正直、一番大きな印象は、
娘が二人もできると、宮台真司も変わるなあ、
ということです。
自分には小学生の娘がいますが、
中学生になったら、読ませてもいいと思いました。
実際の内容は、中高生向けというよりも、
ある程度の学力のある大人向けという印象でした。
最初から半分までは、比較的楽に読めますが、
半分以降は少し理屈っぽく、中学生女子は読むかなぁ?
と疑問に思ってしまいました。
逆に言うなら、理屈っぽい話が好きな人には面白いです。
理想として、この本を理解してくれるような子に
自分の娘がなってくれたらいいなぁ、と思います。
あえて、書き込みをせずに、書斎の棚に置いておきます。
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中学生からの愛の授業 単行本(ソフトカバー) – 2010/6/15
宮台真司
(著)
【著作者より】
中学生や高校生のみなさんへ
そしてかつて中高生だった大人たちへ—
今の日本では、年齢に 関係なく、迷いながら生きている人たちが本当に多いと思います。コミュニケーションがうまくできず、恋人や友人や家族といい関係が作れずに悩んでいる人も いるでしょう。恋人や友達を作れず、孤独で苦しんでいる人もいるだろうと思います。
こんなに便利で豊かな社会になったというのに、どうして幸せ になれないのでしょう。不況が深刻で、仕事のない人が増えたからでしょうか。統計調査をすると、日本よりもずっと貧しい国なのに、幸せだと答える割合が日 本人よりも圧倒的に多い国が多数あります。
どうやったら幸せに生きられるのか——これが昔も今も共通する問いです。というより、昔よりも今のほ うが、みんなが答えを欲しがっている問いだと思います。その問いに対し、僕は「愛」というキーワードを提起します。「愛」に包まれることで人は幸せになれ ます。
「今どき愛かよ?」「きれいごとじゃないの?」とあなたは思いますか? 早まらないでください。今はそう思うしかないような状況に、あな たがいるのかもしれない。けれど、やがて状況は変わり、あなたも変わります。いつまでも「今」が続くわけではありません。
「きれいごとじゃない の?」と強く反発したあなたは、むしろ本当は「愛」が欲しいからこそ、僕のようなストレートな物言いが不愉快になったのではありませんか? それで良いで す。反発しながら読んでみてください。なぜ反発するのかを考えながら読んでください。
「愛」にはいろんな種類があります。あなたが「きれいご と」だと思った「愛」は、それらのなかのたかだか一つでしかありません。いろんな種類があって、時代や社会が変わると「愛」のイメージがすっかり変わって しまうことを、この本では詳しく述べています。
僕は社会学者です。世の中の習慣や制度の機能を研究しています。元々は国家権力の研究者でした が、やがてオタクを含めたサブカルチャー、援助交際を含めた性愛、最近の日米での政権交代を含めた政治、カルト(狂信集団)を含めた宗教の研究へと拡がり ました。
中高生のみなさんから見れば、みなさんのご両親よりもずっと年上の50歳です。昭和30年代の記憶を鮮やかに持っています。5年前に 20歳年下の妻と結婚して、今は3歳と0歳の二人の娘たちがいます。娘たちの年齢はみなさんよりもずっと年下になります。
この本はやがて僕の娘 たちが読むでしょう。でも、この本には、僕が昔いろいろ悪いことをしていた事実も、不幸だった過去も書いてあります。人生をうまく生きることがもともと難 しいと分かったからこそ「愛」しかないと思うようになりました。
では、「愛」とは何なのか? 「愛」をキーワードにすると、人間関係や世の中が どう見えてくるのか? そこからどんな知恵が得られるのか? それをお話しすべく、『愛の授業』を始めたいと思います。五人の女子中学生に対する個人授業 という形式をとります。
中学生や高校生のみなさんへ
そしてかつて中高生だった大人たちへ—
今の日本では、年齢に 関係なく、迷いながら生きている人たちが本当に多いと思います。コミュニケーションがうまくできず、恋人や友人や家族といい関係が作れずに悩んでいる人も いるでしょう。恋人や友達を作れず、孤独で苦しんでいる人もいるだろうと思います。
こんなに便利で豊かな社会になったというのに、どうして幸せ になれないのでしょう。不況が深刻で、仕事のない人が増えたからでしょうか。統計調査をすると、日本よりもずっと貧しい国なのに、幸せだと答える割合が日 本人よりも圧倒的に多い国が多数あります。
