当方男故に、真っ当なコバルト読者では無かったと思います。
当時は宇宙戦艦ヤマトとか銀河鉄道999のノベライズがあったりして、それを目当てに買っていました。
妹がいるために少女漫画なども適当に読んでいましたが、最初はその程度で、妹が読んでいる久美沙織や氷室冴子なども読んでいました。新井素子を読んだのはちょっと後だったような、多分最初は「絶句」だからコバルトのはなんだったけ。いや「いつか猫になる日まで」が最初だったか。
藤川圭介の名前を認識したのもゴットマーズのノベライズだったような。
だから空気は判ったのですが、意外なことも多かった。おかみき、実は学校の男の友人が読んでいました。妹に聞いたら普通に持っていて借りて読みました。めるへんめーかー氏の漫画の大ファンで、読みやすかったこともあります。
漫画家が挿絵を描き始めた時期にちょうど読み始めた事もあって、本書を読み進めていたのですが、例のキスシーンって不評だったんですか。通して読んではいても、借り物で読んでいただけの私でもアレものすごい感動したのに。
だから「高校編」は読んだ記憶が無いくらい。読んだはずだけど結末を憶えていない。
ドラクエの小説は久美沙織氏の作品がベストだと思っています。と言うよりも以降も群雲の如くある和製ファンタジーの中でベストをあげろと言われると、この作品と「ロードス島戦記」と「風よ竜に届いているか」を上げたくなるぐらい。オリジナルよりもゲーム小説ばっかですな。
他にも色々ありはするものの、正直に言って完結したか否かや、ファンタジーと言うよりも戦記物の趣が強い作品であったりで、オリジナルは上げづらい。長くても数年でキチンと完結して、影響を受けた青年期を楽しませてくれた良作というとこのあたりか。
ソノラマの「ランドルフィ物語」も捨てがたい。清水義範ってSFの人だったんよ。パスティーシュやエッセイだけではなくて。
現象としてなら富士見ファンタジア文庫の「スレイヤーズ」なども思い浮かびますが、アレは作品としての完成度自体はベストに上げるのは躊躇われる。面白かったんですがね。
とにもかくにも純粋のファンと言われると首をかしげる私ですが、折々に作品を読んではいたので、当時を懐かしく想い出すことが出来ました。あの頃に熱心に読んでいたソノラマ文庫は今はもう無くて、コバルト文庫を手に取ることも少なくなってしまいました。ラノベ自体は手に取っているにもかかわらず。
コバルトと言うよりも久美沙織氏の自叙伝のの趣です。ネットで一読したためについ今まで読み逃していましたが、懐かしくて手にとって(何れと思いつつまさか十年近く経っているとは)今更ではあります。ただ当時の読者は興味深く読める良書だと思います。
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コバルト風雲録 単行本 – 2004/10/1
久美 沙織
(著)
よ~くお聞き!
ライトノベルにいたる少女小説の歴史を
がむしゃらに駆け抜けた久美沙織が、
激動のエンタメ文芸業界
波瀾万丈の作家人生を
裏の裏までぶっちゃけた!
爆笑痛快ときどき毒舌、愛の青春一代記
ここに登場。
本書はコバルト文庫の全盛期を担った久美沙織の回想録でもあり青春記でもあります。吉屋信子をルーツとする少女小説の歴史のなかで燦然と輝きながら登場した氷室冴子と新井素子の衝撃、作品を応募した集英社から速達ハガキが届いたときの喜び、そして作家になって出会った数々の盟友たちとの青春の日々...。
もう一つの読みどころ。それは、読者が知らないところで流す作家の“血と汗と涙”が赤裸々といっていいほどに語られていることです。ファンレターを送ってくれた読者にすべて返事を書くこと、その数なんと2000人!しかも名前や手紙の内容まで暗記して、サイン会や握手会では一声かけるという努力まで。もちろんエクセルなんてない時代の話。
そんな“血と汗と涙”のエピソードが満載なのも本書の面白さの一つです。舌鋒鋭く快刀乱麻を断つ勢いのユーモア溢れる文章で、久美沙織という一人の人間が力いっぱいさらけ出されている本書を、読者の世代を超えてオススメいたします。
ライトノベルにいたる少女小説の歴史を
がむしゃらに駆け抜けた久美沙織が、
激動のエンタメ文芸業界
波瀾万丈の作家人生を
裏の裏までぶっちゃけた!
