丁寧な心理描写と、飾りすぎない文章で好感が持てる作品。
全4巻で、結果的にかもしれませんが、順に「起・承・転・結」になっているので読みやすい。
転に当たる3巻でも柔らかな視点で、動いていく関係を真摯に捉えている。
構成に荒削りさもありますが、上野さんはこれから伸びる作家だと思う。
青春SFというキャッチコピーが気になったらぜひ手にとってみてください。推薦できます。
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彼女は帰星子女3 (電撃文庫 う 3-3) 文庫 – 2006/6/10
異星種族トリオンの血を引く“地球系宇宙人”の美少女・絹が芹沢家にやってきて早半年。水害で倒壊してしまった芹沢家を出た望、時子、絹の三人は、新しい家が建つまでの間、賃貸マンションで不自由ながらにぎやかに暮らしていた。そんな時、同級生の穂高がついに望に告白することを決意し、望と絹の間に微妙な雰囲気が……。一方、トリオンからのVIPである絹の護衛に就く情報局の星子のもとに、ある情報がもたらされた。ロシアで反トリオン過激派によるテロが勃発、犯人グループの次の標的が、日本だというのだ!
- 本の長さ280ページ
- 言語日本語
- 出版社メディアワークス
- 発売日2006/6/10
- ISBN-104840234531
- ISBN-13978-4840234535
登録情報
- 出版社 : メディアワークス (2006/6/10)
- 発売日 : 2006/6/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 280ページ
- ISBN-10 : 4840234531
- ISBN-13 : 978-4840234535
- カスタマーレビュー:
著者について
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2006年10月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2013年2月6日に日本でレビュー済み
ここまで望を中心とした高校生の人間関係を中心に描いてきた本シリーズが大きな転機を迎える三巻目
遂に宇宙人とのハーフであり、彷徨える宇宙人たちの政治的カードであった絹を巡って様々な政治的勢力が動き始めます
とはいえ、二巻で大きく動いた望を巡る穂高と絹の関係はまだ揺れ動き続けており、前半部分はその決着に至るまでが
描かれています。9月21日の望の誕生日にプレゼントを贈って、告白しようとする穂高の意気込みに対する望の意外過ぎる
反応は残酷と言えば残酷なのですが下手に中途半端な関係のまま物語をズルズル引っ張るよりかは余程好感が持てます
望の「父親の仕事の関係で転校を繰り返していた」という過去に基づく人格形成と人間関係に対する「簡単に失われるもの」と
距離を置いた態度は転勤族の家庭に生まれた人間としては「うんうん、凄くよく分かる!」と頷ける位にリアルなのですが
逆に「地元」という物を当然の物として育った人には「何それ、理解できない!」と苛つかせるんじゃないでしょうか?
結局、望が穂高では無く絹に肩入れしてしまう理由と言うのはこの温度差に根差しているんですね
宇宙人にも地球人にも仲間として認めて貰えず望の傍だけがたった一つの「居場所」という絹の孤独は二巻でたっぷり描かれましたが
それを理解した望が絹のたった一つの居場所を守ってやらなければ、とただの高校生でありながらテロリスト相手に
奮戦する姿がただの高校生の恋愛劇では済まない「二人ぼっち」という世界観を見事に描き出していたと思います
後半は本シリーズの後に出版された「 葉桜が来た夏 (電撃文庫) 」に近い地球人(とその一勢力としての日本政府)と宇宙人の政治劇でしたね
地球も日本も、そして宇宙人も一枚岩では無く、その中で絹を駒としてしか扱わない各勢力に対する星子さんの憤りには大いに共感
星子さんの正体も描かれましたが、まさかここまで壮絶な過去を送ってきた人だったとは…
物語の大きな転換点、恋も政治もたっぷりと描かれた丁寧かつボリュームたっぷりの第三巻でした
遂に宇宙人とのハーフであり、彷徨える宇宙人たちの政治的カードであった絹を巡って様々な政治的勢力が動き始めます
とはいえ、二巻で大きく動いた望を巡る穂高と絹の関係はまだ揺れ動き続けており、前半部分はその決着に至るまでが
描かれています。9月21日の望の誕生日にプレゼントを贈って、告白しようとする穂高の意気込みに対する望の意外過ぎる
反応は残酷と言えば残酷なのですが下手に中途半端な関係のまま物語をズルズル引っ張るよりかは余程好感が持てます
望の「父親の仕事の関係で転校を繰り返していた」という過去に基づく人格形成と人間関係に対する「簡単に失われるもの」と
距離を置いた態度は転勤族の家庭に生まれた人間としては「うんうん、凄くよく分かる!」と頷ける位にリアルなのですが
逆に「地元」という物を当然の物として育った人には「何それ、理解できない!」と苛つかせるんじゃないでしょうか?
結局、望が穂高では無く絹に肩入れしてしまう理由と言うのはこの温度差に根差しているんですね
宇宙人にも地球人にも仲間として認めて貰えず望の傍だけがたった一つの「居場所」という絹の孤独は二巻でたっぷり描かれましたが
それを理解した望が絹のたった一つの居場所を守ってやらなければ、とただの高校生でありながらテロリスト相手に
奮戦する姿がただの高校生の恋愛劇では済まない「二人ぼっち」という世界観を見事に描き出していたと思います
後半は本シリーズの後に出版された「 葉桜が来た夏 (電撃文庫) 」に近い地球人(とその一勢力としての日本政府)と宇宙人の政治劇でしたね
地球も日本も、そして宇宙人も一枚岩では無く、その中で絹を駒としてしか扱わない各勢力に対する星子さんの憤りには大いに共感
星子さんの正体も描かれましたが、まさかここまで壮絶な過去を送ってきた人だったとは…
物語の大きな転換点、恋も政治もたっぷりと描かれた丁寧かつボリュームたっぷりの第三巻でした