私立白城学園高校2年1組の綾瀬裕人はごく普通の高校生である一方、
乃木坂春香は同じクラスでありながら容姿端麗、才色兼備、成績優秀、品行方正という
生粋のお嬢様であり、特に接点は無かったが、裕人が図書室に本を返却しに行った際、
春香がマンガ雑誌『イノセント・スマイル』のバックナンバーを借りようとしていた
ことから裕人は春香がアキバ系であることを知り、このことが他人に漏れることを
恐れる彼女をフォローすることになる――があまりに有名な序盤のあらすじ。
春香が中学時代に自身の趣味が露呈したことがきっかけに自身が通っていた
聖樹館女学院を事実上追放され、高校から白城学園へ移ったというストーリーは
このレビューを書いた2021年では信じられない諸兄もいるかと思うが、今となっては
『ヲタク』という存在はある一定の認知や理解が進んではいるものの、
本作が刊行された2004年は今思い返してもまだカミングアウトをするには
LGBTQほどではないにせよ少々勇気がいることで、ややもすると気味悪がられたり、
犯罪者予備軍のような目で見られたり、今以上にマスコミによるネガティヴな
バイアスの植え付けであったりといった情報操作が普通に存在していたのだ。
また、奇しくも本作発売3日前に『電車男』のまとめ(単行本版。現在は
新潮文庫ISBN:9784101304717で入手可能かと)が発売されたことを鑑みると、
パラダイムシフトがもう少し先のことであることが理解できる。
また、乃木坂春香のヲタク趣味以外の部分におけるパーソナリティは当時の考え方で
言えば『天然』で片付けられていたのかも知れないが、成績が良く、難解なピアノ曲を
演奏できる能力を持ちながら、自分なりの強いこだわりを持っているところや
自身が立てたスケジュールどおりに動くことを重視するところ、好きなものを
見てしまうと脇目も振らずそれに目がけて一直線になるところ、はたまた
ウィリアム・シェイクスピアの『テンペスト』からベートーヴェンの
ピアノソナタ第17番へと興味が移り、ピアノの演奏に過集中するところは
今思えばADHDでよく見られる行動を彷彿とさせるとともに、所謂ADHDやASDと
呼ばれる人物に見られる特徴がフィクションの世界では『強いキャラクター性』の
持ち主になり得る好例であることが分かる。
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乃木坂春香の秘密 (電撃文庫) 文庫 – 2004/10/8
- 本の長さ344ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2004/10/8
- ISBN-104840228302
- ISBN-13978-4840228305
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登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2004/10/8)
- 発売日 : 2004/10/8
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 344ページ
- ISBN-10 : 4840228302
- ISBN-13 : 978-4840228305
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,967,534位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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10月3日生まれ。第4回電撃hp短編小説賞最優秀賞を受賞し、『乃木坂春香の秘密』で文庫デビュー(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『小春原日和の育成日記〈2〉』(ISBN-10:4048688332)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年12月2日に日本でレビュー済み
2009年11月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アニメ化もされた、人気のあるお話らしいです。才色兼備、完璧無類のお嬢様、乃木坂春香さん。実は彼女は隠れアキバ系なのでした。綾瀬裕人君はふとしたきっかけでそんな彼女の秘密を知ってしまい、その時から二人のもどかしくも甘い日常は始まったのです。
とまあこんな話なのですが、主人公の乃木坂春香さんについて言いたいことがあります。乃木坂さん、あなたはオタク(作中ではアキバ系と言っていますが、あえて言います。あなたはオタクです)としての自覚が足りません。たとえ周囲がどうであろうとも、自分の好きなものを堂々と宣言して恥じない。それがオタクの矜持、オタクの覚悟なのです。あなたにはそれがありません。あなたにオタクの生きざまを肯定してもらいたい。このことについて私はあなたに密室で二人きりで、五時間ばかり説教をしたいという思いに駆り立てられます。
などというこの思い、これは「萌え」なのでしょうか。彼女に正しいオタクの覚悟をと願う愛なのでしょうか。そんな彼女の魅力に憑かれているのでしょうか。「白銀の星屑」乃木坂春香――― 恐ろしい子。
とまあこんな話なのですが、主人公の乃木坂春香さんについて言いたいことがあります。乃木坂さん、あなたはオタク(作中ではアキバ系と言っていますが、あえて言います。あなたはオタクです)としての自覚が足りません。たとえ周囲がどうであろうとも、自分の好きなものを堂々と宣言して恥じない。それがオタクの矜持、オタクの覚悟なのです。あなたにはそれがありません。あなたにオタクの生きざまを肯定してもらいたい。このことについて私はあなたに密室で二人きりで、五時間ばかり説教をしたいという思いに駆り立てられます。
などというこの思い、これは「萌え」なのでしょうか。彼女に正しいオタクの覚悟をと願う愛なのでしょうか。そんな彼女の魅力に憑かれているのでしょうか。「白銀の星屑」乃木坂春香――― 恐ろしい子。
