よくまとまっていて、外面的な調査は良くされている。
いかにも、金融屋の分析レポートだなと思う。
まるで、大学生の(優れた)卒業論文のようだ。
しかし、全く、伝わってくるものがない。
「日本「半導体」敗戦」と好対照だと言ってもよい。
誤解を恐れずに言わせていただければ、行儀はいいが、「大変商法」の変種にすぎないといってもいい。
現実は、そんなに単純ではない。
製品グループごとに再編した電機メーカーは成功しているだろうか?
本体から切り離した半導体メーカーは成功しただろうか?(東芝とルネサスはどっちが成功?)
切り離された半導体メーカー同士が合体して成功しているだろうか?(ルネサスは成功したか?)
国内メーカーが水平分業したら、即、成功するか?
その業界にいる人なら、問題は組織論で解決できる話ではなかったのはわかるはず。
外から見たコンサルタントや証券会社の総合研究所のうすっぺらいアドバイスで、ずいぶんと電機業界は荒らされた。
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日本の電機産業に未来はあるのか (洋泉社BIZ) 単行本(ソフトカバー) – 2009/3/19
若林 秀樹
(著)
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◎業界を20年以上見続けてきた
No.1辛口アナリストが、
電機総崩れの状況を憂慮し、緊急提言!
09年以降に起きる驚くべきシナリオとは?
日立、東芝、三菱電機、NEC、富士通、エルピーダメモリ、
パナソニック、シャープ、ソニー、キヤノンなど……
主要企業を個別に分析!
電機業界の「失われた10年」を総括しつつ、
2010年以降の中期動向を見通し、
避けられない業界再編の見取り図を公開する!
【はじめに】より
90年代後半から2000年にかけて、日本の電機業界は、
米国の復活、韓国台湾の勃興などにより、凋落の一途を辿った。
日本企業の地位低下と共に、厳しい業績見通しのレポートを書くことが多くなり、
経営に対して辛辣なコメントも出した。
そうしてついに、「辛口アナリスト」とまでいわれるようになった。
レポートなどを通じて、幾度となく提言したり、表に裏に、
日本の電機業界復権のために、微力ながら頑張ったつもりだったが、
悲しいかな、現役の証券アナリストとして電機業界復活というレポートを
書くことはできなかった。
そしてようやく、いくつかの企業に本当に復活の兆しが見えてきたのは、
06年以降であった。
しかし、足元の急速な業績の悪化を前に、こうした復活は本物だったのだろうか、
と自問せずにいられない。
それは所詮、米の土地バブル、サブプライムバブルと欧州のユーロ安に
支えられた浮草だったのか。疾風に勁草(けいそう)を知るという。
今回の長い好景気サイクルが終わりを告げた現在、改めて電機業界について、
その真価を再考すべきときが来たようだ。
第1章 2009年、奈落の底に突き落とされた電機業界に光は差すのか
第2章 2010年以降の中期見通しと避けられない構造変化
第3章 電機業界の「失われた10年」を総括し、今後の業界再編を占う
第4章 技術はどのように発展するか、それはどのように予測できるか
第5章 主要なエレクトロニクス企業の紹介
No.1辛口アナリストが、
電機総崩れの状況を憂慮し、緊急提言!
09年以降に起きる驚くべきシナリオとは?
日立、東芝、三菱電機、NEC、富士通、エルピーダメモリ、
パナソニック、シャープ、ソニー、キヤノンなど……
主要企業を個別に分析!
電機業界の「失われた10年」を総括しつつ、
2010年以降の中期動向を見通し、
避けられない業界再編の見取り図を公開する!
