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凍りの掌 コミック – 2012/6/23
おざわゆき
(著)
「あの大陸の奥、ずっとずっと北の凍りのような土の下に、仲間がたくさん埋まっとる。みんな、どんだけ無念だったろう。友よ、せめて、せめて魂は共に帰ろう」
「凍りの掌」は、作者のお父さんが実際に体験した過酷なシベリア抑留の様子を直接聴き書きし、2年半の歳月をかけ、全3巻の同人誌として完結させた作品です。
すでに戦争が終わっていたにも関わらず、労働力としてシベリアに送られた日本兵の多くは「俺たちは白樺の肥やしになりにきたのか」と言い、痩せ衰えて亡くなりました。かろうじて生き残った者たちも、いつ帰れるという保証も無いまま、極寒の地で重労働に耐えるしかなかったのです。
身内の実話であるが故にリアルな体験が語られ、極限状況を生き抜こうとする人間の慟哭が胸に響きます。戦争体験者が高齢化している現在、こうした形で生の声がまとめられたのは貴重な記録と言えるでしょう。
2010年6月、元シベリア抑留者に一時金を支給する「シベリア特別措置法」が成立しました。戦後すでに65年。抑留者は約60万人といわれていましたが、現地で1割以上の人が亡くなったとされています。シベリア抑留の闇が、いかに深いものだったかが察せられます。
「凍りの掌」は、作者のお父さんが実際に体験した過酷なシベリア抑留の様子を直接聴き書きし、2年半の歳月をかけ、全3巻の同人誌として完結させた作品です。
すでに戦争が終わっていたにも関わらず、労働力としてシベリアに送られた日本兵の多くは「俺たちは白樺の肥やしになりにきたのか」と言い、痩せ衰えて亡くなりました。かろうじて生き残った者たちも、いつ帰れるという保証も無いまま、極寒の地で重労働に耐えるしかなかったのです。
身内の実話であるが故にリアルな体験が語られ、極限状況を生き抜こうとする人間の慟哭が胸に響きます。戦争体験者が高齢化している現在、こうした形で生の声がまとめられたのは貴重な記録と言えるでしょう。
2010年6月、元シベリア抑留者に一時金を支給する「シベリア特別措置法」が成立しました。戦後すでに65年。抑留者は約60万人といわれていましたが、現地で1割以上の人が亡くなったとされています。シベリア抑留の闇が、いかに深いものだったかが察せられます。
- 本の長さ262ページ
- 言語日本語
- 出版社小池書院
- 発売日2012/6/23
- ISBN-10486225831X
- ISBN-13978-4862258311
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商品の説明
出版社からのコメント
著者は、実父のシベリア抑留体験に加え、同じ体験をした人に多数取材を重ね、『凍りの掌〜記憶の底の青春〜』を3年かけて完成し、2008年に同人誌として発表しました。
1巻目より、口コミで広がり注目される中、2010年に全3巻完結。
今回、それを1冊にまとめ、刊行することになりました。
1巻目より、口コミで広がり注目される中、2010年に全3巻完結。
今回、それを1冊にまとめ、刊行することになりました。
著者について
おざわ ゆき
漫画家。
2009年に飛鳥新社から出版された『築地あるき』はコミカルな築地レポートもので人気。ぶんか社「本当にあった笑える話」などで連載中。
漫画家。
2009年に飛鳥新社から出版された『築地あるき』はコミカルな築地レポートもので人気。ぶんか社「本当にあった笑える話」などで連載中。
登録情報
- 出版社 : 小池書院 (2012/6/23)
- 発売日 : 2012/6/23
- 言語 : 日本語
- コミック : 262ページ
- ISBN-10 : 486225831X
- ISBN-13 : 978-4862258311
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年10月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