2008年8月19日に日本でレビュー済み
アニメ開始に際し、新聞に本作の寸評が載っていたのがきっかけで、
原作を読んでみようと思いました。
一気に既刊8巻まで読みましたので、この作品に入ろうとする方の
参考になればと思い、1巻というよりは、作品全体のレビューを
させていただきます。
この作品は、他の皆さんのレビューにもあるようにかなりのラブコメ路線で、
ファンタジーな世界や、エスパーのような特殊な人間が活躍する展開はあ
りませんが
「今まで普通に暮らしてきた主人公が、ヒロインとの出会いをきっかけに
非日常の世界に巻き込まれていく」
という意味では、他のライトノベルと全く同じです。
ヒロインが超お嬢様である以外、アキバ系(秋葉原の描写等)に関しては
結構リアルにかかれており、主人公とヒロインのやりとりも微笑ましく、
「普通のラブコメ」を期待した私にとっては面白かったです。
しかしそれも最初のうちで、メイド隊、ツンデレ、ツインテール、不思議系、
セクハラお姉さん、妹系と、「いかにも」な展開が目白押しです。
作品のコンセプトは
「普通の男の子とアキバ系女の子の恋」
なのかもしれませんが、その描写は最初のほうだけ(少なくともこの第1巻)
で、巻が進むにつれてどうでもよくなってますね。
ヒロインがアキバ系であることを忘れしまいそうです。
(正直な話、ヒロインはそれほど「アキバ系」ではないと思いますけど。)
文章については、一人称で進むあたりは「ハルヒ」と似ている感じです。
この1巻が抵抗無く読めるなら、残りの巻も大丈夫だと思います。
ライトノベルは文章の好き嫌いが出ますので。
奇抜な展開、予想外の結果を期待する方にはオススメできない内容です。
正直な話、展開は容易に読めてしまいます。
また、女の子が一杯で、鈍い主人公はかなりのフラグを立てている感が
ありますが「他の子に惹かれながらもやっぱりヒロインが好き」という
展開は期待できそうに無く、初めからヒロイン一筋です(たぶん)。
またヒロインはツンデレではないので「気持ちとは裏腹に」という展開も
ないでしょう。
今後は「主人公とヒロインの気持ちのすれ違い」のような展開を期待した
いところです。(そういう展開が好きなので)
「ワクワク感」ではなく、「ホンワカした癒し」が欲しい人にオススメ
します(今のところ)。
最後に、どちらかというと否定的なレビュー内容ですが、私はこの作品が
気に入っています。
(でなきゃ、8巻一気に読破しないです)
長文失礼しました。
原作を読んでみようと思いました。
一気に既刊8巻まで読みましたので、この作品に入ろうとする方の
参考になればと思い、1巻というよりは、作品全体のレビューを
させていただきます。
この作品は、他の皆さんのレビューにもあるようにかなりのラブコメ路線で、
ファンタジーな世界や、エスパーのような特殊な人間が活躍する展開はあ
りませんが
「今まで普通に暮らしてきた主人公が、ヒロインとの出会いをきっかけに
非日常の世界に巻き込まれていく」
という意味では、他のライトノベルと全く同じです。
ヒロインが超お嬢様である以外、アキバ系(秋葉原の描写等)に関しては
結構リアルにかかれており、主人公とヒロインのやりとりも微笑ましく、
「普通のラブコメ」を期待した私にとっては面白かったです。
しかしそれも最初のうちで、メイド隊、ツンデレ、ツインテール、不思議系、
セクハラお姉さん、妹系と、「いかにも」な展開が目白押しです。
作品のコンセプトは
「普通の男の子とアキバ系女の子の恋」
なのかもしれませんが、その描写は最初のほうだけ(少なくともこの第1巻)
で、巻が進むにつれてどうでもよくなってますね。
ヒロインがアキバ系であることを忘れしまいそうです。
(正直な話、ヒロインはそれほど「アキバ系」ではないと思いますけど。)
文章については、一人称で進むあたりは「ハルヒ」と似ている感じです。
この1巻が抵抗無く読めるなら、残りの巻も大丈夫だと思います。
ライトノベルは文章の好き嫌いが出ますので。
奇抜な展開、予想外の結果を期待する方にはオススメできない内容です。
正直な話、展開は容易に読めてしまいます。
また、女の子が一杯で、鈍い主人公はかなりのフラグを立てている感が
ありますが「他の子に惹かれながらもやっぱりヒロインが好き」という
展開は期待できそうに無く、初めからヒロイン一筋です(たぶん)。
またヒロインはツンデレではないので「気持ちとは裏腹に」という展開も
ないでしょう。
今後は「主人公とヒロインの気持ちのすれ違い」のような展開を期待した
いところです。(そういう展開が好きなので)
「ワクワク感」ではなく、「ホンワカした癒し」が欲しい人にオススメ
します(今のところ)。
最後に、どちらかというと否定的なレビュー内容ですが、私はこの作品が
気に入っています。
(でなきゃ、8巻一気に読破しないです)
長文失礼しました。
2008年2月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
感情移入できなかったので、途中で読む事が苦痛になってしまって、読破を諦めました。
ラブコメがというより、登場人物の動向が納得できなかったので、そこらが分かれ目かと。
ラブコメがというより、登場人物の動向が納得できなかったので、そこらが分かれ目かと。
2006年9月1日に日本でレビュー済み
これ以上ないくらいラブコメ。
しかも主人公が異常なまでにフラグを立てていく系統のやつです。(たぶん)
そしてあまりにベタなストーリー
主人公、ある日ヒロインの秘密を知る。
↓
主人公、ヒロインと秘密を共有する。(味方になる)
↓
様々なイベント、主人公クサイ台詞を吐く。
↓
ヒロインとええ感じになるが寸止め。
ここまでベタだとこんだけストーリーをばらしても、
ネタバレをした気分にいっさいなりません。ある意味予定調和です。
そして完全なるラブコメなので身構える必要もありません。息抜きにはちょうどいいです。
読み方としては、挿絵と表紙がちょっと厳しいので自室のベッドで寝転がりながらか、
ブックカバーを掛け、頻繁に後ろを気にしながら待合室でがオススメです。
重たいシリアスストーリーにつかれた方。何か読みたいけどそこまで気力の無い方。
短編集のようで読みやすい「乃木坂春香の秘密」はいかがすか?
