"どっちにせよ残るものは残る。残らないものは残らない。京都人だけが知っている。京都は京都がそうなりたいようにしかならない都市である"2009年発刊の本書は京都・西陣生まれにして、現ロンドン在住の著者によるエモーショナル&エキセントリックな京都エッセイ。
個人的には京都に関する本は手当たり次第に読んでいる中で、京都ブームの火付け役にもなったらしい?本書も手にとりました。
さて、そんな本書は著者いわく(食のクオリティを例外として)"より理想的な京都"として英国に住む著者が【京都追放は覚悟のうえである】と"わっと咲いて、わっと散る"人工的なソメイヨシノの花見では京都人はだめなのだ"から始まり、おばんざいや水、喫茶店につけもの他【よそさんが描く的外れな京都】とは違う京都について、京都人らしからぬ饒舌さで語っているのですが。
まず、やはり【語る人の数だけ存在しているような京都】ですが。本書は西陣の髪結いの長男に生まれ"生粋の京都人"を自称する【著者から見た京都について】常に外の世界から来た乱入者により幾度も壊滅的な打撃を受けてきたからこそ"よそさんの明文律"に対して【自分たちの不文律】を創りあげていったと【観光旅行ではわからない】レイヤーが多層にわたっている京都について。自由に紹介しているのですが。生活者の1人として、苦笑しつつも色々と頷かされる部分がやはり多かったです。
一方で、とはいえ。本書で描かれているのはあくまで【著者の主観的な捉え方が軸になっている】ので。京都以外に住む人が本書を読んで正解として捉える必要が全くないのは言うまでもなく、外から来た【観光客の誤配】により確信犯的に増幅され拡散されるイメージも京都であるのは間違いない。とあらためて確認するような気持ちにもなったり。
京都好きな誰か。あるいは京都に何かしら縁がある、あった方々にオススメ。
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京都人だけが知っている 文庫 – 2006/2/1
入江 敦彦
(著)
- 本の長さ252ページ
- 言語日本語
- 出版社洋泉社
- 発売日2006/2/1
- ISBN-104862480020
- ISBN-13978-4862480026
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登録情報
- 出版社 : 洋泉社 (2006/2/1)
- 発売日 : 2006/2/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 252ページ
- ISBN-10 : 4862480020
- ISBN-13 : 978-4862480026
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,177,706位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 6位洋泉社文庫
- - 7,026位国内旅行ガイド (本)
- - 7,252位地理・地域研究 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年6月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
また読みたくなったので購入しました。そこそこ当たってるけど、う~ん?な感じもあり、どう取るかはあなた次第!という感じです
2016年6月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
母に頼まれて購入。
京都人が読んだらきっと苦笑いでしょうね。
たしかに当たっているところあるので。
京都人が読んだらきっと苦笑いでしょうね。
たしかに当たっているところあるので。
2006年11月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私も京都人なので、内容には確かにそうだと共感するところは多いです。
でも読み物として面白いかな〜というのが正直な感想です。
新聞の記事を読んでるような、もっというと論文を読んでるような、ちょっと無機質な感じです。
でも読み物として面白いかな〜というのが正直な感想です。
新聞の記事を読んでるような、もっというと論文を読んでるような、ちょっと無機質な感じです。
2014年10月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読みながら、読むうちに 調べたいことをググって、地図や関心ごとが深まると なんとも不思議な怖いもの見たさに似た感じの京都の引き出しが開いていくような感じ。
2010年6月3日に日本でレビュー済み
初めて入江さんのご本を買いました。購読者は京都のお方が多いでしょうね。
読ませてもろうて、私は恐らく入江さんとどこかですれ違ったことがあるかもしれへんほど年代も育ちも
お近くさんのようです。
どこにでも同郷意識はあるのでしょうが、その中の京都をきれいごとやのう、書いてあると思います。
特に最後のほうで持論をおっしゃってますが、「吉本や変なお笑いはうちらへんの人は嫌い」とか
真ん中の人以外は京都??ってところは正に「その通り!!」と心の中で拍手したくなります。
観光客の方むけの美辞麗句ではないところが、私らには共感できました。
あとは個人的にというか、私の育ちは西陣ですけど、母は室町の呉服屋の生まれ育ちです。
母らは「京都人」とう言葉が嫌やわーーと言うておりましたけど。
読ませてもろうて、私は恐らく入江さんとどこかですれ違ったことがあるかもしれへんほど年代も育ちも
お近くさんのようです。
どこにでも同郷意識はあるのでしょうが、その中の京都をきれいごとやのう、書いてあると思います。
特に最後のほうで持論をおっしゃってますが、「吉本や変なお笑いはうちらへんの人は嫌い」とか
真ん中の人以外は京都??ってところは正に「その通り!!」と心の中で拍手したくなります。
観光客の方むけの美辞麗句ではないところが、私らには共感できました。
あとは個人的にというか、私の育ちは西陣ですけど、母は室町の呉服屋の生まれ育ちです。
母らは「京都人」とう言葉が嫌やわーーと言うておりましたけど。
2004年11月1日に日本でレビュー済み
京都に住んでもう随分になるが、こんなに恐ろしいところだとは思わなかった。
本書の基本コンセプトは「よそさん」である。京都人は外来者をよそさんと呼んで排除する。単に力で押し返すわけではない。何とも言えない複雑でぞっとする方法を採るのだ。その排除の仕方が、さまざまな場面で克明に描き出される。おばんざい、水、喫茶店など11項目にわたり、京都人の京都人らしさが暴露されている。
踏み込んではいけないこと、気付かなければいけないことなど、実に勉強になった。これを参考に、これからは穏便に京都で暮らしていきたいと思う。
本書の基本コンセプトは「よそさん」である。京都人は外来者をよそさんと呼んで排除する。単に力で押し返すわけではない。何とも言えない複雑でぞっとする方法を採るのだ。その排除の仕方が、さまざまな場面で克明に描き出される。おばんざい、水、喫茶店など11項目にわたり、京都人の京都人らしさが暴露されている。
踏み込んではいけないこと、気付かなければいけないことなど、実に勉強になった。これを参考に、これからは穏便に京都で暮らしていきたいと思う。
2006年6月30日に日本でレビュー済み
京都在住の友人も推奨する1冊。観光客用に改竄されてない正しい評価と生粋の京都人の声が聞ける。観光ガイドなんかよりよっぽど信用出来る。