まず、私はらもさんファンなので、基本的に意見に偏りはありますが、それでもこの本はほんとにすごいぞ、と思ったのでレビューです。
「笑い」は理屈で語れるのか。いろんな人がやろうとしてきた。らもさんもやった。
大学教授のような科学的理屈ではない。市井に生きる(ある意味)「コント師」人生を通して独自に培ってきたものである。
らもさんは優しく、文章も平易でわかりやすい。
日常の中にある「笑い」の正体の尻尾を掴み、また日常的に(人の度肝を抜くタイプの)「笑い」を繰り出すための技術が書いてある。いいな、と思う。
一部対談等の収録内容にはとってつけた感があるが、それを差し引いても、「正常を保ったまま狂った円熟期を迎えた」死の直前の時期に書かれたらもさんの文章と内容には、彼が見つけた「魂の輝かせ方」が宿っている、と感じた。そして、いつものように「愛」も。
なぜ死んだし、らもさん。
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何がおかしい: 笑いの評論とコント・対談集 単行本 – 2006/8/1
中島 らも
(著)
- 本の長さ279ページ
- 言語日本語
- 出版社白夜書房
- 発売日2006/8/1
- ISBN-104861911869
- ISBN-13978-4861911866
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登録情報
- 出版社 : 白夜書房 (2006/8/1)
- 発売日 : 2006/8/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 279ページ
- ISBN-10 : 4861911869
- ISBN-13 : 978-4861911866
- Amazon 売れ筋ランキング: - 545,253位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 8,931位近現代日本のエッセー・随筆
- - 52,509位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1952年、兵庫県生まれ。大阪芸術大学放送学科卒。コピーライターを経て小説家デビュー。作家活動のほかに、劇団「リリパットアーミー」主宰、俳優、ミュージシャンなど意欲的に活動。享年52(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『クマと闘ったヒト』(ISBN-10:4840135010)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年4月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中島らもらしい毒満載の文章です。
でも、「笑い」についての記述は本質を突いたものだと感じました。
でも、「笑い」についての記述は本質を突いたものだと感じました。
2014年9月20日に日本でレビュー済み
「何がおかしい」と問われたら「あんたの頭が、や」と答えるのが大阪人。だが、中島らもは阪神間の人間だ。そんな定番の返しはしない。ではどんな返しをするのか、それは本書を読めばわかる。
一言でいえばかなり絶望的な心理状態だ。「桂枝雀師匠のこと」というエッセイではずばりこう書いている。
「おれは精神の基調としていつも「軽い憂鬱」が流れている。それが心のベースになっている。だからその反動として笑いに対する希求が人よりも強い。それが原因で笑いを創る商売に入ってしまったのではないか、と思える」
だからそれを妨げるものには容赦がない。特に言葉で糊口をしのぐものとして言葉狩りには本心からの怒りをぶちまける。
それでいてどこか諦観した部分がある。これを天才の悲哀と言っては凡才の差し出口と叱られよう。
本書で惜しいのは収録された対談だ。
中島らも氏はエッセイやギャグは怜悧な才気が満ちて刺激的だ。しかし反面、有能な営業マンだっただけに会話にはとげは無い。
相手の意をくみながら面白くなるように心を砕くのがわかる。エッセイを並ぶと痛々しい。
本書にはマスコミの言う差別用語が多数ちりばめられている。しかしそこに差別の意図はない。笑いのセオリーとして弱者がさらに弱者をいじるという構図は差別用語なしでは構築できない。
言葉は成立した時点で作った者の意図を超えて言霊を得る。言葉狩りはその言霊を葬る作業だ。何より葬ることで多大な利益をあげる者の品性が厭わしい。
本書が刊行されたのが作者が夭逝したためなら、皮肉としか思えない。
一言でいえばかなり絶望的な心理状態だ。「桂枝雀師匠のこと」というエッセイではずばりこう書いている。
「おれは精神の基調としていつも「軽い憂鬱」が流れている。それが心のベースになっている。だからその反動として笑いに対する希求が人よりも強い。それが原因で笑いを創る商売に入ってしまったのではないか、と思える」
だからそれを妨げるものには容赦がない。特に言葉で糊口をしのぐものとして言葉狩りには本心からの怒りをぶちまける。
それでいてどこか諦観した部分がある。これを天才の悲哀と言っては凡才の差し出口と叱られよう。
本書で惜しいのは収録された対談だ。
中島らも氏はエッセイやギャグは怜悧な才気が満ちて刺激的だ。しかし反面、有能な営業マンだっただけに会話にはとげは無い。
相手の意をくみながら面白くなるように心を砕くのがわかる。エッセイを並ぶと痛々しい。
本書にはマスコミの言う差別用語が多数ちりばめられている。しかしそこに差別の意図はない。笑いのセオリーとして弱者がさらに弱者をいじるという構図は差別用語なしでは構築できない。
言葉は成立した時点で作った者の意図を超えて言霊を得る。言葉狩りはその言霊を葬る作業だ。何より葬ることで多大な利益をあげる者の品性が厭わしい。
本書が刊行されたのが作者が夭逝したためなら、皮肉としか思えない。
2014年3月27日に日本でレビュー済み
らもは本書でこう言う。
「笑いは差別であり、救いだ。」
笑いに対して
こうも解りやすく
そして面白く
そしてなにより本質を捕らえている本に私は
今まで出会った事がなかった。
未発表原稿「物言えば」
これは編集長とらもが表現方法の考え方の違いにより
喧嘩して無理やりボツにされたもの。
正直この9ページを読むだけでも本書を買う価値がある。
日本のお笑いが惨死してしまっている今こそ
重度のお笑い中毒であり、同時にお笑い不感症の
彼の言う言葉に耳を傾けよう。
「笑いは差別であり、救いだ。」
笑いに対して
こうも解りやすく
そして面白く
そしてなにより本質を捕らえている本に私は
今まで出会った事がなかった。
未発表原稿「物言えば」
これは編集長とらもが表現方法の考え方の違いにより
喧嘩して無理やりボツにされたもの。
正直この9ページを読むだけでも本書を買う価値がある。
日本のお笑いが惨死してしまっている今こそ
重度のお笑い中毒であり、同時にお笑い不感症の
彼の言う言葉に耳を傾けよう。
2006年11月3日に日本でレビュー済み
らもさんの「笑い」に関する評論の決定版ともいえる「笑う門には」を全文掲載したエッセイ集ですから、ほんとうは☆☆☆☆☆をつけたいのですが、さすがに、高価すぎる。ここまで豪華な造本にしなくてもいいのに。ファンのためのファンブックであることは否めません。
でも、内容は万人に薦められる、すばらしいものです。できれば、読んでほしい。
大麻で捕まったせいで放送されなかったラジオ番組のトークを収めたCDは、少しらもさんのファンであれば、目新しい話はでてきませんが、肉声で語られると、また格別の味わいがあって、泣けます。
「思想が嫌いです。思想の砦の中でぬくぬくしている人間は大嫌いです」
ほんとうに、純粋なひとだったんだな。
でも、内容は万人に薦められる、すばらしいものです。できれば、読んでほしい。
大麻で捕まったせいで放送されなかったラジオ番組のトークを収めたCDは、少しらもさんのファンであれば、目新しい話はでてきませんが、肉声で語られると、また格別の味わいがあって、泣けます。
「思想が嫌いです。思想の砦の中でぬくぬくしている人間は大嫌いです」
ほんとうに、純粋なひとだったんだな。