しかも主人公が異常なまでにフラグを立てていく系統のやつです。(たぶん)
そしてあまりにベタなストーリー
主人公、ある日ヒロインの秘密を知る。
↓
主人公、ヒロインと秘密を共有する。(味方になる)
↓
様々なイベント、主人公クサイ台詞を吐く。
↓
ヒロインとええ感じになるが寸止め。
ここまでベタだとこんだけストーリーをばらしても、
ネタバレをした気分にいっさいなりません。ある意味予定調和です。
そして完全なるラブコメなので身構える必要もありません。息抜きにはちょうどいいです。
読み方としては、挿絵と表紙がちょっと厳しいので自室のベッドで寝転がりながらか、
ブックカバーを掛け、頻繁に後ろを気にしながら待合室でがオススメです。
重たいシリアスストーリーにつかれた方。何か読みたいけどそこまで気力の無い方。
短編集のようで読みやすい「乃木坂春香の秘密」はいかがすか?
2004年12月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ホントに楽しめましたー。
意見は人それぞれでしょうけど私的には◎な感じです
久々に続編が出てほしぃーなぁー、と思えた作品でした
意見は人それぞれでしょうけど私的には◎な感じです
久々に続編が出てほしぃーなぁー、と思えた作品でした
2007年10月12日に日本でレビュー済み
主人公の綾瀬裕人は、容姿端麗で才色兼備で『白城の星屑』の二つ名を持つ乃木坂春香の秘密を知ってしまい、平凡な学園生活は終わりを告げる。
正直な作品。 読んで真っ先に感じたのはまさにそれだった。
読者の裏をかこうとした下手な小細工やキャラに個性をだそうと無理に語尾をいじらない。
登場する人物達が悪意の元に誰かを攻撃するでもなく、ただただ相手への思いやりによって作品が成り立っているところが、読んでいて疲れないし、暖かな気分にさせてもらえるんだと感じた。
王道だとかベタだとか、そういった言葉で表現するのはもったいない作品。
純粋に物語が楽しめて、気構えなく登場人物達を好きになれるこの作品は、それだけで私には十分満足するものだった。
なにより、イラストと作中の登場人物達の雰囲気の相性が抜群で読んでいてとても受け入れやすかった。
安心して人にオススメできる作品。
この作品が気になっている人はもちろん、購入を迷っている人も店で実際に手にとってみてもらえればわかってもらえるはず。
正直な作品。 読んで真っ先に感じたのはまさにそれだった。
読者の裏をかこうとした下手な小細工やキャラに個性をだそうと無理に語尾をいじらない。
登場する人物達が悪意の元に誰かを攻撃するでもなく、ただただ相手への思いやりによって作品が成り立っているところが、読んでいて疲れないし、暖かな気分にさせてもらえるんだと感じた。
王道だとかベタだとか、そういった言葉で表現するのはもったいない作品。
純粋に物語が楽しめて、気構えなく登場人物達を好きになれるこの作品は、それだけで私には十分満足するものだった。
なにより、イラストと作中の登場人物達の雰囲気の相性が抜群で読んでいてとても受け入れやすかった。
安心して人にオススメできる作品。
この作品が気になっている人はもちろん、購入を迷っている人も店で実際に手にとってみてもらえればわかってもらえるはず。
2008年7月27日に日本でレビュー済み
えぇっ?秘密ってその程度ですか?!??!?
と言うぐらい、普通の秘密を持った、普通のお嬢様である乃木坂春香ちゃんと綾瀬裕人君のラブストーリー。
お話としては「可愛い」恋物語をそっと覗いている感じで面白い。ただ、通常のラノベによくある「スーパー・ファンタジー」「能力・インフレーション」を期待したので星が1つ減っています。
と言うぐらい、普通の秘密を持った、普通のお嬢様である乃木坂春香ちゃんと綾瀬裕人君のラブストーリー。
お話としては「可愛い」恋物語をそっと覗いている感じで面白い。ただ、通常のラノベによくある「スーパー・ファンタジー」「能力・インフレーション」を期待したので星が1つ減っています。