爆笑痛快ときどき毒舌、愛の青春一代記
ここに登場。
本書はコバルト文庫の全盛期を担った久美沙織の回想録でもあり青春記でもあります。吉屋信子をルーツとする少女小説の歴史のなかで燦然と輝きながら登場した氷室冴子と新井素子の衝撃、作品を応募した集英社から速達ハガキが届いたときの喜び、そして作家になって出会った数々の盟友たちとの青春の日々...。
もう一つの読みどころ。それは、読者が知らないところで流す作家の“血と汗と涙”が赤裸々といっていいほどに語られていることです。ファンレターを送ってくれた読者にすべて返事を書くこと、その数なんと2000人!しかも名前や手紙の内容まで暗記して、サイン会や握手会では一声かけるという努力まで。もちろんエクセルなんてない時代の話。
そんな“血と汗と涙”のエピソードが満載なのも本書の面白さの一つです。舌鋒鋭く快刀乱麻を断つ勢いのユーモア溢れる文章で、久美沙織という一人の人間が力いっぱいさらけ出されている本書を、読者の世代を超えてオススメいたします。
- 本の長さ285ページ
- 言語日本語
- 出版社本の雑誌社
- 発売日2004/10/1
- ISBN-104860110382
- ISBN-13978-4860110383
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登録情報
- 出版社 : 本の雑誌社 (2004/10/1)
- 発売日 : 2004/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 285ページ
- ISBN-10 : 4860110382
- ISBN-13 : 978-4860110383
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,361,823位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 164,020位ノンフィクション (本)
- - 289,727位文学・評論 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年2月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
丘ミキをkindle版で再読した流れで、こちらの本も購入。コバルト創世記の空気、故人となられた氷室冴子さんのエピソード、人気絶頂の頃の久美さんの苦悩など、あの頃コバルト読者だった自分にはすごく面白かったです。
私が久美さんの本に出会ったのは、鏡の中のれもんの1巻が出た頃で、その続きを待ちながら丘ミキも買い集めました。それと前後して氷室冴子、藤本ひとみ、桑原水菜、前田珠子などなど手当たり次第に読み漁ってました。コバルトには未完の大作や、巻数を重ねるごとにグタグタになるものもあり、20年以上たった今でも鑑賞に耐える作品は一握りです。そしてその一握りの作品のうちの1つが、久美さんの作品であることは間違いないです。この本では何年経っても輝きを失わない文章が、どんなふうに生み出されたのかの一端をうかがうことができました。
私が久美さんの本に出会ったのは、鏡の中のれもんの1巻が出た頃で、その続きを待ちながら丘ミキも買い集めました。それと前後して氷室冴子、藤本ひとみ、桑原水菜、前田珠子などなど手当たり次第に読み漁ってました。コバルトには未完の大作や、巻数を重ねるごとにグタグタになるものもあり、20年以上たった今でも鑑賞に耐える作品は一握りです。そしてその一握りの作品のうちの1つが、久美さんの作品であることは間違いないです。この本では何年経っても輝きを失わない文章が、どんなふうに生み出されたのかの一端をうかがうことができました。
2006年8月16日に日本でレビュー済み