シベリア抑留という重い内容ですが、やさしい暖かい画風で描かれており、抵抗感なく読むことが出来ました。実体験をした方の話をコミックにたことで、幅広い方々に読んでもらえるのではないかと思います。
2023年1月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
凍りの手 シベリア抑留記 おざわ ゆき著
子供の頃、餓鬼大将を中心にみんなで遊んでいた時に、よれよれのカーキー色の服の見たこともないおじさんに家を尋ねられた。みんな継ぎはぎだらけのズボンやサイズの合わないよれよれの上着を着て、日本中がみんな平等に貧乏をしていると確信しながら生きていた日々だった。そこにどこの世界から来たのか、継ぎ接ぎこそ当たっていなかったがよれよれの上着とズボンという質素な身なりは大人も当然のことだった。尋ねて来たのは我が家で、遠い見たこともない、いることも知らない親戚のおじさんだった。そのおじさんは、シベリアから漸くかえって来たと言う話をした。仕事がないので困っていると言うと、父も見ての通りの貧乏所帯で家も困っていると答えた。
おじさんはその後、有楽町駅前のソゴウデパートの建設現場で土方として働くようになり、どうにか仕事にありついた。
そのおじさんの帰国が遅れたのは、日本人の捕虜たちはロシア人のマルクスレーニン主義の学習会に参加しないといつまでも帰されないのだと愚痴っていた。その学習会に参加して社会主義者になった順番に帰国を許されるものだから、いつまでも意地を張ってなかなか帰ることが出来なかったとぼやいていた。そんなこともあって、シベリア抑留とはどんな現実なのかと疑問に思っていた。おじさんがどこで戦い、どこで捕虜になったかは細かくは知らないが、北方の島の機械化部隊の輜重兵らしいことは窺えた。島で捕虜になった。結局、社会主義の学習会に参加して帰国が許されたと言う。もう昭和も30年に近かった。戦後六、七年シベリアに抑留されていたことになる。生き残ったことだけでも奇跡のようなおじさんだった。親類は皆、共産主義者になって帰ってきたと言い、もう来ないでくれとみんなから爪弾きされていた。
それを思い出して、読みました。ナチスドイツは、ユダヤ人を虐殺するためにガスや焼却炉をつくり大変な費用を殺人のために用いましたが、シベリアの冬は薄着にさせればみんな凍死してしまい、殺すのは自然の寒気であり、死骸は凍った大地に穴を掘り氷の死体を投げ込むという、生きる事だけでもすでに大変な世界であることを知りました。
後、おじさんが語っていた社会主義の学習会の話も詳しく出ていた、シベリア抑留者が秘密にして語らない共産主義者にならないと帰れないと言う実情も書かれており、思い出す限りは真実を語っていると想像できました。
印象に残るのは、ソ連はアメリカと肩を並べるか、もしくはアメリカをはるかに凌駕した世界一の国のように宣伝をしていたのに、この本のなかでも、今、ウクライナを侵略しているロシア兵たちのように、捕虜の持っている腕時計を珍しがって奪ったりする。戦争の武器はすごいのに普通の生活必需品が全くソ連兵には知られていないのに驚きました。歯磨き粉のチューブを食べたり、捕虜たちもびっくりぶりの無知に、よくこんな国がスプーツニクで世界を驚かせたとこの国の実情に驚きました。かつてのソ連兵たちと同様にロシア兵たちがウクライナ人の家庭から、電子レンジを奪って故郷に荷造りして送っている。そんな光景を監視カメラが写し、さらにロシア兵がウクライナ人の生活の豊かさに驚いている表情までが見えて、ロシアは大国なのは間違いないが、かつてのソ連兵が日本人の持ち物の豊かさに驚きながら奪った光景と重なり、戦後何十年も経つと言うのに、これが世界一の国ロシアなのかと、嘘の情報を発信し続けて世界を騙し続けているのが分かる。豪華な宮殿の大きな扉を儀仗兵が見守る中、大統領が出てくるという豪華さの裏の庶民の実態生活が伺われて、ロシア兵は命を捨てて、何を得たいとしているのかと、疑問に思いました。貧困の解決は外国侵略にあるのではなく、政治制度のなかにあると気付くべきだと思いました。何か向かう方向が絶対に間違っている、それを導く指導者がロシア人の中にはいないのでしょうか。せっかくの大国なのに不思議です。
