数式や公式を示す前に、その式の働きや内容を言葉で説明されているので、大変解り易い展開となっています。また、紙の本であるにも関わらず「ハイパーテキスト」のように読み飛ばすページと、戻るページを記述していることも、よいアイデアと思います。そして言葉で理解し難い部分には、図を挿入してあります。
著者なりの考えかたを示されていることもよいことです。教えて貰ったことだけを「記憶」するだけの学問は面白くなく、また他に応用も出来ません。
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趣味で物理学 単行本 – 2007/3/28
広江 克彦
(著)
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【内容紹介】
この本を仕上げるに当たって、役に立つ内容を盛り込みたいという気持ちと、軽く読み切ることができるようにしたいという気持ちとの葛藤があった。どちらも読者の満足度に影響を与える要素だ。また、なるべく簡潔にまとめたいという気持ちと、同じ部分の説明を言葉を変えて繰り返すことで理解を助けたいという気持ちの葛藤もあった。これも読者の習熟度によって好みの分かれるところだ。全ての人を満足させる事はできないとは分かっているが、少々欲が出てしまった。その結果こんな形に出来上がったわけだが、評価は皆さんにお任せしたい。私としては結構満足している。そうでなければ中途半端なものを世に出すものか。(「あとがき」より抜粋)
【著者略歴】
広江 克彦(ひろえ かつひこ)
1972年生まれ。岐阜県出身。静岡大学理学部物理学科卒。同大学院修士課程修了。'00年より、物理学を解説するウェブサイト「EMANの物理学」の運営を開始。その内容が徐々に評価され、'07年に『趣味で物理学』を、'08年に『趣味で相対論』を続けて上梓。現在は農業に片足を置きつつ、執筆に励む。EMAN(エマン)は中学の頃からのあだ名であり、ネットでも主にその名前で活動している。
【目次】
第0章 準備
0.1 本書の構成
0.2 本書での記号の使い方2
0.3 どの量をどんな文字で表すか
0.4 図が少ないのではないか
第1章 力学
1.1 運動量保存則
1.2 エネルギー保存則
1.3 角運動量保存則
1.4 力学のまとめ
~哲学~実在はどこにあるか
第2章 電磁気学
2.1 目標と方針
2.2 マクスウェル方程式の概観
2.3 電荷の間に働く力
2.4 静電場
2.5 静電場の満たす方程式
2.6 微分法則を使う理由
2.7 電束密度の意味
2.8 電流と磁場の発生
2.9 ローレンツ力
2.10 物質中での磁場
2.11 電磁誘導
2.12 マクスウェル方程式の完成
~提案~部活で「理論物理部」なんてどうだ?
第3章 電磁方程式をいじりまわせ129
3.1 マクスウェルの方程式はなぜ解けるのか
3.2 電磁波
3.3 電磁波のエネルギー(前編)
3.4 電磁波のエネルギー(後編)
3.5 マクスウェルの応力
3.6 電磁波の運動量(前編)
3.7 電磁波の運動量(後編)
3.8 エネルギーと運動量
3.9 電磁ポテンシャル
3.10 ゲージ変換
3.11 遅延ポテンシャル
3.12 等速運動する点電荷
3.13 点電荷が発する電磁波
3.14 力学との接点
3.15 電磁気学のまとめ
~提案~教科書解読という趣味
第4章 補習の部屋
4.1 外積について
4.2 ガウスの定理
4.3 ストークスの定理
4.4 ∇(ナブラ)を使え!
