物質社会、消費社会の犠牲者たち。
自分が働いて稼いだお金を何に使うか。
現代ほど、その選択肢が多い時代もないのかもしれない。
昔だったら、三種の神器ではないが、テレビ、洗濯機、冷蔵庫を買って、子供ができたらマイホームを建てて、そして、マイカーを購入し、テレビで見た幸せそうなアメリカのファミリーのような生活を目指せばよかった。そう、幸せとは、そんな世界だった。
でも、今は違う。
アメリカの完璧なファミリー像は崩れ去り、日本人たちは何を目指せばいいのか、理想像を見失う。今、僕らは自由な世界に生きている。その分、個人個人が自分の理想像を模索しなくてはならないのだ。
また、現代は記録の時代。
あらゆる情報を記録として手元に置く時代だ。
昔は、その機能は国が担っていた。
図書館、博物館、美術館、個人では集めきれない情報を収集し、保管し、展示する機能を持つ施設。
万博というイベントも、世界中を旅してまわることができない人間が、一度に様々な世界の事物に触れることができる夢のような場所であった。
だが、音楽をi podに何万曲も持ち歩き、写真をコミュニケーションツールとして持ち、映画を携帯端末から買って観れる時代に僕らは生きている。世界の様々な事物ですら、ネットを通じて見ることができるのだ。そんな時代に、万博の持つ夢を果たして僕らは享受できるのか。
着倒れ方丈記とは、あるブランドが好きで、それにハマり、着るということよりも収集するという行為に熱中する人々の姿をブランド、生活する部屋とともに一緒に収めた写真集だ。HAPPY VICTIMSというタイトルの通り、彼らの表情は非常に前向きであり、幸せそうだ。それは、彼らのスタイルの表明であり、生き方である。
これほど、様々なものに囲まれて生きる僕らは、何を選んで買うか、どんな友達がいるか、どんな恋人がいるか、どんな職業についているか、どんな部屋に住んでいるか、どんな自転車に乗っているのか、どんなご飯を食べているのか、そういう情報をカテゴライズされた世界で生きている。ブログはその最たるもの。
そういう時代においてカタログ化された雑誌、本、DVDが多く世の中に流布している。
そういう時代を反映した都築響一の作品の1つ。
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着倒れ方丈記 HAPPY VICTIMS ペーパーバック – 2008/11/15
現代日本のリアリズムを追求し続ける著者が、
膨大な洋服に覆われた部屋と、その住人「着倒れた人」たちを取材。
本書は、ごく普通の生活にあるこだわりの光景をとらえた、100名余りの”ハッピー・ヴィクティム”(幸せな犠牲者)たちの記録です。
グッチ、エルメス、ドルチェ&ガッバーナ、コムデギャルソン、マルタン・マンジェラ、ナイキ・・・・・・
食費を削ってでも収集したいという大好きなデザイナーやブランド。欲望と混沌の小宇宙。
写真に加え、「着倒れた人」たちの断片を綴った各テキストも興味を誘う内容です。
名作「TOKYO STYLE」や「賃貸宇宙」などの系譜となる都築響一待望の最新作品集。
雑誌「流行通信」で8年間の長期にわたり連載された待望の書籍化です。
膨大な洋服に覆われた部屋と、その住人「着倒れた人」たちを取材。
本書は、ごく普通の生活にあるこだわりの光景をとらえた、100名余りの”ハッピー・ヴィクティム”(幸せな犠牲者)たちの記録です。
グッチ、エルメス、ドルチェ&ガッバーナ、コムデギャルソン、マルタン・マンジェラ、ナイキ・・・・・・
食費を削ってでも収集したいという大好きなデザイナーやブランド。欲望と混沌の小宇宙。
写真に加え、「着倒れた人」たちの断片を綴った各テキストも興味を誘う内容です。
名作「TOKYO STYLE」や「賃貸宇宙」などの系譜となる都築響一待望の最新作品集。
雑誌「流行通信」で8年間の長期にわたり連載された待望の書籍化です。
- 本の長さ178ページ
- 言語日本語
- 出版社青幻舎
- 発売日2008/11/15
- ISBN-104861521688