ソ連は崩壊する時、ゴルバチョフは世界がお互いに無いものと有るものを融通しあって互いに豊かに暮らせると良いと考えており、さらに民族の自決権を尊重するのが真の社会主義だと確信していたが、この理想はロシア人には受け入れられなかったのか。ゴルバチョフのお父さんかお爺さんか忘れたが、家族がスターリンに粛清されていたこと、ゴルバチョフはロシア人とウクライナ人の合いの子だったこと、つまり、ソ連人だったこと。選挙で負けた事、時代は移り変わる事、そんなドキュメンタリーの話も思い出した。
ゴルバチョフを選挙で落としたロシア人は、本当に民族自決権を拒否して独立したかつての共和国を一つ一つ元に戻すための戦争を仕掛けると言う政権の方針を知っていたのだろうか。公約にこんな戦争計画があったのだろうか。もしかするとロシア人も含めて世界が詐欺に引っ掛かっていたのかもしれない。が、熱烈な侵略戦争支持者の映像を見ると、昔の日本のような状態なのかもしれないとも思い、実際のことはまるで分らない。
あと、見張りのロシア兵が日本人捕虜たちに畑のジャガイモを掘り出して食べろと命じて、ロシア兵たちも畑からジャガイモを掘り出して食べている光景に、何というか、すごいなぁロシア人はと変な所で畏敬の念を抱きました。
この漫画の中に、日本人が器用なので当時捕虜たちが建設した建築物が今も使われていることや、見事な建築物を作るのでロシア人たちが感嘆する様子が描かれていた。シベリア抑留から帰ってきたおじさんは、戦前はトラックの運転手だった。だから、軍隊でもトラックを運転していた。帰国後、おじさんはトラックの運転手として就職が出来なかったので、当時建設が始まったばかりの有楽町駅前のソゴウデパートの建設現場で一輪車に積んだ生コンクリートを押して下から上に順番に押して運ぶ建設労働者にようやっとありついて生活をしていた。おじさんは親戚からは爪弾きされていたが、幼い私は建設者作業中の現場におじさんと一緒にいき、上から下まで板敷きの一輪車を通す道の沿って、おじさんの後について見学したりした。マンガのこの場面を見て、おじさんのことを思い出しました。
彫刻のうまい日本人捕虜がいたり、農作業の名人がいたり、当時の日本人はどんな環境でも徒弟制度で仕込まれた技術で生きていけたんだと感心しました。現在、折角義務教育制度があっても、引きこもって社会と断絶し、草刈り一つ嫌がって何もしない教育されることを拒否し引きこもっている人々が、あらゆる年齢に渡り何十万といると言う報道を聞く。話が飛躍するが、気象学者が何年も前から予想しているように、水戦争が起きた時に、真っ先に狙われそうな地理条件を備えた日本に住む、健常で働く人も、障害と戦いながら働く人も、そして、引きこもって何もしない人も、みんな生き残れるようにするにはどうしたらよいのかと、突如、無茶苦茶に不安になりました。すでに精いっぱい努力して働いている人は、もう限界まで努力しているのだから、国の繁栄に力を添えています。今は、呑気に引きこもっている場合ではないでしょ、社会にでるなら今でしょ。福沢諭吉の述べた、一身独立して一国独立する、という言葉を思い出します。一身独立せず、生涯働かないで権利ばかり主張する人が100%になったり、引きこもりが100%になったりした時、この国はどうなるのだろうかと、変な不安にさいなまれます。そういえばシベリアから帰ってきたおじさんは、この漫画で見るとかなり悲惨な生活を過ごしていたはずなのに、がっちりした良い体格で力持ちだったことが不思議になりました。
子供の頃、餓鬼大将を中心にみんなで遊んでいた時に、よれよれのカーキー色の服の見たこともないおじさんに家を尋ねられた。みんな継ぎはぎだらけのズボンやサイズの合わないよれよれの上着を着て、日本中がみんな平等に貧乏をしていると確信しながら生きていた日々だった。そこにどこの世界から来たのか、継ぎ接ぎこそ当たっていなかったがよれよれの上着とズボンという質素な身なりは大人も当然のことだった。尋ねて来たのは我が家で、遠い見たこともない、いることも知らない親戚のおじさんだった。そのおじさんは、シベリアから漸くかえって来たと言う話をした。仕事がないので困っていると言うと、父も見ての通りの貧乏所帯で家も困っていると答えた。
