関わっていた雑誌の編集室が使えなくなり、香山が親に買ってもらった三軒茶屋のマンションに白羽の矢が立つ件りがある。ところがこのマンションの管理人が元警察官とやらで、香山の部屋への人の出入りに敏感なため、編集室に「今度だけ」使わせることは了承しつつも、とにかく人の出入りを見られないようにという配慮で頭がいっぱいだったという。そこまでは良い。しかし香山は続けて次のように書く。「『自殺未遂ライブ』でドクターストップを下したり病院からCT画像を盗み出したりするのは平気なのに、自宅で『HEAVEN』の編集作業をするのは恐怖、というのも矛盾して聞こえるかもしれないが、そうだったのだから仕方ない」(p147)。
一体どこが矛盾なのか? 親バレが一番の恐怖と考えれば実に自然な、実に保身的で自己中心的で甘ったれで虫のいいありきたりな心理ではないだろうか?
大阪から新幹線をキセルして上京する友人を入場券に細工して助けたり(p143)、上の引用のように雑誌企画のために実習先の病院から肺がん患者のレントゲン写真と血液検査を盗み出したり(p144)、いろいろ自慢気に回顧していて、私などは「やったという事実」よりも「書いている事実」に苛立つ。「もし今でも時効が成立していなければたいへんなことになるが」(p145)などと筆を滑らすに至っては、いや、時効云々の問題じゃないでしょとツッ込む以前の問題として、香山の感性の鈍さに呆れるばかりだ。こういう人間に精神科医はやってほしくないし(やめて大学教授になったが……)、護憲とかナショナリズムがドーコーと言われたくない。
松岡正剛の「転向」に義憤を感じたと言いながら、その末尾を「純粋というより、いつまでもおとなになりきれない、ということなのだろう」(p122)と括る香山は、93年春に精神科医としての拠点を小樽から埼玉に移し、99年春に神戸芸術工科大助教授、03年春に帝塚山学院大教授、そして本書刊行直後の08年春に立教大教授と、華麗なる転身を遂げる。厚労省「若者の人間力を高める国民会議」、文科省「子どもを守り育てるための有識者会議」、「中央教育審議会スポーツ青少年部会」、「教育相談に関する調査研究協力者会議」の委員でもあるらしいが、立教大も厚労省も文科省も、もう少し考えたほうが良いのではないか?
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ポケットは80年代がいっぱい 単行本 – 2008/2/28
香山リカ
(著)
サブカルチャーの生き証人・香山リカが描く、
オシャレ・キュート・アヴァンギャルドな80年代の日々
伝説の雑誌「HEAVEN」「遊」はじめ、
貴重な雑誌、レコードの写真も収録。
1981年、サブカルチャー勃興期の渋谷。伝説のカルト雑誌『HEAVEN』の編集部が、香山リカの出発点だった。そこは祖父江慎、町田町蔵、巻上公一、戸川純、浅田彰らが集い、最先端のカルチャー情報が飛び交う、ちょっと危険な香りが漂う文化サロン。その過激で濃密な交流の日々とは?
「新人類」「ニューアカデミズム」「ニューウェーブ」「テクノ」「スキゾキッズ」など数々のキーワードを生み、多くの才能を生み出した80年代サブカルチャーの現場を描く、オシャレ・キュート・アヴァンギャルドな80年代クロニクル。
「ニューアカデミズムの旗手」中沢新一と香山リカとの対談『「ニューアカ」と「新人類」の頃』も合わせて収録。
オシャレ・キュート・アヴァンギャルドな80年代の日々
伝説の雑誌「HEAVEN」「遊」はじめ、
貴重な雑誌、レコードの写真も収録。
1981年、サブカルチャー勃興期の渋谷。伝説のカルト雑誌『HEAVEN』の編集部が、香山リカの出発点だった。そこは祖父江慎、町田町蔵、巻上公一、戸川純、浅田彰らが集い、最先端のカルチャー情報が飛び交う、ちょっと危険な香りが漂う文化サロン。その過激で濃密な交流の日々とは?
