中日新聞夕刊の「今週の本棚」で紹介され、興味をもったので購入。
親の死を隠し、年金を詐取する事件が全国相次いで起きた時、かの都知事は「日本の道徳心
もここまで落ちぶれたか」と嘆いたが、江戸時代でも普通に行われていたらしい。しかも誰も
が公然と。この著作は旗本大谷木醇堂が著した『醇堂叢稿』を元にしているが、醇堂の父も祖
父の死を伏せ、3千石(なんとおよそ3千人が1年に食べる米と同量)もの禄を何年にもわた
りせしめていた。
さらには、職場のイジメ、露骨な猟官運動、現在とは桁違いの役得、変わったところでは江
戸城内のトイレ事情などの実態が、明治30年まで生きた元旗本の目を通じて語られ興味深い。
かつて神坂次郎氏が『元禄御畳奉行の日記』で、尾張藩士から見た江戸時代の様子を克明に
描いてみせたが、これはその旗本御家人版といえよう。武士=忠義・清廉潔白のイメージを思
い浮かべるが、結局のところ、いつの世でも人間=組織人は変わらない。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
旗本御家人 (歴史新書y) 新書 – 2011/10/6
氏家 幹人
(著)
◆表紙に若干のスレがありますが、紙面の状態は概ね良好です。 ◆カバーに日焼け・キズ・イタミがあります。
- 本の長さ254ページ
- 言語日本語
- 出版社洋泉社
- 発売日2011/10/6
- ISBN-104862488226
- ISBN-13978-4862488220
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 洋泉社 (2011/10/6)
- 発売日 : 2011/10/6
- 言語 : 日本語
- 新書 : 254ページ
- ISBN-10 : 4862488226
- ISBN-13 : 978-4862488220
- Amazon 売れ筋ランキング: - 690,128位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 5,490位歴史ノンフィクション
- - 20,191位日本史 (本)
- - 49,064位新書
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4.2つ
5つのうち4.2つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
11グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2012年2月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2015年6月17日に日本でレビュー済み
旗本や御家人について、余り知らなかったので、色々知ることができました。
昔も今も、人の思いは通じるところがありますね。。江戸時代について、もっと知りたいし、読んでみたいです。
昔も今も、人の思いは通じるところがありますね。。江戸時代について、もっと知りたいし、読んでみたいです。
2013年3月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
江戸時代の武士たちの生活がよく分かり面白い。江戸時代も現代のように就職活動は大変だったと知りました。
2012年3月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
同じ著者の本の中では(同時代、同類の内容がかぶる場合)これが一番かなと思いました。ただおもしろがらせようと、妙に回りくどい言い回しをしているのが気になりました。もっと簡潔に書いてもらった方が読みやすい。もっとも簡潔に書くとこれだけのページ数にならないのかも知れませんが。
同じ旗本の実態を書いた本で、「江戸の旗本事典」(小川恭一)がありますが、こちらの方がずっと内容は濃いです。「事典」という名称に引いてしまう人もいるかも知れませんが、読み物として十分面白く仕上がっています。
同じ旗本の実態を書いた本で、「江戸の旗本事典」(小川恭一)がありますが、こちらの方がずっと内容は濃いです。「事典」という名称に引いてしまう人もいるかも知れませんが、読み物として十分面白く仕上がっています。
2014年1月8日に日本でレビュー済み