どうやったら幸せに生きられるのか——これが昔も今も共通する問いです。というより、昔よりも今のほ うが、みんなが答えを欲しがっている問いだと思います。その問いに対し、僕は「愛」というキーワードを提起します。「愛」に包まれることで人は幸せになれ ます。
「今どき愛かよ?」「きれいごとじゃないの?」とあなたは思いますか? 早まらないでください。今はそう思うしかないような状況に、あな たがいるのかもしれない。けれど、やがて状況は変わり、あなたも変わります。いつまでも「今」が続くわけではありません。
「きれいごとじゃない の?」と強く反発したあなたは、むしろ本当は「愛」が欲しいからこそ、僕のようなストレートな物言いが不愉快になったのではありませんか? それで良いで す。反発しながら読んでみてください。なぜ反発するのかを考えながら読んでください。
「愛」にはいろんな種類があります。あなたが「きれいご と」だと思った「愛」は、それらのなかのたかだか一つでしかありません。いろんな種類があって、時代や社会が変わると「愛」のイメージがすっかり変わって しまうことを、この本では詳しく述べています。
僕は社会学者です。世の中の習慣や制度の機能を研究しています。元々は国家権力の研究者でした が、やがてオタクを含めたサブカルチャー、援助交際を含めた性愛、最近の日米での政権交代を含めた政治、カルト(狂信集団)を含めた宗教の研究へと拡がり ました。
中高生のみなさんから見れば、みなさんのご両親よりもずっと年上の50歳です。昭和30年代の記憶を鮮やかに持っています。5年前に 20歳年下の妻と結婚して、今は3歳と0歳の二人の娘たちがいます。娘たちの年齢はみなさんよりもずっと年下になります。
この本はやがて僕の娘 たちが読むでしょう。でも、この本には、僕が昔いろいろ悪いことをしていた事実も、不幸だった過去も書いてあります。人生をうまく生きることがもともと難 しいと分かったからこそ「愛」しかないと思うようになりました。
では、「愛」とは何なのか? 「愛」をキーワードにすると、人間関係や世の中が どう見えてくるのか? そこからどんな知恵が得られるのか? それをお話しすべく、『愛の授業』を始めたいと思います。五人の女子中学生に対する個人授業 という形式をとります。
- 本の長さ271ページ
- 言語日本語
- 出版社コアマガジン
- 発売日2010/6/15
- ISBN-104862527361
- ISBN-13978-4862527363
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商品の説明
著者について
宮台真司(みやだい・しんじ)
社会学者。映画評論家。1959年3月3日、宮城県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。首都大学東京教授(社会学博士)。1990年代、朝日新聞紙上での「ブルセラ論戦」を皮切りに、混迷する若者文化を社会学を援用した独自の理論で解明し、一躍論壇の主役に躍り出る。共著を含め、100冊以上の著書を出版。現在は2児の父でもある。
社会学者。映画評論家。1959年3月3日、宮城県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。首都大学東京教授(社会学博士)。1990年代、朝日新聞紙上での「ブルセラ論戦」を皮切りに、混迷する若者文化を社会学を援用した独自の理論で解明し、一躍論壇の主役に躍り出る。共著を含め、100冊以上の著書を出版。現在は2児の父でもある。
登録情報
- 出版社 : コアマガジン (2010/6/15)
- 発売日 : 2010/6/15
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 271ページ
- ISBN-10 : 4862527361
- ISBN-13 : 978-4862527363
- Amazon 売れ筋ランキング: - 708,255位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1959年、宮城県生まれ。
社会学者、評論家。首都大学東京教授。公共政策プラットフォーム研究評議員。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了(社会学博士)。『日本の難点』(幻冬舎)、『14歳からの社会学』(世界文化社)、『中学生からの愛の授業』(コアマガジン)『<世界>はそもそもデタラメである』(メディアファクトリー)、『制服少女たちの選択』(朝日文庫)、『終わりなき日常を生きろ』(ちくま文庫)など多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年9月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2010年7月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
