以前から存在した書籍の新訳版。
全地球的問題を費用便益的な分析「のみ」で考察した書籍。そこに感情や、特定国の利益が入り込む余地は無い。
ご想像の範疇かもしれないが、本作はヒステリックな学者連中や感情で危機感を煽るマスコミからはすこぶる評判が悪い。
生命の生死に関わる問題を比較・値付けすることへの批判や「温暖化を放置するというのか!」といった批判だ。
しかし、IPCCなどの分析に拠れば、全地球的視点ではある程度(3℃以下程度)の温暖化には恩恵の方が多いことが分かっているし、
そうした温暖化で被害を受ける国家の多くでは、そんなことよりHIVや飢餓・マラリアの方がよほど切迫した危機なのである。
「100年後にあなたの国は確実に水没します」と「あなたはこのままではマラリアで死ぬ可能性が90%です」。
どちらが切迫しているかは考えるまでもあるまい。
もちろん温暖化など、本書で軽視された問題の解決を等閑視して良いというわけではない。
しかし、将来の温暖化と明日の飢餓を等価で考えてしまうことは、先進国とLLDCとの彼我の隔たりを全く理解していない暴論だ。
少量の力を分散させるよりも、最も効果が上がる分野に集中して力を注ぎ込むべきであることは、
クラウゼヴィッツでもランチェスターでもウェルチでも良いが、経営では当たり前のこととされている。
それが、全地球的問題になると突如として視野が狭窄して温暖化ばかりが俎上に載せられる。まさしく先進国のエゴイズムだ。
なお、将来価値への割引率の設定や、人が死ぬことが国家に与える損失の計算は容易ではないから、
本書で導き出された数字やランク付けを鵜呑みにすべきではないだろう。
しかし、ワイドショーのエコ特集よりは本書を読む方が、得ることが多いと私は思う。
石油で作られるエコバッグを買って何かを救った気になる前に、本書に目を通してはいかがだろう。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥1,760¥1,760 税込
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
¥1,760¥1,760 税込
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
¥320¥320 税込
無料配送 5月30日-6月1日にお届け
発送元: BOOK-LAND土日祝も出荷しています! 販売者: BOOK-LAND土日祝も出荷しています!
¥320¥320 税込
無料配送 5月30日-6月1日にお届け
発送元: BOOK-LAND土日祝も出荷しています!
販売者: BOOK-LAND土日祝も出荷しています!
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
何か問題が発生しました。後で再度リクエストしてください。
OK
五〇〇億ドルでできること 単行本 – 2008/11/7
ビョルン・ロンボルグ
(著),
小林紀子
(翻訳)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥1,760","priceAmount":1760.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"1,760","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"XMCIA7ZUAschBro0Sl1vCJqo8kRXW2wGgnSKn7lMI4gM0FaGonliyXS1IdBBHy8DycGS4ZUQDARwGM%2BG7uig6r5iLAJMWOsCSKZhCt00hhznmep4q7hwmqfILN2dc3qR","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥320","priceAmount":320.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"320","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"XMCIA7ZUAschBro0Sl1vCJqo8kRXW2wGoB0egyVNC44HivfoO4xPh9qEnyxlkgmTz%2FmufeE7jKOOFGQEyyQ6OCzTmGuuZlLXhgoKjXcjJyNNyw%2FA%2FXiEMdSnoHex0usLdv3vwBcgrpvsqVTQC6Z0azUz9ormU4D1hQkzcheE34GOtoQfRiL7bQ%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
世界を救うための経済学的「正解」とは何か。
地球温暖化、感染症の蔓延、水や食糧問題、内戦、教育格差、飢餓、独裁政治、人口増加……。どれだけ金をつぎこんでもむくわれない問題とわずかなコストで劇的成果をあげられる問題がある。気鋭の経済学者たちが提言する世界的危機への解決策。
地球温暖化、感染症の蔓延、水や食糧問題、内戦、教育格差、飢餓、独裁政治、人口増加……。どれだけ金をつぎこんでもむくわれない問題とわずかなコストで劇的成果をあげられる問題がある。気鋭の経済学者たちが提言する世界的危機への解決策。
