私はこのシリーズとても好きですね。
確かに、この作品には現実味はありませんし、現実の倫理観や常識で考えればとても許されることは無い行動をするキャラクターが多くいます。
でも、だからこそそんな彼ら彼女らは美しい。
「100万人の命のために、1人の命を生贄にしなければならないなら、そうするしかない」という理屈に断固反対する主人公に共感を覚えることがそんなにいけないことでしょうか?
「結局最後は力押し?」という批判には、私は「そりゃそうでしょう」と答えたい。現実の世界だって、権力者の都合で世界が回っていることですし。倫理観や常識でさえ、決して不変でも絶対でもありはしません。それは私達の現実の歴史が示しています。
彼らのやりかたが気に入らないのなら、止めればいい。
しかしそれも力ずくにならざるを得ないけど。
私は、自分の信じたもののためには例え他者の理解が得られなくてもがんばれる「子供の」彼ら彼女らが大好きです。
現実の世界では、決して出来ないことをやってくれるから。
大人になった私には、決して出来ないことをやってくれるから。
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ウィザーズ・ブレイン〈5〉賢人の庭〈下〉 (電撃文庫) 文庫 – 2005/9/8
魔法士の子供たちを救うため、危険な脱出劇が今始まる!
祐一、ディー、セラの協力を得て、サクラと真昼は、《賢人会議》に身を寄せる魔法士の子供たちを連れ、シティ・メルボルン跡地からの脱出を計画する。
一方、イルが所属するシティ・モスクワ軍は、ついに、《賢人会議》へと繋がる情報を手に入れる。
シティ存続のためだけに生み出され、殺されてゆく子供たちを命がけで救おうとするサクラ。
シティなしでは生存できない弱き人々を守るため、同胞を殺す痛みに耐えながら闘い続けるイル。
正反対の生き方を選んだふたりの道が今交錯する!
祐一、ディー、セラの協力を得て、サクラと真昼は、《賢人会議》に身を寄せる魔法士の子供たちを連れ、シティ・メルボルン跡地からの脱出を計画する。
一方、イルが所属するシティ・モスクワ軍は、ついに、《賢人会議》へと繋がる情報を手に入れる。
シティ存続のためだけに生み出され、殺されてゆく子供たちを命がけで救おうとするサクラ。
シティなしでは生存できない弱き人々を守るため、同胞を殺す痛みに耐えながら闘い続けるイル。
正反対の生き方を選んだふたりの道が今交錯する!
- 本の長さ488ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2005/9/8
- ISBN-104840231478
- ISBN-13978-4840231473
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登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2005/9/8)
- 発売日 : 2005/9/8
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 488ページ
- ISBN-10 : 4840231478
- ISBN-13 : 978-4840231473
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,368,668位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年10月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2005年9月7日に日本でレビュー済み
迫力のある戦闘シーンやさまざまな登場人物の心理描写がたくみに絡み合いハラハラドキドキさせられる物語です。
2009年9月1日に日本でレビュー済み
政治や経済の世界では、しばしば、人間を数字として扱う。出生率に始まって、就学率、1人当たりGDP、失業率に平均寿命、戦争が始まれば損耗率なんて数字でも表される。これは政治や経済が、「なんとな〜く、しあわせ」という感覚的なものではなく、「○○政策の方が+10だけ余分に幸せ」という様に、明確に比較・評価しなければならない性質のものだからだろう。
今から30年以上前に、『人命は地球より重い』と述べてハイジャック犯の要求に屈した政府があったが、これも、要求を撥ね付けた時のデメリットとのんだ時のデメリットを比較・検討した上で出した結論だったのだと思う。だから、必ずしも人間を数字として見ることが悪いことだとは思わない。
