著者は学生運動時代の方だそうで、不勉強ゆえ学生運動=安保反対としか浮かばぬ身には、本書に登場する埴谷雄高、革命、の意味が(なぜ登場するのかも)わからず、補講(自習)が必要…と思うところです。
数多いい落語の話題の中、「圓生の『鼠穴』」ついての論考がいくつかあり、自分の好きな噺でもあり、興味深かった。
・当時、こういう「悪」を演る噺家がいず、圓生が復活させた。
・「夢だった」とわかった瞬間に、息をつめていた客席が大きくどよめいた。
・火事の夢は栄える⇒この兄弟が栄える⇒岸伸介・佐藤栄作兄弟、という図式が圓生の頭にあったはずだ(このつながりは残念ながら自分には不明)。
著者の「芸能関係者でない」経歴ゆえ、逆に圓生さん自身が、焦土からすごい勢いで復興・変成していた日本社会と鳴動していた…。という感覚があり、収穫だった。
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シュルレアリスム落語宣言 単行本 – 2008/2/5
平岡 正明
(著)
「落語はまず笑う。人が生きようが死のうが、まず笑って、それから人情のひだをこまかくし、考察を深刻にし、物語を深めて……やはり笑うのだ」(本文より)
評論家・平岡正明が、過剰な知識と異常なイマジネーションで古典落語の世界を解明した、760ページに及ぶ革命的超落語論集。読み疲れたら枕にもなる分厚さ。
1、目蓮寺の出てくる落語
2、先代馬生による「鈴振り」異ヴァージョン論
3、「たらちね」の京女は遊女か
4、小三治「鬼ケ島」における与太郎進化論
5、「へっつい幽霊」、一つ釜の飯を食うということは
6、横浜を舞台にした落語論
7、トスカ・デ・プエンチョ
8、「風呂敷」「紙入れ」に登場する兄さんとはだれか
9、いちじるしく落語的な浪曲「甚五郎、掛川宿の腕比べ」
10、品川・新宿・板橋・千住・吉原の屁曼陀羅
11、「妾馬」のかくされた主題
12、「なめる」圓生と円歌の違い――落語発酵芸術論
13、闇市に歌笑
14、「真田小僧」と天才バカボン
15、最初の落語、「明烏」と「歌笑殉情歌集」
16、小島貞二が見る戦友としての歌笑
17、四神剣ジャズ
18、「ちきり伊勢屋」の奇妙な味
19、長谷川伸と正蔵の「旅の里扶持」
20、「蛇含草」と「そば清」、餅と蕎麦
21、志ん生「庚申待」の味のよさ
22、アイデン虫虫「疝気の虫」
23、昭和三十一年、爆笑王志ん生
24、『タイガー&ドラゴン』を論ず
25、ジャズ落語「お菊の皿」
26、圓生「ねずみ穴」、落語も悪を夢見る
27、昨年の河童の夜だった
28、芋と鰯と天保水滸伝
29、古今亭志ん生最大フラ値
30、柳好「野ざらし」と歌姫リー・ワイリー
31、じょうよ価値学説史、饅頭こわい
32、新内「不心底闇鮑」と落語「品川心中」
33、志ん生「首ったけ」とベーズン・ストリート情話(ブルー ス)
34、当代馬生「文七元結」と圓朝の影
35、「長屋の花見」と野毛の文学碑鞘当て
36、むすめふさほせ、「和歌三神」
37、文楽「王子の幇間」と志ん生「たいこ腹」
38、じょうよ価値学説史「悋気の独楽」と「手切れ丁稚」
39、「花色木綿」と豆腐屋のビアズレー
40、ショーロ落語「芝浜」
41、志の輔の「死神」
42、ジャズマン忠臣蔵
43、落語の狐と狸
44、酒乱とたたかう落語
45、枝雀「恨み酒」と落語に描かれた酒
46、志ん生「お直し」第三ヴァージョンと当代馬生の挑戦
47、落語の涼しさ、入船亭扇橋「茄子娘」
48、二人のはみだし者を交錯させた当代ブラックの「川柳の芝浜」
49、志ん生一人語り「茶汲み」
50、けとけと
最後に快楽亭ブラックとのロング対談を収録。
まえがき・上杉清文
装丁・南伸坊
評論家・平岡正明が、過剰な知識と異常なイマジネーションで古典落語の世界を解明した、760ページに及ぶ革命的超落語論集。読み疲れたら枕にもなる分厚さ。
1、目蓮寺の出てくる落語
2、先代馬生による「鈴振り」異ヴァージョン論
3、「たらちね」の京女は遊女か
4、小三治「鬼ケ島」における与太郎進化論
5、「へっつい幽霊」、一つ釜の飯を食うということは
6、横浜を舞台にした落語論
7、トスカ・デ・プエンチョ
8、「風呂敷」「紙入れ」に登場する兄さんとはだれか
9、いちじるしく落語的な浪曲「甚五郎、掛川宿の腕比べ」
10、品川・新宿・板橋・千住・吉原の屁曼陀羅
11、「妾馬」のかくされた主題
12、「なめる」圓生と円歌の違い――落語発酵芸術論
13、闇市に歌笑
14、「真田小僧」と天才バカボン
