序文が八木重吉自身の性格を一番ものがたっています。
曰く・・・
「私は、友が無くては、耐えられるぬのです。しかし、私にはありません。この貧しい詩を、これを読んでくださる方の胸に捧げます。そして、私を、あなたの友にしてください。」
（25p）とか。
高村光太郎が巻頭の言にして、詩人の心の奥底の中核にあるもの、と位置付けたこの詩集の価値はおもい。
一篇づつの詩が簡潔にしかも重々とした暗喩に色づけられ、光太郎のいう「不朽性」を形作っている。
この詩を書いたものと時代を越えて友達になれる、あなたは相当な幸せものかもしれない。
255pより
「赤とんぼ 八木重吉
赤とんぼが
うかんでる
ため息のように ながれてる」
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