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新自由主義: その歴史的展開と現在 単行本 – 2007/2/15
デヴィッド ハーヴェイ
(著),
David Harvey
(原名),
渡辺 治
(翻訳),
森田 成也
(翻訳),
木下 ちがや
(翻訳),
大屋 定晴
(翻訳),
中村 好孝
(翻訳)
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4
その他
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いかにして世界は再編されているのか?
21世紀世界を支配するに至った新自由主義の30年の政治経済的過程とその構造的メカニズムを世界的権威が初めて明らかにする
渡辺治《日本における新自由主義の展開》収載
新自由主義(ネオリベラリズム)とは――
「市場の公平性」こそが「倫理」であり、国家・社会の機能のすべて、人間の行為のすべてを導くことができるという指針である、という教義である。1970年代以降、小さな政府・民営化・規制緩和・市場の自由化などを旗印にして、先進国から途上国までグローバルに浸透していき、思想的にも現実的にも21世紀世界を支配するものとなった。
では、新自由主義とは、どうして発生し、どのように各国政府に取り入れられ、いかに各国民の同意をも取りつけていったのか? それは誰によって、誰のために推し進められてきたのか? そして世界をいかなるものに再編しているのか? 本書は、世界を舞台にした30年にわたる政治経済史を追いながら、その構造的メカニズム、その全貌と本質を明らかにするものである。
21世紀世界を支配するに至った新自由主義の30年の政治経済的過程とその構造的メカニズムを世界的権威が初めて明らかにする
渡辺治《日本における新自由主義の展開》収載
新自由主義(ネオリベラリズム)とは――
「市場の公平性」こそが「倫理」であり、国家・社会の機能のすべて、人間の行為のすべてを導くことができるという指針である、という教義である。1970年代以降、小さな政府・民営化・規制緩和・市場の自由化などを旗印にして、先進国から途上国までグローバルに浸透していき、思想的にも現実的にも21世紀世界を支配するものとなった。
では、新自由主義とは、どうして発生し、どのように各国政府に取り入れられ、いかに各国民の同意をも取りつけていったのか? それは誰によって、誰のために推し進められてきたのか? そして世界をいかなるものに再編しているのか? 本書は、世界を舞台にした30年にわたる政治経済史を追いながら、その構造的メカニズム、その全貌と本質を明らかにするものである。
- ISBN-104861821061
- ISBN-13978-4861821066
- 出版社作品社
- 発売日2007/2/15
- 言語日本語
- 本の長さ400ページ
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商品の説明
著者について
1935年、イギリス生まれ。ケンブリッジ大学より博士号取得。ジョンズ・ホプキンス大学教授、オックスフォード大学教授を経て、現在、ニューヨーク市立大学教授(Distinguished Professor)。専攻:経済地理学。現在、論文が引用されることが世界で最も多い地理学者である。
1947年、東京都生まれ。東京大学法学部卒業。東京大学社会科学研究所助手・助教授を経て、一橋大学大学院社会学研究科教授。専攻:政治学・日本政治史
1947年、東京都生まれ。東京大学法学部卒業。東京大学社会科学研究所助手・助教授を経て、一橋大学大学院社会学研究科教授。専攻:政治学・日本政治史
登録情報
- 出版社 : 作品社 (2007/2/15)
- 発売日 : 2007/2/15
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 400ページ
- ISBN-10 : 4861821061
- ISBN-13 : 978-4861821066
- Amazon 売れ筋ランキング: - 40,344位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 57位経済思想・経済学説 (本)