15、最初の落語、「明烏」と「歌笑殉情歌集」
16、小島貞二が見る戦友としての歌笑
17、四神剣ジャズ
18、「ちきり伊勢屋」の奇妙な味
19、長谷川伸と正蔵の「旅の里扶持」
20、「蛇含草」と「そば清」、餅と蕎麦
21、志ん生「庚申待」の味のよさ
22、アイデン虫虫「疝気の虫」
23、昭和三十一年、爆笑王志ん生
24、『タイガー&ドラゴン』を論ず
25、ジャズ落語「お菊の皿」
26、圓生「ねずみ穴」、落語も悪を夢見る
27、昨年の河童の夜だった
28、芋と鰯と天保水滸伝
29、古今亭志ん生最大フラ値
30、柳好「野ざらし」と歌姫リー・ワイリー
31、じょうよ価値学説史、饅頭こわい
32、新内「不心底闇鮑」と落語「品川心中」
33、志ん生「首ったけ」とベーズン・ストリート情話(ブルー ス)
34、当代馬生「文七元結」と圓朝の影
35、「長屋の花見」と野毛の文学碑鞘当て
36、むすめふさほせ、「和歌三神」
37、文楽「王子の幇間」と志ん生「たいこ腹」
38、じょうよ価値学説史「悋気の独楽」と「手切れ丁稚」
39、「花色木綿」と豆腐屋のビアズレー
40、ショーロ落語「芝浜」
41、志の輔の「死神」
42、ジャズマン忠臣蔵
43、落語の狐と狸
44、酒乱とたたかう落語
45、枝雀「恨み酒」と落語に描かれた酒
46、志ん生「お直し」第三ヴァージョンと当代馬生の挑戦
47、落語の涼しさ、入船亭扇橋「茄子娘」
48、二人のはみだし者を交錯させた当代ブラックの「川柳の芝浜」
49、志ん生一人語り「茶汲み」
50、けとけと
最後に快楽亭ブラックとのロング対談を収録。
まえがき・上杉清文
装丁・南伸坊
- 本の長さ757ページ
- 言語日本語
- 出版社白夜書房
- 発売日2008/2/5
- ISBN-104861913667
- ISBN-13978-4861913662
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登録情報
- 出版社 : 白夜書房 (2008/2/5)
- 発売日 : 2008/2/5
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 757ページ
- ISBN-10 : 4861913667
- ISBN-13 : 978-4861913662
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,155,253位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,865位落語・寄席・演芸 (本)
- - 8,016位演劇 (本)
- - 147,776位趣味・実用
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年2月4日に日本でレビュー済み
装丁にまず感動!
歌川国芳の絵がシュールに渦巻いて心臓にどくんどくんと染渡ってくる。南伸坊さんの感性に魅了される。
続いてまえがきが前代未聞。ほめているのかと思うのだけど媚びていない。心優しい上杉清文さんの声が聞こえてくる。
さて本文の平岡正明さんの落語への強烈な思いがこれでもかと思えるほど心に響いてくる。愛がないとかけない評論だ。凄まじい波状攻撃は落語ファンの心を撃沈させるだろう。
巻末の快楽亭ブラックさんとの対談も日常と隣り合わせの異空間へ誘われるようであり、おでんやで隣り合わせて聞いているようで面白い。
800ページもの分厚い本が2800円とはとにかく安い。将来、古書価値が高くなるのは間違いない。神棚に祀ってもバチがあたらないと思う。この本には愛がありライブ感がある。
歌川国芳の絵がシュールに渦巻いて心臓にどくんどくんと染渡ってくる。南伸坊さんの感性に魅了される。
続いてまえがきが前代未聞。ほめているのかと思うのだけど媚びていない。心優しい上杉清文さんの声が聞こえてくる。
さて本文の平岡正明さんの落語への強烈な思いがこれでもかと思えるほど心に響いてくる。愛がないとかけない評論だ。凄まじい波状攻撃は落語ファンの心を撃沈させるだろう。
巻末の快楽亭ブラックさんとの対談も日常と隣り合わせの異空間へ誘われるようであり、おでんやで隣り合わせて聞いているようで面白い。
800ページもの分厚い本が2800円とはとにかく安い。将来、古書価値が高くなるのは間違いない。神棚に祀ってもバチがあたらないと思う。この本には愛がありライブ感がある。