4.5 直線上の電荷が作る電場の計算
4.6 デルタ関数
4.7 単位系による違い
4.8 電気力線の実在性
4.9 慣性モーメントテンソル
あとがき
この本を仕上げるに当たって、役に立つ内容を盛り込みたいという気持ちと、軽く読み切ることができるようにしたいという気持ちとの葛藤があった。どちらも読者の満足度に影響を与える要素だ。また、なるべく簡潔にまとめたいという気持ちと、同じ部分の説明を言葉を変えて繰り返すことで理解を助けたいという気持ちの葛藤もあった。これも読者の習熟度によって好みの分かれるところだ。全ての人を満足させる事はできないとは分かっているが、少々欲が出てしまった。その結果こんな形に出来上がったわけだが、評価は皆さんにお任せしたい。私としては結構満足している。そうでなければ中途半端なものを世に出すものか。(「あとがき」より抜粋)
【著者略歴】
広江 克彦(ひろえ かつひこ)
1972年生まれ。岐阜県出身。静岡大学理学部物理学科卒。同大学院修士課程修了。'00年より、物理学を解説するウェブサイト「EMANの物理学」の運営を開始。その内容が徐々に評価され、'07年に『趣味で物理学』を、'08年に『趣味で相対論』を続けて上梓。現在は農業に片足を置きつつ、執筆に励む。EMAN(エマン)は中学の頃からのあだ名であり、ネットでも主にその名前で活動している。
【目次】
第0章 準備
0.1 本書の構成
0.2 本書での記号の使い方2
0.3 どの量をどんな文字で表すか
0.4 図が少ないのではないか
第1章 力学
1.1 運動量保存則
1.2 エネルギー保存則
1.3 角運動量保存則
1.4 力学のまとめ
~哲学~実在はどこにあるか
第2章 電磁気学
2.1 目標と方針
2.2 マクスウェル方程式の概観
2.3 電荷の間に働く力
2.4 静電場
2.5 静電場の満たす方程式
2.6 微分法則を使う理由
2.7 電束密度の意味
2.8 電流と磁場の発生
2.9 ローレンツ力
2.10 物質中での磁場
2.11 電磁誘導
2.12 マクスウェル方程式の完成
~提案~部活で「理論物理部」なんてどうだ?
第3章 電磁方程式をいじりまわせ129
3.1 マクスウェルの方程式はなぜ解けるのか
3.2 電磁波
3.3 電磁波のエネルギー(前編)
3.4 電磁波のエネルギー(後編)
3.5 マクスウェルの応力
3.6 電磁波の運動量(前編)
3.7 電磁波の運動量(後編)
3.8 エネルギーと運動量
3.9 電磁ポテンシャル
3.10 ゲージ変換
3.11 遅延ポテンシャル
3.12 等速運動する点電荷
3.13 点電荷が発する電磁波
3.14 力学との接点
3.15 電磁気学のまとめ
~提案~教科書解読という趣味
第4章 補習の部屋
4.1 外積について
4.2 ガウスの定理
4.3 ストークスの定理
4.4 ∇(ナブラ)を使え!
4.5 直線上の電荷が作る電場の計算
4.6 デルタ関数
4.7 単位系による違い
4.8 電気力線の実在性
4.9 慣性モーメントテンソル
あとがき
- 本の長さ257ページ
- 言語日本語
- 出版社理工図書
- 発売日2007/3/28
- 寸法1.5 x 14.8 x 21 cm
- ISBN-104844607162
- ISBN-13978-4844607168
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商品の説明
著者について
1972年生まれ。岐阜県出身。静岡大学理学部物理学科卒。同大学院修士課程修了。
2000年より物理学を解説するwebサイト”EMANの物理学”の運営を開始。
2007年に「趣味で物理学」、2008年に「趣味で相対論」、2015年に「趣味で量子力学」を上梓。
現在は農業に片足をおきつつ、執筆に励む。
”EMAN”(エマン)は中学の頃からのあだ名であり、ネットでも主にその名前で活動している。
2000年より物理学を解説するwebサイト”EMANの物理学”の運営を開始。
2007年に「趣味で物理学」、2008年に「趣味で相対論」、2015年に「趣味で量子力学」を上梓。
現在は農業に片足をおきつつ、執筆に励む。
”EMAN”(エマン)は中学の頃からのあだ名であり、ネットでも主にその名前で活動している。
登録情報
- 出版社 : 理工図書 (2007/3/28)
- 発売日 : 2007/3/28
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 257ページ
- ISBN-10 : 4844607162
- ISBN-13 : 978-4844607168
- 寸法 : 1.5 x 14.8 x 21 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 290,178位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1972年生まれ。岐阜県出身。
静岡大学理学部物理学科卒。
同大学院修士課程修了。
'00年より、物理学を解説するウェブサイト「EMANの物理学」の運営を開始。
その内容が徐々に評価され、
'07年に『趣味で物理学』を
'08年に『趣味で相対論』を
'15年に『趣味で量子力学』を上梓。
EMAN(エマン)は中学の頃からのあだ名であり、ネットでも主にその名前で活動している。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年12月17日に日本でレビュー済み
