文化祭での危機(?)を乗り越えた裕人と春香。12月に入り、今までは校内では積極的に
裕人に関わることを自重していた春香だったが、文化祭を機に校内でも積極的な
動きを見せるようになっていた。
そんな中、金銭的に特に困っていないはずの春香がクリスマスプレゼントを買うため
@ほぉーむカフェでアルバイトを始め、それに触発された裕人もまた、
アルバイトを始めるのだが――が本巻序盤のあらすじ。
これは第1巻から小出しされていたことだが、春香が実家の財力を当てにせず
アルバイトをするという描写を通じ、乃木坂家が想像を絶するスーパーリッチで
ありながら春香が現金をあまり持たされていなかったということもあり、
まともな金銭感覚の持ち主であることを改めて窺い知ることができる。
また、後半に描かれる、クリスマスイブからクリスマスにかけてのあれやこれが
本巻の中で最も盛り上がる部分ではあるが、様々な偶然が重なり、裕人が天王寺家の
臨時雇いの執事になるくだりがおそらく本巻最大の肝であり、物語を通じて天王寺家では
当主の逝去により相続争いが勃発していることそして天王寺冬華の信頼を得た裕人は
ある事情によりこの仕事では\5しか稼ぐことができなかったものの、
自身が気付かぬうちに天王寺家とのコネクションが構築されたことで、
今後天王寺家がらみの物語が展開されることが示唆されているのが分かる。
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