残念ながら、本書をもってファビュラス・バーカー・ボーイズは解散してしまった(一度、「再結成」したが)。面白い映画漫才を提供してくれていたから、惜しい。
2004年から2006年までの毒舌映画対談が収められている。「サンダーバード」から「ディパーテッド」まで網羅されている。
おそらく本書はFBBの3冊の本の中で最高の出来かもしれない。単純に、読んでいて面白いからだ(他の2冊がつまらん、と言いたいわけじゃありません)。様々な映画の見方を教えてくれるいい本だと思う。
「悪口を言いたくて言っているわけじゃない」とはウェイン町山さんの言葉。そりゃあ、そうだろう。「どろろ」「日本沈没(リメイク版)」「愛の流刑地」なんか、いったいどこをどう褒めていいかわからんだろう。私だって前述の3作を続けて見せられたら、スクリーンに放火したくなってしまうだろう。
さっきも書いたが、解散は惜しい。もっと続けて欲しかった。別に、「日本のシスケル&エバート」を意識する必要なんかなかったのではないか、とも思っている。
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ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判 3 (映画秘宝COLLECTION 37) 単行本(ソフトカバー) – 2007/2/26
- 本の長さ319ページ
- 言語日本語
- 出版社洋泉社
- 発売日2007/2/26
- ISBN-104862481256
- ISBN-13978-4862481252
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登録情報
- 出版社 : 洋泉社 (2007/2/26)
- 発売日 : 2007/2/26
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 319ページ
- ISBN-10 : 4862481256
- ISBN-13 : 978-4862481252
- Amazon 売れ筋ランキング: - 866,555位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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映画評論家、コラムニスト。1962年東京生まれ。早稲田大学法学部卒。宝島社社員を経て、洋泉社にて『映画秘宝』を創刊。現在カリフォルニア州バークレーに在住。TBSラジオ「たまむすび」レギュラー。週刊文春などにコラム連載中。映画評論の著作に『映画の見方がわかる本』『ブレードランナーの未来世紀』『トラウマ映画館』『トラウマ恋愛映画入門』など。アメリカについてのエッセイ集に『底抜け合衆国』『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』などがある。
1963年大阪府生まれ。東京大学工学部卒。雑誌編集者を経て英米文学翻訳家、映画評論家。特殊翻訳家として人のあまり手がけない本の翻訳に注力する。主訳書にアラン・ムーア、エディ・キャンベル『フロム・ヘル』(みすず書房)、ジーン・ウルフ『ケルベロス第五の首』(国書刊行会)、J・G・バラード『クラッシュ』(東京創元社)など。
映画評論家としては〈映画秘宝〉などで執筆。『興行師たちの映画史』(青土社)など。欧米の殺人事件に精通し、洋泉社ムック〈Murder Watcher〉シリーズの責任編集をつとめる。その他サブカル全般。
カスタマーレビュー
星5つ中4.6つ
5つのうち4.6つ
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年2月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2007年3月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
宝島本ハリウッドの真実から…何年かもうどうでもいいや(笑)
数々の映画をぶった切ってきたFBBの映画秘宝での連載を収録した最後の巻です。
加筆がかなりあり、連載を読んでた方も再度読み返して楽しめるでしょう。
読んでみると…お終いにするのが理解できます。
まず内容の通り、町山が映画を観てない!柳下が観てるけど邦画の割合が多すぎる!
いい加減飽きてきたっぽい感じがにじみ出てますよ。
まあ実際、感銘を受ける映画が少ない昨今、突っ込む為に2時間以上も下らない作品を観るのは苦痛でしょう…私もキングコングの3時間半(特別版)は苦行だった。
最後ににしてはマンネリと怠惰な感じがしますが、また半期に1度くらい復活するだろうからその期待を込めて星4つにします。
数々の映画をぶった切ってきたFBBの映画秘宝での連載を収録した最後の巻です。
加筆がかなりあり、連載を読んでた方も再度読み返して楽しめるでしょう。
読んでみると…お終いにするのが理解できます。
まず内容の通り、町山が映画を観てない!柳下が観てるけど邦画の割合が多すぎる!