- ISBN-13978-4861521683
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登録情報
- 出版社 : 青幻舎; B5版 (2008/11/15)
- 発売日 : 2008/11/15
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 178ページ
- ISBN-10 : 4861521688
- ISBN-13 : 978-4861521683
- Amazon 売れ筋ランキング: - 747,941位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1956年、東京生まれ。76年から86年までポパイ、ブルータス誌で現代美術、建築、デザイン、都市生活などの記事をおもに担当する。89年から92年にかけて、1980年代の世界の現代美術の動向を包括的に網羅した全102巻の現代美術全集『アート・ランダム』を刊行。以来現代美術、建築、写真、デザインなどの分野での執筆活動、書籍編集を続けている。1993年、東京人のリアルな暮らしを捉えた『TOKYO STYLE』刊行。1996年発売の『ROADSIDE JAPAN』で第23回・木村伊兵衛賞受賞。現在も日本および世界のロードサイドを巡る取材を続行中である。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年12月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年3月3日に日本でレビュー済み
一般的な常識から外れたほとんどの人には当てはまらない理想を追い求めた場合、現実にはどうなるかを考えさせられる良い問題提起ではないでしょうか。例えば、頭が良くない人が勉学で理想を求めた場合、もてそうにない人が理想の恋人を求めた場合、色々な例が考えられますがどれもなんとも言えない気持ちになるのではないでしょうか。美談の様に語られる結果を出す事もあるかもしれませんが、へたすると事件性を孕んだ悲劇が生まれそうな気もします。また、個人に限った話ではなく、国や社会のような大きな視点でも同じ様な事が考えられます。本質に目を背きやるべき事をやらず、表面的な発展ばかりを求めた国がどうなるのか、私たちはよく知ってるのではないかと思います。
話を本書に戻すと、理想に魅せられたけして不幸でない人達はどの世界にもいますが、ファッションの世界ではある意味ほのぼのとして分かりやすい顕著なタイプだなと思いました。収支バランスを欠いた消費の結果、過剰なコレクションに埋め尽くされる、まさに幸せな犠牲者と表現できます。
本書はそういった人達に目を向けた着眼点、簡単には言葉にできない事をうまく伝える表現力、雑誌連載でメディアと連動して表現しビジネスに結びつけていく実行力が素晴らしいです。
誰でも自我の成長に伴い服に興味を持ち、ファッションの世界へと踏込んで少しずつ進んでいきます。その過程において、数々の失敗やその他の要因で歩みをとめ、一般的な層に留まり自分なりに完成させ、次第に興味が薄れていく人がほとんどです。そういった中で、行き切っちゃう人を見るとあっぱれだなと思いました。人生を彩る夢中にさせる何かがある人は輝いてますが、豊かな生活とは何かを考えてしまいました。
様々な人が紹介されていましたが、本書の冒頭で語られるコンセプトに該当する様な人はほとんどいないと思いました。贔屓のブランドを軸にそのデザイナーやお店の店員と良い関係が作られていると思います。目も当てられない様な犠牲者がいなくてほっとしました。何事も極めれば価値を生み出すんだなと感じます。誰かに興味を持ってもらい、本書で取り上げられたこともその一つです。
全てカラーで紹介されているのは良かったですが、各人一枚だけの写真なのでもっと見たいと思います。紹介文やインタビューも含め、インターネットで公開されても良いのではないでしょうか。
以下、本書より抜粋
