少なくとも私にとっては、日本の最良のジャズのあり方を作品をもって示しているのがこのディスクガイドで紹介されているディスク群だ。もちろんここに紹介されている多様でヴァイタルな音楽を「中央線ジャズ」と十把一絡げにすることにいささか違和感を持たないわけではないのだけれど、傾向としてこういう呼称は有効ではあるのだろう。このディスクガイドはアメリカのジャズをまねる事にのみ熱心な日本のメジャーレーベルが成し得なかった日本のジャズ、それも世界に堂々と紹介することができる日本のジャズのアーカイヴである。自らレーベルを運営する明田川荘之や、かつて新星堂でomagatokiジャズの素晴らしいシリーズをプロデュースした村上寛らの執筆陣も充実している。コンポステラや酒井俊の作品がきちんと紹介されていなかったり浅川マキへの言及がほとんどなかったりするのはやや残念だけれどもそこは興味を持った読者が自信で深める宿題ということかな。おすすめです。

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中央線ジャズ決定盤101 (CDジャーナルムック―SUPER Disc SELECTION) 単行本 – 2008/4/14

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