【はじめに】より
90年代後半から2000年にかけて、日本の電機業界は、
米国の復活、韓国台湾の勃興などにより、凋落の一途を辿った。
日本企業の地位低下と共に、厳しい業績見通しのレポートを書くことが多くなり、
経営に対して辛辣なコメントも出した。
そうしてついに、「辛口アナリスト」とまでいわれるようになった。
レポートなどを通じて、幾度となく提言したり、表に裏に、
日本の電機業界復権のために、微力ながら頑張ったつもりだったが、
悲しいかな、現役の証券アナリストとして電機業界復活というレポートを
書くことはできなかった。
そしてようやく、いくつかの企業に本当に復活の兆しが見えてきたのは、
06年以降であった。
しかし、足元の急速な業績の悪化を前に、こうした復活は本物だったのだろうか、
と自問せずにいられない。
それは所詮、米の土地バブル、サブプライムバブルと欧州のユーロ安に
支えられた浮草だったのか。疾風に勁草(けいそう)を知るという。
今回の長い好景気サイクルが終わりを告げた現在、改めて電機業界について、
その真価を再考すべきときが来たようだ。
第1章 2009年、奈落の底に突き落とされた電機業界に光は差すのか
第2章 2010年以降の中期見通しと避けられない構造変化
第3章 電機業界の「失われた10年」を総括し、今後の業界再編を占う
第4章 技術はどのように発展するか、それはどのように予測できるか
第5章 主要なエレクトロニクス企業の紹介
- 本の長さ302ページ
- 言語日本語
- 出版社洋泉社
- 発売日2009/3/19
- ISBN-104862483879
- ISBN-13978-4862483874
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- 出版社 : 洋泉社 (2009/3/19)
- 発売日 : 2009/3/19
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 302ページ
- ISBN-10 : 4862483879
- ISBN-13 : 978-4862483874
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トップレビュー
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2010年2月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書のタイトルが、
「日本の電機産業の戦略や業績はこれまでどのように推移してきたのか」というものであれば、
この本のレビューは☆4つ以上をつけたと思います。
日本の主要電機産業35社程度に関して、特に総合電気メーカーや半導体メーカーに関して詳しく、
その業績の推移、事業構造やポートフォリオ、財務状況、経営陣の方針変化などについてここ20年程度の推移を順を追って詳しく分析しており、その意味において、非常によくまとめられた「過去の」業界レポートであると言えます。
金融出身の著者であることから、マクロ経済の分析やそれとの業績の関わりなどは非常に明快であり、
以上の点に関しては、一読の価値がある本かと思えます。
一方で、本書のタイトルであるところの「日本の電機産業に未来はあるのか」という点に関しては、
到底まともな答えを返しているとは思えず、正直言ってがっかりさせられました。
マクロ状況から予測できる短期的な未来については、多少の言及があるものの、
本来本書の中心であるべき「電機業界の構造変化〜中・長期を占う〜」という章ではITやエネルギー・環境、医療などがこれから伸びる分野である、と軽く触れるのみで、
特に自動車分野への参入可能性に関して言及した部分は知識不足も甚だしく、
自動車の製造や設計の現場をほぼ見聞きせずに書いたと思われる中途半端な記述が続き、
結局中長期的な見通しについては新聞等に書いてある以上の知見はほぼ得られませんでした。
まあ、編集者にいわれてやむを得ずにつけたタイトルなのかもしれませんが、
タイトルの問に対する答えに納得できなかったという意味で、☆2つをつけさせてもらいました。
「日本の電機産業の戦略や業績はこれまでどのように推移してきたのか」というものであれば、
この本のレビューは☆4つ以上をつけたと思います。
日本の主要電機産業35社程度に関して、特に総合電気メーカーや半導体メーカーに関して詳しく、
その業績の推移、事業構造やポートフォリオ、財務状況、経営陣の方針変化などについてここ20年程度の推移を順を追って詳しく分析しており、その意味において、非常によくまとめられた「過去の」業界レポートであると言えます。
金融出身の著者であることから、マクロ経済の分析やそれとの業績の関わりなどは非常に明快であり、
以上の点に関しては、一読の価値がある本かと思えます。
一方で、本書のタイトルであるところの「日本の電機産業に未来はあるのか」という点に関しては、
到底まともな答えを返しているとは思えず、正直言ってがっかりさせられました。
マクロ状況から予測できる短期的な未来については、多少の言及があるものの、