ファッション雑誌の中では、美しいモデルが美しい部屋で、美しいブランドの服を着ながら美しい生活を送っている。でも日本でいちばんそのブランドを買っている人たちは、モデルじゃない。
ふつう、ものを作って売る人は、買ってくれる人をいちばん大切にする。でもファッション・ビジネスだけは、どうもちがうらしい。自分の作ったものを買ってくれる人、顧客を恥ずかしがり、軽蔑し、自分たちが作る幻想の世界を大切にしようとする。
売る側にちっとも大切せれないまま、一方的にブランドのために生活を捧げつづける着倒れ君たち。彼ら幸せな犠牲者から受ける、理屈を超えたポジティブなパワーがなによりも眩しく、いとおしい。
話を本書に戻すと、理想に魅せられたけして不幸でない人達はどの世界にもいますが、ファッションの世界ではある意味ほのぼのとして分かりやすい顕著なタイプだなと思いました。収支バランスを欠いた消費の結果、過剰なコレクションに埋め尽くされる、まさに幸せな犠牲者と表現できます。
本書はそういった人達に目を向けた着眼点、簡単には言葉にできない事をうまく伝える表現力、雑誌連載でメディアと連動して表現しビジネスに結びつけていく実行力が素晴らしいです。
誰でも自我の成長に伴い服に興味を持ち、ファッションの世界へと踏込んで少しずつ進んでいきます。その過程において、数々の失敗やその他の要因で歩みをとめ、一般的な層に留まり自分なりに完成させ、次第に興味が薄れていく人がほとんどです。そういった中で、行き切っちゃう人を見るとあっぱれだなと思いました。人生を彩る夢中にさせる何かがある人は輝いてますが、豊かな生活とは何かを考えてしまいました。
様々な人が紹介されていましたが、本書の冒頭で語られるコンセプトに該当する様な人はほとんどいないと思いました。贔屓のブランドを軸にそのデザイナーやお店の店員と良い関係が作られていると思います。目も当てられない様な犠牲者がいなくてほっとしました。何事も極めれば価値を生み出すんだなと感じます。誰かに興味を持ってもらい、本書で取り上げられたこともその一つです。
全てカラーで紹介されているのは良かったですが、各人一枚だけの写真なのでもっと見たいと思います。紹介文やインタビューも含め、インターネットで公開されても良いのではないでしょうか。
以下、本書より抜粋
ファッション雑誌の中では、美しいモデルが美しい部屋で、美しいブランドの服を着ながら美しい生活を送っている。でも日本でいちばんそのブランドを買っている人たちは、モデルじゃない。
ふつう、ものを作って売る人は、買ってくれる人をいちばん大切にする。でもファッション・ビジネスだけは、どうもちがうらしい。自分の作ったものを買ってくれる人、顧客を恥ずかしがり、軽蔑し、自分たちが作る幻想の世界を大切にしようとする。
売る側にちっとも大切せれないまま、一方的にブランドのために生活を捧げつづける着倒れ君たち。彼ら幸せな犠牲者から受ける、理屈を超えたポジティブなパワーがなによりも眩しく、いとおしい。
2010年5月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これは??Amazonのこの商品ページに記載されている表紙の写真を見たときにこれは買うべき本だ!と直感した。ただし値段が値段なのでずいぶんと長い間カートの中身はいったままだったが。。。ようやく踏ん切りがついて買ってみたらいやいやみなさんの熱意には頭が下がるよ。こんなにさまざまなブランドが有るんだという驚きとそのブランドに一直線な人のなんと多いことか。見開でひとつのブランドを熱烈に愛する人を紹介するスタイルで写真はもちろんだが記事も読ませてくれて結構面白い。さらに意表をつくのが左下隅に載っている1日の行動。その人ととなりをあれこれ想像する助けになる。私にとっては眺めているだけでニヤニヤしてしまう、時を忘れさせてくれる一冊です。
2011年12月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の言葉の最後を抜粋すると、「売る側にちっとも大切にされないまま、一方的に愛するブランドのために生活を捧げつづける着倒れ君たち。彼ら幸せな犠牲者から受け取る、理屈を超えたポジティブなパワーがなにより眩しく、いとおしい。」としている。