- 本の長さ235ページ
- 言語日本語
- 出版社バジリコ
- 発売日2008/11/7
- ISBN-104862381170
- ISBN-13978-4862381170
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
1965年生まれ。ビョルン・ロンボルグはコペンハーゲン・ビジネススクール助教授兼コペンハーゲン・コンセンサス・センター・ディレクター。論議を呼んだベストセラー『環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態』(文藝春秋)の著者でもある。2004年には、タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。
登録情報
- 出版社 : バジリコ (2008/11/7)
- 発売日 : 2008/11/7
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 235ページ
- ISBN-10 : 4862381170
- ISBN-13 : 978-4862381170
- Amazon 売れ筋ランキング: - 156,956位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2008年11月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2009年1月2日に日本でレビュー済み
世界のためにあと五〇〇憶ドル使えるとしたら、どの問題から
解決するべきか?この問いに対して、経済学的な費用・便益に
焦点を絞り、論じていく本です。
本書は、2004年5月24日〜28日に多くの経済学者が参加して
開催された国際会議「コペンハーゲン・コンセンサス」の要約版。
世界が抱える10の深刻な問題に対する分析と対策を経済的な観
点から論じ、批判的な評価を加え、そして、経済的な費用と便
益を判断指針として優先すべきランクをつけていきます(ランク
つけのプロセスの記述が少ないのが残念です)。
マスコミでは、年金は大事、雇用対策も大事、教育ももちろん大事
・・・というけど、「じゃあ予算は?」となると「税金の無駄をなくせ
ばいい」で思考が停止していると感じる日々です。そんな中で、
使える資源が限られているという仮定から議論がスタートする所に
新鮮さを感じました。
「全く違う種類の問題に順位をつけるのは無責任じゃないのか?」
この疑問に対して本書は答えます、「議論しないからといって
優先順位の決定がなくなるわけではない。背後にある意思決
定プロセスが見えにくくなるだけだ。だから、優先順位決定
に関する議論は行うべきなのだ」、と。
本書の中には、議論として偏っていると感じる点もあります。
倫理面から見て適切な判断なのか疑問な点もあります。でも、
難しい問題だからといって、思考停止せず、考えつづけるべき
だと読者一人一人に感じさせてくれる本です。
解決するべきか?この問いに対して、経済学的な費用・便益に
焦点を絞り、論じていく本です。
本書は、2004年5月24日〜28日に多くの経済学者が参加して
開催された国際会議「コペンハーゲン・コンセンサス」の要約版。
世界が抱える10の深刻な問題に対する分析と対策を経済的な観
点から論じ、批判的な評価を加え、そして、経済的な費用と便
益を判断指針として優先すべきランクをつけていきます(ランク
つけのプロセスの記述が少ないのが残念です)。
マスコミでは、年金は大事、雇用対策も大事、教育ももちろん大事
・・・というけど、「じゃあ予算は?」となると「税金の無駄をなくせ
ばいい」で思考が停止していると感じる日々です。そんな中で、
使える資源が限られているという仮定から議論がスタートする所に
新鮮さを感じました。
「全く違う種類の問題に順位をつけるのは無責任じゃないのか?」
この疑問に対して本書は答えます、「議論しないからといって
優先順位の決定がなくなるわけではない。背後にある意思決
定プロセスが見えにくくなるだけだ。だから、優先順位決定
に関する議論は行うべきなのだ」、と。
本書の中には、議論として偏っていると感じる点もあります。
倫理面から見て適切な判断なのか疑問な点もあります。でも、
難しい問題だからといって、思考停止せず、考えつづけるべき
だと読者一人一人に感じさせてくれる本です。
2012年4月21日に日本でレビュー済み
世界のためにあと500億ドル使えるとしたらどの問題から解決するべきか? というコペンハーゲン・コンセンサスの要約。
議論の題目は、地球温暖化、感染症、内戦、教育の欠如、政治腐敗、飢餓と栄養不足、人口と移住、水、貿易障壁。
彼らの提言は、HIV/エイズに270億ドル、栄養失調と飢餓対策に120億ドル、貿易障壁の削減(あまりお金はかからない)、マラリアに100億ドル、といった具合だ。
さて、よくある疑問としてはこうだろう、つまり「全部やるべきでは?」「気候変動だって大事でしょ?」「問題に優劣をつけるなんて倫理的にむにゃむにゃ」
しかし、コペンハーゲン・コンセンサスはそもそも「世界にはあまりに多くの問題が山積しているので、すべてを直ちに解決するための資源がない」という前提から出発している。そこで、それぞれの問題解決に要する費用と、そこから生じる便益に的を絞って議論している。