○出版早々、さっそく男子高校生にあげました。中学生の妹もいるので、兄弟仲良く楽しんでくれることでしょう。こういう時は、まだ印刷物の形態が便利ですね。
○次のような方にオススメします。
(1)恋・愛について、若者に何か伝えたいけれど、言い難い
(2)恋・愛について、常識的ではない考え方を知りたい
(3)著者の人生遍歴を楽しみたい
○(3)の観点では、こうした著作をまとめられるのも、部分によって説得力があったりなかったりするのも、著者のこれまでの人生遍歴があってこそのこと、と思われます。一つの人生のストーリーが描かれること、主人公が思い悩み試行錯誤を繰り返すこと、一種のユートピアを描いて希望を持たせたまとめになっていること。一つの青春小説として読みました。
○次のような方にオススメします。
(1)恋・愛について、若者に何か伝えたいけれど、言い難い
(2)恋・愛について、常識的ではない考え方を知りたい
(3)著者の人生遍歴を楽しみたい
○(3)の観点では、こうした著作をまとめられるのも、部分によって説得力があったりなかったりするのも、著者のこれまでの人生遍歴があってこそのこと、と思われます。一つの人生のストーリーが描かれること、主人公が思い悩み試行錯誤を繰り返すこと、一種のユートピアを描いて希望を持たせたまとめになっていること。一つの青春小説として読みました。
2018年2月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
社会が生きづらい、そんな世の中で愛や恋で生き抜くことができることを教えてくれる本です。そこらの宗教勧誘本より現実的です(笑)
思春期にもっと早く読みたかったです。子供向けなんで読みやすい文体になってるので、時間のない大人も読みやすいかと。
思春期にもっと早く読みたかったです。子供向けなんで読みやすい文体になってるので、時間のない大人も読みやすいかと。
2010年9月7日に日本でレビュー済み
まさか本気で、中学生がこの本を読もうとすると考えてるんだろうか。唯一可能性がありそうなのは、宮台ファンの親が子供に買い与えたり、勘違いした教師が推薦図書にするパターンのヤツや!
まず表紙(本のカバー)が相当恥ずかしい。江原啓之か誰かのスピリチュアル系の雰囲気である。前書きも、著者が自分の結婚や娘の話を持ち出していて何だか気持ち悪い。思わず、今更どの面下げて「愛」を語る?!って、突っ込みたくなった。
5人の(架空の?)女子中学生を生徒役に、作者があれこれ教えを垂れる、って構成なんだが、各章扉に描かれたその女子中学生の絵姿が又、ステレオタイプ化されていて悪趣味。作者が書いたと思われる女子中学生の質問や返答も、なんだかワザとらしくて変。
宮台の「授業内容」の方は、意外にもこれまで彼が著書や対談で述べていた内容と殆ど変わらなかったので、80%くらいは既知のことであった。オタクの変遷史、特に最近のAKBのマーケティング戦略とか、が私にはやや目新しかったくらい。
小林よしのりがかつて『戦争論』を出した時のように、「え、これってギャグでやってんの?」って疑問がわいた。なんか宣伝用動画まで公開してるし、宮台、一体どーなっちゃったの?
まず表紙(本のカバー)が相当恥ずかしい。江原啓之か誰かのスピリチュアル系の雰囲気である。前書きも、著者が自分の結婚や娘の話を持ち出していて何だか気持ち悪い。思わず、今更どの面下げて「愛」を語る?!って、突っ込みたくなった。
5人の(架空の?)女子中学生を生徒役に、作者があれこれ教えを垂れる、って構成なんだが、各章扉に描かれたその女子中学生の絵姿が又、ステレオタイプ化されていて悪趣味。作者が書いたと思われる女子中学生の質問や返答も、なんだかワザとらしくて変。
宮台の「授業内容」の方は、意外にもこれまで彼が著書や対談で述べていた内容と殆ど変わらなかったので、80%くらいは既知のことであった。オタクの変遷史、特に最近のAKBのマーケティング戦略とか、が私にはやや目新しかったくらい。
小林よしのりがかつて『戦争論』を出した時のように、「え、これってギャグでやってんの?」って疑問がわいた。なんか宣伝用動画まで公開してるし、宮台、一体どーなっちゃったの?