「新人類」「ニューアカデミズム」「ニューウェーブ」「テクノ」「スキゾキッズ」など数々のキーワードを生み、多くの才能を生み出した80年代サブカルチャーの現場を描く、オシャレ・キュート・アヴァンギャルドな80年代クロニクル。
「ニューアカデミズムの旗手」中沢新一と香山リカとの対談『「ニューアカ」と「新人類」の頃』も合わせて収録。
- 本の長さ222ページ
- 言語日本語
- 出版社バジリコ
- 発売日2008/2/28
- ISBN-104862380824
- ISBN-13978-4862380821
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商品の説明
著者について
●香山リカ●1960年7月1日北海道札幌市生まれ。東京医科大学卒。精神科医、帝塚山学院大学人間文化学部人間学科教授。学生時代より雑誌等に寄稿。その後も臨床経験を生かして、各メディアで社会批評、文化批評、書評など幅広く活躍し、現代人の“心の病”について洞察を続けている。専門は精神病理学だが、テレビゲームなどのサブカルチャーにも関心を持つ。
登録情報
- 出版社 : バジリコ (2008/2/28)
- 発売日 : 2008/2/28
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 222ページ
- ISBN-10 : 4862380824
- ISBN-13 : 978-4862380821
- Amazon 売れ筋ランキング: - 732,130位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1960年札幌市生まれ。
東京医科大学卒業。精神科医として病院での診察に携わりながら、立教大学現代心理学部映像身体学科教授として教壇にも立つ。豊富な臨床経験を活かし、現代人の心の問題を鋭く分析し、きめ細かな解決策を提示する。ほかにも、政治・社会批評、サブカルチャー批評、皇室問題から趣味のプロレスに関する批評まで、幅広いジャンルで活躍する。事務所では住み着いたノラ猫1匹、自宅では犬1匹と猫5匹と同居。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年7月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2011年1月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
戸川純 ニューアカ ファミコン 工作舎
等々 懐かしくて恥ずかしい昔のネタが
いっぱいです
ヘンタイよいこ新聞 愛読してました(笑)
あとがきで80年代は ”スカ”だった
とあります 中味のないファッションと
消費だけの時代だったのでしょうか?
等々 懐かしくて恥ずかしい昔のネタが
いっぱいです
ヘンタイよいこ新聞 愛読してました(笑)
あとがきで80年代は ”スカ”だった
とあります 中味のないファッションと
消費だけの時代だったのでしょうか?
2011年1月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は香山さんと同年代で、やはり当時の「遊」というか工作社の一連の出版物、雑誌HEAVEN、プログレ雑誌「フルーズ・メイト」、カルト雑誌「迷宮」、それと今回対談やっている中沢新一氏や、浅田彰氏等のニューアカや「精神世界」等の熱心な読者だったので、この本に赤裸々に書かれていることは非常に興味深かく、かつ懐かしい気持ちになりました。
41ページ以降に、当時の「遊」やHEAVEN、タコ、ガセネタのジャケット、フールズ・メイト、果てや私も買ったが結局難しくて読まなかった「エピステーメー」や「GS楽しい知識」のサンプルまで「展示」してあるのには、びっくりした。ほんと80年代って凄い。アカデミズムが暴走してたな。
個人的には、今更どうでもいいが、山崎春美についての記事が面白い。ほんま、こんなことまでで書いてええの?
最近は何かつまらないコメンテーターになってしまった、香山さんですが、この本を読んでも、どうも彼女自身が見えてこなかった。彼女はあの時代をどう通り過ぎ、そして彼女に何が残ったのだろうか。でも当時の眼鏡なしの彼女のシャシンは結構、萌えだ。こういう時代が彼女にもあったということか。
現在の彼女の仕事を抜きに読んでも、あの時代のあの業界に出入りする人脈に興味のある人にとっては、実に面白いドキュメントです。彼女がタコのライブに参加させられていた時のエピソードは生々しい。とりあえず言っておこう、「80年代は良かった」と。
41ページ以降に、当時の「遊」やHEAVEN、タコ、ガセネタのジャケット、フールズ・メイト、果てや私も買ったが結局難しくて読まなかった「エピステーメー」や「GS楽しい知識」のサンプルまで「展示」してあるのには、びっくりした。ほんと80年代って凄い。アカデミズムが暴走してたな。
個人的には、今更どうでもいいが、山崎春美についての記事が面白い。ほんま、こんなことまでで書いてええの?