これだけ多岐に渡る諸問題を、費用・便益を尺度にして(まがりなりにも、と譲歩をつけるにしても)優先順位を議論できるという経済学の効能を表す例である。各題目についての基調論文のあとに、それぞれの反論も載せられていて議論を深めている。
議論の題目は、地球温暖化、感染症、内戦、教育の欠如、政治腐敗、飢餓と栄養不足、人口と移住、水、貿易障壁。
彼らの提言は、HIV/エイズに270億ドル、栄養失調と飢餓対策に120億ドル、貿易障壁の削減(あまりお金はかからない)、マラリアに100億ドル、といった具合だ。
さて、よくある疑問としてはこうだろう、つまり「全部やるべきでは?」「気候変動だって大事でしょ?」「問題に優劣をつけるなんて倫理的にむにゃむにゃ」
しかし、コペンハーゲン・コンセンサスはそもそも「世界にはあまりに多くの問題が山積しているので、すべてを直ちに解決するための資源がない」という前提から出発している。そこで、それぞれの問題解決に要する費用と、そこから生じる便益に的を絞って議論している。
これだけ多岐に渡る諸問題を、費用・便益を尺度にして(まがりなりにも、と譲歩をつけるにしても)優先順位を議論できるという経済学の効能を表す例である。各題目についての基調論文のあとに、それぞれの反論も載せられていて議論を深めている。
2011年8月25日に日本でレビュー済み
もはやクライメートゲート事件によりCO2温暖化論懐疑が常識となった今、やや本書を読む興味も半減するところであるが、04年に世界の経済学者が集結して行われたコペンハーゲンコンセンサスで検討された「世界はどの問題から手をつけるべきか」についての結論を簡潔にまとめた書。
今となっては、温暖化対策が最下位となっていることは常識的判断なのだろうが、当時としては画期的なことだったろう。
そして、感染症対策こそが世界が取り組むべき課題の先頭だということが、明らかにされている。
ただし、本書の巻末には課題としての「金融の不安定性」については討議をしたが結論が出なかったことが付記されている。これは興味深い。複雑かつ不確実性が高いとして判断を見送ったのだ。
もしかすると、最も取り組むべき課題だったのかも知れないが、今の経済学では対処不可能ということなのだろう。それは故マンデルブロが 禁断の市場 フラクタルでみるリスクとリターン で述べていたことではあるが。
今となっては、温暖化対策が最下位となっていることは常識的判断なのだろうが、当時としては画期的なことだったろう。
そして、感染症対策こそが世界が取り組むべき課題の先頭だということが、明らかにされている。
ただし、本書の巻末には課題としての「金融の不安定性」については討議をしたが結論が出なかったことが付記されている。これは興味深い。複雑かつ不確実性が高いとして判断を見送ったのだ。
もしかすると、最も取り組むべき課題だったのかも知れないが、今の経済学では対処不可能ということなのだろう。それは故マンデルブロが 禁断の市場 フラクタルでみるリスクとリターン で述べていたことではあるが。
2010年3月14日に日本でレビュー済み
各論の優先順位を付けるというありそうでなかった試みである。
反論も載っているので多角的に考えることができる。
しかし、この本の目的は一言で言えば「啓蒙」ということだと思うが、その目的をより効果的に達成するためには新書で出版した方が良い。
中身が経済学的観点からより効果的な政策はどれかという議論が行われているにも関わらず、本自体が割高で、それによって読者が減ってしまうのでは経済学的観点から見て全く不合理であろう。
反論も載っているので多角的に考えることができる。
しかし、この本の目的は一言で言えば「啓蒙」ということだと思うが、その目的をより効果的に達成するためには新書で出版した方が良い。
中身が経済学的観点からより効果的な政策はどれかという議論が行われているにも関わらず、本自体が割高で、それによって読者が減ってしまうのでは経済学的観点から見て全く不合理であろう。
2010年8月9日に日本でレビュー済み
いわゆる「地球規模の問題」に対して、使える資金での最適なアプローチは何か、
というのがテーマのこの本。
倫理的な批判もあるのかも知れないけど、
理性的に考察する時に、科学や数学は有効なツールだ。
倫理ではココロは救えるかもしれないけれど、
身体を救うのにはより強力なツールが必要になる。
そろそろ問題提起より解決に
ココロでなくアタマを使おうという導きの為の「費用・便益」のお話。
ココロにとどまりたいヒトは、
「温暖化防止イベント」にて温室効果ガスを沢山だして溜飲を下げれば大丈夫。
そう、実は大丈夫なんだし・・・・・・・。
いわゆる「地球規模の問題」に対して、使える資金での最適なアプローチは何か、
というのがテーマのこの本。
倫理的な批判もあるのかも知れないけど、
理性的に考察する時に、科学や数学は有効なツールだ。
倫理ではココロは救えるかもしれないけれど、
身体を救うのにはより強力なツールが必要になる。
そろそろ問題提起より解決に
ココロでなくアタマを使おうという導きの為の「費用・便益」のお話。
ココロにとどまりたいヒトは、
「温暖化防止イベント」にて温室効果ガスを沢山だして溜飲を下げれば大丈夫。
そう、実は大丈夫なんだし・・・・・・・。