この本のベクトルは３つ。パリと猫と、道重さん、若しくは道重さんの猫への言葉です。パリにいたことがある人や憧れがある人には少量であってもパリのエッセンスが香るし、犬の好きな街にあって猫好きな芸術家が多数花の都に滞在したことも脳裏に浮かぶかも。また、そんな猫を愛した芸術家がどんな種類の猫を友や伴侶としたかも楽しめそうです。
そして、私には再生という名で仕事の復帰を見た道重さんが、やっぱり言葉のさゆみんらしくどんな猫にもいい点や誉める言葉を紡いで行く所に感動するのでした。長年モーニング娘と、そのリーダーとして発言の１つ１つに気を配った人らしく、未だ道重さんはその時のクオリティを猫相手にでも軽やかに発揮しています。お見事、さゆみんです。猫の写真だけ見せられて、そうそう全部の猫にいい言葉なんて普通は浮かびませんよ。
で、３つ星の訳は、私は猫好きで。私の猫好きはやっぱり「和ねこ」が好きなのだなと思う事です。これはもう好みとしか言い様がありません。ふさふさとした西洋の猫には貫禄や美を感じますが、どこか都会猫の感じで親しみを感じない。品があり過ぎるのかも。ふさふさ系でない猫もです。
そして、このパリの猫カフェにいる猫(を撮った写真集)は、愛護団体から譲り受けた猫らしいのです。命を救おう的な高貴なアイデアでもあって。素晴らしいです。でもうがって見ると、だから殺処分寸前の猫だった寂しさが可愛さに勝っていそうなんです。猫同士仲が良い訳でもなく、言うなら捨て子のパラダイスの様な。そこに本来のあっけらかんとした猫の雰囲気が全くなくて。可哀想な猫達にも映る。だからこそ、道重さんの猫１匹１匹への言葉は輝くのですが。
最後に一番ほっとしたのは、すっぴんに近い道重さんの写真がある事、小さいですが。猫よりも可愛い、って半分くらいの人は思うんじゃないかなぁと思っています。その道重さんの写真に一番ほっとしました。
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