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- - 335位経済学 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年11月7日に日本でレビュー済み
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かつての国鉄・郵政などの民営化、規制緩和と健康福祉関係等民営化の促進による小さな行政組織への改変等々の動きがどのような背景でなされてきたのか、背後にどれほどどれほど大きな世界的なうねりが潜んでいるのかがよく理解出来ました。今まで個別の政治的変化ないしは現象ととらえていた事象が、新自由主義という大きな流れの一部であるということを知らしめられた著作です。
2014年9月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日々過ごしているこの世界が、新自由主義に向かって進んでいることに認識を新たにしました。
2019年12月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
デヴィッド ハーヴェイによるネオリベの各国の歴史と展開模様、世界の風潮を垣間見ることができる知的スリリングな力作、理論書なのだが陰謀論に肉薄している位にクレバー、一級の元ネタ本。また下世話な話ですが、日本の場合は、「富裕層の復権」という意味合いは弱いが(本書で言及している)、規制緩和などの政策でジャスダック、ヘラクレスなどの新興市場がIPO量産などで知らず知らずに新興の「富裕層の創出」を手助けしたと言える。(ITバブル等と相俟って、またこの10年間の株価上昇に乗れた人達も)(この一冊で十分ですが…)古い本ですが「ブランドなんか、いらない」などと読み合わせればネオリベが何たるかの理解が進むものと思います。ベタですが全く株式市場と縁が無いフレキシブルな非正規な労働者が搾取されるのと表裏一体であることが掴めます。(企業としては人件費削減でV字回復で株価上昇し立役者である経営幹部に莫大な報酬を与える、一方、非正規化した社員は個人主義と相俟って未婚化で出生率の低下に拍車がかかり孤立化、無縁化で、ソロ社会(単身世帯)、パラサイトシングル、果ては8050問題に繋がり悪循環で国の根幹が揺さぶられて射程は広い。)処方箋としましては「福井モデル」などが挙げられると思います。(素っ頓狂な回答ですが…。)
2020年11月10日に日本でレビュー済み
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内橋克人
「悪夢のサイクル―ネオリベラリズム循環」
「ラテン・アメリカは警告する―『構造改革』『日本の未来』」
金子勝
「反経済学―市場主義的リベラリズムの限界」
などを読んでこられた方には、新鮮味はない。
上掲書よりも情報量は多いが、得るところは余りないように思います。
「悪夢のサイクル―ネオリベラリズム循環」
「ラテン・アメリカは警告する―『構造改革』『日本の未来』」
金子勝
「反経済学―市場主義的リベラリズムの限界」
などを読んでこられた方には、新鮮味はない。
上掲書よりも情報量は多いが、得るところは余りないように思います。
2020年5月12日に日本でレビュー済み
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先進諸国の経済が高度成長を続けていた時代には、資本家(金融資本)、政治エリート層の権力侵食はそれほど問題とならなかった。なぜなら、「埋め込まれた自由主義」とケインズ主義により、政策が多少労働者寄りになっても、パイの全体が大きくなる中でその切り方を多少変えたところで、資本家層の取り分も増大したからである。しかし、この流れは1970年代の不況による低成長によって変わった。パイの切り方そのものを変えなければならない。そのための手段こそ、大規模は市場化、自由化、民営化を推し進め、さらに大企業と富裕層への税金の大胆なカット、一般市民及び貧困者向け社会的支出の削減だった。ハーヴェイはそれを「略奪による蓄積」と呼び、新自由主義の第一の特色としている。
2013年7月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