2013年4月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
迅速な対応で助かりました
性教育の助けになりました
リアルでよかったです
性教育の助けになりました
リアルでよかったです
2013年12月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
宮台真司が独自の視点で論じている書物。
石原慎太郎氏が面白い学者と言っていたという人物だが、
賛同できる部分と理解できない部分は多くの読者が感じていることだろう。
今回は十代の恋愛や性など日本ではタブーになりがちな問題を論じている。
登場する生徒役の女子中学生はいかにもステレオタイプなキャラではあるが、
これも宮台氏がわかりやすく解説するためにしたことだろう。
自身の体験や調査も絡めているおり、説得力がある部分もあった。
文章は比較的読みやすいので、おすすめです。
石原慎太郎氏が面白い学者と言っていたという人物だが、
賛同できる部分と理解できない部分は多くの読者が感じていることだろう。
今回は十代の恋愛や性など日本ではタブーになりがちな問題を論じている。
登場する生徒役の女子中学生はいかにもステレオタイプなキャラではあるが、
これも宮台氏がわかりやすく解説するためにしたことだろう。
自身の体験や調査も絡めているおり、説得力がある部分もあった。
文章は比較的読みやすいので、おすすめです。
2010年8月28日に日本でレビュー済み
この本はすごいです。
良く出来てます。(文体も、ロジックも、テーマも、挿絵も)
宮台真司さんは、妙に難解な文体・言い回しを多様される方だという印象があって、嫌厭していたのですが(その思想の方向性には親密感をいだいていましたが)、
この本はとても平明に書かれています(まるで別人のように)。
私はかれこれ、8年くらい宮台さんの本は読んでいなかったのでわからないのですが、これは『14歳からの社会学』くらいからの変化なのでしょうか?
…とにかく、「深くて、倫理的で、知的で、成熟的で、それでいて、平明である」という、私が理想とする内容の本になっています!
そう、例えば、私が特に尊敬する苫米地英人さんや、内田樹さんが語っているような仕方で、宮台真司さんが語っているような感じがしました。
<引用開始>
5年前に(…)結婚して、今は3歳と0歳の二人の娘たちがいます。(…)
この本はやがて僕の娘 たちが読むでしょう。(…)人生をうまく生きることがもともと難 しいと分かったからこそ「愛」しかないと思うようになりました。
<引用終了>
…この変化の主な原因は、きっと結婚(子ども)だと考えています。
結婚(子ども)の力ってすごいですね。
(エヴァンゲリヲンの庵野秀明さんもそうですけど(新劇場版は、旧作に比べてかなりの人格的調和を感じました)。)
著書の中の一部だけを切り取って記すのは、誤解を招くこともあるかもしれないですけど、以下は、私が特に印象に残った部分です。
<引用開始>
不幸は幸福の始まり。幸福は不幸の始まり。失敗は成功のもと。成功は失敗のもと。人生の終着点から振り返ったとき、何が良くて、何が悪かったのか、終着点に到着する前には決してわからないということだ。(…)
では、「人間万事塞翁が馬」を踏まえた上で、性愛について考えてみよう。妊娠や病気はヤバい。それはわかってる。でも、妊娠して中絶した経験も、性病にかかった経験もないのに、一度も幸せな性愛を経験したことがないって言う女の子は、ごまんといるんだよ。
逆に、中絶経験も性病経験もあるけど、あれこれあって、今は幸せな恋愛生活や家族生活を送っているっていう子も、ごまんといるんだ。つまり、妊娠や病気は気をつけなきゃいけないけど、そこで失敗したからって絶望しちゃいけない。コレはとても大切な事だ。
(本書76ページ)
<引用終了>
<引用開始>
結局、「隔離より免疫化」と「尊厳の保護」の両方が大切なんだ。けれど、この二つは場合によってはぶつかり合う。免疫化のためにはそれなりに試行錯誤が必要になるけれど、試行錯誤の仕方によっては尊厳が傷つけれれる可能性があるからだよね。
だからこそ、この二つをどうかけ合わせて、どんなバランスでやっていくかが大事になるんだ。しかも、どんな掛け合わせの仕方が適切かは、時代や社会によって、また個人の性格によって、かなり違ってくる。となると、大人がよく観察することが必要になる。
つまり、リカさんが近い将来に幸せな性愛生活を送れるように、「尊厳の保護」に気をつけながら「隔離より免疫化」のための試行錯誤をしてもらうには、親などまわりの大人がキミをよくみて、「今」の段階でどんなバランスがいいのかを判断しなきゃいけない
リカさんが傷つきやすいなら「尊厳の保護」に重きを置いて、ゆっくり「免疫化」したほうがいい、といった具合にね。
(本書84〜85ページ)
<引用終了>(※「リカさん」というのは、対話相手として著書の中に登場する架空の女の子の名前です。)
まさに、宮台式性教育ですね。
宮台さんに一票です。
後半では、政治思想、環境問題、核などの世界秩序について述べられています。
良く出来てます。(文体も、ロジックも、テーマも、挿絵も)
宮台真司さんは、妙に難解な文体・言い回しを多様される方だという印象があって、嫌厭していたのですが(その思想の方向性には親密感をいだいていましたが)、
この本はとても平明に書かれています(まるで別人のように)。
私はかれこれ、8年くらい宮台さんの本は読んでいなかったのでわからないのですが、これは『14歳からの社会学』くらいからの変化なのでしょうか?
