前にコンビニ本で買った劇画版「武蔵」。
仕事が忙しくて読めないうちにカビ臭くなってしまって、部屋の大掃除をしたときに泣く泣く捨てたのですが、その直後、石ノ森作品にハマってしまって大後悔。
あのときと同作品だと思い込んで購入。
ところが、あれ? 妙に絵が可愛い。
石ノ森章太郎氏は「宮本武蔵」の萬画を二作描かれていたようですね。
こちらは少年向けに描かれた、史実とか哲学とか、あまり難しいことを考えずに、ヒーローの活躍に胸躍らせて読む娯楽作だったのですね。
戸惑いながらも折角だからと読んでみたら、おや? 結構オモシロい。
斬新なコマ割りもありましたが、全く疲れず、一度もイヤな気分にならず、殆ど一気に読み終わってしまいました。
こちらの武蔵は、強くて優しく正義感に燃えていて、けれども女の子の顔が近くに接近すると照れて赤くなってしまう、多分日本人好みの純朴なヒーローになっています。
武蔵の父や、小次郎などの性格も全く違います。
あと、おつうさんは出ません。旅先で出会うヒロインはいます。
物語もオリジナルだと思われます。
硬派な青年版と間違えて買ったのですが、これはこれで大満足で、むしろ得した気分でした。
《補足》
このレビューは「石ノ森版立川文庫 宮本武蔵」へのものです。
新たに『希望の友』連載の劇画版へのレビューを書こうとしても、どうしても重複扱いになってしまうので、補足させて頂きます。
あちらはあちらで大傑作です!
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宮本武蔵 (キングシリーズ 漫画スーパーワイド) コミック – 2009/8/10
石ノ森 章太郎
(著)
- 本の長さ477ページ
- 言語日本語
- 出版社小池書院
- 発売日2009/8/10
- ISBN-104862255019
- ISBN-13978-4862255013
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登録情報
- 出版社 : 小池書院 (2009/8/10)
- 発売日 : 2009/8/10
- 言語 : 日本語
- コミック : 477ページ
- ISBN-10 : 4862255019
- ISBN-13 : 978-4862255013
- Amazon 売れ筋ランキング: - 619,076位コミック
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年8月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2012年1月29日に日本でレビュー済み
宮本武蔵ほど日本人の心を熱くする人物はいないでしょう。
井上雄彦氏の『バガボンド』が、武蔵の荒ぶる魂を映した作品であるなら、石ノ森氏は「道」に拘った感想を持ちました。
武蔵は、徹底徹尾「勝ち」にこだわった人で、合理的な考えの持ち主であったと思われます。
しかし、己の剣の道を禅僧が仏に進む道に重ね合わせるほどの情熱を蓄えていました。
武蔵を慕うおつうさんのことを思うと胸が痛むのですが、おつうさんに心惹かれる自分の心を弱いと感じるストイックな面があります。
武蔵という巨星のどの面に光を当てるかによって、作家は自分の武蔵像を生み出していると思います。
自分の技を高めるためだけに生涯を費やした史上最強の剣客が歩んだ道。
石ノ森氏は英雄でありながら不遇であった武蔵の実像に迫ろうとしたように思います。
井上雄彦氏の『バガボンド』が、武蔵の荒ぶる魂を映した作品であるなら、石ノ森氏は「道」に拘った感想を持ちました。
武蔵は、徹底徹尾「勝ち」にこだわった人で、合理的な考えの持ち主であったと思われます。
しかし、己の剣の道を禅僧が仏に進む道に重ね合わせるほどの情熱を蓄えていました。
武蔵を慕うおつうさんのことを思うと胸が痛むのですが、おつうさんに心惹かれる自分の心を弱いと感じるストイックな面があります。
武蔵という巨星のどの面に光を当てるかによって、作家は自分の武蔵像を生み出していると思います。
自分の技を高めるためだけに生涯を費やした史上最強の剣客が歩んだ道。
石ノ森氏は英雄でありながら不遇であった武蔵の実像に迫ろうとしたように思います。
2006年1月1日に日本でレビュー済み
コマワリや物語の展開、人物や風景の描写、匠の技をみる思いがする。
強く心を打ったのは、石ノ森氏が武蔵の二刀流の価値について記した部分である。そこには超一流の漫画家としての氏の強い自負と信念を窺うことができる。
氏は、二刀流について、他人に伝授できないことをもってその価値を減ずるものでなく、それほど秀でていると言う。そして技や芸はそれを作り上げた個人のものであり、理論化したり、細分化したりして、金で買えるものではないと喝破する。
近年、我が国での技術力低下が叫ばれている。しかし「技術」とは本来、知識として第三者に伝えられるものである。情報化が進展した現代では金で容易に買えるものである。失われたのは技術でなく技能とモラルではないか。いくら技術ばかり教え込んでも効果が上がるはずがない。武蔵から学ぶものが切り売りの戦術ではないように。氏の言葉は技術立国を目指す我が国の考え違いを指摘する様に思えたのである。
強く心を打ったのは、石ノ森氏が武蔵の二刀流の価値について記した部分である。そこには超一流の漫画家としての氏の強い自負と信念を窺うことができる。
氏は、二刀流について、他人に伝授できないことをもってその価値を減ずるものでなく、それほど秀でていると言う。そして技や芸はそれを作り上げた個人のものであり、理論化したり、細分化したりして、金で買えるものではないと喝破する。
近年、我が国での技術力低下が叫ばれている。しかし「技術」とは本来、知識として第三者に伝えられるものである。情報化が進展した現代では金で容易に買えるものである。失われたのは技術でなく技能とモラルではないか。いくら技術ばかり教え込んでも効果が上がるはずがない。武蔵から学ぶものが切り売りの戦術ではないように。氏の言葉は技術立国を目指す我が国の考え違いを指摘する様に思えたのである。