おじさんはその後、有楽町駅前のソゴウデパートの建設現場で土方として働くようになり、どうにか仕事にありついた。
そのおじさんの帰国が遅れたのは、日本人の捕虜たちはロシア人のマルクスレーニン主義の学習会に参加しないといつまでも帰されないのだと愚痴っていた。その学習会に参加して社会主義者になった順番に帰国を許されるものだから、いつまでも意地を張ってなかなか帰ることが出来なかったとぼやいていた。そんなこともあって、シベリア抑留とはどんな現実なのかと疑問に思っていた。おじさんがどこで戦い、どこで捕虜になったかは細かくは知らないが、北方の島の機械化部隊の輜重兵らしいことは窺えた。島で捕虜になった。結局、社会主義の学習会に参加して帰国が許されたと言う。もう昭和も30年に近かった。戦後六、七年シベリアに抑留されていたことになる。生き残ったことだけでも奇跡のようなおじさんだった。親類は皆、共産主義者になって帰ってきたと言い、もう来ないでくれとみんなから爪弾きされていた。
それを思い出して、読みました。ナチスドイツは、ユダヤ人を虐殺するためにガスや焼却炉をつくり大変な費用を殺人のために用いましたが、シベリアの冬は薄着にさせればみんな凍死してしまい、殺すのは自然の寒気であり、死骸は凍った大地に穴を掘り氷の死体を投げ込むという、生きる事だけでもすでに大変な世界であることを知りました。
後、おじさんが語っていた社会主義の学習会の話も詳しく出ていた、シベリア抑留者が秘密にして語らない共産主義者にならないと帰れないと言う実情も書かれており、思い出す限りは真実を語っていると想像できました。
印象に残るのは、ソ連はアメリカと肩を並べるか、もしくはアメリカをはるかに凌駕した世界一の国のように宣伝をしていたのに、この本のなかでも、今、ウクライナを侵略しているロシア兵たちのように、捕虜の持っている腕時計を珍しがって奪ったりする。戦争の武器はすごいのに普通の生活必需品が全くソ連兵には知られていないのに驚きました。歯磨き粉のチューブを食べたり、捕虜たちもびっくりぶりの無知に、よくこんな国がスプーツニクで世界を驚かせたとこの国の実情に驚きました。かつてのソ連兵たちと同様にロシア兵たちがウクライナ人の家庭から、電子レンジを奪って故郷に荷造りして送っている。そんな光景を監視カメラが写し、さらにロシア兵がウクライナ人の生活の豊かさに驚いている表情までが見えて、ロシアは大国なのは間違いないが、かつてのソ連兵が日本人の持ち物の豊かさに驚きながら奪った光景と重なり、戦後何十年も経つと言うのに、これが世界一の国ロシアなのかと、嘘の情報を発信し続けて世界を騙し続けているのが分かる。豪華な宮殿の大きな扉を儀仗兵が見守る中、大統領が出てくるという豪華さの裏の庶民の実態生活が伺われて、ロシア兵は命を捨てて、何を得たいとしているのかと、疑問に思いました。貧困の解決は外国侵略にあるのではなく、政治制度のなかにあると気付くべきだと思いました。何か向かう方向が絶対に間違っている、それを導く指導者がロシア人の中にはいないのでしょうか。せっかくの大国なのに不思議です。
ソ連は崩壊する時、ゴルバチョフは世界がお互いに無いものと有るものを融通しあって互いに豊かに暮らせると良いと考えており、さらに民族の自決権を尊重するのが真の社会主義だと確信していたが、この理想はロシア人には受け入れられなかったのか。ゴルバチョフのお父さんかお爺さんか忘れたが、家族がスターリンに粛清されていたこと、ゴルバチョフはロシア人とウクライナ人の合いの子だったこと、つまり、ソ連人だったこと。選挙で負けた事、時代は移り変わる事、そんなドキュメンタリーの話も思い出した。
ゴルバチョフを選挙で落としたロシア人は、本当に民族自決権を拒否して独立したかつての共和国を一つ一つ元に戻すための戦争を仕掛けると言う政権の方針を知っていたのだろうか。公約にこんな戦争計画があったのだろうか。もしかするとロシア人も含めて世界が詐欺に引っ掛かっていたのかもしれない。が、熱烈な侵略戦争支持者の映像を見ると、昔の日本のような状態なのかもしれないとも思い、実際のことはまるで分らない。
あと、見張りのロシア兵が日本人捕虜たちに畑のジャガイモを掘り出して食べろと命じて、ロシア兵たちも畑からジャガイモを掘り出して食べている光景に、何というか、すごいなぁロシア人はと変な所で畏敬の念を抱きました。