…とにかく、「深くて、倫理的で、知的で、成熟的で、それでいて、平明である」という、私が理想とする内容の本になっています!
そう、例えば、私が特に尊敬する苫米地英人さんや、内田樹さんが語っているような仕方で、宮台真司さんが語っているような感じがしました。
<引用開始>
5年前に(…)結婚して、今は3歳と0歳の二人の娘たちがいます。(…)
この本はやがて僕の娘 たちが読むでしょう。(…)人生をうまく生きることがもともと難 しいと分かったからこそ「愛」しかないと思うようになりました。
<引用終了>
…この変化の主な原因は、きっと結婚(子ども)だと考えています。
結婚(子ども)の力ってすごいですね。
(エヴァンゲリヲンの庵野秀明さんもそうですけど(新劇場版は、旧作に比べてかなりの人格的調和を感じました)。)
著書の中の一部だけを切り取って記すのは、誤解を招くこともあるかもしれないですけど、以下は、私が特に印象に残った部分です。
<引用開始>
不幸は幸福の始まり。幸福は不幸の始まり。失敗は成功のもと。成功は失敗のもと。人生の終着点から振り返ったとき、何が良くて、何が悪かったのか、終着点に到着する前には決してわからないということだ。(…)
では、「人間万事塞翁が馬」を踏まえた上で、性愛について考えてみよう。妊娠や病気はヤバい。それはわかってる。でも、妊娠して中絶した経験も、性病にかかった経験もないのに、一度も幸せな性愛を経験したことがないって言う女の子は、ごまんといるんだよ。
逆に、中絶経験も性病経験もあるけど、あれこれあって、今は幸せな恋愛生活や家族生活を送っているっていう子も、ごまんといるんだ。つまり、妊娠や病気は気をつけなきゃいけないけど、そこで失敗したからって絶望しちゃいけない。コレはとても大切な事だ。
(本書76ページ)
<引用終了>
<引用開始>
結局、「隔離より免疫化」と「尊厳の保護」の両方が大切なんだ。けれど、この二つは場合によってはぶつかり合う。免疫化のためにはそれなりに試行錯誤が必要になるけれど、試行錯誤の仕方によっては尊厳が傷つけれれる可能性があるからだよね。
だからこそ、この二つをどうかけ合わせて、どんなバランスでやっていくかが大事になるんだ。しかも、どんな掛け合わせの仕方が適切かは、時代や社会によって、また個人の性格によって、かなり違ってくる。となると、大人がよく観察することが必要になる。
つまり、リカさんが近い将来に幸せな性愛生活を送れるように、「尊厳の保護」に気をつけながら「隔離より免疫化」のための試行錯誤をしてもらうには、親などまわりの大人がキミをよくみて、「今」の段階でどんなバランスがいいのかを判断しなきゃいけない
リカさんが傷つきやすいなら「尊厳の保護」に重きを置いて、ゆっくり「免疫化」したほうがいい、といった具合にね。
(本書84〜85ページ)
<引用終了>(※「リカさん」というのは、対話相手として著書の中に登場する架空の女の子の名前です。)
まさに、宮台式性教育ですね。
宮台さんに一票です。
後半では、政治思想、環境問題、核などの世界秩序について述べられています。
2010年9月25日に日本でレビュー済み
中学生ではなく20代男性ですが、ちょっと手に取ってみました。
1章 恋と愛
2章 性と愛
3章 学校と愛
4章 世の中と愛
5章 社会と愛
1章、2章は、すごく良いです。
というより、個人的には読む価値があったのは1,2章だけでした。
要約すると、現代における恋愛やセックス、結婚についての現状分析+生き方指南で、できちゃった結婚の離婚率が高い理由、中高生のセックスの是非、援助交際、草食系男子登場の理由、などがトピックスとして上がってきます。
