東高現代美術館 はバブル景気に沸いた頃、東京は青山にあった現代美術の美術館で、様々な作家の企画展の開催がなされていたが、バブル崩壊後、仮施設だった美術館は閉鎖され跡形もなく消え去ってしまったという経緯を持つ美術館らしいです。その美術館で1991年の1月に開催されたデビッド・リンチの企画展に展示された作品を主に掲載した書籍です。他にも日本人の評論家による文章やリンチの世界観を表す写真なども掲載されています。
文章、写真も個人的には好きなものは好きですが以下は副題にあるように、PAINTINGS & DRAWINGSに限った話をします。
デビッド・リンチは映画監督として世の中に広く名前の知られる人ですが、絵画には映画以上にかなり長くつきあってるそうで、掲載されている年譜に寄れば、もともと画家を志して学校に通った頃も若い時にはあったようです。この書籍に掲載されている絵画は1980年台後半から1990年までに描かれたものが主なものですが、あまり他に類を見ないタイプの絵画なのではないでしょうか。そもそもリンチは絵画の制作にあたって筆を使わず指でキャンバス上の絵具を扱ったりするそうで、絵、と言われて普通に想像するような、はっきりした物の形を細部に亘って描いているような絵ではありません。
だからと言って「ただのヘタクソな何時かはゴミとなって消える絵」と切り捨てることができないのも事実であり、そこに幻想的な味わいを得ている絵という印象を持つことも事実だと思います。また全体的に黒や茶色、といった色が非常に多用されており、黄色や緑色のような明るい色はまず使われていないのです。でも、こういう絵も面白いと思う人もいるとは思うのです。(個人の好き嫌いの問題と思うのですが。)
自分が高校生だった頃、深夜放送の映画で偶然『イレイザーヘッド』を見て、興味から図書館で借りて、いつか手に入れたいと思っていた本なので評価の星の数は私個人の強い思い入れとか嗜好性が強く反映したものとお考えください。この書籍の冒頭に掲載されている美術評論家であるクリスチーヌ・マッケンナの「彼(=リンチ)の作品はファインアートの領域で起こっている事象に関してなんらの見解も表明するものではない。 それとは逆に彼の絵は全く自己言及的であり、その本質は自身の潜在意識を試すロールシャッハテストである。」という文章通りに主にリンチの初期作品である『イレイザーヘッド』や『The Alphabet』『The Grandmother 』等を御覧になって、映画に描かれる様な暗い世界観に共感され、そういう世界にひたってみたい、という方がいらっしゃったら、個人的にはおススメです。
こういうのはワカラン、評価は星1つだろ、という方がいらっしゃったらゴメンなさい。
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デビッド・リンチ: PAINTING&DRAWINGS 単行本 – 1991/1/1
- 本の長さ123ページ
- 言語日本語
- 出版社トレヴィル
- 発売日1991/1/1
- ISBN-104845705877
- ISBN-13978-4845705870
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登録情報
- 出版社 : トレヴィル (1991/1/1)
- 発売日 : 1991/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 123ページ
- ISBN-10 : 4845705877
- ISBN-13 : 978-4845705870
- Amazon 売れ筋ランキング: - 988,022位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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