この漫画の中に、日本人が器用なので当時捕虜たちが建設した建築物が今も使われていることや、見事な建築物を作るのでロシア人たちが感嘆する様子が描かれていた。シベリア抑留から帰ってきたおじさんは、戦前はトラックの運転手だった。だから、軍隊でもトラックを運転していた。帰国後、おじさんはトラックの運転手として就職が出来なかったので、当時建設が始まったばかりの有楽町駅前のソゴウデパートの建設現場で一輪車に積んだ生コンクリートを押して下から上に順番に押して運ぶ建設労働者にようやっとありついて生活をしていた。おじさんは親戚からは爪弾きされていたが、幼い私は建設者作業中の現場におじさんと一緒にいき、上から下まで板敷きの一輪車を通す道の沿って、おじさんの後について見学したりした。マンガのこの場面を見て、おじさんのことを思い出しました。
彫刻のうまい日本人捕虜がいたり、農作業の名人がいたり、当時の日本人はどんな環境でも徒弟制度で仕込まれた技術で生きていけたんだと感心しました。現在、折角義務教育制度があっても、引きこもって社会と断絶し、草刈り一つ嫌がって何もしない教育されることを拒否し引きこもっている人々が、あらゆる年齢に渡り何十万といると言う報道を聞く。話が飛躍するが、気象学者が何年も前から予想しているように、水戦争が起きた時に、真っ先に狙われそうな地理条件を備えた日本に住む、健常で働く人も、障害と戦いながら働く人も、そして、引きこもって何もしない人も、みんな生き残れるようにするにはどうしたらよいのかと、突如、無茶苦茶に不安になりました。すでに精いっぱい努力して働いている人は、もう限界まで努力しているのだから、国の繁栄に力を添えています。今は、呑気に引きこもっている場合ではないでしょ、社会にでるなら今でしょ。福沢諭吉の述べた、一身独立して一国独立する、という言葉を思い出します。一身独立せず、生涯働かないで権利ばかり主張する人が100%になったり、引きこもりが100%になったりした時、この国はどうなるのだろうかと、変な不安にさいなまれます。そういえばシベリアから帰ってきたおじさんは、この漫画で見るとかなり悲惨な生活を過ごしていたはずなのに、がっちりした良い体格で力持ちだったことが不思議になりました。
2015年7月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の父親がシベリア抑留の当事者であり、その伝聞について綴った作品。
太平洋戦争末期に学徒出陣になった著者の父親は北方の満州国とソ連との国境に配備された。
当時の日本はソ連と「日ソ中立条約」を結んでおり、不可侵の関係だった。
だから本格的な戦闘などとは無縁の比較的恵まれた環境かと思われた。
だが、終戦直前にソ連が日ソ中立条約を一方的に破棄して満州国に攻め込んできた。
脆弱な装備の日本軍がソ連軍に太刀打ちできるわけもなく多くの人々が捕虜になってしまい、そのまま終戦。
日本に帰国できるかと思われた捕虜たちだったが、連れて行かれたのは北方。永久凍土の極寒の地であった。
ナチスの収容所にも近い環境で劣悪な労働に従事させられる。
マイナス30度という想像を絶するような冬の寒さに食料も乏しく、多くの日本人兵士たちがバタバタと倒れていった。
さらにロシア兵からのイジメ、日本人同士の食べ物や待遇を巡っての争い・・・・・。
過酷な環境下では誰もが他人の身を案じることなど出来ず、人間の心を無くしていくのだった。
死者については30万人を超えるとも言われているが、社会主義のソ連は情報が外に漏れず、未だ不明な部分が多い。
祖国に帰ることを願って果たせなかった者たちの身は永久凍土の下に眠るとも、その魂は靖国へ導かれたことを祈らん。
太平洋戦争末期に学徒出陣になった著者の父親は北方の満州国とソ連との国境に配備された。
当時の日本はソ連と「日ソ中立条約」を結んでおり、不可侵の関係だった。
だから本格的な戦闘などとは無縁の比較的恵まれた環境かと思われた。
だが、終戦直前にソ連が日ソ中立条約を一方的に破棄して満州国に攻め込んできた。
脆弱な装備の日本軍がソ連軍に太刀打ちできるわけもなく多くの人々が捕虜になってしまい、そのまま終戦。
