イングランドに始まった核家族化は、産業革命前夜の時期に生じた近代的な事象である、
というM・ウェーバーやマルクス以来の通念は1970年代に入っても未だ強固なものだった。
19世紀東欧やインドで見られたような大家族を基礎とする小農社会と近似した状態がまずあり、
そこから発展して核家族制に基づく個人主義的な近代社会を形成したという見方だ。
だが本書は古文献や裁判記録などの調査に基づき、その変貌時期が産業革命前夜どころではなく、
さらには遡りうる限りでイングランドに核家族型社会でなかった時期は見出せないと結論づけた。
中世では、それは仏独はもちろんスコットランドとすら異なるイングランド独特の社会構造だった。
原書は1978年刊。単線的な発展史観に一石を投じた、著者をはじめとするイギリス歴史人類学界。
その成果は、例えば現代日本でも著名となったエマニュエル・トッドの家族型研究にも継承されていく。
トッドはちょうどその頃ケンブリッジで博士課程を修了し、さらなる地平を切り開いていくことになる。
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イギリス個人主義の起源: 家族・財産・社会変化 (社会科学の冒険 9) 単行本 – 1990/5/1
アラン マクファーレン
(著),
酒田 利夫
(翻訳)
- 本の長さ431ページ
- 言語日本語
- 出版社リブロポート
- 発売日1990/5/1
- ISBN-104845704412
- ISBN-13978-4845704415
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登録情報
- 出版社 : リブロポート (1990/5/1)
- 発売日 : 1990/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 431ページ
- ISBN-10 : 4845704412
- ISBN-13 : 978-4845704415
- Amazon 売れ筋ランキング: - 885,817位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 237位イギリス・アイルランド史
- - 2,376位ヨーロッパ史一般の本
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