本来本書の中心であるべき「電機業界の構造変化〜中・長期を占う〜」という章ではITやエネルギー・環境、医療などがこれから伸びる分野である、と軽く触れるのみで、
特に自動車分野への参入可能性に関して言及した部分は知識不足も甚だしく、
自動車の製造や設計の現場をほぼ見聞きせずに書いたと思われる中途半端な記述が続き、
結局中長期的な見通しについては新聞等に書いてある以上の知見はほぼ得られませんでした。
まあ、編集者にいわれてやむを得ずにつけたタイトルなのかもしれませんが、
タイトルの問に対する答えに納得できなかったという意味で、☆2つをつけさせてもらいました。
2009年4月21日に日本でレビュー済み
ベテランアナリストだけに、若干アナリストレポート臭さ(笑)が残るが、しっかりした作りの良書だ。電機業界に興味のある人には、業界マップとしても価値があるだろう。漠然と大手電機というくくりでイメージしていたが、実は緩やかに群れが崩れつつあるというのが感想。結局は電機はいくつかの事業部ごとに解体再編され、重電などの一部の除き、水平分業体制に組み込まれるのだろう。
2009年3月25日に日本でレビュー済み
電機業界を20年以上見てきた経験ゆえの造詣の深さと、業界への愛情も感じられる本。電機業界関係者はもちろん、全く業界知識のない読者にも非常に分かりやすく、日本の主要産業の変遷や今後の展望は、日本の未来をうらなう上で参考となるであろう。
2010年4月15日に日本でレビュー済み
本当に辛口に書かれていて、志望度がちょっと下がった気もしますが、問題点・課題は先に知っておいたほうが良いと思う。良書。
ただ、ちょっと辛口なだけで終わってる個所もあった気がするので、星の数は減らす。
ただ、ちょっと辛口なだけで終わってる個所もあった気がするので、星の数は減らす。
2009年4月5日に日本でレビュー済み
日本は油と食料を輸入し、自動車と家電を輸出して成立している。ものづくりの中でも代表的な産業は自動車と電機である。この本は日本の電機産業について、産業構造から、過去からの成長の経過、コア商品と技術の経過と今後の展望、代表的な企業の行く末について、まったく予備知識のない人でもわかるよう簡明に説明していて、その情報量の豊富さと新鮮さにたいへん満足した。今後の経済、技術の変化の中で情報は次第に陳腐化するだろうが、ぜひこの著者の次の本も読んでみたいと思った。
2009年3月26日に日本でレビュー済み
業界関係者の読む本かと思いましたが、文系出身で知識のない私でも大変読みやすく、電機業界の基礎から応用までを理解するのにとても役立つ一冊でした。個人的には、注目されている電気自動車について書かれた箇所に、大変興味を持ちました。その他にも様々な観点から業界についてわかりやすく詳細に書かれており、一読の価値ある本でした。
2009年6月8日に日本でレビュー済み
本書は、電機業界についての辛口のアナリストである著者が、リーマンショック以降の苦境下にある電機業界の現状と課題そしてこれからの方向性について論じたものである。
それにしても、あのバブルの時代、日本の輸出産業の花形は電機と自動車であり、貿易黒字のほとんどを稼ぎ出していたのであるが、いまや電機業界には昔日の面影はない。
それは、デジタル化とともに進む水平分業に適合できずに、それまでの成功体験に基づいて縦割りにしがみつき、利益なき競争に明け暮れている日本メーカーの姿である。
本書は、近未来の日本の電機業界の姿を予測するとともに、新たに花開く製品群の可能性も探っているが、それまで必ずと言っていいほど日本の近未来の技術をぴたりと当ててきた著者によると残念ながら、これからの10年には予測できるものはないという。
いや、最強といわれる自動車でさえ、電気自動車となると構造が大幅に単純になり、大量生産が可能なモーターや電池であれば、水平分業が一気に進むと予測している。
残念ながら、これからの日本の電機産業は、よほどの荒療治をしない限り、長いトンネルに入ってしまうような気がしてならない。
加えて、自動車業界にも忍び寄ってくるのではと危惧がぬぐいきれない。
それにしても、あのバブルの時代、日本の輸出産業の花形は電機と自動車であり、貿易黒字のほとんどを稼ぎ出していたのであるが、いまや電機業界には昔日の面影はない。
それは、デジタル化とともに進む水平分業に適合できずに、それまでの成功体験に基づいて縦割りにしがみつき、利益なき競争に明け暮れている日本メーカーの姿である。
本書は、近未来の日本の電機業界の姿を予測するとともに、新たに花開く製品群の可能性も探っているが、それまで必ずと言っていいほど日本の近未来の技術をぴたりと当ててきた著者によると残念ながら、これからの10年には予測できるものはないという。
いや、最強といわれる自動車でさえ、電気自動車となると構造が大幅に単純になり、大量生産が可能なモーターや電池であれば、水平分業が一気に進むと予測している。
残念ながら、これからの日本の電機産業は、よほどの荒療治をしない限り、長いトンネルに入ってしまうような気がしてならない。
加えて、自動車業界にも忍び寄ってくるのではと危惧がぬぐいきれない。