日本に帰国できるかと思われた捕虜たちだったが、連れて行かれたのは北方。永久凍土の極寒の地であった。
ナチスの収容所にも近い環境で劣悪な労働に従事させられる。
マイナス30度という想像を絶するような冬の寒さに食料も乏しく、多くの日本人兵士たちがバタバタと倒れていった。
さらにロシア兵からのイジメ、日本人同士の食べ物や待遇を巡っての争い・・・・・。
過酷な環境下では誰もが他人の身を案じることなど出来ず、人間の心を無くしていくのだった。
死者については30万人を超えるとも言われているが、社会主義のソ連は情報が外に漏れず、未だ不明な部分が多い。
祖国に帰ることを願って果たせなかった者たちの身は永久凍土の下に眠るとも、その魂は靖国へ導かれたことを祈らん。
2022年11月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
祖父がシベリアに抑留されていていました。この本を読みながら、祖父がよく私に話をしてくれていたなぁと懐かしい気持ちになりました。今の自分があるのも祖父が過酷な環境で必死に生きてくれたからだと気付き、読みながら涙が止まりませんでした。シベリア抑留の話も今後決して世の中から忘れ去られて欲しくないですし、多くの方々に読んで頂きたいです。何度も読み直しています。
2021年6月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現代の我が国では、戦争の悲惨さばかりを取り上げ、「だから戦争をしてはいけない」「軍隊はいらない」としか言わない。
本作を読めば、「戦争に負けたらこうされたこと」を個人の体験が記載されている。
本作を読めば、「戦争に負けたらこうされたこと」を個人の体験が記載されている。
2019年9月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
貴重な体験記だと思うが老父から聞いた話だからなのか感情抑えめな表現のせいかあまり感動するような内容ではなかった。絵も実写的ではなく分かりづらかった。賞を取ったらしいがそこまでの内容とは思えなかった。酷いこと言ってすみません。
2017年9月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
なかなか手に入らない本をやっと入手。
祖父が戦争経験者で子供の頃からよく話を聞いていました。
祖父は無事に満州から戻れましたが、不思議な事が起きてシベリア行きを免れたそうです。
夜衛だったその日、2人組で寝ずの見張りをするのですが、疲労も溜まっていた祖父はつい立ったままうとうとしてしまい…
その時ドーンと大きな火の玉(人魂?)が体当たりしてきて驚いて目が覚め、小便に行く為持ち場を離れたのですが、宿舎の話し声が聞こえて来て「明日シベリアに我が隊からも人員を送らねばならん。日本はソ連に負けた。捕虜にでもなったらいつ帰れるかわからん。ここは明日にでも引き上げ予定になっとったんだがどうしたらいいものか。」と言うような内容だったと言います。
運命の分かれ道と言うか…家族の居る者など先発で逃げるように翌早朝の列車の乗れて帰国した組は助かったそうで、祖父もそうでした。
「翌日シベリアに送られた仲間は、誰一人戻って来んかったよ…。ワシと夜衛した友は一緒に戻ったけど、他の仲間がどうなったかは何年も聞かされとらんかった。随分後で皆亡くなったと知ったんじゃ。」
と、悲しそうに語ってくれました。
そして、帰国した真っ先にあの夜母親が亡くなったと知り、あの時の火の玉は母親だったんだろう、危険を知らせに満州まで魂が会いに来てくれたんだろう、あれが最後の別れだったんだなーと。
こんな話を聞いていたので、シベリアの氷の大地に埋まった人たちも体こそ置いてきたものの魂は帰国できたのだろうと思うしかない。
舞鶴の式典の部分では『岸壁の母』の市原悦子さんが妙に印象的だった事を思い出したり、ふと軍歌のフレーズが出て来たり、今でも記憶のどこかに祖父の話が生きている証拠ですね。
祖父に聞いた満州でどんな日々を送ったかなどの出来事は、この本に書かれているお父様の話と同じでした。
