら作者の描く世界にただただ感嘆するばかり。がらりと世界の見方が変わってきますよ。 怖いものだけではなく、キャラの複雑な心理描写が巧みにねられてて、ほんとに
これがデビュー作なのか! とも疑ってしまうほど…。
少々読みにくいかもしれませんが、それはそれほど物語の奥が深いという意味。
じっくりよめばその世界にのめり込んでいくはずです。
2005年5月24日に日本でレビュー済み
最高の本であると私は感じました。
まず一つにキャラクターの味が強く惹かれました。
そして積み重ねられて行く謎の数々。
一文字も見落とせない不思議な文。
全てが魅了してくれる、最高の一冊ですね。
ですが、終わり方がまとめられておらず、無念。
まぁ、これが2巻へ続いていくのですから、まとめきらなくても良かったのですが。
価値のある、素晴らしい本です。
まず一つにキャラクターの味が強く惹かれました。
そして積み重ねられて行く謎の数々。
一文字も見落とせない不思議な文。
全てが魅了してくれる、最高の一冊ですね。
ですが、終わり方がまとめられておらず、無念。
まぁ、これが2巻へ続いていくのですから、まとめきらなくても良かったのですが。
価値のある、素晴らしい本です。
2018年6月19日に日本でレビュー済み
一章ごとに登場人物の一人一人の視点で魔王陛下と他の登場人物の紹介を丹念にされます。あらすじの事件は特に登場人物が動いている様子もなく片付きます。もしかしたら片付いたように見えただけなのかもしれませんがそれは2巻以降にやるのかもしれませんが、一巻で完結と思っていたので(当時2巻以降が出るとは告知されていなかったので)なんだこりゃと思ったので読んでません。
とりあえずこれ以降も付き合うならば読んでおくキャラ紹介を一冊も使ってやるなと憤慨した記憶があります。もう20年近く昔の話なんですね
とりあえずこれ以降も付き合うならば読んでおくキャラ紹介を一冊も使ってやるなと憤慨した記憶があります。もう20年近く昔の話なんですね
2006年6月3日に日本でレビュー済み
読んで一言、「凄い」
と、思った。
文章力がかなりのレベルであり、こういう文章は中々書け得ない物だから。
だが、繰り返しが多過ぎた箇所もある。
説明がくどく感じる向きもあるかも知れない。
内容は世にある膨大な物語の、語られなかったかけらを集めた感じ。
その紡ぎ方が巧いのである。
関心する程の手腕。
全体としては、実があるのに虚もある小説。
行間から零れ出てくる実を感じると同時に虚ろも感じる。
一言で言えば、非常にすばらしい文章を書いていると言う事。
しかし、文章が巧い人の文章は好悪がはっきりする。
実だけを感じる人には本のページ数以上の価値を見出せる。
逆に、虚だけを感じる人にはページ数以下の価値を見出す。
良いか悪いかだけでは判断出来ない部分、なぜなら作者の才能だから。
私には向かない文章の質だったので、星は少ない。
が、作者は間違い無く素晴らしい才能の持ち主。
まだ一巻。
才能が伸びるのか止まるのか、そこを良く見極めたいと感じた。
と、思った。
文章力がかなりのレベルであり、こういう文章は中々書け得ない物だから。
だが、繰り返しが多過ぎた箇所もある。
説明がくどく感じる向きもあるかも知れない。
内容は世にある膨大な物語の、語られなかったかけらを集めた感じ。
その紡ぎ方が巧いのである。
関心する程の手腕。
全体としては、実があるのに虚もある小説。
行間から零れ出てくる実を感じると同時に虚ろも感じる。
一言で言えば、非常にすばらしい文章を書いていると言う事。
しかし、文章が巧い人の文章は好悪がはっきりする。
実だけを感じる人には本のページ数以上の価値を見出せる。
逆に、虚だけを感じる人にはページ数以下の価値を見出す。
良いか悪いかだけでは判断出来ない部分、なぜなら作者の才能だから。
私には向かない文章の質だったので、星は少ない。
が、作者は間違い無く素晴らしい才能の持ち主。
まだ一巻。
才能が伸びるのか止まるのか、そこを良く見極めたいと感じた。
2007年1月6日に日本でレビュー済み
レビューはけっこう賛否両論ですね。
個人的にはこの人の文章はいいと思います。というかこの小説にあっていると思います。もしいかにもホラーというような文章だとあんまりよくない。
ダメだしをするなら登場人物がいっせいにでてくる最初のほうのシーンでしょう。わかりにくい。
個人的にはこの人の文章はいいと思います。というかこの小説にあっていると思います。もしいかにもホラーというような文章だとあんまりよくない。
ダメだしをするなら登場人物がいっせいにでてくる最初のほうのシーンでしょう。わかりにくい。
2003年7月1日に日本でレビュー済み
作者は文学を志していた故か、桜についての記述には
先人達の影響が見受けられる。
だがそれに終始しているわけではなく、読み物として面白い、
佳い意味で古くて新しいものに仕上がっている。
今後とも期待が持てる作家ではないだろうか。
なお、本巻の読了後には、坂口安吾「桜の森の満開の下」と、
梶井基次郎「桜の樹の下には」を併読されることを勧めておく。
先人達の影響が見受けられる。
だがそれに終始しているわけではなく、読み物として面白い、
佳い意味で古くて新しいものに仕上がっている。
今後とも期待が持てる作家ではないだろうか。
なお、本巻の読了後には、坂口安吾「桜の森の満開の下」と、
梶井基次郎「桜の樹の下には」を併読されることを勧めておく。