新自由主義とは、「強力な私的所有権、自由市場、自由貿易を特徴とする制度的枠組みの範囲内で個々人の企業活動の自由とその能力とが無制約に発揮されることによって人類の富と福利が最も増大する、と主張する政治経済的実践の理論である。」(本文引用)
ただし、以上の定義は「理論」であり、結果に繋がる「実践」と区別される。政治転換を図る際の大衆への表層的な説明法論、あるいは実態を隠蔽するためのレトリックスであり、本書を読み進めるにつれて判明してくることになるが、ハーヴェイが主張する実体的に機能した政策効果とは別層にある。
その実体的な政策効果とは、富める者が更に富むための所得再分配であり、「略奪による蓄積」と表現される。
具体的に、1970年代後半に新自由主義政策が実行されたアメリカにおいて、国民所得のうち上位1%の所得者の収入が占める総所得の割合が、戦後8%未満に落ち込んだ水準から2000年には16%に回復し、また、最高経営責任者(CEO)と労働者の給与の平均値の比率が、300対1から500対1に拡大したことが計測された。これは両極において、富が富へ、貧が貧へ拡大することに起因する。すなわち、貧富格差の拡大である。
つまり、貧しい者の所得を富める者が吸収するための制度設計が実行され、これを正当化し権威づける一大体系として新自由主義が機能したと、概ねまとめることができる。これは、1970年代から始動した各国の政策トレンドを抽出するための重要な視座であり、そして大変、理解しやすい。
以上を検証するに当たって、本書ではまず米レーガンと英サッチャーといった象徴的政権の政策実施や同意形成について説明する。また、かくなる新自由主義が、世界各国で地理的に不均衡な発展を見せ、現在においても同様に進行している具体的な事象についても検証する。
このことで新自由主義化がどこから生じたのか、それがどのようにしてかくも徹底的に世界中に広がり増殖したのか、を説明することが本書の目的であるとしている。
またハーヴェイは、これら検証を土台にして、世界を席巻する新自由主義にとってかわる政治経済的オルタナティブの探求まで言及する。
なお、邦訳特典として、巻末にはハーヴェイが言及していない日本の新自由主義的発展について、訳者から別稿が加えられている。
以上のような政治主義的検証は、各国個別の政策課題における検証にどれだけ寄与するものかはよく分からない。しかし、当代の世界的潮流としてこれを捉え、次なる世界の潮流と比較することができれば意義壮大である。ハーヴェイが書くように、新自由主義が説く自由よりもはるかに崇高な自由の展望が存在するとして、これを探求するこれからの世界がどこへ向かうのか。そのための試金石として本書を眺めることは政官学の世界だけにあってはならないのではないか、と曖昧にそう感じる。
ただし、以上の定義は「理論」であり、結果に繋がる「実践」と区別される。政治転換を図る際の大衆への表層的な説明法論、あるいは実態を隠蔽するためのレトリックスであり、本書を読み進めるにつれて判明してくることになるが、ハーヴェイが主張する実体的に機能した政策効果とは別層にある。
その実体的な政策効果とは、富める者が更に富むための所得再分配であり、「略奪による蓄積」と表現される。
具体的に、1970年代後半に新自由主義政策が実行されたアメリカにおいて、国民所得のうち上位1%の所得者の収入が占める総所得の割合が、戦後8%未満に落ち込んだ水準から2000年には16%に回復し、また、最高経営責任者(CEO)と労働者の給与の平均値の比率が、300対1から500対1に拡大したことが計測された。これは両極において、富が富へ、貧が貧へ拡大することに起因する。すなわち、貧富格差の拡大である。
つまり、貧しい者の所得を富める者が吸収するための制度設計が実行され、これを正当化し権威づける一大体系として新自由主義が機能したと、概ねまとめることができる。これは、1970年代から始動した各国の政策トレンドを抽出するための重要な視座であり、そして大変、理解しやすい。
以上を検証するに当たって、本書ではまず米レーガンと英サッチャーといった象徴的政権の政策実施や同意形成について説明する。また、かくなる新自由主義が、世界各国で地理的に不均衡な発展を見せ、現在においても同様に進行している具体的な事象についても検証する。