しかし、この様な考え方も、行き過ぎると何かおかしなことになってくる。「このまま戦争が続けばもっとたくさんの人が死ぬから」と言って原子爆弾を投下したり、「いま生きている人が安楽に暮らすために借金をして、将来の人にその返済を押し付ける」なんていう選択もその例だろう。前者は将来死ぬかもしれない人とその時確実に死ぬ人を比較しているし、後者はいまの幸せと将来の幸せを比較している。その時点では得が大きい方を選択しているのかも知れないが、原爆投下は後遺症と禍根を残したし、借金はあとで利子が膨らんで大変なことになるだろう。
だから、先の先まで考えると、どちらが得なのかはよく分からない。しかし、悩んでばかりで行動しないのも意味がないので、神ならざる人間の身なれば、可能な限り判断材料を集めて、自分が最善と思う道を選択するしかないのも事実だ。
イルは自分の方が多くの人間を救えるから、と言ってサクラをいじめる。しかし、サクラの考え方にだって一理ないわけではない。自ら選択してシティか何かのために命を賭けることと、シティ存続のためだけに生み出される殺されることの間には、選択の自由度という意味で雲泥の差がある。だから、その選択の余地を与えようとするサクラを責めることはできない。
第一、犠牲の羊として殺した魔法士を生かすことによって、将来もっと多くの人間が救われる可能性だってないわけじゃないんだからね。
今から30年以上前に、『人命は地球より重い』と述べてハイジャック犯の要求に屈した政府があったが、これも、要求を撥ね付けた時のデメリットとのんだ時のデメリットを比較・検討した上で出した結論だったのだと思う。だから、必ずしも人間を数字として見ることが悪いことだとは思わない。
しかし、この様な考え方も、行き過ぎると何かおかしなことになってくる。「このまま戦争が続けばもっとたくさんの人が死ぬから」と言って原子爆弾を投下したり、「いま生きている人が安楽に暮らすために借金をして、将来の人にその返済を押し付ける」なんていう選択もその例だろう。前者は将来死ぬかもしれない人とその時確実に死ぬ人を比較しているし、後者はいまの幸せと将来の幸せを比較している。その時点では得が大きい方を選択しているのかも知れないが、原爆投下は後遺症と禍根を残したし、借金はあとで利子が膨らんで大変なことになるだろう。
だから、先の先まで考えると、どちらが得なのかはよく分からない。しかし、悩んでばかりで行動しないのも意味がないので、神ならざる人間の身なれば、可能な限り判断材料を集めて、自分が最善と思う道を選択するしかないのも事実だ。
イルは自分の方が多くの人間を救えるから、と言ってサクラをいじめる。しかし、サクラの考え方にだって一理ないわけではない。自ら選択してシティか何かのために命を賭けることと、シティ存続のためだけに生み出される殺されることの間には、選択の自由度という意味で雲泥の差がある。だから、その選択の余地を与えようとするサクラを責めることはできない。
第一、犠牲の羊として殺した魔法士を生かすことによって、将来もっと多くの人間が救われる可能性だってないわけじゃないんだからね。
2016年9月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
全くスッキリしない。
最初にいきなり1人の少女のために1000万の命を犠牲にさせた作品にも関わらず、どういうわけか作者は多数のために少数を犠牲にする正義と、少数のために多数を犠牲にする正義と、正義のために人を殺すことの正邪について切り込んでしまった。作者が踏み込まなければ読者は1巻のような物語の結末に、主人公の選択に「それは、まあそうなるな」と受け入れるものである。それこそどうにもなんねーよという答えもない話であり、実際5巻の内容は無駄に長いぐだぐだとした話になってしまった。
そして一番モヤつくのがこれだけ人が死にながら主要人物は誰も代償を払わず死ななかったことである。そればかりか当人たちは共感してしまい青春の殴り合いの後のように清々しく終わる。えぇ!?良い人だったのに死んでしまったあの人の仇は?再び捕らわれた子どもたちは?君たちそこで分かり合っちゃうの!?どうも行為と代償のバランスは主要人物には適用されず、それ以外は切り捨てられるようだ。端的に言えば主要人物に対する作者の贔屓が強いということである。