「コバルト風雲録」というより、「久美沙織風雲録」ですな。コバルトの少女小説で始まり、SFも書いたりして、ファンタジーに移り、ゲームのノベライゼーションという、どうして、そういうジャンル分不能な作家になったのか・・。当時の時代背景の説明も交えながら、ライトノベル世代向けにもモテナシいい、回顧録となっている。
すごかったエピソード2つ。
(1)コバルト時代の初期、すべてのファンレターに返事を出していた(平井和正も昔そんなことやってましたね)。そして、その相手の名前・学校・学年等をすべてノートで管理していた。最盛期は2000名の少女の情報が頭の中にインプットされていて、その少女がサイン会に来たら一発で判別できたという。
(2)彼女がコバルトで最初に文庫を出した時、表紙絵を依頼したのは新井苑子先生。そして、「コバルト初のマンガ家表紙絵」として、彼女の希望で渋る担当を押し切り「かがみあきら」(晩年)を希望。すげー、趣味がいい。
すごかったエピソード2つ。
(1)コバルト時代の初期、すべてのファンレターに返事を出していた(平井和正も昔そんなことやってましたね)。そして、その相手の名前・学校・学年等をすべてノートで管理していた。最盛期は2000名の少女の情報が頭の中にインプットされていて、その少女がサイン会に来たら一発で判別できたという。
(2)彼女がコバルトで最初に文庫を出した時、表紙絵を依頼したのは新井苑子先生。そして、「コバルト初のマンガ家表紙絵」として、彼女の希望で渋る担当を押し切り「かがみあきら」(晩年)を希望。すげー、趣味がいい。
2004年11月19日に日本でレビュー済み
十代の中高生のための小説としてヒットを飛ばしたコバルト文庫。
その黎明期を担った著者がざっくばらんに、でも真摯に語ります。
エンタティメントとは何か。書くこととは何か。
物書きとしての…作り手としての自分の居場所はどこなのか。
かつてコバルトを楽しんだ人にも、今楽しんでいる人にも、
今時のワカモノがどんな小説に夢中になっているのか
ふと興味を引かれた人にも、一度は読んでみてほしい一冊。
その黎明期を担った著者がざっくばらんに、でも真摯に語ります。
エンタティメントとは何か。書くこととは何か。
物書きとしての…作り手としての自分の居場所はどこなのか。
かつてコバルトを楽しんだ人にも、今楽しんでいる人にも、
今時のワカモノがどんな小説に夢中になっているのか
ふと興味を引かれた人にも、一度は読んでみてほしい一冊。
2004年12月19日に日本でレビュー済み
久美さんは、コバルト創世記に立ち会った「お一人」には違いありませんが、本書のタイトルは期待はずれでした。「幕前口上」でも一応「おことわり」らしいことは書かれてありましたが、コバルト初期の読者としてはやはり残念。若干、、、いえ3~4割ほど物足りない内容です。
2004年12月1日に日本でレビュー済み
岩井志麻子、桐野夏生、唯川恵、山本文緒、藤本ひとみ……
上に挙げたのはいずれもいまをときめく人気作家たちばかりだが、彼女達はみな、「ジュニア小説」から育った書き手である。そのジュニア小説界でベストセラー『丘の上の家のミッキー』を生み出した著者・久美沙織が、コバルト文庫を軸としたジュヴナイル小説の歴史をリアルに描いたのが本書。
その方面の特有の「コバルト文体」で書かれているため、慣れない人はちょっと引くかもしれないが、文学史・出版史として貴重な記録だと思う。
それにしても、氷室冴子、新井素子って、やっぱりすごかったんだな。
上に挙げたのはいずれもいまをときめく人気作家たちばかりだが、彼女達はみな、「ジュニア小説」から育った書き手である。そのジュニア小説界でベストセラー『丘の上の家のミッキー』を生み出した著者・久美沙織が、コバルト文庫を軸としたジュヴナイル小説の歴史をリアルに描いたのが本書。
その方面の特有の「コバルト文体」で書かれているため、慣れない人はちょっと引くかもしれないが、文学史・出版史として貴重な記録だと思う。
それにしても、氷室冴子、新井素子って、やっぱりすごかったんだな。