このことで新自由主義化がどこから生じたのか、それがどのようにしてかくも徹底的に世界中に広がり増殖したのか、を説明することが本書の目的であるとしている。
またハーヴェイは、これら検証を土台にして、世界を席巻する新自由主義にとってかわる政治経済的オルタナティブの探求まで言及する。
なお、邦訳特典として、巻末にはハーヴェイが言及していない日本の新自由主義的発展について、訳者から別稿が加えられている。
以上のような政治主義的検証は、各国個別の政策課題における検証にどれだけ寄与するものかはよく分からない。しかし、当代の世界的潮流としてこれを捉え、次なる世界の潮流と比較することができれば意義壮大である。ハーヴェイが書くように、新自由主義が説く自由よりもはるかに崇高な自由の展望が存在するとして、これを探求するこれからの世界がどこへ向かうのか。そのための試金石として本書を眺めることは政官学の世界だけにあってはならないのではないか、と曖昧にそう感じる。
2022年4月17日に日本でレビュー済み
白井聡さんの『武器としての「資本論」』で、この本がおすすめ本として紹介されていたので購入しました。日本ではなく海外の時事問題について多く触れられていたので私にはピンと来ない箇所がかなり存在しましたが、それにしても勉強になる一冊でした。
この本の題名になっている「新自由主義(ネオリベラリズム)」とは、「強力な私的所有権、自由市場、自由貿易を特徴とする制度的枠組みの範囲内で個々人の企業活動の自由とその能力とが無制約に発揮されることによって人類の富と福利が最も増大する」という考え方です。こう書くと新自由主義は個々人を自由に野放しにする放任主義の一種だと思われるかもしれませんが、そうでもないです。新自由主義は市場原理を貫徹するために強力な国家介入を行う場合があります。
第1章では、新自由主義が台頭した経緯が説明されます。
第2章は、アメリカとイギリスにおける新自由主義への転換について。
第3章は、理論上の新自由主義国家と実際の新自由主義国家、そして新保守主義について。
第4章は、世界の新自由主義化が不均等に進んでいるよというお話です。
第5章は、中国と新自由主義の関係について。
第6章は、今で言う資本主義リアリズムやあらゆるものの商品化、環境破壊など、資本主義の弊害について。
第7章はハーヴェイのスタンスが反映された章で、新自由主義とは別の自由を模索しようという結論でした。
補論として訳者の渡辺氏による「日本の新自由主義」という考察が載っていました。小泉内閣で加速した新自由主義の歴史が書いてあって、日本人の読者はハーヴェイの本論よりもこの補論に惹き付けられるかもしれないですね。
この本の題名になっている「新自由主義(ネオリベラリズム)」とは、「強力な私的所有権、自由市場、自由貿易を特徴とする制度的枠組みの範囲内で個々人の企業活動の自由とその能力とが無制約に発揮されることによって人類の富と福利が最も増大する」という考え方です。こう書くと新自由主義は個々人を自由に野放しにする放任主義の一種だと思われるかもしれませんが、そうでもないです。新自由主義は市場原理を貫徹するために強力な国家介入を行う場合があります。
第1章では、新自由主義が台頭した経緯が説明されます。
第2章は、アメリカとイギリスにおける新自由主義への転換について。
第3章は、理論上の新自由主義国家と実際の新自由主義国家、そして新保守主義について。
第4章は、世界の新自由主義化が不均等に進んでいるよというお話です。
第5章は、中国と新自由主義の関係について。
第6章は、今で言う資本主義リアリズムやあらゆるものの商品化、環境破壊など、資本主義の弊害について。
第7章はハーヴェイのスタンスが反映された章で、新自由主義とは別の自由を模索しようという結論でした。
補論として訳者の渡辺氏による「日本の新自由主義」という考察が載っていました。小泉内閣で加速した新自由主義の歴史が書いてあって、日本人の読者はハーヴェイの本論よりもこの補論に惹き付けられるかもしれないですね。
2020年2月16日に日本でレビュー済み
著者のデヴィッド・ハーヴェイは、1935年イギリス生まれの地理学者で、現在はニューヨーク市立大学名誉教授である。「マルクス主義を地理学に応用した批判的地理学の第一人者」(Wikipedia)として有名であるが、著者のマルクス理解は驚くほど深い学識に支えられていることが本書を読むとよく理解できる。