いい加減飽きてきたっぽい感じがにじみ出てますよ。
まあ実際、感銘を受ける映画が少ない昨今、突っ込む為に2時間以上も下らない作品を観るのは苦痛でしょう…私もキングコングの3時間半(特別版)は苦行だった。
最後ににしてはマンネリと怠惰な感じがしますが、また半期に1度くらい復活するだろうからその期待を込めて星4つにします。
2008年1月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本当にいい映画とは何か?という大問題をこの1冊で解決できると思います。
これが気に入れば1と2も読まずにはいられなくなるでしょう。
とにかく、笑いっぱなしで読める本です。
これが気に入れば1と2も読まずにはいられなくなるでしょう。
とにかく、笑いっぱなしで読める本です。
2007年3月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
初めてファビュラス・バーカー・ボーイズの漫才風映画放談を見たのは『地獄のハリウッド』(洋泉社)でした。色々な宝島社系の映画ムックで読み続けてはや十年以上、映画配給会社に殺されるのでは?という単行本も三冊目になりました。喜び勇んで購入したら何とコンビ解散宣言。「いつの間にか年月が経っていたんだな」と感慨ひとしおです。
そし今回ですが、いつもの様に舌鋒鋭くぶった斬る町山節とまめに諸情報を集める勤勉な柳下的論説は見事で、最後までスピードダウンすることはありませんでした。前二著で充分その魅力は伝わることと思うのですが、改めてこの本の良さを語るとすると「駄目なものを駄目と愛情を持って断罪する」ことと「業界ゴシップや関連作品との比較がシャワーのように浴びせられ、なぜその映画がそうであるのか、ということを浮き彫りにする」という点に尽きると思うのです。浅薄な映画ファンには耳が痛いし腹立たしいコメントばかり並んでいるように見えますが、ある程度良い映画を見て今の大作映画に違和感を持っている階層には痛快極まりありません。ダメなのはなぜか、どこが去勢されてつまらなくなったのかについて明確に語ってくれますし、『スター・ウォーズ』シリーズのようなメジャー作品の暗部も語って実に深遠です。
そして作家性やこだわりを残した作品にはきちんとした評価を下します。本書では『キングコング』や『Mr.インクレディブル』等ですが、それだけでなく過去の名作・知られざる映画に敬意を表するという点で一本筋が通っており、実に読ませます。まだまだ彼らに斬って欲しい映画が沢山あります(『ドリームガールズ』の戸田奈津子字幕には心底腹が立った)が、元ネタ「ウェインズワールド」のことすらほとんどの人が分からなくなった今日、良い契機だったのでしょう。彼らの映画魂を何とか継承して私もカスタマー・レビューを作成していきたいものです。
そし今回ですが、いつもの様に舌鋒鋭くぶった斬る町山節とまめに諸情報を集める勤勉な柳下的論説は見事で、最後までスピードダウンすることはありませんでした。前二著で充分その魅力は伝わることと思うのですが、改めてこの本の良さを語るとすると「駄目なものを駄目と愛情を持って断罪する」ことと「業界ゴシップや関連作品との比較がシャワーのように浴びせられ、なぜその映画がそうであるのか、ということを浮き彫りにする」という点に尽きると思うのです。浅薄な映画ファンには耳が痛いし腹立たしいコメントばかり並んでいるように見えますが、ある程度良い映画を見て今の大作映画に違和感を持っている階層には痛快極まりありません。ダメなのはなぜか、どこが去勢されてつまらなくなったのかについて明確に語ってくれますし、『スター・ウォーズ』シリーズのようなメジャー作品の暗部も語って実に深遠です。
