昔、インフルエンザの予防接種の副作用で１００万人に３人が亡くなり、遺族は接種の廃止を訴えました。ところがその接種の廃止後、逆に接種を受けていれば助かったであろう数百人の方がインフルエンザで亡くなってしまいました。国民は驚き、慌てた当時の厚生省はそれを再開しました。３人の亡くなった方にはお気の毒ですが、あの予防接種は中止するべきではなかったのです。
医療とはこういうもので、医者の側にも患者の側にも、人の命の重みの裏には反論さえ許さないという傲慢さが潜んでいます。国民全体を考えるか、国民個人を考えるかの違いだけでも全く別の結論が出てしまいます。
「いろいろと問題点はあるだろうが、日本の医療はすてたものではないですよ」と訴えているのが本書です。特に、日本の医療の問題点を誇張・煽動して伝える日本のメディアの方には是非読んでもらいたい１冊です。
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