子供の頃、『まんが源頼朝』を読んだとき、頼朝は美男子に、清盛はいかにも悪役的な外見として描かれていた。
その後『まんが平清盛』を読んだときは頼朝は悪役然とした描かれ方をしていた。
当然清盛はその逆だった。
でも、当時のわたしはそういうもんだよね、と受け入れた。
感情移入させるためにはカッコよく描くのは当然だよね、と思った。
この大河漫画『風雲児たち』では、関ヶ原の合戦から幕末までの、実にさまざまな人物の人生が描かれている。
殆どの人物はとってもひょうきんなデフォルメをされているので、気が抜けたギャグも相まって違和感がすごかった。釣りバカ日誌みたいな絵柄も苦手だったので正直敬遠していた。
しかし、とっても愉快な外見をした彼らは時に理不尽な目に遭い、決死の覚悟でその障害に立ち向かいながらも、唐突に当時の時事ネタを披露し、そして志半ばでバタバタと死んでいく。
じゃがいもやつぶれ饅頭のような顔をした歴史上の人物たちがみせる、怒りや悲しみ、そして決意の表情に、いつしか心を動かされていた。
ギャグ→シリアス→ギャグ→シリアスと、緩急をつけて描かれる物語を読み進めるうち、いつの間にか、この絵柄だからいいんだな、と思えるようになっていた。
パッと見の絵柄で敬遠せず、まずは最初の数冊でも読んでみていただきたい名作です。
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