そして作家性やこだわりを残した作品にはきちんとした評価を下します。本書では『キングコング』や『Mr.インクレディブル』等ですが、それだけでなく過去の名作・知られざる映画に敬意を表するという点で一本筋が通っており、実に読ませます。まだまだ彼らに斬って欲しい映画が沢山あります(『ドリームガールズ』の戸田奈津子字幕には心底腹が立った)が、元ネタ「ウェインズワールド」のことすらほとんどの人が分からなくなった今日、良い契機だったのでしょう。彼らの映画魂を何とか継承して私もカスタマー・レビューを作成していきたいものです。
2007年4月1日に日本でレビュー済み
ガースこと柳下毅一郎とウェインこと町山智浩のFBBコンビがおくる映画メッタ斬り談義もこれで打ち止め。二人が映画に関する狂気ともいえるほどの博覧強記ぶりを発揮しつつ繰り広げる罵詈雑言を私はこれまでの二著作で大いに楽しんできましたが、もうその毒舌ぶりに触れられないかと思うととても寂しい気持ちにとらわれます。
本書で印象的だったのは、最近の映画に過剰な語りがあるという指摘です。大ヒット邦画「三丁目の夕日」では、登場人物たちがやたらと心情を吐露する点を揶揄しています。「どうも監督は『全部セリフでわかりやすく説明してやらなきゃ観客にはわからないんだ』と信じてるみたい」(212頁)と見抜いています。映画は映像で語るべきものであるはずなのに、役者の目線や仕草などいくらも表現の工夫はあるはずなのに、最も安易な手法にとびつく点を二人はしかりつけるのです。
こうした語りの過剰さは邦画に限ったことではなく、オスカー受賞作「クラッシュ」でも説明的なセリフが連打されていることに改めて読者の目を向けさせます。限られた上映時間内にあれだけの数の登場人物をまぶした群像劇を仕立てるとなると、セリフに寄りかかって短時間に情報処理せざるをえないのでしょう。サンドラ・ブロックがヒスパニック系の鍵屋に聞こえよがしに差別的発言をする場面に、私もその過剰さを感じて鼻白む思いをしたことを記憶しています。
また映画がテレビの延長になってしまった点を、諦めの念とともに語りあう二人の姿も心に留まりました。「愛ルケ」や「大奥」といったテレビドラマの劇場版がもてはやされている状況を前に「せめて映画評論家はこういうダメな映画を時代の『現象』として観ておかないと。よくできた映画は少数派であって、ダメなのに客が入る映画のほうが今の時代や大衆を象徴しているんだから」(318頁)と、自分自身に檄を飛ばす柳下の姿がまぶしく見えました。
本書で印象的だったのは、最近の映画に過剰な語りがあるという指摘です。大ヒット邦画「三丁目の夕日」では、登場人物たちがやたらと心情を吐露する点を揶揄しています。「どうも監督は『全部セリフでわかりやすく説明してやらなきゃ観客にはわからないんだ』と信じてるみたい」(212頁)と見抜いています。映画は映像で語るべきものであるはずなのに、役者の目線や仕草などいくらも表現の工夫はあるはずなのに、最も安易な手法にとびつく点を二人はしかりつけるのです。
こうした語りの過剰さは邦画に限ったことではなく、オスカー受賞作「クラッシュ」でも説明的なセリフが連打されていることに改めて読者の目を向けさせます。限られた上映時間内にあれだけの数の登場人物をまぶした群像劇を仕立てるとなると、セリフに寄りかかって短時間に情報処理せざるをえないのでしょう。サンドラ・ブロックがヒスパニック系の鍵屋に聞こえよがしに差別的発言をする場面に、私もその過剰さを感じて鼻白む思いをしたことを記憶しています。