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2019年2月1日に日本でレビュー済み
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この本は理論物理学の本です。もともと私はWebサイトでこの著者のページを見つけました。
数式もたくさん出てきます。一見とっつきにくそうです。
しかし,読み進めていくとその数式の説明がすばらしい!その式が物理的に何を意味しているのか,具体的,明確でとてもイメージしやすいのです。
そこでネットで読むより印刷して読みたいと思って,この本を見つけました。
この本は古典力学とマクスウェルの電磁気学についてまとめたもの。
私はこれではじめて,「マクスウェルが作った理論とはこういうものだったのか」と分かりました。今まで表面的に理解していたことの深い意味がようやく分かりました。
力線というものの実在に関する理論的検討,「力」とは運動量の時間変化であるということの理論的意味など,力学と電磁気学の最も基礎的な概念について,きちんと学びなおすことができます。
数式の「計算方法」は必要なら他で学べば良いのです。この本で重視しているのは,「数式が表す物理的意味」であり,この世界の成り立ちなのです。
数式もたくさん出てきます。一見とっつきにくそうです。
しかし,読み進めていくとその数式の説明がすばらしい!その式が物理的に何を意味しているのか,具体的,明確でとてもイメージしやすいのです。
そこでネットで読むより印刷して読みたいと思って,この本を見つけました。
この本は古典力学とマクスウェルの電磁気学についてまとめたもの。
私はこれではじめて,「マクスウェルが作った理論とはこういうものだったのか」と分かりました。今まで表面的に理解していたことの深い意味がようやく分かりました。
力線というものの実在に関する理論的検討,「力」とは運動量の時間変化であるということの理論的意味など,力学と電磁気学の最も基礎的な概念について,きちんと学びなおすことができます。
数式の「計算方法」は必要なら他で学べば良いのです。この本で重視しているのは,「数式が表す物理的意味」であり,この世界の成り立ちなのです。
2020年7月24日に日本でレビュー済み
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初学者には説明不足な点はありますが、イメージを掴みやすい表現をされていて非常に勉強になります。
webで閲覧させて頂いておりましたが、紙で読んだ方が覚えやすい体質なため購入させて頂きました。
webで閲覧させて頂いておりましたが、紙で読んだ方が覚えやすい体質なため購入させて頂きました。
2020年6月15日に日本でレビュー済み
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遅ればせながら 購入して読みました。 私は筆者と同世代の物理ファンエンジニアですが、本から物理が好きというオーラがひしひしと感じられて、同志を見つけたようでうれしいです。
私は学生時代 ファインマン物理で学んで、ここ数年は砂川重信先生の書籍を趣味で読んでいましたが、本書もそれらの本と同様の物理愛 が感じられます。 今でも買える砂川重信「物理学対話」の現代版という感じですかね。
真面目に物理を好きな人はもちろん、雰囲気で なんかかっこいいんじゃない みたいな乗りで買って読んでもいいと思います。 故・京大教授の森毅は「わからなくても頭の中でワカラナサを飼っておくことが大事」といっています。 読んですぐわからなくても なんとなく 覚えていて 数年後「なるほど!」ってなるのもちょっと素敵 かも。
私は学生時代 ファインマン物理で学んで、ここ数年は砂川重信先生の書籍を趣味で読んでいましたが、本書もそれらの本と同様の物理愛 が感じられます。 今でも買える砂川重信「物理学対話」の現代版という感じですかね。
真面目に物理を好きな人はもちろん、雰囲気で なんかかっこいいんじゃない みたいな乗りで買って読んでもいいと思います。 故・京大教授の森毅は「わからなくても頭の中でワカラナサを飼っておくことが大事」といっています。 読んですぐわからなくても なんとなく 覚えていて 数年後「なるほど!」ってなるのもちょっと素敵 かも。
2020年7月24日に日本でレビュー済み
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理論物理大好き。素粒子論に興味ありですが、残念ながら勉強への集中力が悪く知能も普通の私は著者と同じ疑問を持ち物理が良く理解できませんでした。確かに大学での試験では普通以上の成績は取れたけど、本当に理解してない事は本人が一番良く分かっています。この悩みを持っているのは自分だけではない事に気づきました。死ぬまでに絶対理解するというのが目標です。大学院当時の私の指導教授は故伊藤大介氏でした。目からウロコの講義に魅了されて、やはり天才は違うと思っていましたが、話を聞くと蔭では朝永氏の量子力学が理解できなくて、とても悩んだ時期もあったそうです。
2013年5月29日に日本でレビュー済み
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執筆の観点が面白い。趣味の読み物としてはgood
2008年7月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本をどう評価すべきか迷いました。普通の教科書ではなかなか読み取れない
物理の真髄を衝いた本とするべきか、それとも、著者のこだわりに力点が置かれすぎて
いると見るべきか....