英訳も同時に付け加えている点が00年代っぽさいを感じる。
私みたいに服を着替えるのすら億劫で、最近犬か猫とかに生まれてくれば良かった(犬に至っては春と秋に毛が冬用⇔夏用へと生え変わる)と思ってるような人間からすると、理解不能な人種だ。一つの体しかないのに、同じデザイナーの服を買いまくってる、そんなファッション・オタの服のコレクションをその人の部屋で撮影した写真集。部屋までそのデザイナーの世界感に浸ってるような人(No.10 ジャンポール・ゴルチェ)はごく少数派で安ワンルームアパートに住んでるファッション・オタが多く、ライフスタイルを演出するための服を買うために日常生活を犠牲にしてしまった痛い人達だらけだが、そういう人達の写真を集めると、それはそれで違うまとまりが出てくるという不思議な魅力の写真集だ。
少し読んでて面白かったのが、「下妻物語」でブレークしたゴスロリ・ブランドの「BABY, THE STARS SHINE BRIGHT」の紹介に書かれている「クリーニング屋さんのお金が、すごくかかっちゃうんです。」で「時には、お昼ご飯を我慢して、クリーニング代を捻出することもあるとか(涙)」とか。ある意味馬鹿馬鹿しい「ロココの精神」を地で行くようなところがあり、ちょっと受けた。
それにしても、都築響一氏は、最近まで、TOKYO右半分の連載もされてましたが、ほんと目の付け所がいいなと思います。
英訳も同時に付け加えている点が00年代っぽさいを感じる。
私みたいに服を着替えるのすら億劫で、最近犬か猫とかに生まれてくれば良かった(犬に至っては春と秋に毛が冬用⇔夏用へと生え変わる)と思ってるような人間からすると、理解不能な人種だ。一つの体しかないのに、同じデザイナーの服を買いまくってる、そんなファッション・オタの服のコレクションをその人の部屋で撮影した写真集。部屋までそのデザイナーの世界感に浸ってるような人(No.10 ジャンポール・ゴルチェ)はごく少数派で安ワンルームアパートに住んでるファッション・オタが多く、ライフスタイルを演出するための服を買うために日常生活を犠牲にしてしまった痛い人達だらけだが、そういう人達の写真を集めると、それはそれで違うまとまりが出てくるという不思議な魅力の写真集だ。
少し読んでて面白かったのが、「下妻物語」でブレークしたゴスロリ・ブランドの「BABY, THE STARS SHINE BRIGHT」の紹介に書かれている「クリーニング屋さんのお金が、すごくかかっちゃうんです。」で「時には、お昼ご飯を我慢して、クリーニング代を捻出することもあるとか(涙)」とか。ある意味馬鹿馬鹿しい「ロココの精神」を地で行くようなところがあり、ちょっと受けた。
それにしても、都築響一氏は、最近まで、TOKYO右半分の連載もされてましたが、ほんと目の付け所がいいなと思います。
2013年9月30日に日本でレビュー済み
体が一つしかなくたって、箪笥の肥やしにしかならないと分かりきっていたって、分不相応な服だって自覚があったって、欲しいという気持が止められない時がある・・・けど、ここまで出来るかと言えば、出来ません!この本に出てくる着倒れさん達を、単純に馬鹿には出来ないのは上に書いたような気持ちになる事が私にも(そして多分、誰にでも)あるから。服でなくたって、欲しい!集めたい!欲求のある人って沢山いるのに服を集めたい人って何で一際軽く見られるのかな・・・私は、いい歳してアニメのフィギュアやグッズに埋もれてるほうが、どうかと思うけどなぁ。服は着ないわけにはいかないものだし、必要ではあるんだから。それに絶対捨てないって人のコレクションは後々、資料的に大事になる気がする。軽んじられるものって、残らないから後の時代の人達が調べる時大変とは良く聞くし。単純に、こういう視点から撮られた写真集って、すごく面白い。除き見願望を満たしてくれるっていうの?何回も見たくなるし。色々考えさせてくれるし。凄い本です。
