「はじめに」だけでグイグイ引き込まれます。曰く、テレビドラマで取り上げられる合戦のシーンや、合戦の屏風絵などをみても、柵に使われる木材は大量です。このほか主力の武器であるヤリの柄も木製(あるいは竹製)ですし、鉄砲をつくるのにも炭が必要です。さらには旗指物には竹が使われますし、夜になれば篝火が焚かれる。
《このように合戦を行うには大量の木や竹が必要であり、戦国時代には森林や竹林の伐採が盛んに行われた。だが、無制限に伐採を行うと森林資源が枯渇し、合戦を続けていくことが困難になっていく。そのため、過度な伐採をしないように、森林資源を管理する必要がある。合戦を行う主体である戦国大名はこうした点に気を配らなければならなかったである》
素晴らしい。気がつかなかったな…。こうした森林利用と保護の"環境マネジメント"を、主に北条氏の文献を中心にみていくのが本書ですが、栗は生長が早い反面堅く長持ちし、腐りにくい性質がある(p.31)なんてあたりの指摘もいいなぁ。網野善彦さんが、日本の歴史家はもっと栗の木について知らなければならないとどこかで書いていましたが、改めて栗と日本の歴史に想いを致します。
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軍需物資から見た戦国合戦 (新書y 194) 新書 – 2008/5/1
盛本 昌広
(著)
ダブルポイント 詳細
- 本の長さ222ページ
- 言語日本語
- 出版社洋泉社
- 発売日2008/5/1
- ISBN-104862482724
- ISBN-13978-4862482723
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登録情報
- 出版社 : 洋泉社 (2008/5/1)
- 発売日 : 2008/5/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 222ページ
- ISBN-10 : 4862482724
- ISBN-13 : 978-4862482723
- Amazon 売れ筋ランキング: - 426,955位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2009年12月10日に日本でレビュー済み
戦国時代に軍事物資としての竹の有益性を再認識させられた本でした。
また、大量に消費される木材に枯渇する資源。
当時の日本人たちが植林によって樹木の再生産をしていたことも
わかり、現在日本が砂漠化していたり、禿山が散乱していないのも
当時の人たちの努力の集積があったのだなあと非常に興味深く
拝見しました。非常に面白い本でした。
また、大量に消費される木材に枯渇する資源。
当時の日本人たちが植林によって樹木の再生産をしていたことも
わかり、現在日本が砂漠化していたり、禿山が散乱していないのも
当時の人たちの努力の集積があったのだなあと非常に興味深く
拝見しました。非常に面白い本でした。
2008年6月22日に日本でレビュー済み
タイトルの示す領域に比べ、中味は「戦国時代の関東を中心とした草木資源」とかなり狭くなりますが、面白く読めました。
戦乱が続くことにより、多くの木が切り出され植生が変化していく様子やその対策など古人の知恵や環境への配慮、あるいは現在の景色がこの時代の環境破壊に起因することなど、多くの古文書をあたり、紹介しています。また当時から植林のための苗木が売買されていたというのは驚きでした。
「環境史」という学問の分野があるそうですが、なるほどこういったことを研究しているのかと納得しました。
戦乱が続くことにより、多くの木が切り出され植生が変化していく様子やその対策など古人の知恵や環境への配慮、あるいは現在の景色がこの時代の環境破壊に起因することなど、多くの古文書をあたり、紹介しています。また当時から植林のための苗木が売買されていたというのは驚きでした。
「環境史」という学問の分野があるそうですが、なるほどこういったことを研究しているのかと納得しました。
2008年10月19日に日本でレビュー済み
戦国時代における森林資源の戦略的重要性を追求にしたとても珍しい戦国時代本です。従来の戦国時代本のような「合戦!合戦!また合戦!」というような構成ではなく、後北条家の山林原野管理行政を丹念に記述していきます。
この本を読むと、戦国時代の山林原野は現代の石油と同様の戦略資源であったということが理解できます。
【おススメな人】戦国時代の新たな側面を発見したい方
この本を読むと、戦国時代の山林原野は現代の石油と同様の戦略資源であったということが理解できます。
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