本書のタイトルが「徹底図解!!よみがえる東京駅」であり、表紙に印刷された帯には「復原東京駅の全貌」とあるから、誰しも2012年10月に完成する、あのドーム屋根の東京駅をどのような建築・土木技術で復原させたか。乗客向け施設や建物の内部装飾などはどの程度復原され、または改変せざるを得なかったか。設計技術者や工事担当者の苦心なども交えて展開されている手引書だと思ってしまう。それがとんだ早トチリなのだ。本書を片手に復原された東京駅を観察しようとするのは無理だ。
なぜなら、本書の内容をより正確に表したタイトルをつければ「写真による東京駅の歴史」あたりが妥当。ゆめゆめ名著モリナガ・ヨウ作「図解絵本東京スカイツリー」のような「手描き図」は期待しないように。鉄道作家宮脇俊三氏が1980年国鉄時代の駅員の業務を描写した文章を掲載していて歴史としては興味深いが、どうせならテレビにも取上げられた新幹線クリーニングスタッフの組織的な早わざや駅ナカの現状などを伝えて欲しかった。
長所としてはＡ４サイズなので１ページに数枚配された写真がでかい。ただし57ページにある記述「外濠川が埋立てられて外濠通りになった」は誤りで、外堀が埋立てられる以前から外堀に沿って外堀通りはあったのです。

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徹底図解!!よみがえる東京駅 (洋泉社MOOK) ムック – 2012/5/29

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