「居酒屋」と「ナナ」から「ルーゴン=マッカール叢書」を知り、その原点である本書に突入した。
前二書と同様に、人間の欲望や下劣な感情が生々しく描かれており、
その人間像は目をそむけたくもなるが、また魅力的でもある。
本書では、アクが強く欲深い自分本位の人々の中で、純真なシルヴェールの存在が異彩を放つが、
この物語の中ではその存在が許されないのか簡単に短い生涯を閉じてしまう(閉ざされてしまう)。
その人物像の対比は素晴らしい。
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ルーゴン家の誕生 (ルーゴン・マッカール叢書 第 1巻) 単行本 – 2003/10/1
- 本の長さ402ページ
- 言語日本語
- 出版社論創社
- 発売日2003/10/1
- ISBN-104846004031
- ISBN-13978-4846004033
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
1851年12月7日、サン=ミットル平地で蜂起軍に参加しようとするシルヴェールの登場で物語は始まる…。バルザックに対抗して構想された、「遺伝と環境」をキーワードとする小説群・ルーゴン=マッカール叢書の第1弾。
登録情報
- 出版社 : 論創社 (2003/10/1)
- 発売日 : 2003/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 402ページ
- ISBN-10 : 4846004031
- ISBN-13 : 978-4846004033
- Amazon 売れ筋ランキング: - 887,083位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,312位フランス文学 (本)
- - 1,340位フランス文学研究
- カスタマーレビュー:
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2013年5月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2010年4月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
フランスのあるまちの墓地の描写から物語りは始まる。まずこれがツボにぴったりはまった。こういう本を探していたのだ。
つまり佐藤亜紀さん描くところの「バルタザール」だの「鏡の影」だの「1809」のような本。これも氏のブログから見つけた。
いい加減、日本人の書く最近の「癒し系」的な本に飽きあきしてきても、この手の本を探す方法というのは皆無に近いのが現状だ。
続きが早く読みたいが、ちょっと、いやかなり高い。それだけの価値はあるのだが、高い。
つまり佐藤亜紀さん描くところの「バルタザール」だの「鏡の影」だの「1809」のような本。これも氏のブログから見つけた。
いい加減、日本人の書く最近の「癒し系」的な本に飽きあきしてきても、この手の本を探す方法というのは皆無に近いのが現状だ。
続きが早く読みたいが、ちょっと、いやかなり高い。それだけの価値はあるのだが、高い。
2006年9月23日に日本でレビュー済み
「居酒屋」「ナナ」を代表とするルーゴン・マッカール叢書全20巻は、1冊ずつ独立した小説としても読めるが、この「ルーゴン家の誕生」が、一家の母祖(Matriarch)アドリアーヌとその2人の息子たちを描いている。
農民の地をひく、抜け目のないルーゴンは計算高いブルジョワとして成り上がる。弟のマッカールは兄に出し抜かれたあと、怠け癖の飲んだくれとなり、娘ジェルヴェーズ(「居酒屋」)の悲劇的な生涯をも決定づける。そしてシルヴェールとミエットの初々しく牧歌的な恋愛が、プラッサンの豊かな自然を背景に、繊細な情感をこめて描き込まれている。ついにフランスに根付かなかった共和主義の理想の象徴のように。
このあと、金満家のアリスティッドが主役の「獲物の分け前」の狂乱と頽廃へと繋がっていくのだが、大河小説の幕開けにふさわしく、宿命を暗示する象徴的な第一巻である。
農民の地をひく、抜け目のないルーゴンは計算高いブルジョワとして成り上がる。弟のマッカールは兄に出し抜かれたあと、怠け癖の飲んだくれとなり、娘ジェルヴェーズ(「居酒屋」)の悲劇的な生涯をも決定づける。そしてシルヴェールとミエットの初々しく牧歌的な恋愛が、プラッサンの豊かな自然を背景に、繊細な情感をこめて描き込まれている。ついにフランスに根付かなかった共和主義の理想の象徴のように。
このあと、金満家のアリスティッドが主役の「獲物の分け前」の狂乱と頽廃へと繋がっていくのだが、大河小説の幕開けにふさわしく、宿命を暗示する象徴的な第一巻である。