最近は何かつまらないコメンテーターになってしまった、香山さんですが、この本を読んでも、どうも彼女自身が見えてこなかった。彼女はあの時代をどう通り過ぎ、そして彼女に何が残ったのだろうか。でも当時の眼鏡なしの彼女のシャシンは結構、萌えだ。こういう時代が彼女にもあったということか。
現在の彼女の仕事を抜きに読んでも、あの時代のあの業界に出入りする人脈に興味のある人にとっては、実に面白いドキュメントです。彼女がタコのライブに参加させられていた時のエピソードは生々しい。とりあえず言っておこう、「80年代は良かった」と。
2008年8月23日に日本でレビュー済み
これまでの彼女の文章を念頭においていると、本書はいささか雰囲気が違う。
本書は3部に分かれていて、最初は彼女が20代を生きた80年代を振り返ったエッセイ。
この部分が本書のメインだが、リカちゃんの文章にしては随分とエモーショナルというか感傷的というか。
抑制されてはいるもののそうしたウェットさがにじみ出てくる。
次にニューアカデミズムの旗手(なんてほとんど死語だな)、中沢新一氏との対談。
80年代を語るには外せないこのオカタとリカちゃんのセッションはなかなかのもの。
そして最後に「長めのあとがき」。
ここで本書では初めてリカちゃんらしいロジカルさと明快さ溢れる文章と出会える。
他の「80年代論」をバッサリ。
リカちゃんは1985年のプラザ合意を分水嶺として、その前と後とでは一口に80年代といっても様相/時代感が異なる、というようなことを書いていて回想は主に「プレプラザ」に力点が置かれている。
一方、4歳下の僕なんかが80年代を振り返る時に軸足を置くのは「ポストプラザ」の方で、80年代を語るコンテクストもこのどちらに焦点を合わせるかでその色合いはかなり違うようだ。
でもこのプレとポストが間違いなく連続していることもアタリマエのハナシで、色合いは違っても80年代はやはり懐かしい。
その時代に多感な時期を送った世代にとっては。
本書は3部に分かれていて、最初は彼女が20代を生きた80年代を振り返ったエッセイ。
この部分が本書のメインだが、リカちゃんの文章にしては随分とエモーショナルというか感傷的というか。
抑制されてはいるもののそうしたウェットさがにじみ出てくる。
次にニューアカデミズムの旗手(なんてほとんど死語だな)、中沢新一氏との対談。
80年代を語るには外せないこのオカタとリカちゃんのセッションはなかなかのもの。
そして最後に「長めのあとがき」。
ここで本書では初めてリカちゃんらしいロジカルさと明快さ溢れる文章と出会える。
他の「80年代論」をバッサリ。
リカちゃんは1985年のプラザ合意を分水嶺として、その前と後とでは一口に80年代といっても様相/時代感が異なる、というようなことを書いていて回想は主に「プレプラザ」に力点が置かれている。
一方、4歳下の僕なんかが80年代を振り返る時に軸足を置くのは「ポストプラザ」の方で、80年代を語るコンテクストもこのどちらに焦点を合わせるかでその色合いはかなり違うようだ。
でもこのプレとポストが間違いなく連続していることもアタリマエのハナシで、色合いは違っても80年代はやはり懐かしい。
その時代に多感な時期を送った世代にとっては。
2008年3月22日に日本でレビュー済み
岡崎京子的な80年代とは、
またちょっと違った(も少しマイナー)、
ディープでとんがった人たちとの
80年代が描かれている。
特に、『遊』という雑誌って、
そんな感じの世界だったのか…
と改めて知ることができたのはよかった。
古本なんかで見ても、
「ふう〜ん」くらいにしか思わなかったけど、
やっぱり、時代のなかで見ると
ずいぶん違うのだろう、ということが。
『HEAVEN』って雑誌のことや、
パンクロック、テクノ、喫茶店の話など、
どれも一緒に連れて行ってもらっている
みたいに、絵が浮かんでくるようだった。
香山さんの謙虚な書きっぷりのせいか、
読後、いろんなところで、
「ドキドキ」と緊張していたように感じたけど、
それは、新しい時代の先っぽにいる人たちと出会った
「ワクワク」だったのだろう。
またちょっと違った(も少しマイナー)、
ディープでとんがった人たちとの
80年代が描かれている。
特に、『遊』という雑誌って、
そんな感じの世界だったのか…
と改めて知ることができたのはよかった。
古本なんかで見ても、
「ふう〜ん」くらいにしか思わなかったけど、
やっぱり、時代のなかで見ると
ずいぶん違うのだろう、ということが。
『HEAVEN』って雑誌のことや、
パンクロック、テクノ、喫茶店の話など、
どれも一緒に連れて行ってもらっている