他の評に安直云々の表現があって、あまり期待しないで読んだが、実際にはかなりきちんとした歴史書だった。たしかに取り上げ方は順不同に近いが、内容は「よしの冊子」以下多くの史料との対照も行なっており、著者の見識のほどが推察できる。巻末に60編以上の参考文献リストがあるが、おそらく著者は全部読んでいるのだろう。同じ「醇堂叢稿」を扱った本でも「幕末の毒舌家」に比べて表現はかなり冷静かつ客観的で、編集者がつけたのであろう煽ったような副題「驚きの〜」は似合わない。そのあたりが逆に読みやすさを損ねている可能性があり、ある程度近世に関心があって基礎知識がある人でないと、軽く読むのはつらいかも知れない。
2017年3月29日に日本でレビュー済み
江戸時代の中堅下級官僚ともいうべき旗本御家人の生態を、歴史家の著者が出典明記の上活写したもの。引用は幕末の毒舌家大谷木醇堂の「醇堂叢稿」からが多いが、それ他に松浦静山の「甲子夜話」、水野為長の松平定信への報告書「よしの冊子」、勝子吉の「夢酔独言」、幕府の公式記録である「徳川実紀」「寛政重修諸家譜」など多くの客観的資料に基づいており、幕臣の公的生活がリアルに描かれている。
興味深い話満載であるが、現在にも通じるような面白かった点を列挙すると、
①登城に際してドレスコードがあり、足袋の着用、眼鏡や杖の使用には許可願いを出し,外観も大切でカツラや付鬢を用いた。
②職場の新入りに対するイジメが横行しており、うつ病や出勤拒否になる者もあった。稀には勇気ある若手の反抗や刃傷沙汰も起きた。
③求職活動は大変で、有力者の自宅への嘆願(「対客登城前」)は常態化しており、10年、20年通った者もいた。
④役職にもいろいろあって、人気が高いのは付届けが多くまた公用品流用も可能な「役得」職場、不人気なのは就任に際し多額の出費が強いられる「役損」職場だ。
本書で初めて知り、意外に思った点を列挙すると、
①江戸も後期になると、御家人株を買った庶民出自の者が能力に応じて昇進する「なりあがり立身」もあり、社会は流動性に富んでいた。
②元火消人夫や全身に刺青した任侠タイプの旗本は実在したようで、遠山の金さんも全くの絵空事ではない。
③「老衰場」と呼ばれる高齢者向け職場があり、自ら辞退しない限り80歳、90歳まで務める者もいた。また、本人死亡を隠し家族が俸禄を受けることも多々あった。
④届け出年齢と実年齢にはかなり差があった。これは当主が17歳未満で死亡すると養子もかなわずお家断絶となることの予防措置として年齢を水増しすることからだ。
本書は雑多なエピソードの集成ではあるが、今も変わらない宮仕えの哀歓に思いを重ねながら楽しく読んだ。
興味深い話満載であるが、現在にも通じるような面白かった点を列挙すると、
①登城に際してドレスコードがあり、足袋の着用、眼鏡や杖の使用には許可願いを出し,外観も大切でカツラや付鬢を用いた。
②職場の新入りに対するイジメが横行しており、うつ病や出勤拒否になる者もあった。稀には勇気ある若手の反抗や刃傷沙汰も起きた。
③求職活動は大変で、有力者の自宅への嘆願(「対客登城前」)は常態化しており、10年、20年通った者もいた。
④役職にもいろいろあって、人気が高いのは付届けが多くまた公用品流用も可能な「役得」職場、不人気なのは就任に際し多額の出費が強いられる「役損」職場だ。
本書で初めて知り、意外に思った点を列挙すると、
①江戸も後期になると、御家人株を買った庶民出自の者が能力に応じて昇進する「なりあがり立身」もあり、社会は流動性に富んでいた。
②元火消人夫や全身に刺青した任侠タイプの旗本は実在したようで、遠山の金さんも全くの絵空事ではない。
③「老衰場」と呼ばれる高齢者向け職場があり、自ら辞退しない限り80歳、90歳まで務める者もいた。また、本人死亡を隠し家族が俸禄を受けることも多々あった。
④届け出年齢と実年齢にはかなり差があった。これは当主が17歳未満で死亡すると養子もかなわずお家断絶となることの予防措置として年齢を水増しすることからだ。
本書は雑多なエピソードの集成ではあるが、今も変わらない宮仕えの哀歓に思いを重ねながら楽しく読んだ。
2012年3月26日に日本でレビュー済み
旗本であった大谷木醇堂が著した『醇堂叢稿』をネタ本にして当時の幕臣世界の現実を著したものだが、興味本位に流れて全体としてまとまりに欠く印象を受ける。事柄の紹介にとどまっていて、軽い読み物としてはこれくらいでいいんだろうが、現代と比較してうんぬんというのは安直過ぎる気がする。