結局、両方だという結論に達しました。
前半では、運動量とエネルギーの違いに力点を置き、力学の初歩を説明しています。
こちらはかなり読みやすいですが、あまりややこしい話には首を突っ込みません。
たとえば独楽の回転にちょっと首を突っ込みますが、直感的に解釈できる
範囲に終始して、首振り運動の本格的な方程式にまでには踏み込みません。
著者の示す力学の関する哲学はなかなか面白いのですが、
力学は初歩の初歩といったところで唐突に終わってしまいます。
電磁気学では、直感に訴える形で、ベクトル解析とマックスウェルの方程式を
説明してゆきますが、論理展開のスピードが速く、端折りも結構有って、
あまりわかりやすい説明とはいえません。電磁気学の後半では、電子が放射する電波や
光の計算や、電磁場が運ぶ運動量とエネルギーの話に収斂してゆきますが、多くの式が
天下りでがっかりしてしまいました。
結局著者が言いたかったのは、動的な電磁気学では、場の持つエネルギーと運動量を
勘定に入れないと、エネルギー保存則も、運動量保存則も成り立たなくなってしまう
ということで、この趣旨を示すことには成功していますが、そこで終わって
しまっています。
電磁気学の初歩的なことはあまり書いてないので、ついてこられる読者は
わずかではないかとか心配です。
結局この本はなんなのか...
著者は物理を機械的に、形式的に学んで判っている気になっている人のために
この本を書いた気がします。その意味ではこの本はある程度成功している
気がします。
しかし、力学や電磁気学を学ぶための最初の本としては、だめでしょう。
普通の教科書とあわせて、副読本として読み流すというあたりがこの本の正しい
使い方ではないかと思います。
物理の真髄を衝いた本とするべきか、それとも、著者のこだわりに力点が置かれすぎて
いると見るべきか....
結局、両方だという結論に達しました。
前半では、運動量とエネルギーの違いに力点を置き、力学の初歩を説明しています。
こちらはかなり読みやすいですが、あまりややこしい話には首を突っ込みません。
たとえば独楽の回転にちょっと首を突っ込みますが、直感的に解釈できる
範囲に終始して、首振り運動の本格的な方程式にまでには踏み込みません。
著者の示す力学の関する哲学はなかなか面白いのですが、
力学は初歩の初歩といったところで唐突に終わってしまいます。
電磁気学では、直感に訴える形で、ベクトル解析とマックスウェルの方程式を
説明してゆきますが、論理展開のスピードが速く、端折りも結構有って、
あまりわかりやすい説明とはいえません。電磁気学の後半では、電子が放射する電波や
光の計算や、電磁場が運ぶ運動量とエネルギーの話に収斂してゆきますが、多くの式が
天下りでがっかりしてしまいました。
結局著者が言いたかったのは、動的な電磁気学では、場の持つエネルギーと運動量を
勘定に入れないと、エネルギー保存則も、運動量保存則も成り立たなくなってしまう
ということで、この趣旨を示すことには成功していますが、そこで終わって
しまっています。
電磁気学の初歩的なことはあまり書いてないので、ついてこられる読者は
わずかではないかとか心配です。
結局この本はなんなのか...
著者は物理を機械的に、形式的に学んで判っている気になっている人のために
この本を書いた気がします。その意味ではこの本はある程度成功している
気がします。
しかし、力学や電磁気学を学ぶための最初の本としては、だめでしょう。
普通の教科書とあわせて、副読本として読み流すというあたりがこの本の正しい
使い方ではないかと思います。
2012年11月22日に日本でレビュー済み
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中古本を購入しましたが、新品とほとんど変わらず満足です。自分で数式をたどることができるよう、読者に親切な姿勢が感じられました。