鼻水が出たら一瞬で凍ってつららになるとか、14歳くらいの若い子が小さな体で雪の中を歩いてる途中で倒れていく話に、当時小学生だった私には想像するに恐怖でした。
終戦後の昭和22年に生まれた父もその子である私たちも『戦争を知らない子供たち』世代。
子供の頃スターリンと聞いてもピンとこなかったし、赤旗赤旗って言うけど実際は何?共産主義を嫌う祖父の根本の理由は何?と、経緯を大まかにしか理解しておらずずっと根底に疑問を持っていたのもようやくスッキリしました。
抑留経験者は日本の敗戦の悲惨さを語る生き証人です。
語れる人も居なくなっていく今、3年掛けてわかりやすく漫画で記録を残してくれた事はとても貴重でありがたいです。
グロテスクな描写の無い柔らかい絵の中にも、極寒のシベリアとリアルな恐怖の心情がしっかりと描かれていました。
帰国したい一心で過酷な労働に耐え、1日1日生き延びる方法を考え、抑留者達の戦争はまだ終わっていなかった。
祖父も知らなかったシベリアの状況が衝撃すぎて、読んだ後なんとも言い表せない気持ちになりましたね。
『艦これ』や戦闘ゲームがブームの今、本当の戦争と言うものを知らない後世の子供たちにも伝えたい体験記です。
祖父が戦争経験者で子供の頃からよく話を聞いていました。
祖父は無事に満州から戻れましたが、不思議な事が起きてシベリア行きを免れたそうです。
夜衛だったその日、2人組で寝ずの見張りをするのですが、疲労も溜まっていた祖父はつい立ったままうとうとしてしまい…
その時ドーンと大きな火の玉(人魂?)が体当たりしてきて驚いて目が覚め、小便に行く為持ち場を離れたのですが、宿舎の話し声が聞こえて来て「明日シベリアに我が隊からも人員を送らねばならん。日本はソ連に負けた。捕虜にでもなったらいつ帰れるかわからん。ここは明日にでも引き上げ予定になっとったんだがどうしたらいいものか。」と言うような内容だったと言います。
運命の分かれ道と言うか…家族の居る者など先発で逃げるように翌早朝の列車の乗れて帰国した組は助かったそうで、祖父もそうでした。
「翌日シベリアに送られた仲間は、誰一人戻って来んかったよ…。ワシと夜衛した友は一緒に戻ったけど、他の仲間がどうなったかは何年も聞かされとらんかった。随分後で皆亡くなったと知ったんじゃ。」
と、悲しそうに語ってくれました。
そして、帰国した真っ先にあの夜母親が亡くなったと知り、あの時の火の玉は母親だったんだろう、危険を知らせに満州まで魂が会いに来てくれたんだろう、あれが最後の別れだったんだなーと。
こんな話を聞いていたので、シベリアの氷の大地に埋まった人たちも体こそ置いてきたものの魂は帰国できたのだろうと思うしかない。
舞鶴の式典の部分では『岸壁の母』の市原悦子さんが妙に印象的だった事を思い出したり、ふと軍歌のフレーズが出て来たり、今でも記憶のどこかに祖父の話が生きている証拠ですね。
祖父に聞いた満州でどんな日々を送ったかなどの出来事は、この本に書かれているお父様の話と同じでした。
鼻水が出たら一瞬で凍ってつららになるとか、14歳くらいの若い子が小さな体で雪の中を歩いてる途中で倒れていく話に、当時小学生だった私には想像するに恐怖でした。
終戦後の昭和22年に生まれた父もその子である私たちも『戦争を知らない子供たち』世代。
子供の頃スターリンと聞いてもピンとこなかったし、赤旗赤旗って言うけど実際は何?共産主義を嫌う祖父の根本の理由は何?と、経緯を大まかにしか理解しておらずずっと根底に疑問を持っていたのもようやくスッキリしました。
抑留経験者は日本の敗戦の悲惨さを語る生き証人です。
語れる人も居なくなっていく今、3年掛けてわかりやすく漫画で記録を残してくれた事はとても貴重でありがたいです。
グロテスクな描写の無い柔らかい絵の中にも、極寒のシベリアとリアルな恐怖の心情がしっかりと描かれていました。
帰国したい一心で過酷な労働に耐え、1日1日生き延びる方法を考え、抑留者達の戦争はまだ終わっていなかった。
祖父も知らなかったシベリアの状況が衝撃すぎて、読んだ後なんとも言い表せない気持ちになりましたね。
『艦これ』や戦闘ゲームがブームの今、本当の戦争と言うものを知らない後世の子供たちにも伝えたい体験記です。