みたいに、絵が浮かんでくるようだった。
香山さんの謙虚な書きっぷりのせいか、
読後、いろんなところで、
「ドキドキ」と緊張していたように感じたけど、
それは、新しい時代の先っぽにいる人たちと出会った
「ワクワク」だったのだろう。
2008年4月28日に日本でレビュー済み
華麗な経歴と職業、そして幅広い分野に精通する才女。
そんな香山リカのとんがった、しかし
ちょっと恥ずかしい青春オマージュである。
私の80年代は中学高校、一部大学生活で
どちらかというと本書に書かれている危険で濃密な現場を
外からうらやましく眺めていたに過ぎない。
そんなサブカルの内情を今、知ると、一般社会にも見られる
泥臭い部分(失礼!)に落胆するとともに、
一部の単語に胸の奥を思いっきり甘酸っぱくさせられてしまう。
香山リカが極めて真面目、かつ淡々と、そして
尻切れトンボに終わる本書は構成としては異色。
それだけストレートな告白なのかもしれない。
そんな香山リカのとんがった、しかし
ちょっと恥ずかしい青春オマージュである。
私の80年代は中学高校、一部大学生活で
どちらかというと本書に書かれている危険で濃密な現場を
外からうらやましく眺めていたに過ぎない。
そんなサブカルの内情を今、知ると、一般社会にも見られる
泥臭い部分(失礼!)に落胆するとともに、
一部の単語に胸の奥を思いっきり甘酸っぱくさせられてしまう。
香山リカが極めて真面目、かつ淡々と、そして
尻切れトンボに終わる本書は構成としては異色。
それだけストレートな告白なのかもしれない。
2008年3月13日に日本でレビュー済み
香山リカが大学時代に出入りしてたミニコミ誌(みたいな雑誌)の、
ものすごく狭い世界の話を中心に書かれてるのだが、けっして
「一見さん、お断り」っていう感じではない。
あたかも自分が当時の香山リカになって、その世界に入り込んでる
ような臨場感を味わった。
それと同時に自分自身の20代前半のことをいろいろ思い出させて
くれた。
現在、大家扱いされてるあの人が、こんなことやってたんだなー、
とか、この本を読まなかったら一生忘れてたようなその時代の有名
人がポンポコ飛び出してきて、そういうミーハー的な見地からも楽
しめた。
80年代といえば、私にとっては、DCブランドで、空っぽで、ハ
ズカシー時代、というイメージだったが、80年代とは人によって
まったく見てたものが違う、というこの本の言葉がしみた。
ものすごく狭い世界の話を中心に書かれてるのだが、けっして
「一見さん、お断り」っていう感じではない。
あたかも自分が当時の香山リカになって、その世界に入り込んでる
ような臨場感を味わった。
それと同時に自分自身の20代前半のことをいろいろ思い出させて
くれた。
現在、大家扱いされてるあの人が、こんなことやってたんだなー、
とか、この本を読まなかったら一生忘れてたようなその時代の有名
人がポンポコ飛び出してきて、そういうミーハー的な見地からも楽
しめた。
80年代といえば、私にとっては、DCブランドで、空っぽで、ハ
ズカシー時代、というイメージだったが、80年代とは人によって
まったく見てたものが違う、というこの本の言葉がしみた。
2008年9月21日に日本でレビュー済み
1960年生まれの著者が、東京で過ごした1980年代を振返る。学生をしながら取り組んでいた編集作業及び周囲の人々についての懐旧の思いが行間から滲み出てくる。なかなか分からない「その時代の空気」の証言として貴重な書だと思う。
あとがきで著者は80年代をプラザ合意前後で分け、バブルを享受したプラザ合意後の環境と著者のいたプラザ合意前とを分けている。著者と丁度10年離れている自分自身もその区別に共感。
私は中高大学前半がほぼ80年代になるが、80年代前半までが広範な範囲の知識欲を若者(どこまでが若者かは分からないが)が持ちえた時代ではなかろうかと思う。現在雑誌休刊が相次いでいるが、日本の雑誌購読層は30代後半以上が大半と聞く。80年代後半から、知識への欲求の断絶が起こっているのかも知れない。
あとがきで著者は80年代をプラザ合意前後で分け、バブルを享受したプラザ合意後の環境と著者のいたプラザ合意前とを分けている。著者と丁度10年離れている自分自身もその区別に共感。
私は中高大学前半がほぼ80年代になるが、80年代前半までが広範な範囲の知識欲を若者(どこまでが若者かは分からないが)が持ちえた時代ではなかろうかと思う。現在雑誌休刊が相次いでいるが、日本の雑誌購読層は30代後半以上が大半と聞く。80年代後半から、知識への欲求の断絶が起こっているのかも知れない。