著者の性愛観は、若いうちは傷付くことを恐れず試行錯誤して(ただし、回復不能な傷を負うようなことは避ける)、「これは」と思う相手が見つかれば、結婚して家族を作るべきだ、というものです。
3章は、ゆとり教育批判批判、メンへル系増加の理由、学校、ネット社会批判、自殺問題、などですが、この章だけなぜか下品な表現が多く、分析も粗いです。
4章は、オタクの分析、腐女子(ボーイズラブの読者)の心理、ドラッグ問題など
5章は、格差問題は経済よりも社会的な「包摂」がないのが問題という指摘、「包摂」を理解しているオバマ大統領の賛美、日本の外交批判、ネット右翼批判など
それで、宮台真司氏はかつて、ゆとり教育推進のために「ジュラシック・パーク理論」というものを持ち出しました。
「ジュラシック・パーク」というのは1993年公開のSF映画で、遺伝子技術で復活させた恐竜を、サファリパークのように放し飼いして見せる島を作ったが、恐竜達は人間のコントロールを破り、襲ってくるようになり、人間達は命からがら島から逃げ出す、という内容です。
ちょうど酒鬼薔薇聖斗事件の後で、宮台氏は「キレる」中学生を恐竜に見立て、「教育をこのままにしていると、中学生達はジュラシック・パークの恐竜みたいに、どんどん人を襲いだす」と主張、これを「ジュラシック・パーク理論」と名づけたのでした。
詳しくは、香山リカ「インターネット・マザー」に書かれていますが、正直、宮台氏の教育論・学校論は今のものも含め、信用に値するのか疑問です。
性愛については実用的なので、☆4つで。
1章 恋と愛
2章 性と愛
3章 学校と愛
4章 世の中と愛
5章 社会と愛
1章、2章は、すごく良いです。
というより、個人的には読む価値があったのは1,2章だけでした。
要約すると、現代における恋愛やセックス、結婚についての現状分析+生き方指南で、できちゃった結婚の離婚率が高い理由、中高生のセックスの是非、援助交際、草食系男子登場の理由、などがトピックスとして上がってきます。
著者の性愛観は、若いうちは傷付くことを恐れず試行錯誤して(ただし、回復不能な傷を負うようなことは避ける)、「これは」と思う相手が見つかれば、結婚して家族を作るべきだ、というものです。
3章は、ゆとり教育批判批判、メンへル系増加の理由、学校、ネット社会批判、自殺問題、などですが、この章だけなぜか下品な表現が多く、分析も粗いです。
4章は、オタクの分析、腐女子(ボーイズラブの読者)の心理、ドラッグ問題など
5章は、格差問題は経済よりも社会的な「包摂」がないのが問題という指摘、「包摂」を理解しているオバマ大統領の賛美、日本の外交批判、ネット右翼批判など
それで、宮台真司氏はかつて、ゆとり教育推進のために「ジュラシック・パーク理論」というものを持ち出しました。
「ジュラシック・パーク」というのは1993年公開のSF映画で、遺伝子技術で復活させた恐竜を、サファリパークのように放し飼いして見せる島を作ったが、恐竜達は人間のコントロールを破り、襲ってくるようになり、人間達は命からがら島から逃げ出す、という内容です。
ちょうど酒鬼薔薇聖斗事件の後で、宮台氏は「キレる」中学生を恐竜に見立て、「教育をこのままにしていると、中学生達はジュラシック・パークの恐竜みたいに、どんどん人を襲いだす」と主張、これを「ジュラシック・パーク理論」と名づけたのでした。
詳しくは、香山リカ「インターネット・マザー」に書かれていますが、正直、宮台氏の教育論・学校論は今のものも含め、信用に値するのか疑問です。
性愛については実用的なので、☆4つで。