また映画がテレビの延長になってしまった点を、諦めの念とともに語りあう二人の姿も心に留まりました。「愛ルケ」や「大奥」といったテレビドラマの劇場版がもてはやされている状況を前に「せめて映画評論家はこういうダメな映画を時代の『現象』として観ておかないと。よくできた映画は少数派であって、ダメなのに客が入る映画のほうが今の時代や大衆を象徴しているんだから」(318頁)と、自分自身に檄を飛ばす柳下の姿がまぶしく見えました。
2007年6月22日に日本でレビュー済み
えーッと、『映画欠席裁判』シリーズは今回初めての新参者です。ウェインさんの本は何冊か拝読してて、尊敬してます(ガースさんの本は評判になった『興行師たちの映画史』を積ン読しました)。このシリーズにも前から興味があったんですが、本屋に行くたびに書棚の前をウロウロし、引っ張り出してはまた戻す、を繰り返してました。ナンかただのバカ話じゃないか、値段に見合う内容あるのか、という疑念が拭えなかったんですね。プチブルのセコさとお笑いください。
えーッと、それで今回とうとう読ませていただいたんですが、ナンだよ、いきなり最終巻かよ! …ま、それは措いて、しかし予想を遥かに超えるバカ話でしたね。これを読んでも、金儲けの足しにはなりません。
しかし、ここまでバカ話に徹するって、スゴイですよね。だって、地雷原を走り抜けるのと同じでハンパに意味深な話題は全部スルーするワケですから、これはものすごく鼻が利かなきゃ出来ない芸当ですからね。あと、ジョークがキツい(笑)。
ところで、ガースさん、Yoshi原作の映画『Dear Friends ディアフレンズ』は、いかがでしたか? 私はあれ、結構いい映画だと思ったんですが…
えーッと、それで今回とうとう読ませていただいたんですが、ナンだよ、いきなり最終巻かよ! …ま、それは措いて、しかし予想を遥かに超えるバカ話でしたね。これを読んでも、金儲けの足しにはなりません。
しかし、ここまでバカ話に徹するって、スゴイですよね。だって、地雷原を走り抜けるのと同じでハンパに意味深な話題は全部スルーするワケですから、これはものすごく鼻が利かなきゃ出来ない芸当ですからね。あと、ジョークがキツい(笑)。
ところで、ガースさん、Yoshi原作の映画『Dear Friends ディアフレンズ』は、いかがでしたか? 私はあれ、結構いい映画だと思ったんですが…
2007年4月19日に日本でレビュー済み
あまり大きな声では言えないが、今、最も発売日が待ち遠しい映画雑誌(笑)「映画秘宝」を、いつも後ろから読み始めるコアな者にとって、ウエイン&ガースコンビによる“FBB”は、いつも楽しく読ませてもらっていた。今回で一応連載が終了し、それに併せて3冊目となる単行本もこれにて打ち止めとなるのは、ちょっと淋しい。でも、10年も続いたんだよね、本当に押しも押されぬ人気シリーズだったんだ。ジャンク映画、B、C級映画への過剰な愛、映画オタクとしての博覧強記ぶり、ハリウッドの超大作や世評高い良心作も、自らの尺度で、カスなものはカスと斬り捨てる潔さ。「宝島」の名編集者として80年代サブ・カルチャーをひっぱり、現在はアメリカ在住で現代社会風俗史に詳しいウエイン・町山智浩と、翻訳家にして気鋭の映画研究者ガース・柳下毅一郎。今作も、その絶妙のコンビネーションからくる破壊的なツッコミの応酬の中繰りひろげられる、どうにも無責任極まりないその裏目読みに爆笑したり、洒落のキツさに思わず引いてしまったり、与太話の合間に瞬時顔を覗かせるインテリジェンスな洞察力の鋭さにムムッと唸ってしまったり、と存分に楽しませてくれる。個人的には、これまた伝説の「写真時代」(笑)に連載されていた平岡正明&上杉清文の「天覧思想大相撲」に続く過激な放談集と評価したいのだが、最後の最後に語られる“映画界”の現状をいつになく真面目に語る2人の会話は、映画ファンとしての切実さとホンネが窺えて、同感の思いと共に、胸が熱くなる。