2004〜2005年に集英社のビジネスジャンプに連載され、単行本が一巻のみ出ていた長屋の名差配五平さんを狂言回しに描かれる江戸時代の人間模様「人情幕ノ内」の続編です。
版元をリイド社に改め、題名の頭に御誂が付きましたが題字は今回も師匠の高井研一郎さんが担当しています。
内容はビジネスジャンプ掲載分3話と現在も連載中のリイド社月刊時代劇コミック専門誌「乱」に掲載された10話を合わせた作品集ですが、既に完成された作風の為、間にブランクが2年有ったとは思えない程違和感が有りません。
写実的な御江戸の街並みを背景に前記高井研一郎さんや、西岸良平さん、滝田ゆうさんにも通じる極端にデフォルメされた人物が光と影を浴びて描かれる作風はクセが強く、実は私も当初は読まず嫌いだったのですが、ジワリジワリと内容と絵の深さに感化され、いまでは掲載誌中1,2を争う続きが楽しみな作品です。
ホロリ、クスリと来る人情のみならず思わず背筋がゾクリとくる人の業も等しく描かれており、作者の漫画家としての高い力量を感じます。
読めば間違いなく面白い隠れた名作です。老若男女隔てなくお薦め申し上げます。
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御誂人情幕ノ内 1 (SPコミックス) コミック – 2009/4/27
昌原 光一
(著)
- 本の長さ246ページ
- 言語日本語
- 出版社リイド社
- 発売日2009/4/27
- ISBN-104845838079
- ISBN-13978-4845838073
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登録情報
- 出版社 : リイド社 (2009/4/27)
- 発売日 : 2009/4/27
- 言語 : 日本語
- コミック : 246ページ
- ISBN-10 : 4845838079
- ISBN-13 : 978-4845838073
- Amazon 売れ筋ランキング: - 474,352位コミック
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年11月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2011年8月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
何度読んでもおもしろい。味わい深い一冊。なのに2巻目以降が出版されないのが寂しい。
全部で42話あるので、一巻で10話として4巻にはなると思うのだが、どうぞ出版社さん、発行してください。
全部で42話あるので、一巻で10話として4巻にはなると思うのだが、どうぞ出版社さん、発行してください。
2012年2月1日に日本でレビュー済み
この昌原光一という漫画家さん。ちょっと凄いとおもいます。
先ず、山中貞雄の時代劇を彷彿させるリアリズム。
江戸時代というのは江戸八百八町の内側といえど、夜になると吉原以外は灯りが無くて本当に暗かったのですが、そういう江戸の町の暗がりを、まるで実際見て来たかのように描きます。この漫画家さんの描く夜の江戸の風景は特筆ものです。町人の髷[まげ]にしてもデフォルメが加えられていますが、どういった種類の髷であるか一目でわかる絵柄になっています。兎に角リアル。
且つ、それとは反対に、山中貞雄といえど映画というメディアでは絶対に出せないコマ割りの妙といいますか、自在なテンポ感。漫画というメディアのもつ固有のチカラが存分に発揮されているカット割りが絶品です。そうしてストーリーの最後の落としとその引きの、微妙なバランス。ストーリー構成も巧み。
漫画として大事な絵柄にしても、人物の顔や体躯はおおきくデフォルメされてはいるものの、作中人物の造形に従ってきちんと明確に描き分けられているし、めっぽう上手い落語家か講談師の話を絵で聴いている錯覚に陥ってしまいます。素晴らしいとしか形容できない。
江戸時代を好んで描く漫画家さんといえば、漫画好きのかたなら誰でも思い浮かべるのが故杉浦日向子さんです。あのかたの漫画も凄かったが、この昌原光一さんの描く江戸の町とそこに行き交う人々も、杉浦さんとはテーマと風合いこそ違え、これもまた第一級品です。
人情噺がお好きなかたにも、また江戸時代ファンのかたにも、強く強くお勧めする漫画家さんです。
先ず、山中貞雄の時代劇を彷彿させるリアリズム。
江戸時代というのは江戸八百八町の内側といえど、夜になると吉原以外は灯りが無くて本当に暗かったのですが、そういう江戸の町の暗がりを、まるで実際見て来たかのように描きます。この漫画家さんの描く夜の江戸の風景は特筆ものです。町人の髷[まげ]にしてもデフォルメが加えられていますが、どういった種類の髷であるか一目でわかる絵柄になっています。兎に角リアル。
且つ、それとは反対に、山中貞雄といえど映画というメディアでは絶対に出せないコマ割りの妙といいますか、自在なテンポ感。漫画というメディアのもつ固有のチカラが存分に発揮されているカット割りが絶品です。そうしてストーリーの最後の落としとその引きの、微妙なバランス。ストーリー構成も巧み。
漫画として大事な絵柄にしても、人物の顔や体躯はおおきくデフォルメされてはいるものの、作中人物の造形に従ってきちんと明確に描き分けられているし、めっぽう上手い落語家か講談師の話を絵で聴いている錯覚に陥ってしまいます。素晴らしいとしか形容できない。
江戸時代を好んで描く漫画家さんといえば、漫画好きのかたなら誰でも思い浮かべるのが故杉浦日向子さんです。あのかたの漫画も凄かったが、この昌原光一さんの描く江戸の町とそこに行き交う人々も、杉浦さんとはテーマと風合いこそ違え、これもまた第一級品です。
人情噺がお好きなかたにも、また江戸時代ファンのかたにも、強く強くお勧めする漫画家さんです。