本書は「A Brief Histry of Neoliberalism」として2005年に刊行された。1980年代以降、世界各国でほぼ「同時多発的」に新自由主義が跋扈し始めた経緯と同意形成のメカニズムを解き明かす。現在世界を席巻している経済格差社会の根源を探るものである。
第二次世界大戦以降しばらくの間は、東西冷戦という背景もあり、ヨーロッパを中心に社会民主主義的な政権が主導して福祉重視のケインズ主義的経済政策がとられていた。西側各国は高い経済成長を謳歌することができた。しかしそれも長くは続かず、1960年代の終りから1970年代にかけて、過剰な資本蓄積により失業率とインフレ率が同時上昇するスタグフレーションに陥った。新自由主義はまさにこの時期に勃興したのである。その後の凄まじい経済格差の進展は、多くの経済データが実証している(第1章)。
本書の著者は、新自由主義跋扈の震源地をハイエクやフリードマンらの「モンペルラン協会」(1947年創設)としている。フリードマンが権勢をふるったシカゴ大学はアカデミズムの世界でも影響力を拡げた。フリードマンが1976年にノーベル経済学賞を受賞したことで新自由主義は一気に「権威」を獲得し、新自由主義の「公式学説」となり、新自由主義的経済政策を採る政治家たちを後押ししていく。
アルゼンチンでの「実験」以降、新自由主義的な政権が各国で誕生した。アメリカ・レーガン大統領(在任1981~89年)、イギリス・サッチャー首相(1979~90年)、日本・中曽根首相(1982~87年)などである。注目すべきは、開放を一気に進めた中国・トウ小平主席(1981~89年)も同時期だったことである。各国の経済政策で共通しているのは、市場化、自由化、民営化、規制緩和、大企業減税であり、これらの政策で公的財産が私有化され、資本の自由が解き放たれ、経済格差が一気に広がっていく。世界的にみてこれまでに散発的な民衆の抵抗はあったものの、新自由主義は衰えていない。
本書は、新自由主義が世界を支配するに至った過程を詳しく明らかにした。日本の新自由主義についての解説(渡辺治氏)およびハーヴェイの思想についての解説(森田成也氏)が参考になる。
本書は「A Brief Histry of Neoliberalism」として2005年に刊行された。1980年代以降、世界各国でほぼ「同時多発的」に新自由主義が跋扈し始めた経緯と同意形成のメカニズムを解き明かす。現在世界を席巻している経済格差社会の根源を探るものである。
第二次世界大戦以降しばらくの間は、東西冷戦という背景もあり、ヨーロッパを中心に社会民主主義的な政権が主導して福祉重視のケインズ主義的経済政策がとられていた。西側各国は高い経済成長を謳歌することができた。しかしそれも長くは続かず、1960年代の終りから1970年代にかけて、過剰な資本蓄積により失業率とインフレ率が同時上昇するスタグフレーションに陥った。新自由主義はまさにこの時期に勃興したのである。その後の凄まじい経済格差の進展は、多くの経済データが実証している(第1章)。
本書の著者は、新自由主義跋扈の震源地をハイエクやフリードマンらの「モンペルラン協会」(1947年創設)としている。フリードマンが権勢をふるったシカゴ大学はアカデミズムの世界でも影響力を拡げた。フリードマンが1976年にノーベル経済学賞を受賞したことで新自由主義は一気に「権威」を獲得し、新自由主義の「公式学説」となり、新自由主義的経済政策を採る政治家たちを後押ししていく。
アルゼンチンでの「実験」以降、新自由主義的な政権が各国で誕生した。アメリカ・レーガン大統領(在任1981~89年)、イギリス・サッチャー首相(1979~90年)、日本・中曽根首相(1982~87年)などである。注目すべきは、開放を一気に進めた中国・トウ小平主席(1981~89年)も同時期だったことである。各国の経済政策で共通しているのは、市場化、自由化、民営化、規制緩和、大企業減税であり、これらの政策で公的財産が私有化され、資本の自由が解き放たれ、経済格差が一気に広がっていく。世界的にみてこれまでに散発的な民衆の抵抗はあったものの、新自由主義は衰えていない。
本書は、新自由主義が世界を支配するに至った過程を詳しく明らかにした。日本の新自由主義についての解説(渡辺治氏)およびハーヴェイの思想についての解説(森田成也氏)が参考になる。