2008年11月27日に日本でレビュー済み
彼らを哀れむのは簡単だ。
曰く、住む家とファッションが合ってない、生活レベルと服への支出が合ってない、そもそも服が似合いそうにない、、、
生活全般の調和を美意識の基本とするなら、服なんて2,3着で十分生きていける。それが大人になるということだし空気を読むということだ。だが、なぜ大人になったり空気を読んだりしなきゃいけないんだろう。
好きなものに囲まれて暮らしたいと子供のころ誰もが夢見た。大人はよく夢を諦めるなという。ならば大人になんてならずに夢を失わない本書の主役達は、一つの理想を体現している。
彼ら彼女らは、それなしでは生きていけない。そのブランドを買い続けることが、自分の存在証明に他ならない。ブランドが自分の生理と化している姿は、典型的文化住宅の小さな部屋に同一ブランドの衣服が所狭しと並ぶ姿に仮託され、四畳半バロックともいえるグロテスクな魅力を不思議と生み出している。
曰く、住む家とファッションが合ってない、生活レベルと服への支出が合ってない、そもそも服が似合いそうにない、、、
生活全般の調和を美意識の基本とするなら、服なんて2,3着で十分生きていける。それが大人になるということだし空気を読むということだ。だが、なぜ大人になったり空気を読んだりしなきゃいけないんだろう。
好きなものに囲まれて暮らしたいと子供のころ誰もが夢見た。大人はよく夢を諦めるなという。ならば大人になんてならずに夢を失わない本書の主役達は、一つの理想を体現している。
彼ら彼女らは、それなしでは生きていけない。そのブランドを買い続けることが、自分の存在証明に他ならない。ブランドが自分の生理と化している姿は、典型的文化住宅の小さな部屋に同一ブランドの衣服が所狭しと並ぶ姿に仮託され、四畳半バロックともいえるグロテスクな魅力を不思議と生み出している。
2009年3月22日に日本でレビュー済み
カメラは露出趣味と覗き見願望を満たす為の道具であるなら、この写真集は実に理にかなったものと言える。
四畳半風呂なしアパートに住まい、馬車馬のように働いても収入は雀の涙、うだつも上がらず恋人もなし(これは僕のことか)。狂わぬ方がどうかしているとばかりに、この写真集には服キチガイがぞろりと出てくる。高嶺の花と知りつつも、愛するブランドの為ならば全てを捧げる信者達。泣けてくる。これは叶わぬ恋の記録なのかもしれない。しかし、着倒れた痴れ者達は幸せそうだ。HAPPY VICTIMS(幸せな犠牲者)とは言い得て妙。彼らは今日も空寒い部屋で愛するブランドを抱いて眠るのだろうか。
最後のページが野田凪である。泣けてくる。シクシクと残された服達の衣擦れが聞こえてくるようだ。
四畳半風呂なしアパートに住まい、馬車馬のように働いても収入は雀の涙、うだつも上がらず恋人もなし(これは僕のことか)。狂わぬ方がどうかしているとばかりに、この写真集には服キチガイがぞろりと出てくる。高嶺の花と知りつつも、愛するブランドの為ならば全てを捧げる信者達。泣けてくる。これは叶わぬ恋の記録なのかもしれない。しかし、着倒れた痴れ者達は幸せそうだ。HAPPY VICTIMS(幸せな犠牲者)とは言い得て妙。彼らは今日も空寒い部屋で愛するブランドを抱いて眠るのだろうか。
最後のページが野田凪である。泣けてくる。シクシクと残された服達の衣擦れが聞こえてくるようだ。
他の国からのトップレビュー
Kelly J
5つ星のうち5.0
Quirky, fascinating
2017年1月8日に英国でレビュー済みAmazonで購入
Absolutely fascinating book. I love this guy's work. Quirky subject, great for shopaholics, cultural historians or voyeurs. More of a picture book with blurbs on the people who obsessively buy specific designer clothes.