その贔屓が一番あからさまなのが表紙のイルである。こいつの能力が強すぎる。作者はこのキャラが最強であることに条件をつけたつもりのようだが大したものではない。なにより物語が常に有利な状況を用意してくれる。しかも物語上、常に肯定され続けるキャラである。体だけでなく心もその信条もギッタンギッタンにされるサクラやディーとは扱いが天地差ほどの開きがある。さらにさらに説教臭い男である。最強で、全てを味方につけ、何の疑いもなく、自信満々に説教垂れる存在。それが主人公や祐一のような味方側のヒーロー的立ち位置のキャラだったらまだ分かる。しかし、読者からすれば先に登場したサクラ、ディー、セラ、祐一や天樹兄弟に感情移入せざるを得ない状況で、いわば敵である。こんな鬱陶しい存在がいるだろうか?それだったらイルを先に登場させ、イル視点から話を進めていくべきだったのだ。
そんなイルが凹まされる場面もなく、なんのカタルシスも得られないまま陰鬱とした話は終わりましたとさ。
最初にいきなり1人の少女のために1000万の命を犠牲にさせた作品にも関わらず、どういうわけか作者は多数のために少数を犠牲にする正義と、少数のために多数を犠牲にする正義と、正義のために人を殺すことの正邪について切り込んでしまった。作者が踏み込まなければ読者は1巻のような物語の結末に、主人公の選択に「それは、まあそうなるな」と受け入れるものである。それこそどうにもなんねーよという答えもない話であり、実際5巻の内容は無駄に長いぐだぐだとした話になってしまった。
そして一番モヤつくのがこれだけ人が死にながら主要人物は誰も代償を払わず死ななかったことである。そればかりか当人たちは共感してしまい青春の殴り合いの後のように清々しく終わる。えぇ!?良い人だったのに死んでしまったあの人の仇は?再び捕らわれた子どもたちは?君たちそこで分かり合っちゃうの!?どうも行為と代償のバランスは主要人物には適用されず、それ以外は切り捨てられるようだ。端的に言えば主要人物に対する作者の贔屓が強いということである。
その贔屓が一番あからさまなのが表紙のイルである。こいつの能力が強すぎる。作者はこのキャラが最強であることに条件をつけたつもりのようだが大したものではない。なにより物語が常に有利な状況を用意してくれる。しかも物語上、常に肯定され続けるキャラである。体だけでなく心もその信条もギッタンギッタンにされるサクラやディーとは扱いが天地差ほどの開きがある。さらにさらに説教臭い男である。最強で、全てを味方につけ、何の疑いもなく、自信満々に説教垂れる存在。それが主人公や祐一のような味方側のヒーロー的立ち位置のキャラだったらまだ分かる。しかし、読者からすれば先に登場したサクラ、ディー、セラ、祐一や天樹兄弟に感情移入せざるを得ない状況で、いわば敵である。こんな鬱陶しい存在がいるだろうか?それだったらイルを先に登場させ、イル視点から話を進めていくべきだったのだ。
そんなイルが凹まされる場面もなく、なんのカタルシスも得られないまま陰鬱とした話は終わりましたとさ。
2010年11月17日に日本でレビュー済み
1巻から本シリーズを読んでおりますが、
どうしても、サクラだけは好きになれない。
大切な1人の為に多くの人を敵に回すこと、それ自体は悪ではない。
しかし、サクラの場合、途中まで「自分は絶対に正しくてシティが絶対に間違っている」という、自己正当化も甚だしい性格なので、その時点で評価が割れるだろう。
(5巻終盤で、それが間違いだと気づくが)
そもそも、組織のリーダーとしてあまりにも子供過ぎる。
人の話は聞かない・魔法士に対する半官贔屓が強すぎる・目上や年上に対する礼儀が全くなってない・基本的に上から目線・思い通りにいかないと公の場で癇癪をおこす・基本的に態度が悪い…など、人としても組織の人間としても、問題点が多すぎるのだ。
その点、イルは非常によくできた人格者なだけに、対となるサクラがより酷く見えるのだ。
いずれにせよ、本シリーズを読み続けるかどうかは、サクラが受け入れられるかどうかで意見が分かれるところだろう。
どうしても、サクラだけは好きになれない。
大切な1人の為に多くの人を敵に回すこと、それ自体は悪ではない。
しかし、サクラの場合、途中まで「自分は絶対に正しくてシティが絶対に間違っている」という、自己正当化も甚だしい性格なので、その時点で評価が割れるだろう。
(5巻終盤で、それが間違いだと気づくが)
そもそも、組織のリーダーとしてあまりにも子供過ぎる。
人の話は聞かない・魔法士に対する半官贔屓が強すぎる・目上や年上に対する礼儀が全くなってない・基本的に上から目線・思い通りにいかないと公の場で癇癪をおこす・基本的に態度が悪い…など、人としても組織の人間としても、問題点が多すぎるのだ。
その点、イルは非常によくできた人格者なだけに、対となるサクラがより酷く見えるのだ。
いずれにせよ、本シリーズを読み続けるかどうかは、サクラが受け入れられるかどうかで意見が分かれるところだろう。