封印作品について、その封印に至る経緯や、まだ封印が継続されているのかどうかなどを、簡単に知るのであれば、本書は最適である。
とにかく、その収載されている数が多い、ということが、本書の特徴である。

かなり真摯に封印作品について知りたければ、安藤「封印作品〜」のシリーズがある。
しかし、そこまで詳しく知らなくても良ければ、本書は、個々の作品に関する記述は少ないが、その分、分かりやすく、また必要なことは記されてある。

思えば封印作品とは、何と数奇な運命なのだろうか。
制作者の熱意や気合いが、まったくといって良いほど抹殺されてしまうのだ。
しかし、その製作意図には、抹殺してしまっては惜しいものが少なくない。
「ウルトラセブン」だって「怪奇大作戦」だって「ブラックジャック」だって、みんなそれぞれの真摯な意図があって製作されたのだ。
けして、奇をてらって製作されたわけではない。

「ノストラダムス〜」、「獣人雪男」、「犬神の〜」、そして「恐怖奇形〜」など、映画作品だって、さまざまな理由で封印されたものがある。
少しずつではあるが、その封印は解かれつつある。
しかし、スペル星人のように、未だに封印されたのままの、そして将来的にもその封印が解かれる可能性がほとんどないものも存在する。
本書は、そういう作品たちへの鎮魂歌であり、ほど良く纏められた、手軽な一冊である。

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「真説」放送禁止作品: 封印解除 (三才ムック VOL. 237) ムック – 2009/3/1

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